ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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指導開始!!

 

 

「あー……今日の訓練実習は外部からわざわざ特別に来て下さった講師達にやってもらう」

 

 八幡が視線を送ると、出水と里奈はヴァリアブルスーツを来た武芸科一年の前に出る。

 

「武芸科の一年の皆、初めまして。リベリア合衆国防衛大臣のエリック・出水だ。ハチ君とは昔のチームメイトで、ハチ君のように出水さん、もしくはエリックさんと気軽に呼んでくれ」

 

「坂梨里奈よ。出水さんと同じくハチマンとは昔のチームメイトで、ハチマンとは同じ中衛同士パートナーの関係だったわ。今日はよろしく」

 

 二人は簡単に何事も無いように自己紹介を済ませるが、武芸科の一年達は……

 

 

「「「………………………………」」」

 

 

 予想外の大物有名人に言葉が出ず、誰一人として緊張をしていない人はいなかった。なにせ、一人はリベリア合衆国の防衛大臣で、もう一人は世界際大規模の宗教『神聖教会』の武芸者の長みたいな人だからな。

 

 そんな様子を苦笑いしながら見ていた八幡だったが、練習場の端でそれを眺めていたクレアに手で招かれ、それを見た八幡は空気を壊さないように気配を消しながら、すぐにクレアの方に向かった。

 

「ハチマン、どういうことですの!?私は彼らと相談をすれば良いと提案したのに、何でリトルガーデンに直々に指導することになりましたの!?あんなに忙しい人を連れてきたら、リベリアと神聖教会に迷惑をかけますわよ!?」

 

「しょうがないだろ!?まさか本当にお願いしたら、あんな簡単にお散歩感覚で来るとは思っていなくてさ!?幸い、里奈も出水さんも上層部からこの件は許可を貰っているから、お互いに迷惑はかけない筈だ……多分」

 

 端で八幡とクレアが生徒達にバレないように小声で言い争っている他所で、言い争いの発端の二人と一年生達は何をしているかというと……

 

 

 

「あの、エリックさん……サインを」

 

「あ!ズルいぞ、フリッツ!」

 

「別に構わない。えっと……フリッツ君とレイティアさんだね。はい、これで良いかな?」

 

 フリッツやレイティアを中心とした生徒達、リベリア出身組が出水さんと共にリベリアトークに花を咲かせており、その一方では……

 

 

 

「貴女が霧島サクラね。ハチマンから度々聞いているわ。ハチマンの義妹で、()()だと」

 

「へぇ~、神聖教会の聖騎士長さんに名前を覚えて貰えて光栄だわ。そう言えば、ハチマンとはチームでずっとパートナーだったらしいわね。……もしかして、ハチマンを狙っているのかしら?」

 

「……だったら、どうする?」

 

「ふ~ん……やってみなさいよ」

 

 里奈とサクラが互いを火花が散るぐらい睨みつけており、ハヤトやエミール達はその光景を何も出来ずにただただ傍観するしかなかった。他人を寄せ付けないほど、この二人の争いは凄まじいもので、二人が何で争っているかは遠くにいた八幡に聞こえることはなかった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「さて、自己紹介も終わった所で、彼らの指導を始めよう……と言いたい所だが、まずは出水さんと里奈とそれぞれ誰か代表で戦ってもらい、彼らの強さを確かめてもらいたい」

 

 八幡の言葉を聞くと、武芸科一年の生徒は一斉に動揺を隠しきれないような表情を示す。そんな空気の中、八幡は話を続ける。

 

「なお、出水さん達と試合をする代表はこっちが決めさせてもらった。まず、出水さんと戦う代表だが……レイティア・サンテミリオン」

 

「わ、わたしか!?」

 

 それを聞いたレイティアは驚いた表情を見せ、周りの生徒は一斉にレイティアの方に視線を向ける。

 

「あの……比企谷先輩。強さでいったらわたしより、ハヤトやエミールの方が適任なんじゃ……」

 

「別に強さだけで決めているわけじゃない。俺が重視したのは出水さん達から何を得られるかだ。出水さんはレイティアと同じ型のハンドレッドだ。そういう似たような所を含めて俺は推薦したわけだ」

 

「成る程、分かりました。その代表戦の代表として一生懸命やらせてもらいます、比企谷先輩」

 

 レイティアが自分の人選理由を理解した所で、彼女の相手が彼女に話しかけてきた。

 

「レイティアさん、本気でかかって来なさい。武芸者を体力面で引退したが、これでもまだ現役には負けたくなくてね。身体が保つ限り、君とは本気で戦わせてもらうよ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「二人とも、準備は大丈夫か?」

 

「はい、比企谷先輩!」

 

「大丈夫だ、ハチ君!」

 

 練習場のステージにレイティアと出水さんが向かいようにスタンバイをし、八幡を含めた他の面子はステージの周りの観客席に座っていた。

 

「それじゃ、ハンドレッドを起動して下さい」

 

「よーし、行くぞ!ハンドレッド・オン!」

 

 八幡の声と共にレイティアはセレクションズ入隊時に貰った専用ハンドレッドー『獣王武神(ストライクビースト)』を起動させる。すると、足に水色の獣の足のような武装が現れ、腕にはレイティアの顔以上の大きさがある水色の拳が顕現する。

 

「成る程、マーシャルアーツ型か。確かに俺とハンドレッドの型は同じだが、戦い方は違うかもな」

 

 出水さんはそう言うと、懐からナックルダスターのような形をしたメカメカしい物を取り出し、レイティアを驚かせるが、すぐにレイティアはその正体に気付いた。

 

(あれは……ハンドレッド!?)

 

 出水さんはそれを右手でしっかりと握りしめ、左手の平に対して強く押し込む。

 

 

『レ・ディ・ー』

 

 

「ハンドレッド・オン!」

 

 

『フィ・ス・ト・オ・ン!!』

 

 

 出水さんの言葉と共に、ハンドレッドは赤く輝き出し、出水さんを白いヴァリアブルスーツで包むと、その上から機械の強化用スーツのような白色を基調とした武装が足や腕や胴に隙間なく顕現する。動きやすいレイティアの武装と比べて、こちらは動きにくそうと誰もが思うだろう。

 

 

(これがエリックさんの専用ハンドレッド……神の御手(ゴッドハンド)か!?)

 

 

 

「さぁ、始めなさい!!」

 

 

 

 

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