ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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お家にご招待

 

 

八幡side 

 

 

「お、来たようだな」

 

 

自宅の前で待っていると、昨日ぶりに会う如月とエミールが向こうからこっちに歩いて来ているのが見えた。

 

 

「ヤッホー!ハチマン先生!」

 

 

「比企谷先輩、先日はありがとうございました。お陰でエミールも退学にならずに済みました」

 

 

「別にお礼する程ではない。まぁ、詳しい話は家の中でやろう」

 

 

 

…………………………

 

 

 

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なぜ、俺が如月達を自宅に招き入れたか?それは約1時間前に遡る出来事から始まった。

 

 

俺が家で昨日のサベージ討伐の報告書を書いていた時、俺の傍らに有ったPDAが鳴ったのだ。相手は昨日、会ったばかりの如月ハヤトだった。確かに、如月とはPDAの連絡先も交換したから、連絡が来るのも不思議ではなかったが、何だか嫌な予感がしてな。そう思いつつも、俺は電話に出た。別に後輩の電話を無視するような理由はないし。

 

 

だが、その嫌な予感は的中。話を聞くと、さっき如月とエミールが葉山達と俺の事について一悶着あったらしい。その場に偶然、居合わせた陽乃さんが仲裁したらしくその場は何とか治まったらしいが。その時に陽乃さんが葉山達の事を聞くなら、俺に連絡した方が良いと如月に提案した事が俺に電話をしてきた理由らしい。

 

 

まぁ、他人に勝手に話されるよりは自分から話した方がマシだな。それに如月とは個人的に話す内容もあるし。

 

 

というわけで、俺は如月達を俺の家に招待することにした。時間的に夜なので、迷惑するかもしれないと思ったが、快く承諾してくれた。如月達の寮やその辺の公共のスペースで話しても良いが、なるべく葉山達には会いたくないからな。

 

 

「比企谷先輩はこんな広い家に一人で住んでいるんですか?」

 

 

家の中に入り、如月が家の中を見渡しながら俺に訊ねた。やはり、如月もそう思うか………

 

 

「まぁな。と言っても部屋の半分以上は使わないから空き部屋ばっかりだけどな」

 

 

 

俺の自宅は如月達が住む学生寮から少し離れたリトルガーデンのファミリー区画の郊外にある。

 

 

俺も最初に来た時は如月達と同じ学生寮に泊まっていた。だが、葉山達が来る事になったためにクレアが俺に気を使ってこの家を用意し、リトルガーデンを仕事で不在にする前に引っ越したのだ。

 

 

3階建てで、地下室有りで、庭もある……如月の言う通り、何でこんな家に住んでいるんだろう。

 

 

最初の頃は家の大きさに流石にクレアに抗議した。そしたら、俺……『影の働き手』がただの安い一軒家に住むのは周りに示しがつかないと猛反対されてしまった。聞くと、クレアもリトルガーデンに専用の家があるらしく、この家の倍のスケールあるらしい。流石は令嬢。レベルが違う。

 

 

そんな経緯もあり、俺はこの家に住んでいるのだが、正直言って一人では住み辛いと思う。

 

 

だって、学生寮の一人部屋ぐらいの個室が十個以上はあるんだぞ。俺でも多くて半分しか使ってないわ。倉庫として扱いにもなかなか無理がある。

 

 

しかも、クレアが余談として増築も可能だと言うのだ。それ、今の俺には本当に必要のない情報なんだが。

 

 

「二人共、ここで待ってな」

 

 

俺は二人を自分の自室に待たせて、その間キッチンでドリンクを作りに向かう。コーヒーで良いよな?

 

 

 

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「さて、まずは生徒会特別顧問として話そう。遅くはなったが、二人とも入学おめでとう」

 

 

「「ありがとうございます」」

 

 

俺は二人に賛辞を送って、二人にコーヒーを渡す。すると、如月がコーヒーを貰いながら笑みを浮かべた。

 

 

「んっ?どうした如月?」

 

 

「あ、いや、比企谷先輩ってまともな先輩だなって…ほら俺が知っている先輩は……」

 

 

俺はそれを聞いて思わず笑いそうになる。

 

 

「俺がまともね……。確かに入学式に色々あった如月から見たらそう捉えられてもおかしくはないか。まぁ、クレアは金持ちとかそういう面があるから価値観が違うだろうし、副会長もクレア絶対主義みたいな所はあるからな」

 

 

「そうだね。あの生徒会の面子の中だったらハチマン先生がまともかな。あの超甘いドリンクの依存症という一面を除いたらね」

 

 

おい、何気なく俺とマッ缶をディスッてんじゃねぇよ。その言い方だと生徒会全員ヤバい奴じゃねぇか。

 

 

「なぁ、ずっと気になってたんだが、どうしてエミリアは比企谷先輩を先生と呼ぶんだ?」

 

 

「あれ?聞いてなかったのか?エミールにハンドレッドを教えたのは俺なんだわ」

 

 

それを聞いて如月は驚いたような表情をした。多分、他の武芸科の皆が聞いても同じような反応をするな。

 

 

「さて、そろそろ本題に入ろうか。俺と葉山達の関係を聞きたいんだってな?」

 

 

俺は椅子に座り直して如月に訊ねた。

 

 

「はい。どうしてあんなに比企谷先輩に恨みを抱いてるのかって。そう言えば、あの人達が比企谷先輩がリトルガーデンの皆を洗脳しているって話してたんですけど……あれって、彼らの嘘ですよね?」

 

 

はぁ?あいつら、バカじゃねーの?洗脳とか今時、あるわけがないだろ。

 

 

「当たり前だ。洗脳なんかするわけがないし、洗脳する能力なんて持ってはいない」

 

 

「ですよね」

 

 

如月も葉山達を信用していないからか、即答だな。

 

 

「ああ、それで話をするが、如月って俺の記者会見のニュースを見たか?」

 

 

訊ねると、如月は横に頭を振る。だろうな、ツヴァイ諸島でも俺の事はまったく知らない様子だったし。

 

 

 

これは話が長くなるな………

 

 

 

 

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「……以上が葉山達と俺の関係だ」

 

 

俺は総武高校から今に至るまでの葉山達との関係を全て如月に話した。一から話すって大変だな。

 

 

「へぇー、そんな事が」

 

 

「本当にバカな人達だよね。自分達が悪いのに、ハチマン先生に復讐するなんてさ」

 

 

エミールの言う通りだな。まさか、復讐のためにリトルガーデンにまで来るとは思っていなかったわ。

 

 

「でも、比企谷先輩は明後日から俺達のハンドレッドの模擬戦の練習に参加するんですよね?確実に彼らと鉢合わせですが、どうするんですか?」

 

 

「何もしてこないな無視するさ。ただ、してくるならその時はその時だ」

 

 

まぁ、何かしてくると思うがな。

 

 

「さて、話はこれで終わりだ。用事が無いなら、お前らは明日授業だから早く帰りな」

 

 

「はーい」

 

 

俺がそう言うと、エミールは早々に部屋を出ていった。彼女に悪いが、これで如月と個人的に話せる。

 

 

「……如月、少し良いか?」

 

 

「はい?」

 

 

俺はエミールに付いていこうと、部屋を後にしようとする如月を呼び止める。 

 

 

「……お前、妹っているか?」

 

 

 

 

 

 

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