ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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VSリジェネレーター

 

 

 

「てやぁぁっ!!」

 

 

レイティアが地面を蹴り、サベージの胴体部分に与えた素早い拳による攻撃によって如月四人とサベージの戦闘に火蓋が切っておろされた。

 

 

けれども、レイティアの攻撃はサベージに対しては無傷で、サベージは大きな鋏を振りかぶり、レイティアに反撃しようとする。

 

 

「おっと!」

 

 

だが、レイティアもサベージの反撃を見極められない生徒ではない。彼女のセンスエナジー量は彼ら四人の中では一番低いものの、それを補うように彼女には俊敏な動きを可能にする抜きん出た身体能力がある。レイティアはサベージの反撃を軽々とかわし、サベージから離れて体勢を整えた。

 

 

「くっ!やはりエミール達と違って汎用型のハンドレッドでは威力が足りないか。だったら……」

 

 

レイティアは素早く地面を蹴り、サベージの腹部分に潜り込んで彼女の重い拳によるハンドレッドの一撃を腹部分に連発する。

 

 

それによりサベージは苦しそうな声をあげながら、両手についている鋏でレイティアを攻撃しようとするが……

 

 

「させないよ!」

 

 

「エミール!やるぞ!」

 

 

ノーマークだったエミールとハヤトが白い剣と飛燕をそれぞれの手で握り、二人の繰り出す斬撃がサベージの鋏を切り落とす。

 

 

「とどめだ!フリッツ!」

 

 

「はいよ。これでフィニッシュだ!」

 

 

ハヤトの一声に反応したフリッツがサベージにスナイパーライフルの照準を合わせて、スナイパーライフルの銃口からセンスエナジーによるエネルギー弾をサベージに向けて発射した。

 

 

「ナイスショットだ、フリッツ!」

 

 

フリッツの一撃にサベージが倒れ、レイティアがフリッツに手でピースをしていると、戦いに巻き込まれないようにサクラや乗客を守っていた八幡が四人の元にやって来た。

 

 

「四人共、見事なコンビネーションだった。まさか、俺の援護も無しにここまでやるとはな」

 

 

憧れの先輩である八幡の称賛の言葉を聞いて四人は嬉しそうにしていたが、戦いはまだ終わりではない。

 

 

「さて、後はあのサベージのコアを破壊するだけだが、レイティアやフリッツが使う汎用型のハンドレッドでは厳しいだろう。エミール、やってくれ」

 

 

「了解、ハチマン先輩!」

 

 

そう言うと、エミールは動けなくなっているサベージに対して白い弓を向けて、コアに青い矢を放とうとする。

 

 

だが、そこで誰もが予想していなかった出来事が起きてしまった。先程までぐったりとしていたサベージが突然赤い光を放ったのだ。

 

 

「ぐっ……何だったんだよあの光……な!?」

 

 

「うそ……だろ!?」

 

 

サベージから放たれた赤い光が治まり、五人が見たもの、それは切断された腕が再生されていたサベージの姿だった。エミールやハヤトはそれに驚いていたが、八幡だけはそれを見て何かを納得していた。

 

 

「なるほど、リジェネレーターか」

 

 

「リジェネレーター……それって確か、再生能力の持つサベージですよね?」

 

 

八幡の言葉にハヤトが反応する。

 

 

「その通りだ、如月達はつい最近リジェネレーターについて座学生で勉強したんだったな。確かにリジェネレーターは厄介だが、あの再生能力は無限に行えるものじゃない。あの再生能力は核が発生源だ。つまり……」

 

 

「サベージの攻撃を掻い潜って、核を一撃で破壊する攻撃をすれば倒せるだよね?」

 

 

そう言ってエミールは八幡の方を向く。

 

 

「ああ、核に攻撃をするのは如月が適任だろうな。その他三人は俺と如月のバックアップだ。通常型ならお前だけに任せようと思っていたが、リジェネレーターが相手なら俺も参戦しよう。あまり戦力にはならんけどな」

 

 

そう言いながら、八幡は影から黒い刀を片手に生成し、サベージに向かい合う。

 

 

「行くぞ!」

 

 

八幡の声と共に五人は一気に散開した。

 

 

「これでも食らいな!」

 

 

「とりゃあぁぁ!」

 

 

フリッツとレイティアがサベージの側面に回り込み、サベージの足にそれぞれの武装による攻撃を食らわしていく。それによりサベージが体勢を崩した瞬間に、ハヤト、エミール、八幡はサベージのコアがある部分近くに一気に近付く。

 

 

「ハヤトの邪魔はさせないよ!」

 

 

「如月、お前はコアだけに集中しろ!」

 

 

ただサベージの方もそう簡単にやられまいと、再生した両手の鋏でハヤト達の妨害をしようと攻撃をしかけるが、エミールと八幡による斬撃により、鋏は切り落とされて攻撃は失敗に終わってしまう。

 

 

「はあぁぁぁ!!!」

 

 

その隙にハヤトは飛燕にセンスエナジーを込めて、核まで残り一メートル近くまで近付くが、そこで思いもよらない事が起こってしまったのだ。なんと、八幡達が切り落とした筈の鋏が片手だけ再生し、ハヤトを襲おうとしていたのだ。

 

 

「は、ハヤト!!危ない!!」

 

 

「あのサベージ、片手だけに再生能力を集中させて再生するスピードを早めたのか!?」

 

 

エミールや八幡達は必死に呼びかけるが、鋏の一撃は絶対絶命の位置にある。全センスエナジーを飛燕に込めたハヤトはエナジーバリアも使えない。攻撃を受ければ、大ケガは免れないだろう。

 

 

(くそっ。ここまでか……)

 

 

ハヤト自身も身の危険を覚悟した瞬間……

 

 

「やめてっ!」

 

 

絶対絶命のハヤトの姿を見たサクラが悲痛な叫びをあげ、それと同時に驚くべき事が起こったのだ。サベージがサクラを向き、攻撃を止めたのである。

 

 

その時、八幡はサクラと過ごしてきた時からずっと推測していた事を難しい顔で考えていた。

 

 

(サクラの歌はサベージの体液を摂取した人に何かしらの反応を与えるのは知っていたが、まさかサベージにも影響があるとはな。確かにサベージの体液を摂取している共通点を持っている以上、理論上はサベージにも影響があるだろう。なら、今までサクラのライブが始まる前や終わる前にサベージが発生したのは……)

 

 

「今だ!うおぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

八幡がそう難しく考えていた間、絶対絶命の危機を乗りきったハヤトはこのチャンスを逃すまいとサベージの核に対して飛燕を大きく振りかぶった瞬間……

 

 

「悪いな兄ちゃん、こいつは俺達の獲物だ!」

 

 

「えっ!?がはっ!!」

 

 

突如、サベージの背後からヴァリアブルスーツを着た褐色肌の少年が現れ、飛燕を握っていたハヤトに少年が武装であろうツインブレードで攻撃を食らわしたのだ。

 

 

それによりハヤトは地面へと叩きつけられ、ハヤトを攻撃した少年をエミール達は睨み付ける。そんな中、少年の正体を唯一知っている八幡は少年に声をかける。

 

 

「お前は……やはり来ていたか」

 

 

「久しぶりだな。影の働き手」

 

 

 

 

 

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