世界の崩壊とリセット   作:金剛時雨

12 / 28
第12話 空港制圧

・床主国際空港内・南リカside

 

 

あれからどれぐらい経っただろうか?

 

見渡す限り

 

死体ゾンビ死体ゾンビ

 

そればっかりだ

 

彼からの連絡が本当なら

 

救援は来る

 

自衛隊より早くだ

 

だが現実は非情である

 

最後の飛行機を上げてから今まで

 

上から覗いているが

 

これは狙撃より爆撃した方が早い気がしてきた

 

 

サクラ『ダリア、ダリア、こちらサクラ、現状知らせ、送レ!』

 

田島「サクラ、サクラ、こちらダリア………………」

 

「今必要なのは狙撃じゃなくて爆撃よ」

 

田島「………………現状は最低で最悪なり送レ!!」

 

サクラ『………………了解、ダリアは現配置を破棄、サクラに合流せよ』

 

 

まぁ予想通りね

 

私達は空港の屋根を走る

 

ちらりと眼下を見るが

 

何度見ても地獄である

 

ここよりもっと酷いのが町の方なのだ

 

ここは洋上空港

 

交通手段は定期船のみ

 

なのにこの惨事だ

 

今でも放送で呼びかけをしているが

 

はたして効果があるのか

 

私達はロビーに入り周りを見る

 

そこには何とかここに逃げて来た避難民達がいた

 

 

田島「もしかして全然なのか?」

 

警備員「ああ、何度も放送しているがチラホラと逃げて来ただけだ、ビル全体で1000人もいない、連絡もほとんどない、信じられないよ!この空港には職員だけで2万人はいたのに」

 

「民間人1万人を加えて全部3万人………………酷い有様ね」

 

警備員「おいキューバ物かよいいの吸ってんな、てかここは禁煙だぜ!?」

 

田島「そんなこと言ってる場合かよww」

 

「吸うなら今の内よ?世界中がこの騒ぎだもの国内の在庫が切れたら二度と手に入らないわ」

 

 

まぁ彼の所ならまだありそうだけど………………

 

その後私は田島を連れてプレミアムラウンジに入った

 

ここには狙撃支援班班長(=エス班長)に他の隊員に

 

大量の銃器がそろっている

 

もちろん弾薬も

 

 

田島「以外に数がありますね、エス班長」

 

エス班長「空港には非常時に備えて食料や飲料水含む武器弾薬が貯蓄されているからな、問題はむしろ………………」

 

「………………銃を扱える人数は?」

 

エス班長「南の言う通りだ、ターミナルビルには俺達SATや空港職員、機動隊の特殊銃機隊、海上保安署のSAT、税関には麻薬Gメンもいる、緊急処置として避難民から射撃経験者も募った」

 

「そのうち生き残っているのは何人です?」

 

エス班長「50人もいない、そこで南達にやってもらいたいことがある」

 

「その前に1ついいですか?」

 

エス班長「なんだ?」

 

「その無線機は生きてます?」

 

エス班長「ああ、だがどうした?急に」

 

「本当なら言わなかったんですが私もここにいる人達を助けたいし、希望があってもいいと思いまして」

 

エス班長「何が言いたい?」

 

「国連の部隊が動いています」

 

エス班長「それは本当か?」

 

「はい、私の友人が国連の関係者なので」

 

エス班長「だがこの地獄をどうにかできるのか?民間人を救えるか?」

 

「大丈夫だと思われます」

 

エス班長「その根拠は?」

 

「彼の名前は神崎拓真です、聞き覚えはありませんか?」

 

エス班長「神崎拓真?………………………………ッ!?確か署長が南に調べるなと言われた少年だったか?」

 

「はい、そこまで情報統制する重要人物からの情報です」

 

エス班長「なるほど、それなら信用できるか」

 

「はい」

 

 

本当ならこんな情報は教えるべきではない

 

だっていつ来るかわからないから

 

でも何故か今行ったら相棒を失う気がしたから

 

するとどこからかヘリの音が聞こえた

 

 

エス班長「なんだ?」

 

田島「ヘリのローター音か、これ?」

 

「ッ!?まさか!」

 

??『………ち………連………………応………………し』

 

エス班長「こちら床主警察狙撃支援班班長だ、貴官の所属を述べよ!送レ!」

 

??『こちら国連軍極東支部所属ネイサン中佐だ、現在の床主空港の状況を報告せよ』

 

エス班長「国連軍だと?じゃあ南の言っていた、救援部隊か?」

 

ネイサン『救援部隊かと言われれば何とも言えないが我々は床主空港を制圧しに来た部隊としか言えない』

 

エス班長「それでもだ、現在一部のターミナルに民間人と立てこもっている、他にも様々な場所で籠城している人達もいる」

 

ネイサン『滑走路及びその他空港設備は?』

 

エス班長「ほとんどが無事だが化け物どもが徘徊している」

 

ネイサン『数は?』

 

エス班長「不明だ、だが少なく見積もって2万だと思われる」

 

田島「………………班長」

 

「・・・・・・・」

 

 

当然だろう

 

非情かもしれない

 

だがさっきまでの放送から連絡を受けた者

 

ここに避難して来た者

 

道中で死んでしまった者

 

死んでも歩き続けるモノ

 

それが周りに現実を突きつけるように歩き回っている

 

班長がそう判断するのも当然だろう

 

 

ネイサン『了解した、これより掃討作戦を開始する、その前に放送もしくはあらゆる通信手段で屋内から出ないように伝えてくれ、部下達も当然下げてくれ、終わったらまたこの無線で連絡を』

 

エス班長「了解した」

 

「田島、行くよ」

 

田島「行くってどこにだよ?」

 

「民間人を抑えによ、それとこの事を他の連中にも伝えるのよ」

 

田島「わかったよ」

 

エス班長「南、頼むぞ」

 

「はっ!」

 

 

これでこっちは少しは安心できるわね

 

拓真、あんたは今どうしてるのよ?

 

死ぬんじゃないわよ

 

静香、無事でいて!

 

 

sideout

 

 

 

 

 

床主空港上空・ネイサン・グレイ中佐side

 

 

やっと着いた日本の床主市

 

総隊長の生まれ故郷

 

だけど目の前に見えるのは地獄だった

 

国際空港なだけあってターミナルも多い

 

それに旅客機もだ

 

ここにはそれなりに残っている所を見るとパイロットの人も食われたのだろう

 

もしくはナッタか

 

眼下にはヘリのローター音に引き寄せられ集まってくる化け物ども

 

空港職員や整備要員

 

キャビンアテンダント

 

乗客だったであろう人

 

誰もがこうなるなんて思ってなかっただろう

 

私だって思わなかった

 

最初の報告は中東方面での感染症だった

 

感染経路は不明

 

感染力は高く致死率は100%

 

しかも死んでからは起き上がり

 

生きている者を襲う

 

ケガが浅い者なら生き返ったと思う

 

だがそこは紛争地域だ

 

しかもゲリラの拠点の1つを殲滅する作戦の道中での出来事

 

ある兵士が心臓に撃ったのに平然と近づいてくる

 

手榴弾で吹き飛ばしたのに生きている

 

腸を垂らしながら歩いてくる

 

まるでゾンビのようだったと

 

慌てた各隊長と指揮官は現場の撤退を指示

 

その後身体検査などを理由に参加部隊の隔離

 

敵拠点周囲に攻撃ヘリを展開し動くモノは

 

ミサイルか機関砲でミンチにした

 

完全な撤退が確認されると

 

爆撃機による絨毯爆撃が実行された

 

存在の隠ぺいと感染源の根絶だ

 

だが実際はこの有様だ

 

 

兵士「中佐!班長という方から準備良しとの報告が………………」

 

「わかった、全部隊に作戦開始を伝達」

 

兵士「了解!」

 

 

私は手元の愛銃の安全装置を外す

 

部下達も準備はできているようだ

 

他の輸送ヘリの連中もやる気十分だろう

 

すると近くから多数の機関砲の音が聞こえてきた

 

護衛の攻撃ヘリから機銃掃射だ

 

まずこれで降下ゾーンと周辺を掃除する

 

 

「いいか!アレはもう人間ではない!それに噛まれたらもう家に帰れない!死ね!」

 

部下達『はっ!』

 

「死にたくないなら戦友を守れ!自分を守れ!そして任務を終え総隊長と共に家に帰るぞ!」

 

部下達『了解!』

 

コブラ『こちらコブラ1、第一射掃討完了、降下ポイント確保』

 

「こちらデーモンこれより降下を開始する」

 

コブラ『了解した死神の部下の力見させてもらうぜ』

 

「既に死んでる人間など我々の敵ではない」

 

コブラ『そうか、グットラック』

 

 

ロープをフックで固定し一度下を確認する

 

動く死体は見えない

 

あるの肉片のみ

 

私は部下達を見る

 

口ではもう語らない

 

ヘリから飛び降りる

 

着地してサイトを見ながら周りを確認する

 

さっきと同じ、肉片のみ

 

周辺はクリアだ

 

次々と部下達が降りきるのを待つ

 

そして最後の1人が降りたのを目で確認する

 

 

「全体任意に射撃許可、なお生者には発砲を禁ずる、もし噛まれていてまだ生者なら介錯してやれ」

 

部下達『了解!』

 

「では行動開始」

 

 

まずは目の前の空港職員の頭を撃つ

 

上では攻撃ヘリの機関砲と

 

輸送ヘリのドアガンのミニガンが忙しく連射している

 

その後数時間に及ぶ掃討作戦は化け物の駆逐という結果で終えた

 

空母から続々と輸送ヘリに乗せられた輸送物資が空港に集められ

 

一種の要塞と化している

 

この後艦隊は一旦洋上まで移動し

 

それと別で硫黄島から輸送機が来る予定だ

 

第1旅客ターミナルは前線基地本部として

 

第2旅客ターミナルは避難民用に

 

国際ターミナル及び貨物ターミナルは

 

物資搬入用にする手はずだ

 

だいたいの作業や取り決めも終わり後は待つだけ

 

………………総隊長

 

早く帰ってきてくださいよ?

 

我々はいつでも助けに行けます

 

だけど何故だ?

 

このよぎる不安は?

 

私にはそれは何かわからんかった

 

わかったのは惨事が起きた後だった

 

今の私はまだ知らない

 

 

 

 

 




次回『決意』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。