元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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ヴィオラちゃん大歓迎巻


Day107 イレギュラーの出会い

――――――――――――D08基地司令室・朝

 

 

「ただいま」

「たっだいまぁー?」

 

あれー?なんか司令室で会議みたいに人形が集まってるんだー?

ダーリンのただいまの声に反応することもなくギャーギャー騒いでる。

そして何か見慣れない背格好が一つあるな…なんだろう?新入りかな。

 

「ダーリン隠れて、あれ鉄血!」

「なにぃ?」

 

なんで皆に紛れて居るんだ!?鉄血のハイエンドモデルのデストロイヤーだ!

サイドアームのMk-23を引き抜いて照準を合わせるが警告メッセージ?

IFFが反応している。友軍?デストロイヤー・ヴィオラ?

 

「いきなり何だ?」

「何だとは私のセリフだよ、何で鉄血の人形が…」

「私はヴィオラ、鉄血製だけど所属は間違いなくG&K」

「おかえり正妻さん、こっちのでっかいのはあんた達が旅行に行ってる間に保護した人形よ」

 

FALがダーリンの席に座っていてあれこれ仕事をしていたみたいだ。

山積みになっている書類は恐らく今日の分なんだろう…で、私に対する視線がやたら厳しい。

抜け駆けじゃないんだってば…私なりにアピールし続けていた結果なんだから…

それに正妻は私なんだろうけどダーリンはFALだって愛してくれるはずなんだからいい加減矛を収めてほしいな。

嫉妬が酷い女って醜く見え始めるから良くないと思うよ。いや、マジ。

で、だけどこの鉄血ハイエンドも何かしらの異常があってこっちに付いた人形なんだろう…

ホルスターにMk-23を収めてから改めてまじまじとヴィオラと名乗った人形を見る。

……でっかいな。私のよりデカイんじゃないんだろうか。

背丈は大凡158といった所か…まぁ比較的標準的?

デストロイヤーってハイエンドはちっこいイメージだったけど…

ついでに言えば胸だってぺったんこだったイメージだったけど…うーん…

服の胸元にG&Kのエンブレムもあるし間違いなさそうだな。

 

「ごめんね、流石にびっくりしちゃって…」

「いい、普通の反応だと思うから」

 

かなり表情が硬いけどこっちが謝って頭を下げたら気にしないで良いと頭を振ってきた。

ちょっとばっかり苦笑が浮かんでる。堅い感じだけど優しい感じがそこはかとなくするな。

 

「ヴィオラだな、俺はここの指揮官…まぁよろしくな」

「……えぇ、よろしく」

「それにしても…良いおっぱいしてるな…」

「ダーリン?」

「うひひ、ちょっとだけ」

「な、なにをする…あくぅ♥」

 

ヴィオラに対して握手したと思ったら特大で存在感抜群なおっぱいを鷲掴みにしやがった。

嫁の目の前で堂々とお手つきとはいい度胸だと思う。さすがだよダーリン。

初手セクハラなんて事するのは後にも先にもダーリンくらいだと思う。

 

「むぅー」

「中々のボリューム…ナイスおっぱい」

「こ、これがこの基地の挨拶だって言うのか…」

「安心して、もっぱら受けてるのは417だけだから」

 

ヴィオラは何か不快感を覚えながらも反撃に出ようとはしてなかったな…

とりあえず代わりにと45姉が鼻を折ってた。ダーリンは床に沈んだ。

 

 

――――――――――――D08基地兵舎共有スペース

 

 

「ふーむ、D09地区で目覚めて色々あって今ここって事?」

「そうだ…詳しく語るのは憚られる事も多いけれど」

「そっか…詳しくは聞かないけどここはかなり平和だから…」

「そうね、目線はもう慣れたけど」

「うん…まぁ男の子だからしょうが無い点でもあるから…」

 

ヴィオラと腰を落ち着けて話をすることになった。私とダーリンくらいがまともに話してないからね。

かい摘んで話してもらったけど波乱の経緯でなんというかなぁ…

私も廃棄された前哨基地の倉庫で目覚めたんだけど…それよりハードモードだった。

私はサバイバル、ヴィオラは拘束からの実験のテストベッドかぁ…

おまけにD09の指揮官に騙されたか売られそうになった所を命からがら…

これは許せないな…D09地区の指揮官はつい最近人事異動で左遷を食らったって言ってたな…

新人がやらかしたのかもしれないけど…ちょっとこれは御礼参りに行かないとね。

きっとだけど人形を使い捨てるか都合のいい女程度に思ってるクソクソのクソだと思う。

隣地区と繋がりがある流通元の商人もキナ臭いと言ってたのを思い出す。

この基地と地区はダーリンの意向が強くかなり人形に対してフレンドリーだし平和。

ただダーリン初めとしてほとんどの職員がセクハラ根性が根付いてるからなぁ。

私のでっぱいもそうだったけどヴィオラのでっぱいは否応なしに視線を集めるよ。

私のもかなりでかくて困ってるのにヴィオラのなんて絶対男性用のシャツでも入らないと思う。

I.O.Pに不信感がある節がちらほら見えるけど服飾部門はまぁ…デザインはアレだけど…

いい仕事してくれるからお洋服は遠慮せずガンガン注文しよう?

 

「ところでヴィオラってさ、話し方硬くない?」

「そうか?私はそう思ってないが」

「中性的っていうかなぁ…もうちょっと柔らかくしようよ」

「む…善処する…」

 

経緯が経緯だからしょうが無い面もあるのかもしれない。

硬い表情が目立つけどときおり見せる感情が乗った表情が可愛いからなぁ。

むにむにとほっぺたを触って唸ってる姿はかなり可愛い。

 

「この後はどうするつもり?」

「考えてなかったが…んんっ考えてなかったけど、ゲームで時間を潰すつもりだった」

「ゲーム?どんなゲームするつもりだった?」

「アケ筐体があったから…とりあえずで遊びつくそうかと思っていた」

「じゃあ一緒にやろ♪」

 

手を取り合ってからゲームブースに入り込む。いろんなアーケードゲームが並ぶが…

ヴィオラのやりたいものをまずはガンガンやらせていこう。

ゲームは急速に仲を詰めるには良いツールなんだよね。ゲーマーに悪いやつは少ない。

 

「ワニワニパニック…うっわ懐かしい」

「二人でやる?」

「そうだな…んっんんっ…そうね」

 

お、ハンマーを持ったらいい感じの微笑みが浮かんだ。

それがヴィオラの素顔かな。普通に優しい感じだ。お友達としては申し分なし。

 

 

――――――――――――D08基地食堂・昼

 

 

ヴィオラとはかなり仲良しになれたと思う。私に何か言いたげな感じが会ったけど…

とりあえず緊張というか警戒じみた硬い表情は浮かべられなくなった。

お昼の用意に先に離れたら少し寂しそうな顔をされて困った。

で、今は私がメイド服を着込んでからせっせと接待をしている。

ダーリンには私お手製のパスタがあるからダーリンが来たら上がらせてもらうけど。

ヴィオラが来たら私のメイド服姿を見て苦笑いというか…引きつった顔になった。

メイドに何か嫌な思い出があるのだろうか?

 

「あ、ダーリン♪」

「おう、今日も良いメイドだな…飯は?」

「すぐにお持ちします、席へご案内しますね♪」

 

キッチン内のコック長とアイコンタクト交わして二人分のパスタを取る。

全部渡しお手製のカルボナーラ。麺はフィットチーネにしてみた。

もちもち食感が良いパスタで私的には結構ツボに入った。

パスタだからあーんは出来ないけど…口移しなら全然できるよね。

カウンター席に案内してから二人並んで腰掛ける。

私のダミーに後は任せてから私はダーリンとの蜜月に入らせてもらいます。

 

「ダミーちゃん、おっぱいもませて」

「あ、たすかるー♪」

 

もうダミーが何しても私は関与しないことにした。

ダミーと私でちょっと差が出てき始めたし…主におっぱい的な所で。

脱いで並んでみたら私がおっぱいおっきいんだもん。どうしてこうなった。

おっぱいで判別可能なんて私くらいじゃないかな…他の基地でも類を見ないと思う。

ヴィオラがすごい目でダミーとメンテナンス班のやり取りを見てるけど…

まぁこの基地の日常風景だったりするから慣れてとしか言いようがない。

 

「そこのダミー!いい加減にしなさい!!」

「げぇっ!お姉ちゃん!!」

 

まぁ私が手を下すまでもなくお姉ちゃんが黙ってないし…

言ってメンテナンス班もおっぱいを揉むだけだからもう怒ることもないと思うけどね。

満足したらそれでおしまいでしょ?ダーリンのおこぼれくらいはあげてもいいじゃない?

 

「んー♪」

「あー…」

 

仲良くキスしあいながらお互いに濃厚なカルボナーラを食べさせ合いました。

 

 

――――――――――――D08基地司令室・夜

 

 

「で、今何してるの?」

「式を執り行う間の基地周辺の警備を委託してるんだよ…」

「ふぅん…どこに頼むつもりなの?」

「本部お抱えの戦闘人だな、名前は…デッドマン」

「えぇ…何その不穏な名前…」

「死に損なったって口々に言う全身義肢の兵士だよ」

 

全身義肢…それって人間じゃなくてほぼアンドロイドって言ったほうが良いような…

データを寄越してもらうとかなりのやり手みたい。というか正規軍の強化アーマーもびっくり。

生半可な弾だとびくともしないってデータが出てる…こんな人が警備に来てくれるの?

D08地区はそもそもかなり平和な部類だから警備も何もいらないと思うけど…

しかしこの一週間かなり基地の出入りが多くなるなぁ…

ユノちゃんの所のP38とPP-90とダンスレッスンにボーカルレッスン…衣装合わせ…

補給基地からの建設班が入ってくるでしょー…S09地区の●基地のHK417も来るし…

 

「ん?はい…え、本当ですか…というか良く情報を…あぁ、社内報ですか…」

 

ん、何だろう…通信機に連絡が入ったみたい…本部からのか…どっかからの連絡かな?

受話器を置いたダーリンがなんとも言えない顔でこっちを向いた。

 

「さらにお客が増える…どうやらかなり祝福に来てくれるみたいだぞ」

「うっそぉ…見ず知らずの私達のお祝いに?」

「そうそう、うわ…重婚なんて知られたらどんな目で」

「別に法律で禁止されてないから良いじゃん、胸張っていこう♪」

「そうだな…」

 

とある基地のガンスミスが名乗りを上げて…502小隊なる人形達が食いついてきたとのこと。

聞いたことのない面々で私も面食らってるけど祝福してもらえるなら大歓迎。

どんな人かはわからないけどきっと悪い人じゃないんだろうと思う。

じゃなきゃわざわざ遠くまで祝福の為だけに来てくれることはない。

 

「じゃあ…ヴィオラにはお前の部屋を使わせるんだな?」

「うん、私はほら…ダーリンと一緒に寝るし♪」

「そうな…今日はどんな風に愛してくれようか」

「あんまりおっぱいをいじめすぎないでよ?」

 

翌朝寝ぼけて初期サイズのブラを着けたらホックが留まらなかった。

どれだけ太ってるんだ私のおっぱい…




待って挙式と披露宴がかなり大所帯になって僕困惑中。
正直描写が漏れたり動きが少ない所は各々で書いてくれってなりかねない。
そこはご容赦願う。

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