八幡side
昨日、サクラを自宅のあるリベリア合衆国までしっかり送り届けて、俺は今日の朝にリトルガーデンへ帰って来た。もうすっかり授業は始まっている時間だったが。
まぁ、別にリトルガーデンの高等部3年生はインターンシップが中心だから、授業には基本参加しなくても良いんだけどな。クレアはリトルガーデンの模範生の象徴だから授業には積極的に参加しているけど。
そんなわけで、俺は今日は朝から授業を休んでシャロのラボに向かっていた。あるお願いをするために……
「シャロー?居るかー?」
俺がシャロのラボに入ろうとすると……
「おお、比企谷君。生で見るのは久し振りだね。仕事で忙しかった割りには元気そうじゃないか」
ラボのドアの前で入れ違いでラボから出ようとしていた陽乃さんと出会った。
「シャロに用があって来たんですけど、シャロは何処にいます?」
「ああ、そこで寝ているよ。新しいヴァリアブルストーンを徹夜して加工していてね。それじゃ、私は私で解析官の仕事があるから。じゃあね~」
机で倒れるように寝ているシャロを俺にまかせて、陽乃さんはラボから出ていった。
「シャロ、起きてくれ」
俺は机でぐったりと寝ているシャロを起こそうと体を強く揺さぶる。こうでもしないと起きないからな。
「ん……?やぁ……ハチマン。リトルガーデンにもう帰って来てたの?……」
シャロが大きなあくびをしながら夢の世界から目を覚ます。良かった、起きてくれたようだ。
「ええ、ついさっきです。それと……はい、ツヴァイ諸島でのお土産です」
「おお!気が利くね~。会長さん達ったら遊びに来てないとか言って、お土産買ってきてなかったんだよね~。仮にも世界的有名な観光地なのにさ~」
そう言ってシャロは俺からお土産が入った袋を受け取り、中からツヴァイ諸島で買った南国感を味わえそうなパイナップルが入った小さなパウンドケーキを一つ手に取る。あ、陽乃さんにお土産渡し忘れたな。用事が終わったら後で渡しに行こう。
「で、ここに来たのは勿論ハチマンのハンドレッドの調整だよね?」
「ああ、一週間近くもメンテナンスはしてないからな。それに、クレアに明後日から武芸科一年の指導に参加をしろと言われてな。状態は万全にしておきたいんだ」
シャロにそう話しながら、俺はシャロの近くに俺のハンドレッドを置いた。
「りょーかい。今からやれば明日には調整は終わっているよ。おーい、これよろしく~」
「うむ?昨日のサベージのコアから加工したヴァリアブルストーンをハンドレッドにする作業はどうするのであるか、シャロ殿?」
「それよりこっちが優先だよ。ささ、早く持って行ってくれよ。僕も忙しいんだからさ」
そう言ってシャロはついたての向こうで作業をしている男を呼び続けた。あれ?今の声……どっかで。
「分かったである……む?」
「……おい、なぜここに居る?」
ついたての向こうからやって来た白衣の男に俺は驚きを隠せなかった。マジか、何で居るんだよ。
「久し振りではないか!我が相棒!」
……今からでも戸塚とチェンジ出来ないかな……