元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第四十一話

やっとの思いでクロノに報告書を提出し、海鳴に戻ってきた。 と言っても辺りは暗く、時間にすると九時だ。 この頃は忙しくて時間の感覚どころか曜日感覚まであやふやだ。 なんて関係ないことを考えつつ、道を歩く。 何かしら考えていないと寝そうなので、考えているわけだが。 とある家の前で立ち止まり、呼び鈴を押す。 中から出てきた人に用件を伝え待つこと数分

 

「理樹君......」

 

「よぉ、なのは」

 

俺のことを見るとバツが悪いのか、視線を逸らすなのはに手をあげて挨拶をする。 あの一件以来顔を合わせてはいなかったが、元気そうだった

 

「元気そうだな」

 

「・・・・・・」

 

俺が声をかけても、視線をそらしたまま目も合わせようともしないなのは。 ただ、この場から立ち去らないところを見ると話したいとは思っているのか? ダメだ、頭が回らない

 

「だんまり、か...... 今日卒業式だったんだな、すっかり忘れてたよ」

 

「・・・・・・うん」

 

頭が働いていない影響か、全く関係ない話題に飛んだがこれには応じるなのは。 と言っても、目はそらしたままなのだが

 

「プレシアさんから写真が送られてきたよ、お前の写真とかフェイト・テスタロッサ、バニングスとか月村とかな。 まぁ、はやてなんかはリインフォースが嫌がらせかというほど写真が送られてきたが」

 

そう、あのプレシアさんが写真を送ってきた後、書類を整理していたら本当に嫌がらせかというほどリインフォースがはやての写真を送ってきたのだ。 流石に書類をまとめるのに集中したかったので、トーリスリッターに言って一時的に受信拒否にしたが

 

「それで? あの一件以来ヴィータと話したのか?」

 

「っ!?」

 

体をビクつかせ縮こまるなのはに、俺は溜息をはく。 このなのはの様子から察するに、ヴィータとも話していないようだ

 

「俺はともかくとして、ヴィータとは話しておけよ。 自分の教導の他になのはの分まで受け持ったんだから。 結構忙しかったと風の噂で聞いたしな」

 

「・・・・・・さい」

 

「ん?」

 

「ごめん、なさい!私のせいで!」

 

そう言ってうわごとのようにごめんなさいと繰り返し言うなのは。 別に責めに来たわけではないのだが...... いや、言い方的に責めるような言い方になってしまったかもしれない。 なんせ、頭働いてないし。 ともかくなのはをそのままにしておくわけにも行かず、なのはを抱き寄せる

 

「まぁ、謝って済む問題じゃないが...... 今回のようなことを二度と起こさないでくれば、それでいいさ」

 

「うぅ...... うわ......」

 

そうして泣きじゃくるなのはをあやす。 数分後、泣きじゃくる声は聞こえなくなった。 まだ鼻をすするような音はしているものの、大丈夫だろう

 

「落ち着いたか」

 

俺に抱き着きながら、頷くなのは。 顔は見えないが、ここは個人の意思を尊重しよう

 

「今回の事でお前は結構な人に迷惑をかけた、ちゃんと謝っておけよ?」

 

「うん...... ごめんね、理樹君」

 

「別に謝らなくてもいい」

 

「ううん、そうじゃないの」

 

そう言って抱き着くのをやめ、俺を見上げるなのは

 

「今回の事でいろんな人に迷惑かけたけど、一番は理樹君でしょ?」

 

「そんなことは.....」

 

「あるよね? クロノ君から聞いてるよ。 私がやるはずだった任務、ほとんど理樹君が肩代わりしたって。 この頃学校に来ないのだって」

 

そう言って視線を逸らすなのは。 クロノめ、面倒なことを。 そう思いながら、頭をガシガシと掻く

 

「その通りだ、その通りだが俺が進んでやったことだ。 いやなら嫌で、俺にも拒否権ぐらいはある。 お前が気に病むことじゃない」

 

「でも私が!!」

 

「それもなしだバカ」

 

なのはを再度抱き寄せる。 少しなのはは暴れるが、抑え込むと途端におとなしくなる

 

「確かにお前の無理や無茶がたたった結果だが、それを監督できなかった俺やクロノの責任にもなる。 ヴィータなんか、任務を一緒にこなしていたのに気が付かなかったと後悔していた。 だから必要以上に気に病むな、だが同じことは二度と起こすなよ?」

 

「理樹君は、優しすぎるよ......」

 

「前にも言われたなそれ」

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