空に光るあれはあらゆる電子機器の天敵
高高度核爆発による電磁パルス攻撃!
通称EMP
誰かが核弾頭を高高度で爆発するようセットしたんだ
撃った奴は《奴ら》になったか
逆に核弾頭食らってるかだな
………………ある意味で幸せなのかもな
正直今の状況なら死んだ方が幸せなのではないか?
時々思うが
だが俺達はまだ死んでないし
《奴ら》になってない
なら足掻いてみるか
「サクラ及びキャリア、全機無事か?」
サクラ『こちらサクラ全機問題なし』
キャリア『こちらキャリア、異常なし』
「キャリアは最後の避難民及び部隊の回収を始めろ!」
キャリア『了解!』
「中佐、正門以外の全ての門を閉鎖させろ、置き土産は忘れるなよ?」
ジョナサン「了解しました!」
総帥は部下達を集め始めていた
松戸さんは静香と孝を連れてガレージに向かった
他の皆も詰め込む荷物を車に乗せるため準備する
基本装備は変わらず
弾薬と手榴弾、閃光弾、C4爆薬とかをもらった
輸送ヘリが高度を落とし始め
まず一心会の荷物の積み込みを始める
次の部隊や実家の物
その後一心会とありすちゃん達を乗せて
最後に第1中隊が脱出する
俺達は車に乗ってここから去る
だが不幸はこれだけではなかった
兵士「所属不明機接近!」
「どこだ?」
兵士「あちらです!」
俺は中佐と一緒に言われた方を見る
そこにはフラフラしながら降下してくる航空機が来ている
EMPを受けて墜落しているのか?
その割には安定して高度を落としているな
いや待てよ!?
あれって………………
「中佐、あれってまさか………………」
ジョナサン「そのまさかですね、日本の政府専用機」
「ジャバニーズエアフォースワンか?」
ジョナサン「おそらく、しかしそうなるとツーはどこに?」
「いや、逆にあれがツーかも」
ジョナサン「何故そう思うんです?」
「自衛隊の特別作戦群の隊長クラスと一部将校しか知らない事だけど非常事態発生時、日本が危険な場合天皇陛下や首相を国連が保有する施設に避難することが許されている、が………………」
ジョナサン「優先度はその天皇陛下が最優先と?」
「ああ、英国の女王陛下と同じと思えばいい」
ジョナサン「わかりました、それと関係が?」
「空港の無線情報が本当ならワンなら今頃太平洋だ、だからツー、それに現在政府機能の移転に持って来いなのは本島以外の島」
ジョナサン「北海道、四国、九州ですか?」
「ああ、距離的近いのは四国だと思うからそっちに行くはず」
ジョナサン「それで道中EMPの攻撃を受けたと?」
「それ以外に考えある?」
ジョナサン「ないと思います」
「たださっきから様子が変だ」
ジョナサン「それの答えはあれではないですか?」
「ん?………………ああ、もう日本は駄目だな」
そこには専用機の窓に見える血の海だ
殆どの窓が血で見えない
パイロット席を覗くと
半分ほど血で濡れており
もう半分にはパイロットの顔がある
ん?あいつ生きている?
でも何している?
あの人の側頭部にあるのって銃?
まさか!
だが時は既に遅く
残りの半分の窓ガラスも血に染まった
「・・・・・」
ジョナサン「最後の時が1人とは悲しいものです」
「………………そうだな、ん?不味い!?」
ジョナサン「どうしました?」
「あの高度だとこのままだと高圧電線にぶつかる!?」
ジョナサン「ッ!?直ぐに攻撃ヘリに攻撃を………………」
「いや遅い、だが退避はさせろ!」
ジョナサン「空中待機中の全機は緊急退避!飛行機が突っ込んでくるぞ!」
サクラ『ッ!?サクラより全機!滞空止め回避機動!』
慌ててヘリが遠のき始める
専用機は俺が言った通り電線にぶつかり機動を変える
「総員正門より退避!こっちに来るぞ!」
ジョナサン「退避!退避!」
「スティンガーないのか!?」
ジョナサン「化け物に撃たないもの持ってくるわけないじゃないですか!?」
「ですよねー」
ジョナサン「ですが、思ったより手前に落ちそうです」
「いや、悪い所に落ちるぞ」
ジョナサン「え?」
次の瞬間少し先で轟音と爆発が起きた
その炎は横一線に延び周囲を燃やしだす
願わくばあの機体に生者がいませんように
壮一郎「拓真、あの辺りには………………」
「一心会の作ったバリケードの真上です」
ジョナサン「じゃあ!」
兵士「ッ!?て、敵襲!大破したバリケードから多数侵入!」
ジョナサン「総員迎撃戦用意!目標を見つけ次第射殺せよ!」
「中佐は他の様子は?」
ジョナサン「各小隊既に集まっています、物資もほぼ全て詰め込みました」
「総帥!一心会の人達を連れて早く乗ってください!」
壮一郎「私に逃げろというのか!」
「我々の作戦の成功は全員の脱出です、殲滅では有りません!」
壮一郎「しかし………………」
「別れの時間はまだありますから!」
壮一郎「………………わかった、ここを頼むぞ」
「全力を尽くします」
壮一郎「各班点呼のち搭乗!全員欠けるな!」
一心会『はっ!』
「第1,2,3小隊、正門を死守!他はヘリパットを守れ!」
第1中隊『了解!』
「静香、孝、乗り物をいつでも出せるようにしとけ!」
静香「わかったわー」
孝「わかった」
「他のメンバーは乗り物を基点に防衛、沙耶は総帥の所へ」
沙耶以外『わかった』
沙耶「何で私だけ?」
「別れを済ませて来い、俺も後から行くから」
沙耶「ッ!?………………わかったわ、待ってるから」
「希里さんは総帥と同じヘリへ!」
希里「わかった!」
ありす「お兄ちゃん!絶対帰ってきてね!」
「おう!ジーク、2人を頼んだ」
ジーク「わん!」
その後大量に来る《奴ら》に俺は銃で応射する
周りでも第1中隊の連中が各々の武器で撃ち殺し始める
上ではサクラの攻撃ヘリ部隊が機関砲でミンチに変えていく
地上ではセントリーガンや銃の一斉射撃で風穴地獄である
だけど1つ問題があった
《奴ら》は痛みを感じない
《奴ら》は頭以外を撃ち抜いても平然と来る
《奴ら》は感情すら湧かない死人
小銃や拳銃なら頭を撃ち抜けるが
機関砲やセントリーガンはそうはいかない
何よりもいくら戦場を慣れた軍人でも
化け物は経験がない
中東ではこことは別の部隊が担当した
何が言いたいかというと………………
兵士「大隊長!数が多すぎます!」
ジョナサン「文句より引き金を引け!」
第2小隊長「ですが彼の言う通りです、ミサイルによる空爆を要請を!」
ジョナサン「まだだ!最後の避難民を上げないと攻撃できない!」
「中佐、攻撃ヘリによる空爆を要請しろ!」
ジョナサン「し、しかし!」
「俺達の事は構うな、やれ」
ジョナサン「了解、ウルフよりサクラへ、航空支援を要請する」
サクラ『こちらサクラ、いいのか?』
ジョナサン「総隊長の許可は取ってある、やってくれ」
サクラ『了解、攻撃を開始する!』
無線の終わりとほぼ同時に多数のミサイルが《奴ら》に降り注ぐ
着弾した所から爆発と轟音が起き
《奴ら》を吹き飛ばす
騒音が収まると立っている《奴ら》は少なくなり
処理がしやすくなった
ただ対価として攻撃ヘリの空爆チャンスがなくなった
護衛に来たのは10機
5機は既に帰路についた輸送ヘリ部隊の護衛についている
残りの部隊の弾薬の損耗を考えると
できるのは後1回だけだった
ジョナサン「総隊長、今の内に行ってください」
「まだ《奴ら》がいるが?」
ジョナサン「これぐらい我々でもいけます、それよりも早くご両親に一言告げて来てください」
「………………わかった、ここを頼む」
ジョナサン「了解!」
俺はその場を離れヘリポートへ向かう
そこには避難民を乗せた最後のヘリが離陸待ちをしていた
乗っているのは父さん、母さん、吉岡さん、弘毅さん、ありすちゃん、ジークだ
沙耶「拓真!遅かったじゃない!」
「すまん、《奴ら》の数が多すぎた」
沙耶「今は大丈夫なの?」
「大丈夫だ………………
弘毅「ッ!?何だい?」
「あなたを助けれた事誇りに思います、情報提供ありがとうございます!」
弘毅「お礼を言うのはこちらの方だ、助けてくれてありがとう」
ありす「お兄ちゃん!絶対無事に帰ってきてよ!」
ジーク「わん!」
「ああ、わかってるさ、ジークもありすちゃんを頼む」
百合子「拓真」
「母さん、道中お気をつけて」
百合子「絶対生きて、無事にみんなと帰ってくるのですよ」
「はい」
壮一郎「・・・・・・」
「総帥?」
壮一郎「・・・・・・」
「………………父さん?」
壮一郎「ッ!………………なんだ?」
「必ず帰ってきます」
壮一郎「………………男の約束だ、破るな!」
「はい!」
吉岡「お気をつけて、若様」
「若様はやめてくださいよ、吉岡さん」
吉岡「次期総帥になる方なんですからいいではありませんか」
「それはこれが終わってから話しましょう」
吉岡「そうですな」
「父さんと母さんを頼む」
吉岡「もちろんです」
「彼らを絶対に空港まで送り届けろ!」
パイロット「はっ!では離陸します」
「ああ!」
壮一郎「拓真!」
「………………父さん?」
壮一郎「絶対生きて戻れ、息子よ」
「………………はい、絶対に!」
俺は輸送ヘリから離れ
沙耶とヘリの方を見る
ヘリは徐々に高度を上げ
前へ進みだす
沙耶を何か言おうとしたが
俺に抱きつき我慢していた
俺はそんな沙耶の背中に腕を回しながらヘリを見送った
雰囲気は良さそうだが
残念ながらここは戦場
沙耶にはみんなの所に戻ってもらい
俺は中隊の方に戻る
戻った俺が見たのはある意味日本の終わりだった
「やっぱりツーの方だったな」
ジョナサン「………………でしょうね」
目の前には燃えながら近づく《奴ら》
だがその顔は見覚えがあった
それは日本国の首相や大臣達であった
全員白目を剥き
体のどこかしらは欠損していた
まぁ燃えながら来てる時点でおかしいけど
俺は持っていた銃を構え全員に鉛玉を撃ち込んだ
どちらにしろ
彼らは既にモノに成り果てた
者ではないなら処分するしかない
それに今の日本にコレラは必要ない
「中佐、彼らの死亡証拠を写真で収めろ」
ジョナサン「了解」
「これより撤収作業に入る!セントリーガンの数を増やせ!」
ジョナサン「了解!第5小隊は撤収作業開始!」
第5小隊長「了解!総隊長、ご武運を!」
「ああ!」
ジョナサン「………………本当によろしいので?」
「友人が両親を助けたいと言っているのに手伝わない友人はいないだろ?」
ジョナサン「そうですね」
「ジョナサン、これまでの支援感謝する」
ジョナサン「ッ!………………閣下、ご武運を!」
「………………ああ、必ず俺達の家に戻る」
彼は最後に頭を下げてから作業に取り掛かり始めた
俺は孝達の所に行く
そろそろここを離れるからだ
孝「拓真!」
「そろそろ、ここを離れる準備しろ、乗り物の内訳は前回と一緒だ、コータと明音は車上から援護、コータはやりにくいが頑張ってくれ」
コータ「わかった!」
明音「任せなさい!」
「メアリーと孝は俺が乗り込んだら出発できるようにエンジンは掛けといてくれ」
孝「任せろ!」
メアリー「わかりました!」
「冴子と麗も車内で待機だ、よほど危険と思わない限り接近戦はするな」
冴子「心得た」
麗「わかった」
「静香と沙耶は周りを見て状況判断でみんなに指示を出してくれ」
静香「わかったわ~」
沙耶「任せといて!」
「じゃあ、俺は彼らの様子を見て来る」
俺は彼らの様子を見に持ち場に戻ると
半分以上は避難できたようで
今第2小隊が撤収中だ
《奴ら》の数もかなり減っており
ほとんどがセントリーガンで対応できている
「順調か?」
ジョナサン「はい、今第2小隊が乗り込み完了しました」
「そうか、ここで一旦お別れだ」
ジョナサン「総隊長、無事の帰還を祈ります」
「ありがとう、気を付けて空港に向かってくれ」
ジョナサン「第1小隊撤収だ!」
第1小隊『はっ!』
俺もみんなの所に戻る
後ろからヘリのローター音が遠ざかって行った
俺はハンヴィに乗る
孝は松戸さんからもらった水陸両用車に乗っている
先頭を孝達に行ってもらい
その後に俺達が続く
移動し始めてすぐに車体が一瞬上がり何かが潰れる音がした
後ろを見ると
通ったであろう場所には
頭が潰れた紫藤の遺体があった
・・・・・・・
おそらくわざとだろう
メアリーをチラッと見るが
何故かスッキリした顔だった
次回『囮』
※この場で出るにはお久しぶりになります、金剛です
だいたいこの辺りまでがアニメでやっていた所です
この作品は漫画を基準に書いていますが
1つの区切りと私事ではありますが
読者様皆さんに
できれば感想と評価の方をお願いします
ではまた次回に!