ワクワクプリキュア!   作:ネフタリウム光線

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第1章 ワクワクプリキュア結成!心に漂うどんより空模様も吹き飛ばします!
第1話「蘇る伝説!プリキュアってなに!?」


第1話「蘇る伝説!プリキュアってなに!?」

 

 

 

『待ってよ……!』

 悲痛な叫びをあげる、黄色い、くるくると巻かれたツインテールが一際目を引く、同じく黄色をベースとした衣装に身を包んだ少女。その視線の先には、彼女に背を向け、豊かで長い髪を靡かせながら歩く同じくらいの年頃の少女の姿があった。そしてその更に先には、一寸先すら見通せない、深い深い闇が広がっている。

「……私には私の道があるの。私のやり方があるのよ。……またね、キュアスパーク。これまで楽しかったわ」

 歩き続ける少女は、背を向けたままそう言った。

『何かあったのなら相談だってのるし、私に出来ることならなんだって手伝うから!一人で全部抱えようとしないで!』

 キュアスパークと呼ばれた少女はそう叫びながらバッと飛び出し、もう一人の少女の元へと飛びかかる。

「邪魔をしないで!」

 しかし、それも虚しく、ようやくこちらに振り向いた彼女の手で弾き返されてしまう。

「私は必要であればあなたとだって拳を交える覚悟があるわ。でもあなたにはない、そうでしょう?私と違って、優しい子だから」

 それだけ言うと、再び彼女は歩き始めた。

『……それでいいの……?その道で本当にいいの!?』
「いい加減にしてよ!私とあなたは違うのよ、何もかもが!……またいつか会いましょう。でも次に顔を合わせる時は敵同士、かもしれないわね」

 彼女はこのセリフを最後に、闇の中へと消えて行った。

 

ーーーーーーーー

 

 雲ひとつない青空の元で、日光があちらこちらでて反射することによって、キラキラと照らされる街並み。決して大きなものではなく、高層ビルなども少ない、どちらかというと住宅街のようなものではあるが、その分都市部に比べれば緑も多く、複数の運河も設けられている。住宅街、とはいえど家々のほとんどが木造やコンクリートではなく、華やかに彩られた煉瓦の造りであり、これがまた、街に美しい色彩を与えている。静かではあるし、街灯も少ないため、晴れた夜には、それは見事な星空が映し出されることでも有名で、遠路はるばるそれを見るためだけに集まる観光客も少なくはないほどだ。

 

 上述のような要素もあり人気も高く、それなりに土地も高騰しているため、住民たちも必然的に、ある程度裕福な世帯層となっている。そのため治安の良さも申し分ないのだ。教育機関も、保育園から大学まで、一つの私立の学校法人が運営しているため不自由はない。

 

 強いて弱点があるとすれば、交通面だろうか。特に、鉄道が存在しないことが挙げられるだろう。それでも先述の通り大きな街ではなく、バスの本数はそれなりにあるため、特筆して不便とは言い難いだろう。運河だって、交通手段の1つとして用いられている。こうも好条件が揃っているのだ、生活する上では、文句のつけようがない場所だろう。

 

 これが、この物語のメイン舞台となる、輝ヶ丘という街なのである。子供達は、幼少期からずっと同じ仲間と同じ学校法人に通っているのだ。同級生のほぼ全員が幼馴染だ、なんて場所、全国的にも稀有なはずである。

 

 そして今日は、1年で輝ヶ丘がもっとも光り輝く日、全校一斉の入学式だ。輝ヶ丘大学附属中学校。ついに私『光山輝』も今日からここで中学生になるのである。

 

 街を彩るソメイヨシノを見るのは今年で13回目にもなるのだが、やはり美しい限りだ。私は今まで何度、この桜並木を絵で再現しようと試みたかわからないが、どんなクレヨンや絵の具を使っても表現しきれず、幼き日にはその悔しさから涙を流すことさえあったほどだ。

 

 それだけ綺麗な桜の下、私は中学の門をくぐるのだ。初めて袖を通すブレザーの制服にも心を踊らせながら、気がつけばスキップで進んでいた。そんな彼女の背後から、聞き慣れた親友の声が聞こえてくる。

 

「おーい!ヒカルちゃーん!」

 声の主は『大田愛海』もう13年目の付き合いになる、最も大切な友達だ。彼女のショコラブラウンに光るセミロングの髪の毛は、今でも憧れである。

「マナミちゃん!いやー、みんな制服なのに、後ろ姿だけで良くわかったね!」

 つい1ヶ月前までは、私服で学校生活を送っていたわけで、それが今日突如皆同じ服装に変わったわけだ。ヒカルは普通に驚いた、というキョトンとした顔でそう言った。

「当たり前でしょ!私を誰だと思ってるの?……まぁ、そのクルッとしたアホ毛見れば、誰だってヒカルちゃんだってわかるけどね」

 頭の左側のつむじ付近でくるりんとはねている、このショートの黄色い癖っ毛。これが私の特徴の一つでもあるのだが、同時にこれをコンプレックスに感じている。女たる者、髪は命。その命がこんなにくるっくるなのだから面白くない。おしゃれも楽しめないではないか。まっすぐな髪が欲しいとサンタクロースにお願いして、両親を困らせたことも懐かしい思い出である。

 

「アホ毛じゃないって何度も言ってるでしょ!これはくせ毛!私アホじゃないし!」 

「いやいや、アホだからアホ毛ってわけじゃないし……」

 会うや否やいきなり頬をぷーっと膨らませた私の顔を見て、マナミは少し笑いながらそう言った。 

「そうかもしれないけど!アホって言われるの嫌だもんね!」

「はいはいごめんって。……そういえば、クラス発表まだだったよね。入学式当日の早朝、掲示板にて発表って告知されてたけど」

「そうだった!……同じクラスだといいけど……」

 不安げな表情を浮かべる。その理由を、茶髪の友人はすぐに察してくれたようだ。

「まー確かに、成績優秀のこのマナミちゃんと同じクラスになってる確率は低そうね〜」

 茶化すように、ニタニタと笑いながらそう言ってくるマナミ。実は、小学校の卒業式を迎える前に、簡単な学力調査試験が実施されていた。試験のタイミングの不自然さから、成績がクラス配当に影響を与えるのでは、と噂されているのである。

 

 不安になる理由は他でもない、その成績だ。

 情けない限りだが、私は勉強が得意ではない。輝ヶ丘は保育園から大学までの一貫校とはいえ、成績が著しく振るわない生徒は、エスカレーターに乗ることを許可されず、進級時にはじき出されてしまうのだ。実際に今年も若干名ではあるが、ほかの街へと引っ越した者もいた。 

 酷ではあるが、それら生徒たちは残留したところで、遅かれ早かれ学力的に脱落する可能性が極めて高い。これも、学校側なりの配慮なのかもしれない。

 

 こうして入学式に出席できるのだから、進学が許されたということになるが、小学生時代、テストではいつも平均点にさえ到達すれば、まるで満点をとったかのようにはしゃぎ回るレベルであったわけなので大ピンチ。本当に成績順なら、彼女と同じクラスなどあり得ないだろう。

 

「も、もし違うクラスでもいいもん!家隣だし、毎日遊べるでしょ!?」

「どうかなぁ?私がヒカルちゃんよりも仲良くなれる友達作っちゃうかもしれないし、お勉強が忙しくなって、構ってる暇なくなるかもよ〜?」

 またも白い歯を見せ、小悪魔的に笑う彼女。反撃したくはなるが、本当にそうなってしまいそうな予感もするし、第一、言い返す言葉もないので詰まってしまう。

「…うそうそ、私の親友は後にも先にも、あなた以外にいないわよ。安心なさい?」

 無意識のうちに、思っているよりも頬が膨らんでいたのだろうか?私の顔を覗き込み、すぐにフォローに入ってきた。

 

 このようなやり取りを続けているうちに、二人はその掲示板へとたどり着いた。すでに多くの生徒で賑わっており、とてもじゃないがクラス配当など視界に入らない。

「み、見せてー!」

 140中盤しかない身長なので、どうにかして覗き込もうと懸命に飛んだり跳ねたり背伸びしたりを繰り返す姿がツボにハマったのか、彼女は隣でクスクスと笑っていた。

「……あっ、マナミちゃんの名前はあったよ!A組だって!」

 彼女の姓は大田であるため、出席番号的にも比較的視界に入りやすい、掲示板の上の方の位置に、その名前があったのだ。

「ま、当然って感じかしら?」

 わざとっぽく呟くマナミをよそに、今度こそ自分の名前を見つけるため、再び目をこらす。生徒たちも次第に己のクラスの確認を終え始めたのか、ようやく背伸びをしなくても掲示板が見えるようになり始めた。

「まだー?集合時間になっちゃうよー?」 

 退屈そうに待つ彼女。ここで確認したのち、各々のクラスの教室に8時に集合しなければならないが、時間まで、すでにあと10分を切っている。せっかく学校には来ているというのに、初日からの遅刻はどうしても避けたいところだが。

 出席番号がどうしても最後から数えたほうが早くなる『光山』という、マ行の名字をこの時だけ少し恨んだ。

「……あっ……!」

 そう考えていた矢先、遂に見覚えのある文字の羅列を発見することができた。

「あった?」

「う、うん…A組だ……!」

 顔が次第にパァッと明るくなるのを見たのか、彼女も笑顔でこちらを見つめていた。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 そんな光り輝く街とは全く正反対に、分厚くどす黒い雲に覆われ、大粒の雨に見舞われる真っ暗な都市があった。奥地には洋風の大きな城が構えられており、城下町も発展しているようだが、不思議なことにどこにも光がない。ゴーストタウンのように不気味な雰囲気が漂っている。

 

 この土砂降りの中、気味の悪い紫色のつぶらな一つ目を輝かせながら二足歩行で歩く、人型の大きな怪物の軍団が、綺麗に整備された道路を1列で行進している姿が見て取れた。

 その先頭を歩くのは、身長185㎝程の細身の男だった。色白の身体を包む、威厳ある漆黒のマントと、深い緑色の軍服。胸には6つの、雫のような形をしたバッチがつけられており、彼が実績のある者であることを示しているかのようだ。水色のギザギザとした、毛先が鋭利な短髪も特徴的である。

 

「……しけった国だぁ。こんなに簡単に堕とせたのは初めてだぜ」

 男は、周囲を見渡しながらそう呟いた。低いが響く声質だ。この軍団の後方に目を向ければ、所々で火災の痕跡が残っているのがわかる。この雨で、火は収まっているようだが、何やら大きな戦闘があったようだ。

 

「おい!国王はあの城の中にいるんだよな?まさか、逃げてねぇよな?」

 男が怪物の腕に捕まっていた、捕虜らしき者に詰め寄る。捕まっているのはどう見ても人間ではなく、見たことのない、哺乳類に似た、両手のひらに収まる程度の小型の生物である。

「陛下は逃げはしない!」

「どうだか。お前らを時間稼ぎに利用して、逃げてる可能性だってあるじゃねぇか。それだけ、俺様らのことを恐れてたもんなぁ?」

「陛下は国民を深く寵愛なさっておられるお方だ!勝手なことをいうな!レイン!貴様らなどに屈する我々ではない!」

 捕虜は憎悪に満ちた目つきで、レインと呼ばれた男を睨みつけた。いまにも暴れ出さんと、身体を震わせている。

「……うるさい奴だ。おいクライナー、始末してくれ」

『クライナァァァ!!』

 クライナー、そう呼ばれた怪物はレインの指示通り、捕虜兵を掴み上げ、遠方へと放り投げた。遠くで砂煙が巻き上がったが、大雨のためか大したものではない。体格差に差がありすぎるため、呆気なくカタがついてしまった。 

「さて、国王様とご対面といこうぜぇ。いればの話だがな」

 完全に抵抗能力を失っている王城へと、レインの軍が堂々と侵入して行く。城内にも兵の姿はなかったため、なんの苦労もなく奥へと進むことができた。

 屈しない、と凄んではいたが、これでは説得力が皆無である。レインはニヤニヤと不敵に笑っていた。

 

 さて、王の構える部屋までは容易くたどり着くことができたが、そこにはこれまでと違い、先ほどの小型生物たちの姿があった。

 武装した兵が5人、こちらを威嚇するように構えており、その後方、最奥部の王座には国王と思われる威厳あるモノが堂々と座っていた。周囲の同種とみられる生物よりは一回り大きく、黄金の王冠と、真紅の装束を身に纏っている。この予想外の光景にレインは目を丸くして驚いてみせた。

 

「これはこれはキラメリアン陛下。まだ残っておられたか」

「お前はレインか……。道理で、我々の軍では歯が立たないわけだ。参ったよ」

 国王キラメリアンは、彼の顔を見て嘆いた。どうやらレインという男は、広く名の知れている軍人のようであることが伺える。

「潔良い国王は嫌いじゃねぇぜ。まぁんなことどうでもいいんだ。クラウド様からの要求は事前に受けていたよなぁ?それに従わなかったから、てめぇの愛する国と民がこんなザマになっているんだが、どう思う?」

「……あのような要求を飲むとでも思ったかね?彼らは私や国に命を捧げてくれている勇敢な者たちだ。彼らの志を無駄にはせん」

「前言撤回だ。全然潔くないな。もっと敗戦国だって意識持った方がいいぜ?クラウド様の逆鱗に触れたら、国王と雖も命の保証はできねぇぜ」

「ふん、いかにも勝った気でいる、という言葉だな」

「あん?」

 レインは予想外の返答に、素で驚いた。

「我々はまだ負けてはいない!」

 王はそう叫びながら、控えていた兵士たちに攻撃の合図を送った。5人、いや5匹の兵が足踏み揃えて駆け出した。しっかりと訓練されていることが見て取れる、洗練された動きだ。

「……バカが。クライナー!やれ!」

 数十の怪物軍団も、迎え討たんと走り出す。

「おいキラメリアン!今すぐにでも、この国の所有物全てをクラウド様に捧げると宣言しやがれ!そうすれば、この兵士たちもてめぇも、命は助かるように手を回してやるからよぉ!」

 これが、レインからの最後通告だった。だが、彼らは抵抗を止めるそぶりを見せない。

「それが答えかよ。ならしらねぇ。力で俺に勝てると思っているとは、舐められたもんだ!」    

 

「まぁ、お待ちなさい」

 

 その時、突如上から若い男の声が聞こえたと同時に、レイン軍も王の兵も、まとめて吹き飛ばされた。つい今まで戦場だった場所の中央に、背の低い、巻貝のような形状をした灰色の頭髪が目立つ男性が直立している。非常に若そうな顔立ちで、少年に近い風貌を感じ取れる。

 その小さい男は、レイン同様、黒のマントを靡かせているが、その下に着ている服のデザインが大きく異なっており、胸部に真紅のゼラニウムの花の模様が刺繍された燕尾形ホック掛けの洋服で、灰色の袖の先から伸びる右腕には、先端に大きな宝玉のような球体が取り付けられた、身長よりも大きな杖を握られている。

 

「く、クラウド様!?なぜここへ!?」

 レインは驚愕しながらも、即座に跪き、敬礼した。クラウドと呼ばれた小柄の男は、そんな彼を少しだけ見下ろした後、視線をキラメリアンへと向けた。

「困りますね。おとなしく降参してください陛下。それに貴方なら、この杖が示すことも理解できるはずです」

 その声もまた、変声期を迎える前の少年のようなものであった。優しげで、穏やかな口調だ。レインと呼ばれた男とはまるで正反対だが、これが彼らの頭首のようである。

 

「そ、その杖……!クラウドお前、何が目的だ!?」 

「何って、全てを闇で覆い尽くす、それだけですよ。嘗て、同じ野望を抱いた先代もいたようですが、その目論見はあっけなく阻止されてしまいました。このクリア王国の切り札……プリキュアの登場によって」

「そんなもの所詮はおとぎ話!それを信じるとは、お前も可愛い一面があるではないか」

 王は馬鹿にするようにそう笑った。だが、その顔がわずかに引き攣っていたことは、彼にはお見通しだったようだ。

「惚けないでくださいよ。現にここに伝説の存在であったはずの『クライナー』と『カオスロッド』がある。全部史実なんですよ。だから、貴方の国を頂かなければならない。プリキュアの力の根源とされる『クリアハート』ごとね。本当は、もう持っているのでしょう?先ほど貴方はレインに対し、不自然に強気だった。つまりそういうことでは?」

 そう言いながら、国王へと歩み寄って行く。ポーカーフェイスのまま、淡々と、そしてゆっくりと迫る彼から、相当なプレッシャーを感じたのだろうか。王の背中は冷や汗で濡れていた。

「……!!」

 唇を噛みしめるような表情は、もはや「そうだ」と答えているのに等しい。

「あははは、嘘つくの下手ですね。流石は馬鹿正直な者揃いのクリア王国の長です。悪あがきはおよしなさい。今日はそれさえ譲っていただけるのならば撤退してさしあげますよ。何よりも恐ろしいのは、プリキュアの存在ですからね。出現は阻止しなければならないのです」 

「……ふは……ふはははは!!若き頭首よ!私の方が、1枚上手だったようだな。周りを見てみろ!」

 王はそう叫んだ。言われるがまま、視線を部屋中に向けてみるがー

「何か変わって……?……あー、二匹減ってますね。これはしてやられてた、どさくさに紛れて逃げましたか。奴らがそのクリアハートを持っていた、なるほど」

 クラウドはわざとらしくため息をついた後、すぐに杖をレインへと向けた。

「追え!手段は貴様に任せる、とっとと回収してこい!」

「は、はぁっ!只今!」

 優しげな声色で、丁寧な言葉使いであった先ほどまでとは、人格そのものが根っこから変貌したような、荒々しい命令口調で指示を出されると、レインは慌てて外へと駆け出していった。

「面倒なこと、してくれましたねぇ……。まぁ、いいでしょう。手に入るのに少し余計な手間と時間がかかるだけです」

 再び元の口調に戻ったようだ。もっとイライラしてくれれば、冷静な思考力を失い、付け入る隙も生まれるというものだが、やはりそう簡単にはいかない。

「陛下。少しゆっくりお話ししましょう。ご安心ください、暴力は振るいませんよ」

 クラウドはそう微笑むと、王の元へとさらに迫った。

 

 

ーーーーーーーーー

 

「なーんだ、てっきり成績順に決まるとばかり思ってたからさ、いや〜ひと安心だよ!」

 校長先生や、来賓のおじいさん達の眠気を誘うありがたいお言葉をいただいた後、新入生一同は各々の教室へと案内されていた。

 そして私はすっかり上機嫌に戻っていた。それもそのはずである。

「ほんと、調子いいんだから。でも、成績順ってのは本当みたいだよ」

 マナミは、後半は声を潜めながらそう言った。私に耳を貸すように言い、さらに話を続けていく。

「ほら、あれ見てよ、例のテストで全教科満点だったって噂の、安楽さんよ」

 『安楽加清』この街の誇る神童、とも称される存在だ。艶のある美しい紺色の、綺麗なストレートの髪の毛は、ポニーテールに結んでも、後ろ髪が背中の中央あたりまでかかるほど長い。

「か、カスミちゃんが、私と同じクラス!?」

 カスミとも長い付き合いになる。

 といっても、単に家が近所というだけで、二人だけで遊んだのはおそらく6歳辺りの頃が最後であろうくらいに、絡みは少ない。

 当然ではある。アホと神童ともなれば、住んでる世界というものが違うのだから。

 

「それにあれは『月野紅羽』ね。去年の全国統一テストではあの安楽さんに僅差に迫った実力者よ。……こうして改めて顔ぶれを見てみると、この私を含めて偏差値のお化けが集っているわね」   

「自分で言うんだ……」

 違和感のない自然な流れでさりげなく自慢を絡めてきたマナミに小声で突っ込みながら、今解説された二人を交互に見つめる。

 

 燃え盛る炎のようなオレンジ色のパーマロングを持つクレハは、私からすれば非常に苦手な存在だ。マナミの解説通り、相当な頭脳を持った賢い子ではあるのだが、その他の偏差値お化け軍団とは違い、嫌味な部分があるからだ。

 これまでの会話を見る限り、マナミにも謙虚さはないように見えるが、これはあくまで親友同士の会話の中で私をからかうために、彼女自身もわざとやっているようなものであるため気になるものではない。

 しかしクレハのそれは能力の高さをおごり、常に周囲を見下している節があるので、時折カチンとくるものがある。噂では、偉いお医者さんのご令嬢だとか。それゆえ、小学生時代から、年相応のレベルをはるかに超越したお金を所持しており、これもあってたくさんの取り巻きを作っている。なるべく関わりたくないところだがー

 兎にも角にも、私がこのクラスに配属された意味が少しだけわかった気がする。察するにー 

「バランス調整かな〜」

 机にベターっと顎をつけながら、ため息とともにそう吐き出した。学級を編成する立場である教師陣にまでこの扱いをされているという事実(あくまでも推測による解釈だが)が、胸にズサッと重く刺さる。

「トップクラスの子を集めたとはいえ、ほかの学級と差が付きすぎてもいけない。さしずめ、そういった意図ってわけかしらね。まぁまぁ、何はともあれ私と一緒なのは変わりないし、気にすることはないわよ」

「でもなぁ〜こんな頭のいい人が揃う授業に、私ついていける自信ないよ」

 初日から、テンションはだだ下がりである。彼女の言う通り、親友と同じクラスなのは喜ばしいことだが、これはウサギをライオンの檻で一緒に飼育するようなものだ。ライオンである彼女らは、確かに特段気にすることなどないだろう。しかし、ウサギには耐え難いものとなるに違いない。いつ食べられてもおかしくはないのだから。

「はぁ〜不安だ」

 その日はずっと、どんよりしたままだった。

 

 

 ちょうど同じ頃、輝ヶ丘の上空に突如どこからともなく謎の小型生物が現れ、飛行していた。 

その生物は、人間の両手にすっぽりと収まってしまうほど小さく、羽もないのにどういうわけか難なく空を飛んでいる。

 真っ白な頭部と胴体の大きさの比率は二頭身に近く、前者には、顔の割には大きなつぶら目玉や、少し目立つ縦長い耳。後者には申し訳程度の、こんなものでは歩行も難しく、片手だけでは何も掴めないのでは、と心配させるほどの小さな小さな手足がついており、その両手で、一生懸命にガッチリと、ハート形の装置のようなものを握っている。

 彼らは見る人によっては、大きな尻尾を取り除いた『リス』にも見えるだろうし『ハムスター』と捉えることもできよう。詰まる所、齧歯類に近いシルエットをしているということだ。

 

「強い『キサトエナジー』に惹かれてやってきたラエが……すごく綺麗な街ラエね」

 黄色い耳を持つ方がそう口を開いた。人語を喋ることができるらしいが、そのヘンテコな語尾が引っかかる。

「本当レティ。まるで、私たちの故郷のような……うぅ……」

 ピンクの耳を持つ方は、街を見下ろしながら突如泣き出してしまったようだ。

「レティツ!泣いちゃだめラエ!プリキュアさせ蘇らせれば、また元のクリア王国も取り戻せるラエ!」

「……そうレティね……。この街は、すごいキサトエナジーに溢れてるレティ!きっと、このクリアハートの力を使いこなせる、プリキュアの後継者がいるレティ!」

「その通りラエ!……でも、早く見つけ出さないと、すぐに追っ手がー」 

 その言葉通りだった。彼らの後方に、漆黒の渦巻き状のゲートが出現し、その中から水色のギザギザした髪を光らせながら、レインが現れたのだ。

 

「見つけたぞ……!とっととそのクリアハートを渡してもらおうか!」

「あわわわわ……もう見つかったレティ……」

「潔く渡せば、命は見逃してやる!さぁ、こっちへ渡せ!」

 レインは右腕を小型生物たちへと突き出した。彼らを睨みつける鋭い眼光からは、とてつもない威圧感を受ける。あの小さな生き物たちにとっては、この上ない重圧のはずだ。

「……い、いやラエ!」

 キッと睨み返しながら、黄色い耳の生き物が抵抗する。

「手間かけさせんじゃねぇぜ、雑魚のくせによぉ!」

 レインは怒鳴るように、耳がつんざくほどの大きな声で叫んだ。そしてその時、何かに気がついたようだ。

「……なんだここは……!王国に匹敵するキサトエナジーに満ちていやがる……!」

 彼はそう呟きながら、左手をひたいに押さえつけた。とても苦しそうな顔色がうかがえる。

「息苦しい……!……いや、でも僅かながら『ウィザパワー』も感じる!これを利用しない手はないぜ!」

 彼はそういうと、地上へと急降下して行った。

「た、助かったレティか?」

「いや、そうじゃないラエ!あいつは、この街でクライナーを暴れさせるつもりラエ……!レティツ!急いでプリキュアを探すラエ!」

 ピピュンっと、黄色い方もまた、猛烈な速度で地上へと向かって行った。そのシルエットからは考えられない速度である。

「ラエティ!待ってレティ!」

 レティツと呼ばれていたピンクの耳の同種も、黄色い仲間ーラエティーに続いた。

 

 こうして、この謎の生物たちのいざこざに、輝ヶ丘が、そしてヒカル等住民たちが巻き込まれていくことになったのである。

 

 

「じゃあ、また明日ね〜!」

「うん、バイバイ!」

 マナミと一緒に帰っていた私は、自宅の前で彼女と別れた。入学式だけだったので、学校は午前中で終わったのだが、やけに長い1日に感じられた。

 マナミの前では頑張って笑顔を続けたが、すでに不安でいっぱいであるためか、そのような感情を隠し切ることはできなかっただろう。数時間前のワクワク感を返して欲しいところだ。

「ただいま〜」

 暗い表情のまま、家の玄関を開けた。

「あ、お姉ちゃんおかえり!学校どうだったの!?」

 ドタバタと慌てだしく駆け寄ってきたのは、彼女の弟、輝樹だった。小学3年生で、入学式だった今日は在校生ということで休日だったのだ。

「ただいまテルキ。まぁ、うん、普通だよ〜」

「大丈夫お姉ちゃん、具合悪くない?いつもみたいな元気じゃないよ?」 

 彼は心配そうに様子を伺っている。

「あ、あぁごめんごめん!大丈夫だよ!いやぁ私もついに中学生だな〜!あははは!」

 無理やり笑いながら階段を駆け上がり、足早に自室へと向かい、そこに篭った。

 

ーーーーーーーーーー

 

 私がそのようにしていた頃と時を同じくして、ある民家の屋根に、ストンと静かに着地した男の姿があった。レインである。

「ここからウィザパワーを感じるぜ!」

 レインはそう言うと、右腕を空へと掲げた。その彼の掌を目指して、徐々に紫色のオーラが集まり始めた。

 これがウィザパワーの正体。簡潔に言えば、不安、絶望、悩みなどといった人間の心にある負の側面が具現化したものである。 

「……これくらい集まれば十分だぜ。……召喚!クライナー!!この者の心にかかる雨雲を力に変え、絶望の雨を降らすのだ!!」

 充填され、ハンドボールくらいの大きさに固まったウィザパワーを空に放り投げた。

『クライナァァァァァ!!』

 そしてそのパワーが上空で漆黒の、一つ目の人型の怪物へと変化し、再び地上へ降り立った。身長は実に三階建て建物くらいのものがある、大きな怪物だ。

「な、なんだあれは!?」

「ば、化け物だ!!」

 クライナーの存在に気がついた人々が、悲鳴をあげながら逃げ出していく。

「遅かったラエか……!」

 その光景を見たラエティは唇を噛み締める。

「ど、どうしよう!このままじゃ、この街もクリア王国みたいに征服されちゃうレティ!」

「防ぐしかない、けど、どうやったらプリキュアの後継者に巡り会えるラエか……?」

 

 人々のクライナーへの恐怖心から、更に多くのウィザパワーが生じ始めているようだ。

 そして同時に、上空を分厚くドス黒い雲が覆い、大粒の大雨が降り出した。

 薄暗く、大雨の降る中暴れる怪物、という光景は、人々の不安を加速させるには絶好のシチュエーションだろう。

 

 『ウィザパワー』という、『暗い感情から生まれる力』をエンジンとするレインたちやクライナーにとって、非常に都合のいい環境となってしまった。

 

「どんなわずかなウィザパワーが素材であっても、そこからクライナーさえ生み出してしまえば、あとは勝手に後天的に強くなれる。だから俺様は逃さないぜ。どんなにくだらない悩みでも、絶望でも、それさえ捕まえてしまえば最後、俺様のステージだからよ!」

 そう高笑いをあげるレイン。流石に『将軍』と称されるだけはある。これほどまでに迅速に、侵略を遂行していくのだから恐れ入る。

 

 その時、小型生物たちが持っていたクリアハートのうち一つがひとりでに光だし、彼らの手を離れ、高速で飛行し始めた。

「クリアハートが!まさか、プリキュアを見つけたラエか!?」

「きっとそうレティ!プリキュアとは最初から引かれ合う運命だったレティよ!」

「よ、よし!追うラエ!」

 小さな生き物達も、見失わないよう、全力で後に続いた。

 

ーーーーーーー

 

 そんな騒ぎも知らず、自室のベッドで横になり、ヘッドホンをしながらゴロゴロと漫画を読みながら時間を潰していた私のスマトーフォンが突如として鳴った。マナミからの電話だ。

「もしもしマナミちゃん?どうかしたの?」

『どうもこうもないわよ!なんか外、すっごいことになってるんですけど!今シャイニースクール辺りなんだけど、映画の撮影か何かかな!?ヒカルちゃんもおいでよ!怪獣みたいのが暴れてるんだよ!』

 聞こえてきたのは、ハイテンションとなっていた親友の声だった。

「か、怪獣!?怪獣映画の撮影があるなんて聞いてないよ!でも面白そうだね!私も行くよ!」 

『あ、待って!ちょっとこれ、何かが変……!ま、まさか本物……?』

 急に声色が変わった。彼女の周辺で起こっている音を拾ったのだろうか、電話越しに、物が崩れる音や、人々の悲鳴が聞こえてくる。

「……そ、そんな〜?怪獣なんているわけないでしょ?」

『で、でも!?キャッ!』

 彼女のその悲鳴を最後に、電話は切られた。

「ちょ、マナミちゃん!?ねぇってば!」

 通話が途切れ、画面が暗くなったスマホを見つめる顔が、少しずつ強張っていく。そして遂に光山家の近所でも、今電話越しに聞いたような音がなり始めた。その『怪獣』がこちらへと近づいている…?

 だが、彼女がいたのは大手進学塾シャイニースクール周辺、ここから徒歩で20分ほどの場所になる。撮影ならば、そのような広範囲に及ぶのであれば近隣住民には当然通知が来ているはずだし、第一速度が尋常じゃない。1分にも満たなかった通話の間で、この近くにまで到達しているということになる。

「ま、まさか本当に!?」

 ヒカルはとっさにカーテンを開け、窓の外をみようと身を乗り出した。

 見える光景は、まるでこの世のものではなかった。黒い雲に覆われた空から雷を伴った激しい雨が降り、そしてあちこちから黒煙が登っている。つい先ほどまでは、いつもの光景だったはずだ。

「な、なにこれ……一体どうなって!?」

『クライナァァァァ!!』

「っん!?」

 聞いたこともない鳴き声のような奇声に、思わずビクッと体を震わす。

「か、怪獣……なの……?」

 その声の主はここからはまだ見えない。しかし、それは確実に存在する。それだけは確かなことだった。

「……!お母さんは!?て、テルキも!」

 そしてようやくハッと我に返った。母はまだ仕事から帰って来ていないが、弟は隣の部屋にいるはず。今は長女の自分が動かなければー

 本能としてなのか、そのような使命感を抱いた私はすぐにスマホと財布をポケットに突っ込み、弟の部屋へと向かった。そこには、恐怖のあまり泣き出してしまっている輝樹の姿がありー 

「うわぁぁぁん!お姉ちゃん!!」

「テルキ!大丈夫だから、私と一緒に!」

 泣きじゃくる弟を背中に背負うと、すぐに家の外へと飛び出した。

「……まだ行けない!マナミちゃんも一緒に……!」

 静かに呟くと、逃げ惑う人々とは逆の進行方向ー怪獣がいるとされる方であると同時に、マナミがいたと思われる場所を目指して走り出していた。

 あまりに無謀な自殺行為とも取れる行動だが、これも本能的なものだったのか、身体が勝手にそう動いていた。あのような電話の途切れ方をしたのだ、心配しない方がおかしい。親友の無事をこの目で確認し、かつ共に逃げる。そういった本能が身体を動かしていた。

 

 

ーーーーーーー

 

 しかしあのハート型のアイテムは、移動中に運悪くレインの視界に入ってしまうのだった。

「なんだぁ?……あれはクリアハートか……。なんでこんなところに…まぁいいか」

 レインはそう言い、高速飛行移動中のその装置を掴まんと、腕を差し出す。

「これで俺様もさらに出世できる……!スノウを部下に従え……いや、ストームすら超え、クラウド様の側近にもなれるぞ……!」

 ニヤニヤと笑いながら、ブツブツと唱える。そして同時に、伸ばされ続けていた腕は、今にもクリアハートを手中に収めようとしているところだった。

 

 

 突然、クリアハートがその場でピタリと静止し、同時に再び眩い閃光を発した。レインは予想外のことに驚愕し、思わず後ずさりまでしつつも、すぐに身構える。

「な、なんだ!?あの妖精どもの仕業か!?」

 妖精とは、あの小さな生き物達のことであろうか。

 真白き光を点滅させながら、クリアハートは再度動き始める。

「ま、待ちやがれ!」

「待つのはお前ラエ!」

 そこにようやく追いついてきたラエティが、所持していたもう一つの同装置からエネルギー弾のようなものを発射し、水色髪の将軍を牽制する。命中こそしなかったものの、彼は一瞬足を止め、回避しようと身体を仰け反らせため、バランスを崩してしまった。

 更に、再び飛行を始めていたそれも、彼ら妖精の元へとたどり着き、そこで完全に運動をストップした。

「何!?プリキュアでなくても、力を使えるというのか!?」

 戦闘経験の豊富なレイン将軍でも、これは予想外の出来事だったようだ。しかしー

「だが、なんのことはねぇ。チビ妖精ごときでは、この程度の攻撃しかできないようだな!」

 流石に将軍の肩書を持つ男だ。すぐにそう分析し、まずは邪魔者である妖精達を潰さんと、右手のひらをいっぱいに開き、そこから水色の光弾を生み出し、投げつけ始めた。

「うわああ!!」

 二匹の『妖精』と呼ばれた生き物とたちは慌てて近くの建物の陰に隠れこれをやり過ごす。

「ったく、弱いくせに俺の手を煩わせ続けやがって!ムカつくんだよ!そういうのはよ!」

「どうしよう?私たちだけじゃ、すぐにやられちゃうレティ」

「クリアハートはこの辺りで動きを止めた……だからプリキュアが近くにいるはずラエ。大丈夫、すぐに形勢は一発逆転するラエ!」

 

 プリキュアーーどんな闇をも切り裂き、世界に、そして人々の心に希望の光を灯したとされる伝説上の存在。もちろん、この妖精たちだって実物を見たことはない。それでも、彼らはその伝説を疑うことなく信じている。

 

 強く信じていれば、それは現実となる。

 クリア王国にて伝承され続けている教えだ。私たちからすると神頼み、他力本願な印象も受ける言葉だが、国民に勇気を与えるものとなっている。

 彼らが本気で信じていたからこそ、その伝説の存在が、再び現代に蘇るという結果を招くことができたのかもしれない。私は、後に彼らからその教えの言葉を聞いた時、そう思った。

 

「な、なにこれ……」

 そしてちょうど、足を震わせながらも街を無我夢中で駆けていた私は、この小型生物と、この街に似合わない、明らかに浮いた格好をしている奇抜な髪をした長身男とが対峙している、この空間に鉢合わせてしまったのだ。 

「な、なんでまだここに人間が!?早く避難するレティ!」

 レインはこの街に降り立って以降、大きな動きをしていない。

 つまり、ここがクライナーの生まれた場所なのだ。付近の人間は全て避難し終えていると思い込んでいた妖精たちは、目を丸くしていた。

「ハムスターが喋った!?」

 もっとも、目を丸くしたのはこちらも同じだったのだが。

「そんなことどうでもいいレティ!てゆうかハムスターじゃないレティ!とにかく早く!」 

「い、いや!クリアハートはこの場所で静止したラエ!そして、この人間は少女……。一応の辻褄は合う……!!物は試しラエ!この子がプリキュアかもしれない!」

 ラエティはそう叫ぶと、クリアハートを私に向かって投げつけてきたのだ。

「え、ちょ、なに!?」

 かかえる弟のテルキを落とさないよう、片手で慌ててそれをキャッチする。

「な!?まさかあの小娘が、プリキュアの後継者!?」

 レインが驚愕の声を上げる。

「いやいや、なになになに!?」

 そもそも今ここに鉢合わせたばかりの私を置いてけぼりにして話が進みすぎである。

「なんでもいいラエ!今は君に賭けるしかないラエ!君もこの街の民だろう!?街を救いたいという想いはあるはずラエ!その想いがあれば、きっといける!」

「それは……あるけど!でもなにが!?」

「だから、プリキュアに変身するラエ!あいつとクライナーを倒すラエよ!」

 ラエティの方も焦りからか、少し苛立っている様子だった。

「だから、さっきから言ってる、そのプリキュアってなに!?」

 

 なんの状況も理解できないまま、こうして、私という個人が、これから始まる長い戦いに巻き込まれていくことになったのだ。

 

                       

                                                2話へ続く

 

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