閑話編スタートです!
サクラ入学
八幡side
「う~~~ん!!ホテルで食べる朝食も良いのだけれど、やっぱりハチマンの作る朝食が一番ね!」
そう言って俺が作った朝食をサクラは何事もなかったような空気で食べていた。うん、その感想はとても嬉しいんだが、それ以前にサクラに聞きたい事があるんだわ。俺はそう思いながらテーブルに自分の朝食を置いて、サクラの向かい側に座った。
「なぁ、サクラ」
「ん?何かしら」
「どうしてリトルガーデンに来たんだ?ライブが終わった以上来る理由は無いと思うんだが?」
サクラは今の所、ライブの予定は入ってないから、警護の依頼の線は薄いだろう。そうだとしても、依頼だったらサクラじゃなくてスフレさんが来るしな。ていうか、そもそもスフレさんが来てないってどういう事情だ?
「あー、実は私、今日からリトルガーデンに入学することにしたの」
「………………………はい?」
それを聞いてサクラに訊ねた俺の口は開いたまま塞がらなかった。待って、俺の聞き間違いか?サクラがリトルガーデンに入学だと?
「待ってくれ。俺は何も聞いていないぞ。ていうか、入学には色々と書類の準備がいる筈だ。それはどうしたんだ?」
「ちゃんと書いたわよ。見てみる?」
サクラに促されるままに俺はサクラから入学の書類を受け取った。うわ、本当だ。ガチじゃねーか。だがそんな中、俺はまだ印がつけられていない一枚の書類を見つけた。まさか、これ……
「サクラ、この書類って……」
「ああ、それね。ここの生徒会長さんが入学を認めるサインを書く書類よ。これに生徒会長さんが書いてくれたら、私もリトルガーデンの生徒よ」
いやいや、クレアから入学を認めるサインを貰うってサクラの立場上かなり難しいじゃないか?渡した際に、クレアから反論されるのが想像できる。
「……ちなみに聞くが、スフレさんはこの事を知っているのか?」
「ううん、知らないわよ」
マジ?アポなしでリトルガーデンに来たのかよ。だとしたら、不法侵入じゃねーか。クレアが反論する以前に怒られるのは免れないだろう。そう言えば、管制塔にサクラのファンのスタッフがいたな。きっと、サインか何かで買収されてサクラを通したに違いない。
「仕事は大丈夫なのか?リトルガーデンに通いながらだとサクラもキツいだろう」
「別に大丈夫よ。ライブが近くなってきたら、欠席するだげだし、ハチマンも同じような感じでしょ」
うっ……確かに言われてみればそうだな。返す言葉が見当たらない。
「……はぁ、サクラが入学したい理由は再会できた如月兄弟達と少しでも一緒に居たいからだろ。その気持ちは俺にも分かる。サクラが仕事も含めて大丈夫と言うのなら、クレアには俺から話をつけとく。その代わり、スフレさんにはしっかり連絡しとけよ。もしかすると、今ちょうど心配してるかもしれないからな」
「やったー!ありがとね、ハチマン!!」
そう言ってサクラはPDAを取り出し、スフレさんにメールを打ち始めた。スフレさんは厳しい所もあるが、サクラの気持ちを誰よりも理解している人だ。最初は反論するかもしれないが、幸いリトルガーデンには俺がいるし、説得すれば許可してくれるだろう。
さて、俺もクレアに話をする準備をしておこう。まずは住む場所だな。寮だと大騒ぎになるから、確実に俺の家になるだろう。空き部屋もあるしな。
あっ!そうだった……サクラが編入する武芸家一年のクラスには葉山と由比ヶ浜と雪ノ下がいるんだったな。ツヴァイ諸島滞在中は先の一件でツヴァイ諸島に入れず、リトルガーデンで大人しくしていたらしいが、クラスであいつらに絡まれたりしたら面倒くさそうだな。とっとと、退学すれば良いのに。
仕方がない。授業の基本はあいつらが参加出来ない実習の時間だけ如月達と参加する出来るようにしてもらうか。他の座学科目は俺が家庭教師みたいに家で教えるようにしよう。後はあいつらがサクラに接触しないようにクレアから警告して貰おう。よし、これならサクラの身には今の所危険が及ぶことは無いだろう。
その後、俺はクレアに会うために生徒会長室に向かった。話をしたら、予想通り反論された。非戦闘員をわざわざリトルガーデンに入れるのはどうかってな。だけど、俺の必死の説得と後からやって来たシャロの後押しでどうにか許可してくれた。どうやら、シャロとしてもサクラの声を研究するためにサクラがリトルガーデンにいるのは好都合らしく、俺を助けてくれたようだ。
こうしてサクラは正式にリトルガーデンの生徒になった。突然の出来事で武芸家のクラスは荒れるかもしれないが、何事も無いことを祈ろう。