やっぱり見切り発車!
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それでも良い方のみどうぞ!
鈴が転校して来てから早4年、一夏と鈴は中2秋斗は中1になった。
一夏は無事代表候補生の選考を通過し、現在は忙しく休みはほとんど訓練で家にいない時が多くなった。
秋斗は、箒との約束を守るべく剣道部に入部。
元々篠ノ之道場のことや本人に才能があったからか、期待の新人であった。
鈴は秋斗の付き人みたいな感じで専属マネージャーになっていた。
そして新たな出会いもあり、五反田弾と御手洗数馬、そして弾の妹、五反田蘭の3人と友達になった。
「蘭ちゃーん、いい加減放してよ~」
「ダメです。普段は鈴さんとの時間のほうが多いんですから。このくらいは許してもらわないと」
「え~」(´・ω・`)
蘭は秋斗を抱っこして離さない。
「蘭?もうそのくらいにしてやったらどうだ・・・?」
「いくらお兄でもこれは聞かないも~ん」
「秋斗も大変だな・・・」
「数馬さん、そういうなら助けて・・・」
「ごめん、無理」
「そんな~」(´・ω・`)
「まったく、蘭?ほどほどにしないと嫌われるわよ?」
「じゃあなんで鈴さんは抱っこする時間が長いのに嫌われないんですか?」
「それは、内緒よ~」
実際は懐き度の問題だった。
秋斗の鈴に対する懐き度が90だとすると、蘭はまだ30そこそこなのだ。
これほどの差があれば抱っこに対しての反応が違うというものだ。
「鈴姉~、助けて~」
「はいはい、蘭ももういいでしょ?離してあげなさい?」
「は~い」(´・ω・`)
「鈴姉、抱っこ~」
「はいはい、寝ちゃってもいいからね」
「うん・・・」( ˘ω˘)スヤァ
「って、はや!秋斗寝るの早!!」
「こ、これほどの差があります~!?」
「こ、これはいやはや・・・」
これを見てもう3人はびっくり。
「当たり前よ、こんなの。一夏が抱っこしてもこうなるけど」
「そ、そうなんですか~」
もはや蘭は笑えなかった。
「そういえば、もうすぐ第2回のモンドグロッソですけど一夏さんは行くとして秋斗君はどうするんでしょうか」
「あ~、多分千冬さんのことだから来て欲しいんじゃない?第1回は二人ともまだ年齢的に難しかったけど」
「今回はドイツで開催みたいだな。ドイツなら治安はそこそこいいし、恐らく世界最強の身内だから護衛が付くだろ」
「ドイツ軍は軍隊としてもトップクラスの実力がある。安心して良いだろう」
「そうだといいんだけどね」
弾や数馬はそんなことを言うが、鈴には嫌な予感がして心配していた。
ついに始まったモンドグロッソ、秋斗と一夏は千冬の雄姿を見るためにドイツ・ベルリンへ降り立った。
「えっと・・・秋斗を見てくれるドイツ軍の護衛は・・・」
「あ、あそこの黒い制服の人じゃない?」
「あ、そうだ。あれだね。すみませ~ん!!」
黒い制服の銀髪ロングの少女に声を掛ける。
「ん?もしかして・・・」
「はい、今回は秋斗の護衛を受けてくださってありがとうございます」
「えっと、織斑秋斗です。よろしくお願いします」
「ドイツ軍シュバルツァ・ハーゼ所属のラウラ・ボーデヴィッヒ中尉だ。」
「秋斗の姉の織斑一夏です。じゃあ、お姉ちゃん行ってくるから。ラウラさんの言うことをしっかり聞いてね」
「うん!」
「よし、いい子ね。それじゃあラウラさんよろしくお願いしますね」
「了解した。」
「それじゃあね。秋斗」
「うん!またね~!」
一夏は代表候補生としての仕事があるため日本政府の人に合流していった。
「織斑秋斗、こっちに来い。迎えの車を用意してある」
冷たく接するような態度だが、等の秋斗はとっても目をキラキラさせていた。
「む?なんだ、そんな目で見て・・・」
「が、眼帯の女性軍人さん・・・。カッコいいぃ・・・」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
「な!なんだ!?」
「ね、ね、ね!眼帯してる理由は?その制服はどこの部隊の?」
矢継ぎ早に質問する秋斗、それに困惑するラウラ
「や、えっと・・・。と、とりあえず迎えの車まで行くぞ!」
「え?あ、うん。ごめんなさい・・・」
「わかればいい。さて行くぞ」
「は~い!」
迎えの車まで行き、そこでもう何人かの護衛に合流した。
その中では秋斗は・・・
「わ~!可愛い~!!」
「秋斗君!こっちに座ろうよ!」
「あー!ずるい!こっちに来て~!!」
「秋斗君はお姉ちゃんのお膝の上がいいんですよね~?」
ちやほやされていた。
「え、えっと・・・」
秋斗はタジタジで何も言えない。それもそのはず、女性が複数人でしかも中には中々大きい人までいるのだ。
「おい、そんなのはどうでもいいが早く出発しないか!」
「は~い」
ラウラの一喝で何とか出発できた。因みに秋斗はラウラの隣に座っている。
「わ~」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
さっきの一喝で秋斗はラウラをかっこいいとより一層思ったのか目をキラキラさせてラウラを見る。
「まったく・・・なんで私をそんな目で見るのだ・・・」
「え?かっこいいから!」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
「私のどこがかっこいいのだ?」
ラウラは頭の上に?を浮かべる。
「眼帯を付けてるし、あと凛々しい軍人さんだから!!」
とっても輝く笑顔で即答する秋斗を見たラウラは照れる
「そ、そうか・・・。」(〃▽〃)ポッ
「うん!」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
「(な、なんなのだ!この気持ちは!!こ、これが守りたいという気持ちなのか!?)」
すっかり秋斗の可愛さにやられていた。
そのあとラウラは秋斗に振り回されていた。
「ベルリン観光したい!」
の一言から護衛である彼女たちも一緒に観光することになり
「こんなところに来るの初めて!!」
といった感じで、旧国立美術館や、ドイツ歴史博物館、さらにはシーライフセンターまで行ったり。
「お~!ここのおいし~!!」
フリードリヒ通りでお昼ご飯にしたり、ヴェステンデパートでお買い物したりして楽しんでいた。
因みに、デパートでは・・・
「秋斗君!こっちも来てみて!!」
「こっちのほうが絶対可愛いよ!!」
「あえてここはかっこいい系にしてみるとか!!」
「・・・・」
ラウラ以外の護衛達に着せ替え人形にされたいた。
ベルリン観光を終え、ホテルにチェックインして休もうとする秋斗。
護衛としてラウラが同室となっている。
「ねえ、ラウラちゃん。今日は楽しかった!ありがとう!!」
まぶしいくらいの笑顔でラウラに語る秋斗
「なぜ、なぜ私にそこまで絡んでくるのだ・・・!」
「ふぇ?」
「私と絡んだって面白くもなんともないだろう!」
「楽しいよ?」
「なん・・・だと・・・?」
「だって、アニメで見たようなかっこいい軍人さんで、眼帯さんで~」
「お前・・・」
秋斗はラウラに対しての感想は朝の時と変わらなかった。
「なぁ、ではお前はこれを見てもそんなことが言えるのか・・・?」
「え・・・?」
ラウラは眼帯の中を見せた。
「これは、落ちこぼれの証だ。強化ナノマシンの移植に失敗し、さらには軍の訓練成績まで落ちてしまって」
「ラウラ・・・?」
「そして私の生まれは普通ではない。人工子宮から生まれたデザインベイビーで、遺伝子強化された存在だ」
「なのにこの目のおかげで全てがおじゃん。私はもれなく落ちこぼれというわけだ・・・って・・・え?」
「わ~」°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
「な、なぜそんな目で見ている!」
「だって、オッドアイが落ちこぼれの証ってまんまアニメみたいなんだもん!!」
「へ?」
「アニメやラノベみたくここから這い上がっていくんでしょ!?」
「あ、えっと・・・」
「ラウラちゃんならできるよ!!だって、オッドアイで眼帯で軍人さんでかっこいいんだもの!」
「ふ、ふふふ、あっははははは!」
「どうしたの?ラウラちゃん」
「は~、そんなこと言われたのは初めてだ。お前これを見ても蔑まないどころかかっこいいとか言ってくる」
「ほ、ほんとのことだもん!」
「ははは、そうかそうか。私がかっこいいか・・・ありがとう」
「え?」
「ありがとう、織斑秋斗。いや、秋斗。私は間違っていたようだ」
「なんで?」
「私のこの目は落ちこぼれの証ではなくて・・・そうだな、お前にとってかっこいい軍人さんである証といったところか」
「ほえ~」
「ならば、この証に恥じぬようお前の言うかっこいい軍人さんにでもなるとしようか」
「じゃあ、ラウラちゃんはもっと強くなるの?」
「ああ、強くなって落ちこぼれといったやつらを見返そうじゃないか」
「うん!じゃあ、僕も手伝う!!」
「え?」
「落ちこぼれから這い上がって高みを目指す。そんな面白いこと一人でやらせてたまるかよ!それはラウラの夢だけじゃない!!僕たち二人の夢にしよう!!!」
「ふ、ふふふ。そうか、そうなるなら秋斗お前も死ぬ気で強くなれ。私と過ごすのは短いが、別れて、次に会った時に・・・」
「うん!約束!!」
「「強くなってまた会う!!」」
そして、ラウラと秋斗が結んだ約束は小さなものだが、二人にとってはとても大きいものだった。
そして、秋斗とラウラは一緒にモンドグロッソ決勝を観戦し、ついに帰国する日になった。
「ラウラ!約束守るから!!また会おうね!!!」
「ああ!約束だ!!お前と再会するその日までに!!」
「僕は!」
「私は!」
「「強くなる!!!」」
そう言って搭乗口前で別れた。
「秋斗、何かあったの?」
そう聞く一夏に秋斗はこう答えた。
「ちょっと約束してきた」
「どんな?」
「ひ・み・つ!」
「そう、なら聞かないよ」
そして秋斗とラウラはこの約束を果たし、再会するのは近い未来の出来事であった。
だが、秋斗には思いもしない別れが近づいていた。
次回予告
大好きな人がどこかへ行ってしまう。
それがどれだけ悲しいことか・・・。
秋斗は2度目の別れを経験する。
そして、その別れの再会を約束されたかのように1度目の再会を秋斗は経験する。
次回もお楽しみに!!