世界の崩壊とリセット   作:金剛時雨

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遅くなり申し訳ありません、バイトやら何やらで小説をあまり書けてなかったです、では本編です、主人公の正体がついに明かされます!


第4話 ひと時の平和と拓真の正体

どうも、神崎拓真です

 

今俺とメアリーと明音で交代で紫藤たちを監視しながら夜が明けた

 

周りを見ると渋滞で一向に動かない車

 

恐怖と混乱に慌てふためく民間人とそれを必死に抑えようとしている警官

 

結論から言うと全く動かないのだ

 

それはまぁ当然と言えば当然であった

 

現在市内の橋は完全封鎖中で洋上空港への規制はだいぶ前まであっただろうが今は封鎖されているだろうし

 

さっきから後ろで紫藤先生が何か言ってるし軽くいやかなりうっとしいしそろそろ潮時だな

 

 

メアリー「隊長、あいつ黙らせますか?」

 

「いやいい、それよりこれからの事を考えるぞ、沙耶」

 

沙耶「拓真?何?何か案がありそうに見えるけど」

 

「ああ、この近くに俺が使っているコテージがある、塀もあるし見晴らしもいい今から出たら夕方になる前にはつけるはずだ」

 

沙耶「それは別に構わないけど、あなたがとある組織にいるって話どういう事?それに表向きって?」

 

「沙耶、詳しいことはコテージに着いたら話すよ」

 

沙耶「わかったわ、みんなもいいわね?」

 

 

周りを見るとさっきからいたようでみんな出る準備ができていた

 

俺は右手に持っていたハンドガンで紫藤に向けながら呼んだ

 

 

「紫藤」

 

紫藤「神崎君、教師に向かって呼び捨てはいけないですね、それにどうしましたか?皆さん揃って」

 

「もう学校という組織が崩壊した今お前を先生と呼ぶ理由がないから、それから俺たちはここでさよならさせてもらいます」

 

紫藤「ほほう、それはどうぞご自由に、何せ日本は自由な国ですからね、しかし鞠川校医だけは連れていかれるのは困りますね」

 

「だから?」

 

紫藤「え?」

 

「鞠川先生はご自分の意志でこちら側に来た、ただそれだけだお前に信用できる価値あったのなら先生がそちらに行ったかもしれないが彼女はこちら側を選んだ、お前に止められる理由がない、それとも今度こそ風穴開けられたいか?」

 

紫藤「・・・・・・・・・」

 

 

俺は紫藤を見ながらみんなと共にバスを降りる

 

降りる直前に見えたのは紫藤の憎悪の顔だった

 

それから俺達は意外と平和にコテージの前に来た

 

そこで駐車場を見たコータが目を丸くして腰を抜かしていた

 

 

コータ「こ、これは!?ハンビー!しかも2台も!?」

 

静香「あれー?もしかして拓真君リカと知り合い?」

 

「知ってるも何も隣人ですが………」

 

静香「やっぱり!でもでも~ときどき私が掃除しに来た時一度も会ったことがないよね?」

 

「ええ、仕事でよく外出していたので」

 

 

まさか海外に仕事に行ってる時に鞠川校医がリカの部屋を掃除にきてたなんて知らなかったよ

 

そう思っているとメアリーが後ろから近づいて来た

 

 

メアリー「隊長、あれを」

 

「ああ、わかっている明音とメアリーは後方にて周辺索敵、他はついてこい」

 

明音・メアリー「「了解」」

 

孝「わかった」

 

冴子「互いをフォローすることを忘れるな」

 

「行くぞ!」

 

 

俺は中にいる《奴ら》を潰すため門を開け突撃していった

 

昨日の朝までミリタリーについて熱く語っていた大学生の兄さんや

 

いつも笑顔を振りまいていたバカップルさを出していた夫婦でさえ今はただの物になり果てた

 

既にここには楽しかった隣人たちではなく俺達を襲おうとする化け物になっている

 

だからせめて隣人として介錯をしてやる

 

心の中で合掌しながら俺は刀を振り落とした

 

わずか数分で制圧させた孝達を見ると平和な日本では見れない戦争の生き残りの顔していた

 

もうこの時点で彼らは変わってしまっていたのだ

 

この後もし世界は平和になっても彼らは普通の生活にはもう戻れないだろう

 

そう思いながら彼らにはリカの部屋の方に通して俺とメアリー、明音は俺の部屋に入った

 

別にいかがわしい事をするわけではない

 

もちろん彼女達は魅力的な女性だが今はそれどころではないのだ

 

 

「メアリー俺の部屋にある弾薬箱に空のマガジンに弾込めしといてくれ」

 

メアリー「はい、隊長」

 

「メアリー、できれば隊長より先輩と普段通りで頼む、なんかなれなくてな」

 

メアリー「………………わ、わかりました先輩」

 

「ッ!?………………そ、それと明音もだ、部隊と合流するまではいつも通りでいいぞ、それと武器の整備と袋への積み込みを頼む、メアリーは込めたマガジンを袋へ俺は無線機で指令部と連絡を取ってみるよ」

 

メアリー・明音「わかりました先輩」「わかったわ拓真」

 

 

一瞬メアリーが可愛かったのは仕方がない事だと明記しておく

 

こっちの方がいいなとか思いながら俺は自分の私室にある無線機の電源を入れた

 

これは衛星経由で話す衛星電話なので衛星が潰されてなければ使えるはずなのだ

 

俺は司令部が普段使っている無線の周波数に合わせて話してみた

 

 

「こちら国連軍対バイオテロ対策部隊隊長の神崎拓真だ、誰か応答できる者はいるか?」

 

??『ザザザザ………こちら極東方面軍司令部、隊長!ご無事でしたか!』

 

「その声はネイサン中佐か?」

 

ネイサン『はい!現在司令部では非常事態宣言を発令に基づき基地司令の指揮のもと平穏が保たれています』

 

 

(※ネイサン中佐は私の部下なのだが詳しい話はまた追々)

 

 

「そうか、今の世界の状況はわかるか?できれば総司令部の意向が知りたい」

 

ネイサン『残念ながら総司令部のあるアメリカでは音信が途絶、現在敵勢力の排除が大方終わりつつあるイギリスに総司令部機能を移譲現在集計中です』

 

「了解した、そちらから部隊をこちらに展開できるか?」

 

ネイサン『ハッ!現在極東軍所属の空母と随伴護衛艦が床主湾近海に接近中です、現在床主空港を前線基地として運用するため現在制圧作戦の検討中であります我々の部隊も全員出動がかかりました』

 

「できれば明日までに部隊を1個中隊派遣できないか?」

 

ネイサン『明日までなら空母にいる部隊を出せばいけると思いますが場所は決まっているのですか?』

 

「ああ、到着次第ビーコンを打つが一応座標も送っておく、その時先遣隊で1個中隊、民間人がいる可能性を考慮に入れ後詰めに輸送ヘリと護衛の攻撃ヘリを頼む」

 

ネイサン『わかりました後詰めの部隊は空港制圧後向かわせます』

 

「すまない、制圧が完了次第知らせてくれ」

 

ネイサン『了解しました、ではいつでも受信できるよう無線機の電源はつけておいてください、作戦が終わり次第自分もそちらに向かいますので隊長、ご武運を』

 

 

それを最後に通信を切るとこの無線機についているダイヤルボタンを押しとある人に電話をかけた

 

 

??『はい、もしもしどなたですか?』

 

「お元気そうで何よりです奥様」

 

百合子『その声は!?拓真君ですか?』

 

 

この方は沙耶の母親で高城家総帥高城 壮一郎(たかぎ そういちろう)氏の奥様高城 百合子(たかぎ ゆりこ)さんだ

 

 

「はい!奥様、沙耶様も無事です」

 

百合子『そうですか、ありがとう護衛の任を続けてくれて』

 

「いえ、それより奥様現在の屋敷の現状は?」

 

百合子『今は壮一郎さんと共に屋敷の守りを固め終わった所です、そちらはどうですか?』

 

「はい、現在御別川対岸の俺の家に立てこもっています、明日にはそちらに向かうでしょう」

 

百合子『わかりました、ところであなたそのためだけに電話しに来たわけではありませんね?』

 

「奥様には敵いません」

 

百合子『あなたなら何か策を持っている気がしただけですよ』

 

「おっしゃる通りです、明日より国連所属の特殊部隊が1個中隊が俺の要請できます。その後、多数の輸送ヘリと支援の攻撃ヘリが来ます」

 

百合子『それは本当ですか?』

 

「はい、さすがに輸送ヘリに関してはまだ少し時間がかかりますが………」

 

百合子『いえ、それでも十分です』

 

「ありがとうございます、ではまた明日に」

 

百合子『ええ、待っています』

 

 

その言葉を最後に奥様との通信が切れた

 

俺は安堵のため息を吐きながら後ろを振り向くと明音が立っていた

 

 

「どうした明音?」

 

明音「高城さんに実家のこと話さないの?」

 

「その前に俺達の正体を明かさないと」

 

明音「でもそれはリスクが高すぎる!世界が元通りになったら彼らは国連の監視下に置かれるそうなれば………」

 

「その時は俺達が見ればいい、それに世界が元通りになるまでに少なくとも5年はかかるその頃には彼らも大人だ何とかなるだろう」

 

明音「でも!」

 

「明音、俺は皆を裏切りたくないあいつらは俺の友人達の唯一の生き残りだ、彼らの戦闘力は明音も見ただろう?彼らならこの危機を乗り切れるしこのまま黙っているよりいいと思うんだ」

 

明音「………………………………はぁ、それは友人として?それとも高城家家臣として?国連の一職員として?」

 

「友人としてだ、仕えるものとしてでも仕事でもなくだ」

 

明音「わかったわ、じゃあ私は残りの作業を終わらせとくからあなたは隣に早く行きなさい」

 

「ああ、ありがとう明音」

 

 

明音に見送られながら彼らの所に向かった

 

入ると丁度みんなが集まっていたらしく全員が俺を見た

 

 

沙耶「拓真!その様子だと話してくれるのね?」

 

「ああ、沙耶他の皆も今から話す事はこれから君たち全員を縛るものになる、もしかしたら普通の生活には戻れなくなるかもしてない、それが嫌なら2階に上がってくれ」

 

冴子「私は聞こう、そのためにここで待っていたのだからな」

 

孝「俺もだ、拓真には借りがあるしな」

 

コータ「僕も残るよ」

 

麗「私も!」

 

静香「別に気にしないわよー」

 

沙耶「当り前じゃない何年の付き合いだと思ってるのよ!」

 

「みんな………ありがとう、俺は国連軍対バイオテロ対策部門の人間だ」

 

沙耶「それがあなたが言っていた組織の事?」

 

「ああ、一応俺と明音、メアリーだけはまだ高校生だから学校に通いながらだったがな、部隊は主に多国籍だが全員国籍は抹消されているし基本俺達がいる極東軍の基地からの外出はできない」

 

冴子「その極東軍というのは何かね?」

 

「俺達国連軍は対バイオテロ以外にも工作部隊や監視部隊もいる、世界中の国を監視するには基地が足りないから我々は複数の無人島や島に基地を作り支部を置いた、俺達がいるのは硫黄島にある極東方面軍司令部というわけだ」

 

孝「それで?今世界はどうなっているんだ?」

 

「英国以外は無政府状態だアメリカは大統領の飛行機搭乗の報を最後に総司令部とは音信途絶、英国は現在南部の制圧が完了現在中部を制圧中、その他の国に関しては一切報告が上がらない」

 

沙耶「そう………わかったわ!で?これからの方針はどうするつもりなの?」

 

「高城邸に向かう、俺の要請で1個中隊ほど援軍が来る予定だ」

 

冴子「では、それまではここで朝を越そうか」

 

沙耶「ええ、そうね」

 

「何も思わないのか?」

 

沙耶「ないわけではないけどやっとあなたが話してくれたのよ?今はそれだけで十分よ!」

 

孝「だな!こんな心強いやつ中々いないよ」

 

コータ「だね!今度射撃を見てみたいよ」

 

麗「そうね!これならパパとママも助かるわね!」

 

冴子「うむ!これでまた君の事が知れたよ」

 

 

全くこいつらは相変わらずすげぇ奴らだよ

 

こんな地獄が始まって数少ない平和のひと時を今送っているかもしれない

 

俺はそう思いながら外から聞こえる現実を今だけ逸らしたのだった

 

それがさらなる絶望を生むとは知らず………………

 

 

 

 

 




はい、所属が明らかになった主人公これから一体どうなっていくのか!次回『その頃………………』です!

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