ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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そろそろ原作一巻分が終わりますね。いやー、かなり長い道のりのように感じましたね。


二人の黒き武芸者

 

 

八幡side

 

 

「あ、あの貴方は……?」

 

 

合流して早々、全身武装をした男、如月ハヤトが俺に訊ねてきた。あれ?結構有名だと思うんだが。

 

 

「俺は武芸科3年、生徒会特別顧問の比企谷八幡だ。お前の名前は知っているぞ、如月ハヤト」

 

 

「比企谷って……この前の入学式に参加してなかった『影の働き手』か!でも、どうしてここに?」

 

 

「入学式でクレア達が話していたかもしれないが、クライアントの仕事があってな。それがちょうど、ここだったわけだ。それにしても今、話せるということはヴァリアントの力は制御できたのか?」

 

 

「は、はい。それはエミリアが……」

 

 

「え、エミリア?誰だ、そいつ?」

 

 

聞き覚えのない名前なので、俺は如月に訊ねた。エミリア?似たような名前でエミールなら知っているが…

 

 

「ハチマン先生!来てくれたんだね。」

 

 

「ああ、エミー……どうした、その格好!?それにむ、胸が……まさか、エミリアって……」

 

 

俺に気付いて、エミールが意識を失っているリディを肩に背負いながらやって来るが、俺はその姿に驚きを隠せなかった。

 

 

なぜならエミールはサベージの攻撃を受けたのか、ヴァリアブルスーツが裂けていたのだが、その裂けた部分から男性ではあり得ない筈のほどほどに大きい胸が少し見えているのだ。

 

 

戸塚二代目だと思っていた俺の心は衝撃の事実でボロボロである。まさか、本当に女性だったとは……

 

 

「え?………あ、あはは。バレちゃったか。そう、僕がハヤトが話していたエミリア、エミリア・ハーミットだよ。事情があって隠してたんだ」

 

 

いや、話す前にまず胸を隠せよ!やり辛いわ!

 

 

「はぁ……で、如月はどうやってヴァリアントの力を制御したんだ?如月が話すにはお前だと言うが」

 

 

「ああ……それね。キス……したんだ」

 

 

「キス?…………はあぁ!?お前、その方法を使ったのかよ!?確かに可能だが!」

 

 

エミールが恥ずかしそうに話しているのを他所に俺は予想外の答えで思わず大きな声を出してしまう。

 

 

前にヴァリアントの力の抑え方について説明したが、それには色々と種類がある。一つは、力で止める。言い換えれば、暴走したヴァリアントを武力をもって戦意喪失にする事だ。そして二つ目、それは暴走していないヴァリアントから何らかの方法でヴァリアントの力の源であるヴァリアントウイルスを与える事である。三つ目は、シャロが作った薬で抑えるぐらいだ。

 

 

一般的なのは一つ目だ。ヴァリアントは世界でも数える程しかいないから二つ目は条件が厳しいし、薬は最初は効果はあるが、徐々に耐性が出来てきて効果が薄れてくるデメリットがあるからな。

 

 

で、先程エミリアがやったのは二番目である。確かに如月とエミリアはヴァリアントのため条件が揃う。だが、その方法なんだが、まともな方法がキスなのだ。

 

 

これを話したシャロに「キスよりまともな別の方法が無いのか」と俺が訊ねたら、「もっとディープな話になるよ」と言われてこれ以上聞かなかった。察したわ。

 

 

これには人間関係が絡んでくるから厳しいのではないかと思ったが、どうやら二人とも顔馴染みで抵抗は無かったらしい。なら、良いんだが。

 

 

「ハチマン!サベージが!」

 

 

俺達より少し離れた所でエリカを抱えながら、クレアが大きな声で叫んでいた。クレアのお陰で気付いたが、超弩級型が俺の攻撃から立ち直ろうとしていたのだ。どうやら、かなり長く話し過ぎたようだ。

 

 

「ちっ。立てねーように脚を狙って撃ったんだが、まだ立つのかよ。しぶといな。なぁ、如月?」

 

 

「は、はい。何ですか?」

 

 

「俺が隙を作る。お前はその瞬間にコアに向かって攻撃を思いっきり叩き込め」

 

 

「え……でもさっきの先輩の攻撃なら」

 

 

「残念ながら、さっきみたいに脚を崩す位の威力の攻撃はもう無理だ。ここに来る途中で思った以上にセンスエナジーを使ってしまってな」

 

 

あのライブステージの時にエナジーバリアでかなり持っていかれたからな。サベージのレーザーを数十発も保てるエナジーバリアってかなり大変だったんだぞ。

 

 

「……分かりました」

 

 

「いい返事だ。行くぞ」

 

 

俺はサベージに突進しながら、影から二本の黒い刀を顕現させて両手に構える。

 

 

「か、影から刀を!?」

 

 

「影斬り・二閃!!」

 

 

初めて俺の戦いを見て驚く如月を無視して、俺は黒い刀にセンスエナジーを込めて、先程の攻撃で装甲がボロボロの脚に追い打ちを決める。そんなにセンスエナジーを込めていないため破壊は出来ないが、体勢を崩すのには十分な攻撃だ。

 

 

その攻撃によりサベージは脚がよろけて、頭にあるコアを守っていた大きな鋏が地面に着く。

 

 

「今だ!如月!」

 

 

「は、はい!うおおぉぉぉぉ!!!」

 

 

俺が作った隙を突いて、如月は武器である刀にセンスエナジーを溜め込み、コアを正確に斬った。

 

 

コアを破壊されたことによる死後硬直か、サベージは少しの間微動したが、すぐに大人しくなった。

 

 

「………よし」

 

 

「やったよ!ハヤト!」

 

 

そう言ってエミリアは全身武装で疲労した如月に抱きつきながら彼を回収する。

 

 

「ふぅ……終わったな」

 

 

「助かりましたわ、ハチマン」

 

 

「比企谷先輩、わざわざすいません」

 

 

そう言ってクレア達も俺達と合流した。

 

 

「オガサワラの借りは返せなかったな。いつでもお返しは待っているぞ」

 

 

「ぐっ!良いですわ、絶対に近い内に返しますから待っているのですわ!」

 

 

俺は少々意地悪にクレアをからかってみる。クレアも負傷しているが、その元気があれば大丈夫だろ。

 

 

だが、何か忘れてんだよな………

 

 

すると、クレアとエリカがそれに気付く、いや気付いてしまったの方が正しい。

 

 

「エ、エミール・クロスフォード!?そ、その格好は何ですの!?貴方、男の筈では!?」

 

 

…何で、俺の弟子はこんなに面倒を起こすのだろうか。

 

 

 

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