ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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久し振りのアンチ回です。注意してください。


閑話
意味の無い勧誘


 

 

如月ハヤトside

 

 

あのツヴァイ諸島のサベージ襲撃の次の日、俺は戦いで疲れながらも朝から学校に登校した。エミリ……いや、学校ではエミールか、あいつと共に。

 

 

確か比企谷先輩は朝にはリトルガーデンには帰って来ていると話していた。後であの人には会ってお礼をしなきゃいけない。今、エミールが性別を偽って入学した事を許されているのはあの人のフォローのお陰だからな。

 

 

そう思いながら最後まで授業を受けて、放課後に生徒会長室に向かおうとすると、同じクラスの三人に廊下で話しかけられた。葉山と雪ノ下と由比ヶ浜だっけか?

 

 

「あの、何ですか?」

 

 

「如月ハヤト君。この間の君の生徒会長との戦いは負けてはしまったが、素晴らしい物だったよ」

 

 

「ええ、それにあの入学式での貴方の生徒会への態度、私達の計画に参加をする権利があるわ」

 

 

えっ……何だか褒められているのは分かるが、重要な話がまったく見えてこない。計画って何の事だ?

 

 

「あの計画って……」

 

 

「ああ、すまない。話が分からないよね。実は俺達はある目的のためにリトルガーデンに来たんだ」

 

 

「ある目的?リトルガーデンにはサベージを倒すために来たんじゃないのか?」

 

 

そう言って俺は葉山と雪ノ下に訊ねた。

 

 

「ええ、そうね。でも、私達にはそれよりも大事な事があるの。けれども、私達にはそれを行えるには厳しい状態。だから貴方には協力してもらいたいの」

 

 

「で、その目的はね……」

 

 

葉山が周りに気を使って話そうとする。よほど、他人には気付かれたくない内容のようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「生徒会の比企谷を潰す事だ」

 

 

「はい?」

 

 

邪悪な笑みで話す内容に俺は驚きを隠せない。比企谷って……昨日会った比企谷先輩のことか!?

 

 

「それはどういう………」

 

 

「言葉通りの意味よ。今、生徒会、いやリトルガーデンは彼によって洗脳されているの。私達は彼の洗脳からリトルガーデンを救うためにここに来たの。でも、彼には生徒会という手強い仲間が居るわ。だから入学式で生徒会に歯向かう意思と実力がある貴方に声をかけたの。さぁ、一緒に……」

 

 

「………断る」

 

 

「……何ですって?」

 

 

雪ノ下にそう言われても、俺の気持ちは変わらない。雪ノ下達がそれをやる以上は。

 

 

「比企谷先輩はそんな奴じゃない!昨日会ったが、あの人は武芸者として立派な人だ!実力もあり、住民の避難誘導には積極的で、仲間が困っていたら助ける他人思いの先輩だ!話を聞いて失礼するけど、俺は参加しないからな」

 

 

聞くに堪えない。もしかして、成績が低いからただの妬みだろう。俺はその場を立ち去ろうとすると、後ろから葉山が制服を掴んで俺を壁に叩きつけて来た。

 

 

「痛っ!」

 

 

俺は制服を掴んだ葉山の顔を見る。だが、その顔は先程とは違い、まるで人を憎んでいる険しい顔だった。雪ノ下や由比ヶ浜も彼と同じような表情だった。

 

 

「おい今、比企谷に昨日会ったって言ったよな…。言え!あのクズが何処に居るかを!どこで会ったんだ!なぁ!早く言えつってんだよ!」

 

 

「教えなさい!私達はあのクズに人生を狂わされたの。彼はどこで何をしていたのかしら!」

 

 

「そうだし!早く言えし!」

 

 

彼らが大きな声で俺に問い詰めていると、向こうからエミールが走ってやって来た。

 

 

「君達!ハヤトに何をしているんだ!ハヤトを掴んでいるその手を離せよ!」

 

 

そう言ってエミールが俺を掴んでいる手を掴み、抵抗してなんとか俺は葉山から解放される。

 

 

「……クロスフォード君。貴方も如月君の味方をするのね。失望したわ」

 

 

「失望したのはこっちのセリフさ!ハヤト、彼らに何をしたんだい?」

 

 

「ケホッ……実はあいつらが比企谷先輩を潰すのに協力をしろって……。それを断ったらいきなり……」

 

 

それを聞いてエミールは葉山達を睨み付けた。

 

 

「ハチマン先生を潰すだって?そんな事させないよ。ていうか、そもそも君達にはそんな実力が無いじゃん、成績ギリギリの歳上三人組さん」

 

 

え、こいつら歳上だったのかよ!?道理で入学式の時に違和感を感じたんだよな。

 

 

「何故……それを。貴方達は黙って歳上である私達に従っていれば良いのよ!」

 

 

「入学式の時に会長が言っていたのを忘れたかな?ここでは年功序列制じゃない。実力序列制なんだよ。つまり、僕達の方が上なんだよ。僕達より歳をとってるから記憶力も僕達より悪いんじゃない?」

 

 

「くっ………」

 

 

雪ノ下さんは静かにエミールを睨み付ける。もう俺達と彼らは一触即発の状態である。すると……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいはい、何で同じ学年同士でパワハラの現場みたいなのが発生しているのかな~?(笑)」

 

 

向こうの廊下から騒ぎを嗅ぎ付けたのか、若い解析官らしい女性が騒ぎに笑いながら介入してきた。話す内容からどうやら彼らを煽っているようだが。

 

 

「は、陽乃さん……」

 

 

「やぁ、久し振りだね三人とも。それにしても良く入学出来たよね~。お姉さんびっくりだよ~」

 

 

「姉さ「雪ノ下雪乃、私はその名で呼ぶなと言った筈だよね?記憶力悪いのかな?」

 

 

雪ノ下さんに喋らせず、威圧に近い何かをあの解析官の人から感じる。一体何者だろう?

 

 

「これ以上騒ぐなら貴方達は退学だよ。まぁ、退いてくれるなら黙っておいてあげるけど。まぁ、流石に良い選択肢は分かるよね?」

 

 

「くっ…………二人とも、行こう」

 

 

そう言って葉山と雪ノ下と由比ヶ浜は睨み付けて渋々ながらもその場を後にした。

 

 

「さて、大丈夫かい?二人とも」

 

 

「は、はい」

 

 

「助かったよ。ハルノさん」

 

 

「エミール、知り合いなのか?」

 

 

「うん、彼女は雪ノ下ハルノさん。シャロの手伝いをしながら、解析官もしている人さ」

 

 

「雪ノ下って…………」

 

 

「そ。私は雪ノ下雪乃の姉……だったんだよ。ついこの間、彼女と縁を切ってね。彼女達の行動と思想はかなり歪んじゃっているからさ」

 

 

成る程、雪ノ下さんのお姉さんだったのか。容姿は確かに似ているが、性格がまったく似ていないな。

 

 

「あの……どうして彼らはあんなに比企谷先輩の事を憎んでいるんですか?」

 

 

「あー……別に私が話しても構わないけど、そこは本人に聞いたら?今は自宅に居るそうだし。じゃあ、お姉さんはこの辺で失礼するね」

 

 

そう言い残して陽乃さんはその場を後にした。

 

 

そうだな、やはり本人に聞くのが一番だな。電話番号もツヴァイ諸島で交換したし、聞いてみよう。

 

 

 

 

その後、俺は比企谷先輩に電話をしたのだが、何故か先輩の家に招待される事になった。そんなに大事なのだろうか。

 

 

 

 

 

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