元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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挨拶回りぃ!


Day106 補給基地へ挨拶

「むぅー!むぅー!!」

「悪かったって!だって恥ずかしがる417が可愛いのが悪いんだ!!」

「ダーリンのばかぁ!!」

 

S09地区のホテルにて一夜明かしたんだけど…まぁ昨日のダーリンは酷かった。

そんな訳で気絶から朝目が覚めた時もうベッドに運ばれてた。

朝かー…なんて思ってぽやっとしてたけど連鎖的に思い出して来て恥ずかしさが再来。

私の見間違いじゃなかったらスパークして明滅してた視界だったけど…

通りには人集りが出来てたような気がするんだよね。うん…多分だけど道行く人に見られた。

自分達の地区じゃないからまだ良いけど…いや、良くない!!ダーリン以外におっぱいを見られた!!

で、怒ってふっかふかな布団剥ぎ取ってから枕もひったくってから寝ぼけ眼なダーリンの顔をぶっ叩く。

平手打ちでもグーパンチでもないふかふか枕でぼふぼふとぶっ叩く。

言い訳がましいことを言ってるけど結局は私が相当な恥をかいたんですけど!

 

「悪かったって…」

「ぶすー…」

「とりあえず着替えてからチェックアウトしよう、な?」

「ダーリンがそういうならそうしますー」

 

裸のまま朝から喧嘩するのもバカバカしいか。替えの下着を着けてから着替えていく。

んむ?おっぱいがきっついな…バカな、また太ったというのか…?

いやいや+3の補正済みのブラのはずだ…それでまたキツくなってきた…?

人形の太る上限軽く越えてない?私の身体ってどうなってんだ?

 

「どうした?」

「なんでもない」

 

あれかな、ダーリンに揉みしだかれるようになってから…?

いや、抱かれてるのが関係してるのか…?どっちにしてもダーリンとの交際が始まってからだよね。

…ただ腫れ上がってるだけかもしれない。そうだ、腫れてるんだと思う。

まぁそんなのはどうだっていい。着替えて…ゴスロリに着飾ってと。

 

「あ、そうだ…ダーリンダーリン」

「んー?」

「私がね着飾る理由の一つにダーリンに脱がしてもらうってのもあるから、次する時はダーリンが脱がせて♪」

 

なんて言ってからガーターに手を出してたらダーリンが両手で顔を覆った。

なんかブツブツ言ってるけど…早く着替えてよ?流石に動かないんだったら私もお手伝いしようがないから。

今日の朝はホテルでは用意されないからS09市街地で食べてから出ることに。

ここオススメってユノちゃんから教えてもらったバーガーショップもあるしね。

なんだっけ、バーガーミラーズって名前のバーガーショップか…

 

「ほら、さっさと着替えて…はい足上げてー…」

 

結局ダーリンがポンコツになったから私がほとんど着替えさせることになった。

 

 

――――――――――――

 

 

「…ラブ・バーガーは止めたほうが良かったね」

「なんであんな興奮するもの売ってんだあの店」

「まさかテイクアウトで良かったね…公園のトイレでできたからまだ…」

「言うな…店内だったらどうなってたことか」

「責任とってもらって個室借りるしか無いでしょ…あんなにシたくなるなんて聞いてないもん」

 

食事も一波乱あったけど気を取り直して私達はS09地区を離れて今度は以前お邪魔したことがある補給基地に向う。

前線からは離れている地区間の中継所的な位置にあるから割とルートは確立されている。

勿論補給路って事もあって盗賊が出没してるけど私達には関係のないお話だ。

止められてもハニートラップにすーぐ引っかかるし体術もなってないヤツばっかりだから肉弾戦で制圧可能。

なんだったら素っ裸にされた後でも締め上げようと思えば締め上げれる。

素っ裸に剥かれる前に無力化するけどさ。ダーリン以外に見せるき無し!

でも確かあの基地周辺ってスラム街だっけか…制圧に行って見てたけど…

んー…まぁMk-23一丁でもどうにかなるか。基地にさえたどり着ければ後はどうにでもなるし。

それにしてもまるっと一日基地を空けてるけど暴走してないだろうか…

特にFALがはっちゃけてたら色々マズいことになりそうなんだよね。

あの基地きっての古参だし発言権は結構でっかい。おっぱいみたいにね。

実質の副指揮官って言ったところだしなぁ…重婚に向けて勝手なことしてなかったら良いけど。

 

「ちと休憩、はぁ…長い間乗ると疲れる…」

「車と違ってパッセンジャーも休憩できないのがつらいねー」

「まぁでも417の身体を近くに感じながら」

「おっぱいを背中に感じながらの間違いじゃなーい?」

「……嫁のすばらしいおっぱいの柔らかさと華奢な腕に興奮しながら」

「素直でよろしい」

 

道端にあった木陰付近にバイクを停めてから二人寄り添って休憩。

大きな樹に背を預けてから遠くを見る。どこまでも青い空が続いている。

こうしてみていると今の世界が絶望に包まれている世紀末なんて思えない。

E.L.I.Dや鉄血の事なんて遠くのことのように思える。

気持ちよくそよぐ風に頬を撫でられ髪を靡かせて…隣に座る愛する人の横顔を見る。

ちょっとウトウトしてる。長い間バイクを転がし続けたから眠いのかもしれない。

まだまだ時間的には余裕がある…少しのお昼寝ならなんてことはない。

ただ長時間お外で寝ると流石に身体に悪いしなぁ…まぁ良いか、起こせばいいし。

 

「ちょっと横になったら?起こしてあげるから」

「じゃあ30分だけ…むぅ、417の顔が見えないが…」

「おっぱいでいっぱいな視界も良いんでしょ?私も一緒に横になれる状況だったらおっぱい枕とか…」

「よし、今夜早速」

「はいはい…それじゃあ…ねんねんころりよ~おころりよ~♪」

 

ころんと横になったダーリンの寝顔は拝めないけど…膝枕を提供して子守唄を歌う。

とん、とん…とゆっくりやさしく胸に手を置いてリズムを打つ。

こうすると人は安心するんだって…ヤーパンの子守唄だしダーリンにとっては懐かしかったりして。

暫くすると寝息が聞こえてきた…うん、こんなお外も悪くないな…

 

 

――――――――――――そのころ

 

 

「ん…」

 

目が覚める…知らない天井を見上げている…ここはどこだろうか。

最後に記憶してるのは行き倒れ同然に力尽きた私だ。

奴隷市場にしては人が少ないし拘束もされてはいない…天国?

ますますもってありえないな。こんな現し世じみた光景がある天国なんて…

 

「エネルギー充填済み…?」

「お、起きた…うぉ!?」

「来るな!」

 

人の声がいきなり聞こえる咄嗟に転げ落ちるようにベッドから跳ね起きて榴弾砲を構える。

エネルギーが最大充填されているのは謎だが人間が近くに居る。見知らぬ場所。

私に何かをした後かもしれない。手元にMASADAも無い。

 

「まぁ落ち着こうな?ここはG&KのD08基地、キミを助けたんだぞ?」

「……人形を出せ話はそっちから聞く」

「O<、おーいイサカ!」

「はいはーい、ちょっと待ってね~ダーリン!」

 

M37イサカの事だろうか。返事の声もそうだ、しかしダーリン?

この人物がこのD08基地の指揮官なのだろうか?だがG&Kの制服ではない。

G&Kのエンブレムは見受けられるがどう見ても作業着姿だ。

腰にぶら下げているのも工具類だ…銃の解体整備に使う物が多い。

メカニックなのだろうか…整備とかこつけて私の身体に何かしたかもしれない。

やっぱり警戒するに越したことは無い…しばらくしない内にM37イサカが顔を覗かせた。

 

「あら、すっごいデカイ子ね…」

「それで…ここはどんな基地?」

「そうねぇ…平和なセクハラ基地かしら」

「セクハラ基地…私を襲うつもりか!」

「まぁまぁ嫌がる子を無理やり襲う暴漢は居ないわよぉ、安心して?」

 

D08…セクハラ基地…私のおっぱいの改造データのサンプルだったHK417が居る基地だ。

だがしかし…これもまた騙すための…

 

「イサカ、話は終わったらおっぱ」

「はい、お口チャック♪」

「……はい」

 

訂正、人形の尻に敷かれてる人間が居るなら暴漢も居ないんだろう…

 

「私は…」

「デストロイヤー・ヴィオラだっけ?災難だったわね…でも大丈夫、ここが貴方のお家よ」

「……」

「D09地区のことは心配しなくていいわ、もう手続き済みだから…宿舎にお部屋が足りないけど…過ごしやすいスペースがあるからしばらくはそこで我慢して?」

「野宿いがいなら何でも良い、案内をよろしく頼むわ」

 

あまりに豪華な宿舎に口があんぐり開いた。アーケードゲームも多いし暇にならない。

ふかふかなソファーベッドが私の寝床になる…ふかふかな布団も用意してもらえた…

何これ、やっぱり私死んで天国に来ちゃったんじゃないか…?

 

 

――――――――――――

 

 

「見えてきたな、あそこが補給基地だ」

「一応気をつけてね、治安が悪いって話だから」

 

前方に見えてきた街と城塞のような壁に覆われた基地が織りなす風景。

以前D08で発生した凶悪立てこもり事件の帰りに寄った基地だ。

いやーあれはすごかったな…ダミーがあんなにワチャワチャするのってウチくらいだと思ってたけど…

個性があるダミーが多いし同じメインフレームが多数着任しているってのも…

そういえばトンプソンが指揮官に惹かれていたような気がするな…

私のおっぱいをガン見してから肩を握り込まれてなかったか?

ってーことはだけどまた行ったら今度はあれかなトンプソンに見せつけてから焚き付けてやろうかしら。

 

「とりあえず…何かあっても守ってよね?」

「おう、任せておけ」

「あとあっちの指揮官が色目を使ってきたら」

「殴る」

「いや、遮るくらいで抑えよう?」

「嫁に色目を使うたぁいい度胸じゃぁねぇか、おぉぉん!?」

「補給を要請するかもしれないんだからダメー!」

 

なんてバイクの上でやり取りしながら街の中へと入り込む。

スラム街らしく街はあの夜戦で見たまま…荒れているんだけど…

あの夜戦では見たことない人間の賑わいが溢れている。

ただどっかしらで喧嘩が勃発してるなー…おまけに服装も結構荒れてる。

店もまぁ見当たるな…動いてる。最悪ここで食事ってのもできるかな?

 

「ダーリン、あっちだよ」

「おう」

「アポは?」

「取ってる取ってる」

 

門番に対してG&KのIDを見せつけてからちょっと待たされる。

程なくしてから門が空き中へ通される。さぁてこれからご挨拶ですね。

結婚報告ついでに見せびらかしてやろーっと♪どうだー羨ましいだろう?

お?なんだ外が騒がしくなったな…あぁ、人類人権団体ですか…はいはい。

現実を直視しないアホダラがなーにかほざいてますこと…

 

「ねぇダーリン、アイツらに鉛弾打ち込んで来て良い?」

「だめ」

「ちぇー…で、何を補給要求するの?」

「そうな…式をするつもりだからチャペルに使えそうな建物を新設するかなって思ってる」

「え?」

「後で使うし倉庫だな…あとは披露宴どうするか?」

「やろ、皆でワイワイ騒ごうよ♪」

「OKじゃあ食料もだな…ウェディングケーキ…」

「あ?そんなの私が作るから」




披露宴、来てくれるかなー?

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