ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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すみません、帰省と卒業旅行があって投稿出来ませんでした。次回からはなるべく日にちを空けないようにしますので。


ファンのためにサプライズを

 

 

八幡side

 

 

サクラとスフレさんを空港で出迎えた後、俺は二人を俺が連絡したハイヤーに乗せ、カレンちゃんが入院している病院があるリトルガーデンの中心街に向かっていた。

 

 

それにしても家の歌姫は注文が多い。カレンちゃんにサプライズが終わったら、サクラが泊まるホテルでシャワーが浴びたいと申し出たんだぞ。まぁ、そう言うお年頃だから気持ちは分からなくもないが。

 

 

だけど、ただでさえカレンちゃんのサプライズやツヴァイ諸島の総督達との昼食会といった諸々の予定でキツいのに、まだ組み込むのかよ。予定を組み直すこっちの身にもなって考えて欲しいわ。

 

 

と、先程までひどく頭を抱えていたのは車に乗る数分前である。実は予定にあったリトルガーデン艦長であるクレアとの対談をサクラ抜きで代わりにスフレさんだけで出席しても構わないとスフレさんが提案してくれたのだ。

 

 

そのお陰でサクラがご所望のシャワーの時間は何とか確保出来そうだ。スフレさん、マジ感謝します。

 

 

………………………

 

 

…………………………………………

 

 

………………………………………………………

 

 

「それにしてもわざわざ、俺の妹のために会いに来て大丈夫なんですか?」

 

 

予定通りサクラの病院の近くに降ろして貰い、病院までの道のりを徒歩で歩いていると、手をお互いに繋いでいる俺とサクラに如月が訊ねた。

 

 

ちなみにスフレさんは車の中で待機している。マネージャーと社長の兼業、しかも相手が世界の歌姫だもんな。少し疲れていたそうだったから、休ませている。

 

 

町中は生徒達がツヴァイ諸島に行ったために人の数は普段より少ない。そのためスフレさんが注意しなくても大丈夫だ。白昼堂々とサクラと手を繋げるのもそのためである。

 

 

「予定の話なら大丈夫だ。カレンちゃんと会いに行っても時間はそこそこあるからな」

 

 

「そうよ。それに自分から会いに行きたいんだから別に大丈夫でしょ?」

 

 

「は、はぁ」

 

 

戸惑う如月を相手にしながら暫く歩いていると、見覚えのある病院の近くまでやって来た。

 

 

「中は……人が多いな」

 

 

俺は如月にサクラをまかせて、病院の内部を外から覗いてみた。見てみると、人気のない町中とは違い、多くの患者がおり、病院の看護師達も忙しそうにしていた。

 

 

「どうでした?比企谷先輩」

 

 

「正面突破は無理だな。あれだけ人が多いと、俺達が中に入ったら、騒ぎになるのは確実だろう」

 

 

そりゃ世界のアイドル、リトルガーデン期待の星、影の働き手の三人が一緒に来たらな。それで騒ぎになって病院の人達を困らせるのも可哀想だ。

 

 

「仕方ない、()()だな」

 

 

「そうね。ハチマンの()()の出番ね」

 

 

サクラも()()に乗り気のようだ。サクラの了承も得たため、俺は準備のために手にセンスエナジーを溜め込む。

 

 

()()って何の事ですか?」

 

 

そう言って如月が不思議な顔で俺に訊ねてきた。

 

 

そっか、如月は知らないんだったな。

 

 

「まぁ、見てな。サクラ、頭」

 

 

俺がそう言うと、サクラは俺の近くに近付いて来た。そして、俺はそのままサクラの頭にセンスエナジーを込めた右手をそっと乗せる。

 

 

影の恩恵(シャドウ・オーラ)

 

 

すると、俺の右手からセンスエナジーがサクラの方に流れていき、サクラの体を黒色のセンスエナジーが覆う形となる。

 

 

「えっ!?消えた!?」

 

 

やはり初見の如月は驚くよな。まぁ、いきなり人が目の前で消えたら、驚くのは当たり前か。

 

 

「ほら、如月お前もだ」

 

 

俺は目の前の状況に驚いている如月の頭にも手を乗せて、センスエナジーを流し込んだ。

 

 

ついでに俺もな。

 

 

「ひ、比企谷先輩。これは?」

 

 

「俺の隠密専用技、影の恩恵だ。自分や相手に俺のセンスエナジーを纏わせる形で姿を消す技だ。これをしている間は影の恩恵を受けた者だけにしか見えない」

 

 

「おお……便利な技ですね」

 

 

如月の言う通り効果は便利なんだけどなぁ。センスエナジーの燃費が悪いんだよ、これ。今はセンスエナジーをMaxにしてるから音や気配すらも隠せるが、センスエナジーの量が少ないと姿しか隠せないんだよな。音が隠せないと、人間やサベージにもバレてしまう。だからこれを使うのは一日に一、二回と決めている。

 

 

まぁ、今まで使って来た時としては鬱陶しい取材陣がライブの出口の前とかに張っている時にサクラをスムーズにホテルに帰す時とかだから、一日多くても二回ぐらいだから別に支障はない。

 

 

「二人とも、早く行くわよ」

 

 

技の効果について話をしている俺達にサクラが急かすように話しかける。

 

 

「そうだな、よし行くぞ」

 

 

 

…………………………………

 

 

 

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………………………………………………………

 

 

俺達は影の恩恵のおかげで、病院に入っても患者や看護師達に騒がれる事はなく、カレンちゃんの病室に難なく辿り着く事が出来た。

 

 

「如月、まずは俺達から入るぞ」

 

 

「そうですね、サクラがいきなり入って来たら、カレンも驚いてしまいますしね」

 

 

おう、そうだな。だが、どうして如月はサクラを名前呼びしているんだ?仮にも依頼人という立場なんだから、同い年だとしても馴れ馴れしいと思うんだが。俺?別に嫉妬はしてませんよ。ただ気になっただけだから。

 

 

聞くと、サクラが自分から如月にそう呼ばせているらしい。なら、別に良いんだ。

 

 

俺は周りを見渡して人が居ないことを確認して、俺は自分と如月の影の恩恵を無効化する。

 

 

「カレン、入るぞ」

 

 

如月を先頭にして、俺は病室に入る。中に入ると、前回と同じような格好でカレンちゃんが待っていた。

 

 

「兄さん!それに比企谷先輩も!」

 

 

「よ、カレンちゃん」

 

 

うんうん、元気そうで何よりだ。

 

 

「今日はサクラさんの警護の日ですよね?お二人ともどうしたんですか?」

 

 

おい、依頼の件はセレクションズのエミールぐらいにしか話すなと言った筈だぞ。守秘義務ぐらいは規則だろ。だが、密猟者やサベージの話はしてないそうだから良しとしよう。

 

 

「ああ、実はカレンにどうしても会いたいと言う人が来ていてな。今、ここに連れてきたんだ」

 

 

「はぁ、一体どんな方なんですか?」

 

 

「まぁ、会ってみてのお楽しみだ。来ても良いぞ」

 

 

そう言って俺は病室の外にいるサクラを呼び、同時にサクラの影の恩恵の効果を無効化した。

 

 

「やっほー、カレンちゃん」

 

 

まるで学校の友達みたいな感覚で、サクラは病室のドアを開けて中に入ってきた。

 

 

「え……え?霧島……サクラさん?」

 

 

 

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