俺はサクラ達が乗っていた飛行機から飛び降り、スカイダイビングの感覚でオガサワラ本土に降下していく。
「お、あれか………」
オガサワラに降下していくにつれて、オガサワラの港町でサベージが暴れているのがはっきりと視認できる。サベージはちょうど港町に5体か。それぞれが極端に離れているよりはマシだな。
「
俺がそう言うと、ヴァリアブルスーツに黒色のプロテクターが発現し、俺の体を黒色の装備が覆う。そして、先程使った銃型のハンドレッドはハンドガンからアサルトライフルの形になる。
「ターゲット、ロック・オン」
俺は目標であるサベージにアサルトライフルの照準を合わせながら、オガサワラに降下していく。
そして、俺はライフルの引き金を引く。
「
俺がそう言って引き金を引くと、銃口からオガサワラに向けて一発の黒い光弾が飛んでいく。
あれは俺がセンスエナジーと呼ばれる武芸者から発せられる特殊な物質から出来ている。センスエナジーは武芸者の戦いに合わせて武芸者の攻撃や防御に大きな作用を与える。
しばらくすると、その弾はサベージが視認できる範囲に入って行く。サベージは攻撃に気付き、その弾を持ち前の鋏のような腕で弾こうとするが、その弾は変化する。
黒い弾は一発の弾から無数の弾のように分離し、雨のようにサベージ達に攻撃を与える。
『ギャオォオォォォォ!!!!』
おーおー、サベージ達の叫びが聞こえるなぁ。先程の弾は俺がセンスエナジーでプログラミングを施した弾だ。まぁ、クレアにはああいう感じの戦い方は質的に劣るが。
お、どうやら当たり所が悪かったらしく、先程の攻撃で核がやられて撃沈したそうだ。残りは4体か。
俺はセンスエナジーを使ってオガサワラ本土に到着する。センスエナジーを使わないとあんな高い所から落ちたら、骨折じゃすまない。
「おっと……いけないな」
俺はセンスエナジーを使って、黒いフードを顕現させて、それを顔を覆い隠すようにする。
今までは総武高校に通いながら、自分なりに正体が一般人に分からないように一人でサベージを倒していたが、それが武芸者専用の情報サイトや公共のサイトで〈影の働き人〉という名前をつけられて、正体を知るサクラに尊敬の眼差しで見られていたのが懐かしい。俺としてはサクラに尊敬されて気に入ってはいるが、普通に見たらただの厨二病だ。冷静に見ると、恥ずい。
しかも、いつの間にか俺のファンサイトなどが出来ていて、中には正体不明の俺をネタにしているサイトもある。その規模は万単位とかなりでかい。俺的には正体を明かしても良いが、『正体を明かすと子供や大人のイメージを壊しかねないわ。まぁ、ハチマンは素顔でも素敵だけど。』とサクラに言われたので、今日まで顔を隠してやって来た。
「おい、見ろ。武芸者の人が来たぞ!!」
「でも、一人じゃない。本当に大丈夫なの?」
「いや、あの黒いフードに黒いハンドレッド……〈影の働き人〉だ!!。すげえ、本物だ!!」
俺の後ろでは避難をしている最中の島民達が俺の姿を見て興奮している。
しばらくすると、先程の攻撃を受けたサベージ達が体勢を立て直して、俺の方を凝視する。敵である俺を確認すると、口を開き、口からレーザーを俺に向けて一斉に放つ。
「おいおい、住民の避難はまだ終わってねぇんだ。撃たないで貰えるかな!!」
だが、俺はそれをセンスエナジーから作り出す武芸者の防御能力、Eバリアでそれを防御する。
「ここは俺が奴等を押さえます。住民の方は今すぐこの港町から離れてください」
「わ、分かりました」
俺はEバリアを張りながら俺の後ろに居た住民達に避難指示を出す。俺が指示を出すと、直ぐに港町から離れるように俺の後ろを走っていく。
だが、サベージにも知能というものは存在する。サベージの一体が他の仲間に俺への攻撃をまかせて、ただ一体逃げて行く住民達を追いかけようとする。
「ちっ、行かせるか!」
俺はみすみすそれを見逃すわけがない。俺はセンスエナジーを自分の影に込める。すると、俺の影は変化して、伸びるようにそのサベージに絡み付く。サベージはそれにより動きがまったく取れない。
「
仲間が俺の謎の攻撃にやられて動揺したのか、俺に砲撃をかましていたサベージ達は砲撃を一時的に中止する。俺はその間、サベージから距離を取る。
「俺の攻撃に理解が追い付かないようだな。安心しろ。お前達は知らなくて良いからな」
俺は武器として使っていた銃型のハンドレッドをアサルトライフルから本来のハンドガン型の形に戻して、腰に着いているホルスターにしまう。その代わりとして、影から黒く光る刀を取り出す。
「大抵の奴は俺のハンドレッドからシュータータイプの武芸者と判断する。だが、それは相手を惑わすフェイクだ。実際はオールラウンダーなんだわ」
俺は刀をサベージ達に構えながら説明する。
「
俺が構えていた説明していた間、俺に砲撃をかましていた3体のサベージ達は俺に鋏を使って攻撃してくる。
だが………
ギャゴンッ、ギャゴン、ギャガンッ!
鈍い音が響き渡る。それは攻撃をしていたサベージ達の鋏が地面に落ちた音である。その切り口は粗さを残さない綺麗な切り口だった。もちろん、サベージに対してそんなことをするのは状況的に彼しかいない。
「おいおい、自分の腕が切られているのに気付かなかったのか?何もしてなければくっついていたかもしれないのにな。まぁ、次でお終いだけどな」
俺はサベージ達にそう話すが、腕である鋏を失ったサベージは切り口から体液を噴き出しながら悶えている。俺はそれを無視して、刀にセンスエナジーを込める。
そして、それを撃ち放つ。
「
そう言って刀を抜くように動作をすると、影から作られた刀から黒い斬撃がサベージ達を襲う。
それはサベージ達の心臓とも言えるコアがある部分を鮮やかに一刀両断にする。三体のサベージはコアをやられてその場に崩れ落ちて撃沈する。
「そして、お前もだ」
俺は先程、影で動きを制限した最後のサベージにもさっきの黒い斬撃を食らわせる。もちろん、そいつもコアをやられてその場に撃沈だ。これで全滅したわけだ。俺はハンドレッドを解除すると、ヴァリアブルスーツから元の私服に戻った。
今更だが、俺のハンドレッドはどんな武器にもなれる〈イノセンス〉型のハンドレッドかだと?それは半分正解だ。だが、それでは先程の影を操るのは証明できない。
正解はこうだ。俺のハンドレッドはどんな武器にもなれる〈イノセンス〉型のハンドレッドの性質と周囲の影を操る〈フィールド制御〉型のハンドレッドの性質を持つ、〈ハイブリッド〉型のハンドレッドなんだわ。
しばらくすると、リトルガーデンの空母がオガサワラの港町に入って来た。もう終わってしまったが。すると、中から褐色の肌が目立つ女性が出てきた。
「貴方が〈影の働き人〉…比企谷八幡ですか」
「ああ、あんたは?」
「私の名はリディ・スタインバーグ。武芸科一年ですが、リトルガーデンで副生徒会長をやっています」
ほぉ、副生徒会長ということはクレアの付き人か。確かにクレアが認めるような強さはハンドレッドを使っていなくても分かる。元軍人か?
「副生徒会長が来たということは……」
「はい、リトルガーデンを代表して貴方を迎えに来ました。生徒会長室でクレア様がお待ちです」
「ああ、分かった」
俺はリディ・スタインバーグと共に、リトルガーデンの中へと乗り込む。サベージの後始末に関してはリトルガーデン側がやるから心配ないと話していた。