ボッチのハンドレッド使い   作:リコルト

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編入と会見

 

 

八幡side

 

 

「ハチマン、制服のネクタイが曲がっているわよ。ほら、私が直してあげるわ。こっち向きなさい」

 

 

「ああ、悪いな」

 

 

サクラにそう言われて俺はサクラの方を向いてリトルガーデンの制服のネクタイを直してもらった。

 

 

今、俺が居るのはリトルガーデンの講堂のステージ横である。そこでは俺とサクラ以外にクレアやリディやエリカの生徒会メンバーなどが準備をしている。

 

 

何故ここにいるかだと?それは今日、俺がリトルガーデンに編入、『影の働き手』が編入することをリトルガーデンの生徒やわざわざ集まった広報の記者に発表するためだ。

 

 

俺は舞台横からステージを見る。生徒達も多いが、記者の人もかなりだな。まぁ、今までソロで秘密の武芸者がリトルガーデンに入学するんだ。話題性はかなり高いだろう。

 

 

「ハチマン、そろそろ始めたいのですが準備はよろしいですか?」

 

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 

俺はクレアに訊ねられ、問題ないと返答する。

 

 

「なら、行きますわよ。ハチマンは一応特に話さなくても構いませんわ。では、打ち合わせ通りに………」

 

 

「ハチマン、ステージの横でしっかりと見ているから頑張ってね」

 

 

サクラに見送られ、俺はクレア達生徒会のメンバーと共に講堂のステージに上がった。

 

 

…………………………

 

 

 

………………………………………

 

 

 

…………………………………………………

 

 

俺とクレアとリディとエリカがステージに立つと、講堂に響き渡る生徒と記者の声が一斉に静まった。

 

 

『この度は突然の集会に集まって頂き感謝致しますわ。今回、集まって頂いた理由は皆様も噂で聞いていたのかもしれませんが、新たにリトルガーデンの戦力としてある人物を紹介させて頂くからです。それでは…』

 

 

マイクで話していたクレアに続けるように俺はマイクで生徒達に話す。

 

 

『あー……、クレア…会長から紹介がありました比企谷八幡です。皆様が知っている名前だと『影の働き手』とも呼ばれています。今まではソロでの活動をしていましたが、この度からリトルガーデンの武芸者としてやっていこうとリトルガーデンに編入させて頂きました。リトルガーデンの生徒の皆様、よろしくお願いします』

 

 

俺はマイクを通してリトルガーデンの生徒達に簡単な自己紹介をした。俺が自己紹介を終えると、講堂はしばらく静寂に包まれた。やはりいきなり『影の働き手』の名前を使うのは厳しかったか?そう思っていると……

 

 

 

『ウオォォォオォォオォ!!!』

 

 

 

沈黙を破るかのように生徒達が大きな声を上げて興奮し出す。その間、記者達は俺の方にカメラを向けてシャッターを切り出す。

 

 

『スゲーよ!あの『影の働き手』がリトルガーデンに編入してくるなんて!』

 

 

『私、昔彼に故郷の近くに出現したサベージを討伐して貰ったことがあるの。オガサワラで『影の働き手』がリトルガーデンにやって来るという噂が有ったけど、まさか本当だったのね!』

 

 

『それにしても正体がクレア様と同い年の高校生だったとはね!『絶対無敵の女王(パーフェクトクイーン)』のクレア様に『影の働き手』の彼が居たらリトルガーデンに怖いものなんて何もないわね!』

 

 

生徒達があちこちで俺について話していた。信用されないと思っていたが、杞憂だったな。

 

 

『彼はワルスラーン社からのリトルガーデンへの勧誘を設立当時から断っていましたが、彼のある都合からリトルガーデンに編入という形で彼を迎え入れました。明日からは貴方達と同じ生徒であると同時に、武芸者コースの指導者、また生徒会の一員として彼にはリトルガーデンに在籍します』

 

 

『自分がサベージと戦って来た経験を生かして、リトルガーデンの武芸者達に色々な事を教えようと思っているので、明日からよろしくお願いします』

 

 

クレアと俺の話を聞いて講堂は再び喝采とも言える大きな声に包まれた。どうやら大成功のようだな。ステージ横でもサクラが生徒達に認められたからか、嬉しそうにしていた。

 

 

余談だがその後、俺はクレアから生徒達にハンドレッドを起動した姿を見せて欲しいと言われたので、俺はハンドレッドを起動して生徒達に『影の働き手』としての姿を見せた。それを見て生徒や記者達が驚き、興奮していたが、別に自慢をしていたわけではない。ハンドレッドは血縁関係でも無い限り同じ型は作られない。つまりはハンドレッドを見せることは『影の働き手』を確実に証明する行動でもある。これを見れば少なくともハンドレッドについて知っている者から疑いの目はないだろう。

 

 

 

…………………………………

 

 

……………………………………………

 

 

………………………………………………………

 

 

集会が終わり、俺とクレアはリトルガーデンの発着場に来ていた。なぜなら、サクラはまた明日から大きな仕事ではないものの、アイドルとしての仕事が始まるからだ。そのためサクラは今からでもリベリア合衆国に帰らないと行けない。一応、発着場にはサクラが来ていたことを隠すためリディ達が立ち入り禁止にしているらしい。

 

 

「すまんな。一緒に行けなくて……」

 

 

「別にしばらくは大丈夫よ。私もハチマンと久しぶりに一緒に過ごせて楽しかったわ。今はハチマンを必要とする皆のために居ると良いわ。そこはアイドルの私と精通している所だし。それじゃあ、次はツヴァイ諸島のライブで会いましょう」 

 

 

そう言ってサクラは彼女が所有する飛行機にスフレさんと乗り込む。それを機に飛行機のドアがゆっくりと閉まる。

 

 

「ハーチマーン!これでハチマンも有名になったからずっと保留にしていた私との結婚も考えてね-!」

 

 

「なぁっ!?」

 

 

サクラはとんだ爆弾発言を残していき、俺が答える間もなく飛行機はリトルガーデンから離陸していった。

 

 

「……貴方も大変ですわね」

 

 

ははっ………ここに居るのがクレアだけで良かった。もし他の人に聞かれていたら新たな悩みの種を作る所だったわ。

 

 

 

次の日、俺がリトルガーデンに編入した事と俺が『影の働き手』である事がワルスラーン社の公式サイトから全世界に集会の動画と共に発表された。これを受けて今はどのニュース番組を見ても俺の事しか流れていない。また、何でもリトルガーデンの次年度の入学希望者数が昨年の3倍になったそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

次の日………別の場所で

 

 

 

「いや~、それにしても比企谷君の話題は凄いよね~。落ち着くのはもう少し先かな~」

 

 

そう言いながら陽乃はリトルガーデン内で使える通信機であるPDAを使い、最近のニュースを見る。

 

 

「………ん?」

 

 

すると陽乃の目に気になるニュースの記事があり、陽乃はそれを詳しく見ようとする。

 

 

「………これって!?」

 

 

陽乃はそれを見て動揺した。その記事とは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『影の働き手がリトルガーデンに来た本当の理由!?チバにある総武高校で起きた学校全体によるいじめの真相!彼は冤罪ながらもいじめを受けていた!?』

 

 

それは比企谷八幡がかつて通っていた高校の事だった。今回、比企谷八幡が素顔を明かしたので、パパラッチみたいな誰かが興味本意で比企谷八幡について詳しく知ろうとしたのだろう。詳しく見るとどうやら比企谷八幡が学校をやめてから数日後、総武高校にいじめの事実が発覚したのだ。確かに偶然とは言えないだろう。この見出しもよく分かる。

 

 

(比企谷君はあの時、総武高校に関してはもう未練がないと話していたわ。比企谷君が復讐の意味を込めて発表する筈がないし、そもそもあの件について真実を知っているのは比企谷君と私、後はシャロぐらい。一体誰がいじめの真実を流したのかしら?謎が深まるわ………)

 

 

陽乃はその記事を見ながら深く考え込んでいた。

 

 

(でも、見るとあくまでそのような言及を食らっているのは一部の生徒なんだよね。まぁ、自業自得だし仕方が無いんじゃないかな。比企谷君の正体を知らずにいじめをしていた人に関して言えばね)

 

 

 

「…私の考えだと雪乃ちゃんはこれを受けて近いうちに私にまず、連絡をしてくる筈よ。さて…どう対処しようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

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