「私はイヤ!」
「私もあの基地へは…」
「私だってイヤよ、あの基地だけはイヤ」
今日の朝は各面々からの非難轟々で始まった。最前線だって言うのにとにかくやたらめったらナンパしかけてくる基地への支援任務だからだ。
私もイヤってほどあのバカ通信手の気持ち悪いナンパを聞かされてるから拒絶反応マシマシ。
G36Cも嫌と言っているもんだからその壮絶さたるや酷いんだけど?
お姉ちゃんとヴィオラは知らないからなんでそんなに嫌がっているのかって不思議そうな顔だ。
「苦情は入れてるんだが…聞き入れられちゃいないみたいだな」
「社内報でも上がってるじゃん、ナンパ野郎ばかりのクソッタレ基地って!」
「今は亭主が居る身なのですからご勘弁願いたいですわ…」
「無線手席は絶対イヤよ…」
無線席に座ったら最後延々とナンパを聞かされるハメになるから誰も座りたがらない。
全員既婚者だからなおさら嫌がるでしょ。お姉ちゃんとか絶対にキレる。
「とにかく稼ぎのためだ…悪いけど行ってきてくれ」
「ナンパ野郎に変なことされたら?」
「タマを蹴り上げてこい」
「OK玉無しにしてくるわ」
「たま…?」
「たまなし…?」
「Treten Sie in Nüsse…」
「……全力でやったら死ぬより恐ろしいな」
お上品か天然か。二人ほど理解しちゃいなかったがとっても良い反撃を許されたから直接あった時に一発かましていこう!
地上からお月様まで蹴り上げるんだよぉ!ガチ出力で蹴ると漏れなく破裂するだろうからリミッターはかけてやる。
せめてもの情けだけどそれでもナンパしてきたら容赦なく蹴り飛ばす。
痛い目を見てわからないなら死ぬ思いをしてみたらようやく覚えるでしょ!
という訳でまたイライラする事になりそうな輸送護衛任務ですよー。
はぁーあ…なんでこうなるかな。昨日のも酷かったし…呪われてないかな?
「まぁいいや、ダーリンの為に稼いでこないとね…」
「そうですわね…全ては指揮官の為…」
若干3名程目が死にながらも戦闘準備してからヘリに乗り込む。
無選手は無事お姉ちゃんが占領することになったから私達の精神的ストレスは軽減される。
お姉ちゃんにはあのナンパ地獄に遭ってもらうがな!
――――――――――――
や~って来ました荒野の真ん中ココはどこか?最前線。右から左見る所ぜ~んぶクソッタレ。
なんでかって?そりゃぁね…耳に飛び込んでくる雑音が酷いんですもの。
「君たち可愛いね、D08基地だっけ?俺と付き合ってくれない?」
「任務終わりに1杯付き合ってくれないか?」
「巡り合ったのはきっと運命…さぁ、僕の手を取って…」
門番からしてコレだもん、気持ち悪い…全くもってここの基地は変わっちゃいなかったぜ。
そんな訳で私がまずはやるか…さーってどいつのタマを蹴ろうかなー?
「一つ良い?」
「なんだい、俺に惚れた?」
「いーや俺だろう」
「いいや僕に決まっている!」
「仕事はちゃんとしろってよく言われるだぁろっ!!」
「おぐぉぉぁぁぁあああああぁぁああああああ!!!!?」
一応成人女性並の出力で蹴り上げるが…つま先になんとも言えないぐにゃぁとした感触。
懐かしき汚いバベルの塔の感触ですよ。しかしまぁ効果絶大。
この痛さは野郎じゃないとわからない痛みだけど…へっへぇ、良い悶絶顔じゃん。
ちゃんと仕事してたらこうはならなかったのにねー…ニッコリ笑いながらもう二人の門番を見る。
「いーい、私達は仕事に来てるんだから…次世迷い言を言ったらそのタマなくなると思えよ?」
「「イ、イエスマム…!」」
「他のバカにも伝えておいてねー…次は手加減なしで蹴り飛ばすからってよぉ」
さーてこれで無線手がバカをやらなければよろしいんだけどねー。
あれ、お姉ちゃん、どうしたのそんな顔して?
「思った以上にエグいわね…」
「急所を蹴り上げるとは…」
「え、男の急所ってアレだったの!?」
「私達では味わう事はない痛みだ…」
効果絶大で一匹役立たずが床に伏したが別に問題はなかろう?
さて、じゃあ今日の揺り籠になる装甲車の確保に行きましょうか。
「ほら皆行くよー」
――――――――――――
「もう二度と掛けてくるな!Fick dich, Arschloch」
まぁうん…お姉ちゃんがブチキレていてから無線機をぶっ叩いてる。
やっちゃったんだろうな、バカ無線手。やったんだろうなぁ…よし蹴るか。
「聞きたくないけど、やっぱナンパ?」
「人妻が一番そそるなんて言って無線機越しにキスしてきたわ…」
「うーわ…これはキツイ」
思った以上にきっついナンパが飛んできてた。股間を蹴り上げられるとは思っちゃいないな?
はい、今はトラックの先頭を装甲車に乗って護衛している所です。
前回2部隊で護衛していたときと同じで行きはよいよい帰りは怖いってやつかな?
周辺警戒しても鉄血人形らしき影は見当たらない。遠くでドンパチしている音が聞こえるくらいだ。
戦火も遠い…まぁ最前線と言ってもそうでもないってところか。
「どう、敵影は?」
「全然、平和そのもの…お姉ちゃん以外は」
「あぁ…そうだな…」
「もう二度と掛けてくるなって言ったわよね!?死ねっ!!」
何度も掛かってくる無線にガチギレし続けていて頭を抱えてる。
だーから言ったじゃん私達が嫌がるくらいに不味いところだからってさー
ヴィオラもこれには同情しているが…動こうとしないとしてない辺り嫌なんだろうな。
ちなみにヴィオラは普通にセクハラされかけて私がタマを蹴り上げることになった。
ヴィオラあれなんだよね…すっごく無防備なんだよね。
「お姉ちゃん、次かかってきたら」
「もう来たわよ…」
「よし、じゃあちょっと変わってみ」
「好きにしなさい…」
さてと…前回はどんな罵倒したっけ?もっとドギツい事してやろうかしら?
「おう、なんだ童貞野郎二次元の女を抱くのに飽き足らず今度は人妻のナンパかぁ?」
『え、キミ…キミも可愛いね、僕と今度お茶』
「私もダーリンが居る身だから他の男と茶をしばくつもりはねぇんだよ。ついでに言えばその童貞臭い喋り方やめろや、くせぇんだよ」
『え…え…?』
「仕事はちゃんとしろやスカタン、そのちっこいチ●コと金玉みたいな頭でも分かるか?お?」
『ぼ、僕のチ●コはデカイんだぞ!キミだって突っ込まれたらヒィヒィいって』
「お、セクハラだな?言質取ったぞ。次の査定楽しみに待ってろよ。じゃあな童貞」
さてと、本社にこの基地に関する苦情とセクハラ問題を申告しておこうか。
――――――――――――
さて、輸送トラック護衛任務は無事に終了、目立った戦闘などもなかった。
っとその前にちょっと基地に殴り込みを掛けて仮眠に入ろうとしていた無線兵のタマを蹴り上げてきた。
蹴った感じではナニはちっこいな、門番のやつの半分もねぇじゃねぇか。
へっ、顔もそんなに女を知った感じじゃなかったし童貞が…
「と、言うわけでただいまー」
「戻ったわ…あの基地なんなの…」
「417を始めとしてG36CとUziが嫌がった理由がわかったわ…」
「「向こうからの苦情は聞き入れない事でお願いします」」
スイートホームに戻ってきて真っ先にしたのはダーリンへの抱擁。
これなくしてただいまとは言えないのです。んーダーリンの匂いに包まれる~♪
お姉ちゃんはへっとへとで司令室のソファーにへたりこんで…ヴィオラはそんな様子に戦々恐々。
G36CとUziは全くの無表情で続いて発言していた。
向こうの基地から数人の兵士が使い物にならなくなったんだがと苦情が来ているが知ったことかよ。
こっちの苦情は聞き流してるくせにいい度胸じゃねぇか。次は指揮官のタマを蹴り上げるぞ?
「とりあえず本部への報告をあげるねー♪」
「おう、それで今日はおしまいだな」
「じゃあ終わった後はあれだねー」
「今日のお楽しみだな…ふふふ…」
「今日の主役は私よ…一番疲れたんだから…」
お楽しみの時間の為にもう少し私は頑張ろう。お姉ちゃんたちは先に離れに行っておいて…
「あ、ダーリンの体力吸い尽くしたらただじゃおかないからねー?」
「大丈夫よ…たぶん…」
「一発で気が済むかねぇ…」
「すまない主人よ、それは保証外だ」
わいのわいのギャーギャー言いながら離れに向うダーリンとアルファ部隊の面々。
さてと、私は報告をあげて…明日の準備をしてから…朝ごはんの支度してっと…
皆の朝ごはんも用意しなくちゃいけなくなったから結局食堂メニュー行きなんだよねぇ。
さーて明日の朝はなににしよっかなー…とりあえずミソスープは確定ね。
ダーリンの朝はとりあえずそれがないと始まらないってぼやいてたから。
「ヤーパンの殺し文句で毎朝自分の為にミソスープを作ってくれ…なんてのもあるんだっけか」
離れの方にもキッチン作ってもらっておけばよかったかなと今更思う。
朝ごはん作りながら色々出来るしプレイも広がるからねー…
よし、献立は決めたし…
「こんばんは、夜分遅くにすいません…本日の活動報告と〇〇基地に関してのレポートです。お受け取りください」
今日の執務はおしまい!じゃあ準備してから私もダーリンとイチャイチャするぞー♪
ナンパ基地再来からの金的まつり。
全力で蹴られたら死ぬよね。