ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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ライブスタート

 

八幡side

 

 

『みんなー!次の曲行くわよー!』

 

 

『オォォォォオォォ!!!!』

 

 

サクラがライブステージの上でそう言うと、多くの観客ペンライトを持って盛り上がりを見せる。

 

 

『~~♪~♪~♪~♪~♪』

 

 

俺はサクラの歌声を聴きながらライブステージの舞台袖でしっかりと警備を続ける。まぁ、もしサクラに危害を加えるようだったら、人間が相手でもハンドレッドの使用は辞さないが。

 

 

「どう?久しぶりのサクラの生歌は?」

 

 

俺が舞台袖でサクラのライブを見ながら警備をしていると、後ろからサクラのマネージャーであり、俺の親代わりでもあるスフレさんが声をかけてきた。

 

 

「やはり、サクラの歌は生で聞くのが一番ですね。聞いてるだけで心が落ち着きますよ」

 

 

「うふふ。その言葉、私でなくサクラに直接言ってあげたら良いわ。彼女も喜ぶわよ」

 

 

そう話しながら俺とスフレさんはサクラがライブステージで頑張っている姿を見届ける。

 

 

 

さて、ライブ中は俺の警備の仕事は側付きとしてただ、サクラを舞台袖君から見続けるだけである。正直時間が空いて暇だから軽く、昨日あったクレアと如月ハヤトの決闘について話をしよう。

 

 

昨日あった、クレアと如月ハヤトによる決闘。結果から話すとクレアの勝利であった。そのため、遅刻をした新入生達は退学したのかと思ったら、エミールが話すにはクレアにも決闘について思う所があり、免除になったらしい。

 

 

この決闘について注目すべき大事な所は色々とあった。まず、如月ハヤトのハンドレッドの扱い。一日あるとはいえ、ハンドレッドの技術であるエナジーバリアやセンスエナジーの使用による身体能力の向上はかなりの完成度だった。クレアの砲撃を初心者で防げるなら相当である。まぁ、最初は速攻で勝負を決めようとしたのか、クレアにすごい速さで突っ込み、クレアの胸に触るという珍事件を起こすラッキースケベを発動させたが。あれにはクレアも相当キレてたなぁ。

 

 

さて、話を戻そう。次に注目すべき所は初心者の如月ハヤトが『全身武装』と呼ばれる武芸者の中では扱える人が少ない高等技術を使った所である。『全身武装』、それはハンドレッドの力を100%引き出す武芸者の奥の手である。これを使えるのは現段階ではリトルガーデンではクレアと如月ハヤトであろう。

 

 

俺?俺の場合は……な。確かにクレアが使えるなら俺も使えると思う人がいるかもしれないが、ちょっと訳ありでな。いつか時が来たら詳しく話そう。

 

 

大半の人は如月ハヤトが全身武装を使えた事に注目するだろう。だが、俺が注目したのはそこじゃない。全身武装をした時に彼の目は黄金色のようになり、暴力的な戦いをしながらも今までの動きが嘘みたいにあのクレアを追い詰めたからだ。これにはクレアも全身武装で応戦していたが。

 

 

これはヴァリアントとしての力が覚醒した特徴である。恐らく、あの全身武装もヴァリアントとしての力がクレアとの戦いで覚醒し、偶発的に出来たものだろう。

 

 

その面だけ見ると、ヴァリアントは凄いと思われるが、ヴァリアントにはデメリットの方が多い。

 

 

ヴァリアントの力は主に日常的には現れず、生命の危機といった自身の体の緊急事態や精神の高ぶりにより発生する。そして、ヴァリアントの力に目覚めると理性的な戦いは出来なくなり、暴走状態になる。最悪、敵味方関係なく襲いかかってしまう。武芸者として致命的だ。だが、ヴァリアントはエ〇ァンゲリオンみたいに最後まで暴走みたいな事はない。すぐに対処する方法は色々ある。かなり大変だが。

 

 

そして、もうひとつのデメリット、それはヴァリアントとしての活動を終えると、疲労感に襲われてしばらくは休養が必要になることだ。決闘後、如月ハヤトはそのまま疲労感で寝てしまったのが想像できる。

 

 

サクラは戦いとは無縁のため、ヴァリアントの力が発現したのはまったく見たことがない。それに対して俺やエミールは武芸者だから戦闘時に発現するかもしれないと思われるが、シャロのサポートもあり、戦闘時でもヴァリアントの力に基本的に目覚める事はない。

 

 

さて、これが昨日の決闘の全容だ。かなり長く話してしまったな。サクラも次の曲に移るようだし。

 

 

「如月ハヤト……か。ヴァリアントであり、あのクレアも追い詰める基本的な強さもある。サベージを倒すために生まれた存在だな。会うのが楽しみだ」

 

 

俺は誰にも聞こえないようにボソリと呟くと、サクラが次に歌う歌に耳を傾けようとする。

 

 

『さぁ!次の曲はー!』

 

 

サクラがそう言いかけた瞬間…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドンッ!!

 

 

突如、大きな音と共に地面が揺れる。

 

 

『な、何っ!?地震?』

 

 

ライブステージではサクラやサクラのライブの観客達が突然の出来事に狼狽える。

 

 

「……嫌な予感がする。スフレさん、俺は少し周りを見てきますので、サクラの事を頼みます」

 

 

「分かったわ。まかせて」

 

 

俺はスフレさんと他のサクラの警備の人にサクラと観客の事をまかせて、俺はハンドレッドを手に持つ。

 

 

「ハンドレッド・オン!」

 

 

ハンドレッドのトリガーを引くと、俺の体を守っていた影は形を変えて、ヴァリアブルスーツとなり、その上からサベージと戦う用の装甲が体を纏う。

 

 

俺は屋外に出て、センスエナジーを使って地面から高くジャンプする。こういう時、クレアみたいに飛行機能があればいいんだが。

 

 

そう思いながらそこから見えたのは…………

 

 

「………マジか」

 

 

おれが視認にしたのは遠くから、こちらにゆっくりと近づくサベージの姿だった。

 

 

 

 

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