元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

42 / 47
第四十二話

なのはも無事に回復し、前よりも魔力量が増えたらしく積極的に任務に出るようになっていた。 今度は全員の前で無茶をしないと約束したので、まぁ大丈夫だと思いたい。 それと同時に激務だった俺は強制的に休みを取らされ、行きたくもない学校に通っていた。 小学校まで行くつもりしかなかったのだが、リンディさんと玉藻、他の大人たちが手を回していたそうな。 なので、数週間は平和な学園生活を送っている。 だが平和とは脆く崩れ去るもので、意外なところからの知らせにより、俺の平和は崩される

 

「神木!」

 

「お前だったのか手紙の主は」

 

昼休み、屋上にて待つ。 そんな紙切れが下駄箱に入っていたのだ、驚いたものだ。 偶然一緒に来ていたなのはから隠すのが大変だったし、果たし状かよと思ったものだ。 約束通り屋上で待っていれば、現れたのはアイツだった。 声が予想よりも大きくてしまったみたいな顔をしているが、何かあるのだろうか? それに、中学入っても隣に居るフェイト・テスタロッサの姿がない。 フェイト・テスタロッサがいたほうが話がスムーズに進むのだが、いないものは仕方がない。 それにしても、呼び出しておいてなかなか話を切り出さない。 休み時間も有限だ、なので俺から切り出すことにした

 

「はぁ...... それで、何か用か?」

 

「その、神木に協力してほしいことがある」

 

おどおどして言う割には、瞳にはしっかりとした覚悟があった。 ふむ...... フェイト・テスタロッサには話せない内容、そしてコイツのことを嫌っている俺にあえて話す内容と言ったら一つしかないな

 

「未来に関することか」

 

「そ、その通りだ。 よくわかったな?」

 

「いつも一緒に居るフェイト・テスタロッサを同席させず、しきりに周囲を気にするような話題と言ったらそれしかないだろう。 と言っても、その内容が何なのか俺にはさっぱりだがな」

 

「その、人助けだ」

 

「・・・・・・続きは?」

 

人助け、その言葉が出た時に俺の中には何とも言えない感情が噴き出してきたが、それを飲み込み続きを促す

 

「俺たちによって既に未来が変わってる。 この間のキリエ・フローリアンの事件然り、リインフォース然り。 俺の予想以上のことが起これば、みんなを守り切ることができなくなる。 なら、そう言ったイレギュラーに対応できる人を増やしておくのは悪いことじゃないだろう?」

 

思い当たる節はあった。 キリエさんが調べた情報の中には、リインフォースがいないという情報だったし。 それにしても

 

「みんなを守る、ね」

 

「も、もちろん俺一人で守れるなんて思ってない!自分の力が足りないのもわかってる......」

 

俺がそう呟けば、慌てたように訂正する。 そして俯いてしまう。 ふーん、こいつも変わったってことか。 俯きながらも悔しそうに拳を震わせるのを見て、そう思った

 

「それで?」

 

「それにその人たちは、この先にも関わってくる人物だ。 だから頼む、助けるのを手伝ってくれ。 俺一人じゃ無理なんだ、この通りだ!」

 

土下座でもしそうな勢いで頼みこんでくる。 確かに、言ってることに間違いはない。 未来が変わってきている、それはたぶん本当のこと。 コイツの知らない事象が出て来れば、対応は遅れるだろう。 まぁそもそも、未来を知っているという時点でおかしいのだが。 本来なら死ぬはずだった人間を残しておけば、イレギュラーにも対応出来るということも分かるが...... 

 

「・・・・・・誰だ、その助ける人って言うのは」

 

「ゼスト・グランガイツ、クイント・ナカジマ、メガーヌ・アルピーノ、そしてその部隊」

 

「バカかお前は」

 

陸の英雄だった。 デバイスである槍一本でどんな困難も切り抜け、陸の上層レジアスと親友と言われる人だった。 そしてその部隊員で有名な人たちが軒を連ねる。 そもそも、その部隊は陸では最高戦力であり助ける必要なんて微塵も感じられない

 

「お、俺は本気で!」

 

「陸の最高戦力だ、やられるとは思えない。 イレギュラーがあったとして、お前の言う通り助けに行くとしてもあっちは陸だ。 俺たちは海の人間、言いたいことは分かるだろう?」

 

「確かに海と陸、いやそもそも陸は何処とも仲が悪いがそんなこと言ってる場合じゃ!」

 

「ゼスト隊はレジアスとも繋がってるんだぞ、下手に俺たちが向かえば諍いを生むだけだ。 それじゃあなくてもレジアスはレアスキル、犯罪者を嫌ってるんだぞ? お前はともかく、俺が行ったら火に油を注ぐようなものだぞ」

 

「そ、れは.......」

 

「それに根本的な問題として、何故俺たちがその場にいるか納得のいく説明ができるのか? 俺もお前も、近日中に任務なんかないぞ? 馬鹿正直に未来を知っていたのであそこでスタンバってました、とでも言う気か?」

 

「・・・・・・」

 

俺の言葉に俯いて黙ってしまう。 ただまぁ、これからのことを考えるなら陸に恩が売れる大事な機会だ、みすみす逃すのも惜しいというのも事実だ

 

「で、そのゼスト隊が襲われる日は分かっているのか?」

 

「え?」

 

「だから、その襲われる日は分かっているのか?」

 

「あ、あぁ。 いくつか怪しい任務はピックアップしておいたから、それのどれかだと思う」

 

「そのデータを送れ」

 

わかったと言って、データを送ってくる。 コイツにしてはよく調べてあるが、どういうことだ? それに陸の任務を覗く、それもゼスト隊だ。 相当なセキュリティーのはずだが...... まぁ、いい。 そして、今度は東京臨時支局のデータを覗く。 任務地が近いのをピックアップして......

 

「こんなものか? ほれ」

 

「これは...... 任務?」

 

「俺も俺で独自の権限持ってるからな、それくらいは朝飯前だ。 と言っても、本当なら俺は休暇を言い渡されている身だ。 この任務には監督役として付いて行くことになる。 言いたいことは分かるな?」

 

「俺の主導で進める、ってことだよな」

 

「あぁ。 簡単な任務だ。 終わってしばらく世界を散策しても、何も言われまい?」

 

「すまん!!」

 

そう言って頭を下てくるが、俺はそれに返事をせずに屋上を後にした

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。