元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

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先週は更新できず申し訳ないです。 どうも、風邪気味っぽかったので


第四十話

「さて、全員に来てもらったのは他でもない、これからのことだ」

 

家族である玉藻、リリィ、マシュ、ハサンを東京臨時支部の一室、俺にあてがわれた執務室に集めそう告げる。 まぁ、いきなりのことでみんなは不思議そうな顔をしていたが

 

「なのはが墜ちそうになった件は知ってるな」

 

俺がそう問えば、みんなは頷いた。 今回の事は、大事な執務官試験を控えているフェイト・テスタロッサには言われなかったようだが、それ以外には全員何らかの形で伝達がされているという話を聞いていた

 

「その件で、なのはが受け持っていた任務を俺とお前たち、それと簡単な任務を藤森(アイツ)でこなすことになった」

 

「うぇー...... それって休日がつぶれるってことですかー?」

 

玉藻が心底嫌そうな顔をするが、俺は苦笑して返事をする

 

「一応最低限の休みはとれるようにスケジュールは管理する予定だが、その可能性は高いだろうな」

 

「これがブラック管理局の実態なんですね、玉藻泣いちゃいそうですぅ」

 

「すまないな」

 

「いえ、マスターのせいではありません」

 

「そうですマスター、私も微力ながら力をお貸ししますので!」

 

そう言って俺を慰めてくれるリリィに、妙にやる気みなぎるマシュ。 頼もしく思いながらハサンを見れば、分かっているという風に頷いている。 そもそもハサンに関しては、初代様からもっと働かせろというお達しが来ていたので心を鬼にする所存だ。 一応、抑えてはいたものの、そろそろ首出せ案件になりそうだったので。 俺は俺で、たるんでいるそうなのであの夢空間で初代様と手合わせ進行中だ

 

「ともかくそういうわけだ、みんなよろしく頼む」

 

座っていた椅子から立ち上がり、みんなに頭を下げる。 顔を上げれば、みんなは真剣な表情で頷いていた

 

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それからというもの、かなり忙しかった。 俺は俺個人で来る任務をこなしながら、なのはの任務を引き継ぎその任務で飛び回り。 家族の方も、そんな感じだ。 一応、スケジュールは管理して俺より忙しくないようにはしておいたのだが。 なので、この頃家にも帰ってないし、家族にも会っていない。 今も報告書や次の任務での書類の作成中だ。 そんな中、ドアからノック音がする。 時計を見れば深夜で、この時間にくる人間は限られているのでそのまま書類をキリのいいところまで進める

 

「まったく、ノックをしても反応がないのはいささか感じが悪いんじゃないか?」

 

「この時間に東京臨時支局(ここ)に居るのは限られた人間だけだし、そんな中コーヒーを持ってくるのはお前くらいだ」

 

そう言ってキリのいいところまで纏めた書類を片付け、クロノを見る。 それもそうかといって、コーヒーを差し出してくる。 それを受け取りつつ、クロノにここに来た用件を聞く

 

「それで、なんか用か?」

 

「なんだ、用がなければ来ちゃいけないのか?」

 

「そういうわけでもないが、忙しいんでな」

 

「まったく......」

 

呆れたとでも言いたげな顔をしながらコーヒーを飲むクロノになんだコイツと思いつつ、俺もコーヒーを飲む

 

「こっちに来て僕も自分で働きすぎだと思ったが、今の君はそれ以上だな」

 

「それなら変わってくれてもいいぞ、てか変われ」

 

「そのくらいの軽口が叩けるようなら大丈夫そうだな」

 

「へぇ、心配してくれるのか」

 

何て談笑しながら、コーヒーをちびちび飲む。 それから数分後、飲み終わったカップをクロノに返しながら聞きたかったことを聞く

 

「それで、なのはの方は?」

 

「リンカーコアは順調に回復、らしい。 ただ、まだ任務に出すわけにはいかない。 これが医者の見解だ」

 

「ほーん、いいんじゃない?」

 

「医者の見立てでは、完全回復まで半年から一年だそうだ」

 

「じゃあそれまではヴィータに頑張ってもらうしかないな」

 

「きみも、だ。 他の局員からも君は働きすぎだと言われている。 実際、家にどのくらい帰ってないんだ?」

 

「なのはが墜ちそうになって数日後からか?」

 

「もう四、五か月になるじゃないか......」

 

「休憩は終わりだ、気が散る」

 

「・・・・・・」

 

クロノは何とも言えない表情で俺の執務室を後にした

 

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何時もなら書類などは上司であるクロノに提出すればそれで終わりなのだが、たまに管理局本局に直で提出しなければいけないものもある。 今回はその直で提出しなければならない書類が出てしまったので、本局に足を運んでいた。 久しぶりに本局に来たが、居心地が悪いこと悪いこと。 俺がそう感じているだけかもしれないが。 書類はもう提出し終えているので、こんな居心地悪いところなどとっとと出て行くに限る。 そう思いながら、俺は本局を歩いていた。 すると、前方に見知った顔が。 あちらは書類とにらめっこしているために気が付いてないが、このままだとぶつかるコースだ。 ・・・・・・なんで俺がこんなことを指摘しなければならないのか

 

「おい、書類見て歩くのは構わないが周りにも気を払え」

 

「あ、すみません!て、神木!?」

 

大げさに驚き、手にしていた書類を落としてしまうアイツ。 本当に何をやってるんだか。 何故か謝っているアイツを尻目に、俺は地面に散乱した書類を拾う。 ちらっと内容を見れば、なのはの代わりの任務であろう

 

「何やってるんだお前は」

 

「す、すまん」

 

「さっきからそればかりだな」

 

書類を渡してやれば、また謝ってくる。 うんざりしながらそう言えば、今度こそ黙る。 ・・・・・・なんか変な空気になってしまったがちょうどいい、俺も忙しくてコイツと会う機会なんてほとんどないのだ

 

「礼を言う」

 

「え?」

 

「なのはの件だ。 お前があの時俺に言ってくれなければ、なのはは死んでたかもしれない。 だからその礼だ、ありがとう」

 

「・・・・・・」

 

ポカンとしているアイツには無性に腹がっ立ったが、そのまま横を通り過ぎる。 あぁ、そういえば

 

「その書類、そのまま上げると不備があるぞ。 書類の書き方くらい誰かに教われ」

 

そう言って、今度こそその場を後にした

 

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「マスター」

 

「なんだ、トーリスリッター」

 

任務の帰り、重い体に喝を入れつつ執務室に向かっていると珍しいことにトーリスリッターが話しかけてきた

 

「プレシア様からデータが転送されました」

 

「珍しい」

 

執務室についたのでコーヒーを淹れて席に座る。 そしてプレシアさんから送られてきたデータを開けば

 

「あぁ、そう言えば今日は卒業式か」

 

この頃忙しくて忘れていたが、今日は小学校の卒業式だった。 送られてきたデータは、その卒業式の様子や写真だった。 あの人親ばかだからなぁ...... それにしても俺に写真を送ってくる意味が分からないが。 ふと一枚の写真を見て動きを止める。 その写真はなのはの写真で、表情が暗かった

 

「はぁ...... なんとなく送ってきた意味が分かったわ」

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