【 三次創作 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ 】 作:米ビーバー
の第一話の時間軸にやっと追いつきました。そちらの日記を多少参考にしています。
↓↓第一話
https://syosetu.org/novel/175665/1.html
豪雨の後の悪天候での決勝戦。
濁流の桟道を進む戦車、敵の待ち伏せ―――
砲撃戦―――崩れる山肌、土砂災害―――
―――巻き込まれて流されていく黒森峰の戦車―――。
―――飛び込もうとするみぽりんを制して車外に飛び出す俺
―――そして―――
『黒森峰フラッグ車、走行不能!よって、プラウダ高校の勝利―――!!』
―――その日、黒森峰十連覇の夢はあっけなく潰えた―――
―――だが、これでいい。
勝ってくれるかもしれないと希望をもたなかったわけではないが、これでいいんだ―――。
「俺はただみほエリが見たかっただけなのに 三次 」
【 装填騎兵エミカス ダージリン・ファイルズ・急の章・零 】
―――― Side Emi
―月―日
ダージリン(仮)改めフッドが高等部に行ってしまった。
残念だ。非常に残念な気持ちで一杯だ。
あれが居なくなってしまったら一体だれを倒せばみほエリの仲が進展するのかの区別がつかない。かといって闇雲に敵をボッコるのも間違ってる気がする。
二年生の折に嵐のようにやってきたアールグレイパイセンとの一戦からエリカは別の車輛に移り、そちらで車長として行動するようになり、自然に疎遠フラグが立ってしまっている。どうにか時間を合わせようにも俺とエリカ、俺とみぽりんという組み合わせの時間が多くなる。
三年生になってみぽりんが隊長、エリカが副隊長という構図が出来上がり、一先ず一安心な部分は出来た。が、何かきっかけがなければこれ以上の進展は現状、望めそうもない―――。
―――これほどまでにフッドが欲しいと思ったことはない。経験値的な意味で、経験値的な意味で。
ところで黒森峰の高等部では一年生に上がったばかりだというのにまほ隊長がレギュラーメンバーに喧嘩を売られて盛大にぶちのめしたらしい。
何やってんのまほ隊長―――と思ったが、どう考えても来年入ってくるみぽりんの副隊長化のためです本当にありがとうございました。
相変わらず妹にダダ甘なお姉ちゃんのようで何よりだ。俺がみぽりんの代わりに救出イベントをこなした後、みぽりんを支える支柱は多いほどいい。エリカが認める支柱であればモアベターと言える。
―月―日
やばい。全然わからん(授業的な意味で)
戦車道の特訓をこなして自分の腕を維持し続ける代償として可もなく不可もなくスレスレを飛行していた俺の成績が徐々に下降の一途をたどり始めた。
進学が危ういというところまではいっていないが、このまま進むと本気でやばいかもしれない。黒森峰は進学希望のエスカレーターというわけではなく、進学を選んだ場合、それに合わせてボーダーありの受験を行い、最低成績の足切りを行う方式なので、勉強は欠かせないのだ。
エリカやみぽりんからは「戦車道推薦枠」を推奨されたが、その場合大会決勝のあの事件の後、推薦を取り消されて即座にバイバイとなりかねない。もしそうなったらみぽりんとか確実に責任感じて曇る。みほエリとかそういう次元ではなくなる。
なので「自分の力で進みたい」とちょっとそれっぽい理屈で押し通す。
―――駄目。やめてそんな尊敬した目で見ないで取ってつけた理由だからッ!!
追記
見かねたエリカが勉強を見てくれた。ちょうどいいのでみぽりんも呼んで勉強会しようと言うとやれやれといった表情でOK出したのでみんなで勉強会をしました。とてもたのしかったです
でもとんでもない敗北感も同時に味わいました。中身アラサーなのになぁ……
―月―日
俺が勉強ができない(NOT漫画タイトル)ことを聞きつけてフッドがやってきた。盛大に煽り倒して「ヲーホホホ」とかそういうのが似合う感じのハイソな高笑いを上げるので「煽りに来ただけなら口に珈琲豆ぶち込むぞ」と聞こえるような声で呟くと笑いが収まった。今後節分のように投げつける用の珈琲豆を常駐しようと思う。
最終的に何をしに来たのかをぶっちゃけると俺の勉強を見てやろうとわざわざやってきたらしい。学園艦をまたいでのカテキョとか聞いたことないのだがグロリアーナ的にそれOKなの?と聞いたところ「燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや」とドヤられた。要は「私には私の目的がある。でもあなたにはそれがわからないでしょう」とドヤってきたわけなので「A goal without a plan is just a wish.(計画の無い目標は、ただの願い事に過ぎない byサン=テグジュペリ)」と返したらムキになったのか格言の応酬になりその日はつぶれた。
―――あれ?こいつが格言おばさんになるフラグ俺が立てたの?ねぇ?
―月―日
高等部に上がりレギュラーメンバーを勝ち取った。みぽりんの車輛で装填手としてガッコンガッコン装填する日々が始まる。
グロリアーナとの新人戦メンバーに抜擢され、出陣。受験勉強で鬱屈した日々を解消してくれる装填たーのしー!!していたらいつの間にか敵陣がほぼ壊滅していた。骨のない連中だな―――フッドの方がまだ反骨精神に溢れてたと思う。
最後まで快速で逃げ回ってたカヴェナンターが履帯を自分でぶっ壊して転がった。何やってんだあれ……と思ったが、高確率でローズヒップ(仮)です本当にありがとうございました。
試合後にやってきたフッドに「よっすフッド」って挨拶したらキレられた。解せぬ。「ダージリンの由緒ある名前を貰ったのでダージリンと呼びなさい」と言われたので意地でもフッドと呼び続けてやろうと思う。
聖グロの一年生たちにフッドの名前が浸透してなかったらしく怪訝そうな顔になっていた。まだムカついてるっぽいフッドに「これでも飲んで落ち着け」とポットに入ったオリジナルブレンドを差し出したら手袋を外し始め傍にいた別の二年生に取り押さえられていた。
―――あれ?コイツアッサムじゃね?(いまさら)
―月―日
中等部からこっち、エリカからの引き抜きに笑顔でみほと相談して決めろと丸投げするやり取りは変わらず。
みぽりんの車輛メンバーにエリカの車輛のメンバーも含めて10名。笑い合い助け合い団結して―――
―――決勝戦が、始まる―――。
―月―日
俺はみぽりんを守り切ることができた。感無量と言ったところだ
あとはみほエリを為すためにすべきことを為す。
ああ、でも―――
―――もうダージリンと勝負することもないのか。
何だろうな、少し物足りないこの感じは―――
今回はエミカスサイド視点のお話
プレリュードはあくまでダージリン視点のお話でした。