八幡side
俺が視認したもの……それは遠くからこちらに向かっている一体のサベージの姿だった。
すると、サベージは動きを止めて口にセンスエナジーを溜め始める。まさか…………
「ちっ!エナジーバリア展開!!」
俺はすぐにライブステージの屋根に上がって、サベージの真っ正面に移動し、エナジーバリアを展開する。すると、サベージが口からレーザーをライブステージに向けて放ってきた。
「……あぶねぇ」
俺は何とかサベージの行動を予知し、レーザーをエナジーバリアで吸収する。
『ハチマン!!』
俺の後ろではサクラや観客の人達が心配している。もし、俺がやられたらこの人達も……まずは避難だな。
「皆さん、落ち着いてください。俺はリトルガーデン生徒会の比企谷です!ただいまサベージがツヴァイ諸島で発生しました。このライブステージは俺が何としてでも守りますので、観客の皆様は慌てず係員の指示に従い、避難場所にむかってください!」
『比企谷って………あの『影の働き手』か!』
『男性武芸者最強の男がどうしてサクラさんのライブに……でも今は彼に従った方が良さそうだ』
俺がそう言うと、観客の人達は徐々に落ち着きを取り戻す。その間、ライブの係員の人が観客の人を少しずつであるが、避難場所へと誘導する。
それに伴い、サクラやスフレさんも観客と同じように避難場所へと誘導される。また後で会おう。
「……それにしてもこのサベージ、どんどん撃ってくるな。俺じゃなきゃ、防げないだろ」
俺はサベージの攻撃をひたすら防ぎながらそう思っていると、通信が鳴る。おそらく…リトルガーデンだな。
「はい、比企谷です」
『ヤッホー、比企谷君』
「は、陽乃さん!?どうしてこんな時に…。今、非常に忙しいんですけど、個人的な電話でしたら後にして貰えるととても嬉しいんですが」
『それは分かっているよ。シャロから聞いたんだけど、それにしてもまさか比企谷君が忙しいのは身内のサクラちゃんのライブの警護とはねー。お姉さん、びっくりだよ。世界の歌姫が比企谷君の家族なんてさ。さて、本題だけど私が君に通信をしたのはリトルガーデンの解析官としてさ」
そう言えば確か陽乃さんは解析官としてリトルガーデンにスカウトされたんだったな、納得だわ。
「へぇー、仕事として一緒になるのは初めてですね。で、今の状況は?」
俺は解析官として陽乃さんに訊ねた。
『現在、ツヴァイ諸島に三体のサベージが出現してるよ。二体は通常型で、一体は
「成る程、リトルガーデン側の武芸者はあとどのくらいで到着しますか?」
『もう到着したよー』
えっ?
俺がそれを聞いた瞬間、俺へのサベージの攻撃が止む。見てみると、黒い武芸者と白い武芸者がサベージと戦っていた。
「……ナイスタイミングだ。それにしても今、戦っているのはエミールと誰ですか?」
『おお!半分正解。今、比企谷君の目の前で戦っているのはエミール君と如月君だよ。もちろん、他の場所でも生徒会のメンバーが応戦してるよ』
成る程、あの黒い武芸者は噂の如月ハヤトだったのか。それに生徒会のメンバーもフル参戦ね。
「一応、今フリーになったんですけど、彼らに加勢をした方が良いですか?」
『いや、会長さんや如月君のおかげで通常型は簡単に片付きそうだよ。後は超弩級型を倒すだけだけど、会長さんが比企谷君は市民の避難誘導にまわれって。オガサワラでの借りは返すと話してたよ』
オガサワラの借り………成る程、超弩級型は私達でやるから、俺は休んどけということか。
「了解」
さて、後ろを見たが、まだサクラのライブの観客の避難は終わっていないな。警護をしても構わないが、俺は通常型が暴れた辺りで逃げ遅れた人を助けますか。