世界の崩壊とリセット   作:金剛時雨

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第11話 散る命と選択肢

こんにちは?

 

こんばんは?

 

拓真です

 

あれから色々あり

 

まず救出に来る予定だった

 

輸送部隊と護衛部隊を

 

それぞれ三ヶ所に移動するように指示

 

その際に各中隊と代表者を乗せる

 

俺はそれを見送ると次は第1中隊の各小隊の警備確認だ

 

それぞれ主要の門を3か所に限定

 

他の門はバリケードと補強で完全に封鎖

 

俺の家の門も完全に封鎖し

 

使えるのは屋敷と家を結ぶ通路のみ

 

そこにも一応防衛用のセントリーガンがある

 

左右の門には第2,3小隊をそれぞれ配置

 

正面の正門は第1小隊と一心会の人達が

 

第4,5小隊は応援要員兼補給要員だ

 

俺はそれぞれの小隊長に状況確認を終え

 

最後に第1小隊の方に来たのだが………………

 

・・・・・・・

 

まぁ軍人である俺達を基準にするのは間違いだがアレはないだろう

 

アレとは今この屋敷にいる避難民達だ

 

といっても一部の頭が飛んだ連中だけど

 

俺は中佐に近づく

 

 

ジョナサン「総隊長」

 

「何事だ?」

 

ジョナサン「デモみたいなものですかね、感染者に人権を訴えてる連中です」

 

「死人に人権を求めるのが間違いだ」

 

ジョナサン「意識がないだけかもしれません」

 

「君はあいつらと同類か?」

 

ジョナサン「いえ、違います」

 

「………………もしかして家族がいるのか?」

 

ジョナサン「妻は硫黄島勤務です、しかし私の父と母はまだアメリカで生きていました」

 

「連絡は?」

 

ジョナサン「我々は戦死者です、幽霊は何も語りません、しかし昔実家の近くまで来たので覗きました」

 

「で?どうだった?」

 

ジョナサン「2人共笑顔でした、こっそり部下に頼んで周りに聞き込むと笑顔の理由がわかりました」

 

「聞いても?」

 

ジョナサン「『息子が安心して逝けるように毎日楽しく過ごしている』だそうです」

 

「………………そうか」

 

ジョナサン「そう悲しそうな顔しないでください、それよりも彼らです」

 

「一応聞くが感染者が人間に戻る可能性は?」

 

ジョナサン「ありえません、感染すれば必ず死にます、その後脳による何らかの異変が起きて人を襲います」

 

「その結果があの異常な腕力と顎の力か」

 

ジョナサン「はい、本来の人間のリミッターが外れている模様です」

 

「なるほどな、結論彼らは死者か」

 

ジョナサン「はい」

 

「まぁ彼らはそんなこと言っても聞かないか」

 

ジョナサン「でしょうな」

 

「第1小隊から10人ほど人を回してくれ」

 

ジョナサン「私と第1分隊がお供します」

 

「それだと俺いれて12人だけど?」

 

ジョナサン「不満ですか?」

 

「いや、過剰戦力だな」

 

ジョナサン「今更です」

 

「だな、全員完全武装で向かうぞ」

 

ジョナサン「全員既に出来ております」

 

「………………後は俺だけか、少し待て」

 

ジョナサン「その必要はないかと」

 

「え?」

 

 

中佐が目線を向けた方には明音とメアリーがいた

 

それぞれに持ってるのは俺が使う妖刀『紅桜』と拳銃が1丁

 

予備の弾薬はなさそうだ

 

多分彼女達はこの後何が起きるかわかってるんだ

 

俺が何をしようとしているのかも

 

 

「明音、メアリー」

 

明音「どうせ行くんでしょ?部下に頼まずあなた自らが」

 

「せめての慈悲だ」

 

明音「殺すのに慈悲もいるかしら?」

 

「この地獄を早く退場する事と命の重みを背負う事、これで慈悲になるだろう」

 

メアリー「………………先輩」

 

「メアリー、もしかして予備の弾薬がないのは………………」

 

メアリー「できるだけ殺してほしくないからです」

 

「メアリー………………」

 

メアリー「それになくても先輩なら何とかなるでしょ?」

 

「それは言わなくていい」

 

 

最後の言葉で笑う3人

 

俺は2人から武器を受け取る

 

俺はふと彼女から声をかけられる

 

 

紅桜『今度はおいしいモノが飲みたいわ』

 

『おいしいかはわからないけど生き血は吸えるよ?多分ね』

 

紅桜『そう、楽しみにしているわ』

 

『ああ』

 

 

俺は紅桜を左腰に

 

拳銃を右腋のホルスターにしまう

 

軍服の上着を着て拳銃を隠す

 

俺は彼女達の方を見る

 

2人共笑顔だった

 

だけど多分だけど内心では行ってほしくないんだろうなぁ

 

俺は笑顔で返す

 

 

「行ってきます」

 

明音・メアリー「「いってらっしゃい」」

 

 

今度は中佐と部下達の方を向く

 

けど何故か緊張した空気より

 

なんか和んでるような空気だった

 

 

ジョナサン「閣下でもあんな顔されるんですね」

 

「あんな顔ってどんな顔だよ、後閣下はやめろ」

 

ジョナサン「失礼、では行きましょうか総隊長」

 

「ああ、総員対暴徒戦用意、着剣」

 

全員『はっ!』

 

 

この事は総帥には既に話は通してある

 

一心会の人達も俺なら信頼できるそうだ

 

これで彼ら避難民の生死の権利は我々が掌握した

 

徐々に近づくテント

 

他の分隊があのテントの隔離を行っている

 

もちろん気づかれないように

 

俺と中佐のみ入る

 

他は周りを囲ませる

 

声も聞こえる距離まで近づいてきた

 

 

女性「---------!-------------!」

 

孝「あのーーーー体ーーーー話ーーーるんです?」

 

女性「子供が口を挟む事じゃない!」

 

「なら我々が相手をする!」

 

沙耶「た、拓真?」

 

コータ「拓真!」

 

孝「………………拓真」

 

「そう3人で俺の名前を呼ぶなよ」

 

女性「何よあなた達!」

 

「我々は国連の者です」

 

女性「はぁ?子供が何を言ってるかしら?」

 

「冗談に聞こえますか?この間のヘリを見なかったですか?」

 

女性「だから何?子供が割り込む事じゃないわよ!」

 

「1つ言っておきます、あなた方の命は今我々は握っている」

 

女性「はっ!結局それが言いたいだけじゃない!」

 

「………………は?」

 

女性「そうやって脅して私達に殺人を見過ごせと言うのね!?」

 

「既に死んだ人間に殺すも何もないですが?」

 

女性「詭弁だわ!彼らは生きているわ!」

 

「あなたも見て来たでしょう?あの惨状を」

 

女性「だから何?私達はあなた達のみたいな野蛮な事をしない!」

 

「もう茶番をいいか、これは警告です速やかに解散しなさい」

 

女性「これが茶番ですって!?」

 

「もう1度言います、解散しろ」

 

女性「断るわ!むしろあなた達がここから立ち去りなさい!あのヤクザの所にね!」

 

「………………これが最終忠告です、解散しなさい」

 

女性「我々はあなた達野蛮人に屈しないわ!私達平和を愛する日本人が殺人病患者の人達を救うのよ!」

 

 

………………もう無理だな

 

さっきから聞こえる声も支離滅裂

 

これ以上の交渉を不可能

 

抵抗しない避難民は救おう

 

それぐらいの慈悲で満足してもらう

 

俺は紅桜を一瞬だけ振る

 

右手に持つ紅桜には血はなく

 

その代わり刀身は赤くなっていた

 

 

女性「とうとう武器を出したわね!」

 

「いえ、もう斬りました」

 

女性「なに………………を?」

 

男性「ヒィ!?」

 

孝「拓真!お前………………」

 

 

そこには首と胴体が離れた女性がいた

 

そう、先ほど喚いていた人だ

 

するとテントの周りから銃器を構える音が聞こえる

 

 

「逃げても無駄です、周りは俺の部下達がいますから」

 

男性「こ、こんな事が許されるはずがない!」

 

「ええ、本来なら許されるはずがないでしょう、しかし彼女は我々の法に触れた」

 

男性「ほ、法だと?」

 

「国連非常時対策法です、彼女はそれに触れ処断されました」

 

男性「そ、そんな………………」

 

「………………あなたのご家族は今どちらに?」

 

男性「つ、妻が近くのテントで休んでいる」

 

「そうですか、ではあなたに選択権を与えましょう」

 

男性「な、なんだ?」

 

「1つ、まだこのくだらない茶番を続ける、その場合あなたを含むここにいる全員処分します、もちろん奥さんもです」

 

男性「なっ!?そんなふざけた真似を!」

 

「最後まで話を聞きなさい、2つ、あなただけ命乞いをする、この場合あなたと奥さん以外を処分します」

 

男性「そ、そんな………………」

 

「3つ、あなたここの避難民を纏め我々に従う、この場合は全員仲良く生き残ります」

 

男性「な、なら3つ目を………………「ただし!」………………え?」

 

「あなたが纏めきれずまた暴動が起きれば全員処分します」

 

男性「そ、それは………………」

 

「今決めてください」

 

 

男性は難しい顔をしだした

 

周りの避難民は彼の判断で生死を握られてると知ると顔を青白くしながら見守る

 

一方孝やコータは何か言いたげだったが中佐が抑えられていた

 

沙耶は黙ったままだ

 

 

男性「・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

男性「………………1つ聞きたい」

 

「何でしょう?」

 

男性「俺の職業を知っているのか?」

 

「ええ、知っています」

 

男性「ッ!?そ、そうか」

 

 

実の所知らない

 

ただ昔市役所で職員を纏めてる所を見た事があった

 

だから選択肢を与えた

 

もしかしたらの可能性に賭けた

 

 

男性「き、決めた」

 

「そうですが、答えをどうぞ」

 

男性「………………3つ目だ」

 

「あなたに纏めれますか?」

 

男性「やってみよう」

 

「そうですか、では信じます、中佐武装解除」

 

ジョナサン「はっ!」

 

男性「あ、ありがとう!」

 

「礼は不要です、行きますよ」

 

ジョナサン「了解しました!」

 

孝「お、おい!拓真!」

 

 

俺は外に出る

 

既に第1分隊は武装解除し俺の前にいた

 

沙耶とコータは納得していたが

 

孝は何故かやるせない気持ちのようだ

 

まぁ仕方ないが

 

 

「中佐、彼女を死体袋しまっておいてくれ」

 

ジョナサン「わかりました」

 

「ではここは任せる」

 

ジョナサン「はっ!」

 

 

俺はここを彼らに任せ

 

屋敷の方に戻る

 

もちろん孝達も一緒だ

 

屋敷の玄関まで来ると俺は振り返る

 

 

「言いたいことがあるなら今だけ聞くぞ、孝」

 

孝「何で?」

 

「今は軍属としてではないからな」

 

孝「そうじゃない!何故殺した!」

 

「邪魔だからだ」

 

孝「なに!?」

 

「正確にはさっき言った法に照らして彼女は我々の妨害する危険因子なった、だから処分した」

 

孝「もっと他の方法もあっただろ!」

 

「無理だ、彼らは俺と君らを子供とみて聞く耳を持たないだろう」

 

孝「でも!」

 

「現実を見ろ!彼らのように現実を受け入れきれないお前ではないだろう?」

 

孝「クッ!………………すまない拓真」

 

「いいんだ、理解してくれたなら」

 

孝「この後どうするんだ?」

 

「少し部屋で寝る、疲れた」

 

孝「そ、そうか、じゃあまたな」

 

「ああ」

 

 

俺は孝達と別れ上に上がり俺の部屋に入る

 

拳銃を置き

 

上着もハンガーにかける

 

紅桜を机に立てかける

 

彼女はさっきから何も言ってこないが

 

どうなんだろうか?

 

まぁそんな事は本人(?)が返答しなければ意味がない

 

俺はベットに寝そべる

 

・・・・・・・

 

本当は他にも方法があったのかもしれない

 

でも今はこれが精一杯だ

 

俺は気分が重くなると共に目を閉じた

 

 

 

 

 




次回『空港制圧』
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