元はぐれ・現D08基地のHK417ちゃん   作:ムメイ

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生地ってめんどーなんすよ


Day150 作る側の苦労

今日は朝からヴィオラと作業中です。何をしているか?

そりゃぁお裁縫でございます。イサカの3サイズや股下サイズとか測定してから……

パソコンつかって型紙を作成してから生地の裁断、それからチクチクと縫ってるんです。

えぇ、そうです。時間がある妊婦組でウェディングドレスを自作しているんですよ。

以前私のウェディングドレスやアイドル衣装を作ってくれたS09P基地の人形と同じ事してるんです。

ちなみに今日も朝から人形の搬入が行われていた。

もうこの基地大規模基地に片足突っ込んじゃったな。

他のD地区の基地は大体多くて3部隊を運営するのが殆どだったりするのにね。

妊娠騒ぎがあってから拡大拡大を続けているなぁ。基地設備も強化されていってるし。

 

「今日納入される人形って何体だっけ?」

「さぁな……」

 

納入するって事しか知らされていなくてその中身は一切知らされてない。

またダーリンが暴走しかねないから今度こそお嫁さんとして止めないとなぁ。

でもそう言えば40やドリーマー達にはセクハラを働いていない用に思える。

ドリーマーの言動からセクハラしたら逆に取って喰われそうな雰囲気があるしなぁ。

本能的に手を出したらいけないのを察知したんだろうか。

 

「この調子なら夕方頃には出来上がってるかな」

「イサカに見せたらどんな顔するだろうな」

「泣いて喜ぶでしょ」

 

ちなみに測定は完全な目視採寸、私達人形だからできる荒業でございます。

とりあえず一個目作り上げるにあたってプリンセスラインを採用しました。

普通にイサカはスタイル抜群な大人の女性って感じだもん。似合わない訳がない。

このウェディングドレス作成も黙ってやってるもんだからねー。

だってイサカに聞いたら逆誓約だってサプライズでやるつもりらしいし……

式だってやるつもりはない、だってそんなどんちゃん騒ぎはもう良いわってなってるみたい。

この前の私達の結婚式でもう十分、身内で祝ってもらえたら良いってさ。

 

「ヴィオラの3サイズも中々だけどイサカの3サイズもすごいよね」

「それを417が言うか?」

「まぁそうだけどね」

 

バストサイズトップ3が今言った3人だったりする。ヴィオラが一番でかいの。

二番目が私で三番目がイサカ。それ以下は結構横並びだけどスプリングフィールドがデカかったり。

 

「これで私の時と同じでおっぱいがでかくなっててきついなんて言われたらシャレにならないよね」

「……」

「怖くなるから沈黙は止めて?」

 

 

――――――――――――

 

 

「妊婦二人用のモビリティを用意したわよ」

「ほへぇ?」

「この浮いている椅子のようなものがそうなのか?」

 

お裁縫の合間、ちょっと休憩に身体をぐーっと伸ばして居た所ドリーマーがやってきていた。

設備の改造はまだまだみたいで資材が足りていないみたいで監視櫓の改造は見送られているみたいだ。

現在進行中の改造は畑の水循環システム関係みたいだ。

地下配管は完了したため今度は畑の上、通路になっている木の板にそって穴あき配管を這わせていくみたいだ。

スプリンクラーみたいなものだけど各部電子制御弁があるためそれよりずっと高性能だ。

で、今持ってきているのはドリーマーが試運転がてらに乗ってきている浮遊式の椅子?

ゆったりと座れる車椅子みたいなものだろうか。お腹への負担が少ない着座姿勢だ。

赤ちゃんが生まれた後もゆっくり移動できそうだからこれは助かるかも。

 

「あ、でもベビーカーもあるから……」

「心配しなくても良いわ」

 

パチンとドリーマーが指を鳴らすと椅子がかなり浅い物に……そして腰部分にはベルトが。

 

「大体は基地内の移動にしか使えないでしょうけど、考えてない私じゃないわよぉ?」

「他にはどんな物が?」

「そうねぇ……夜に試してあげるわ」

「夜に?」

「あったら便利かもしれない機能だけどここでするにはちょぉっと躊躇われるわね」

 

便利機能というがこれはろくでもない機能の予感がするんだけど。

軽いデモンストレーションをしてくれたけど基本的には右手のグリップで移動するみたい。

段差は検知したら勝手に登ってくれる優れもの、反重力ユニットのおかげでロードショック無し。

基本スピードは人間の歩く速さにちかい時速6キロに設定されているみたい。

電力は基本的には太陽熱発電と太陽光発電のハイブリット式。

 

「休憩中だったようだけど……何をしていたの?」

「ん?ドリーマーなら話してもいっか……」

「だな……」

 

と、その前に多分お求めであっただろう頭の栄養、チョコレートブラウニーを渡しておく。

ドリーマーはとてもいい笑顔で頬張ってくれる。こうしてみると外見相応のかわいい女の子なんだよね。

 

「もきゅもきゅ……手作業でドレスなんてマゾヒストなのかしら?」

「ミシンなんて無いし……時間はたっぷりあるからね」

「頬についているぞ……ミシンでも限界というものがある」

「言ってくれれば作るわよ?ちょっと待ってなさい」

 

ドリーマーが事も無げに作ると言い出したコレには私もヴィオラも顔を合わせてぱちくり。

 

「報酬はパフェでいいわよ~」

 

 

――――――――――――

 

 

まぁすぐに出来上がるわけもなくドリーマーが製作に励んでいる間私達もせっせとドレスを縫っていた。

大まかには完成していてあとはプリンセスラインらしいふわふわとした下半身の仕上げだ。

かなりタイトに上半身を締めるからサイズ間違いはかなり痛い。

ダボダボならまだ良いけどきつすぎた場合はほぼ作り直しになる。

とくにこういうドレスに使われる生地っていうのは高い。

そしてかなり気難しい性質を持っているもんだから裁断も結構大変。

 

「こうして作ってみるとお値段が張るのもわかるよね」

「そうだな……」

 

収支決算書を見てうげっとなったのは記憶に新しいよ。

あの結婚式で使った代金がヤバイことになってた。そりゃ基地の資金もねぇ……

このご時世にドレスを8つも頼む人なんてそうそう居やしない。

富豪だってそんなに買える訳でもないだろうさ。だからこそ華美な服はステータスシンボルになる。

 

「ドレス本体はあとは任せるよ、私は手袋とか小物類に移るから」

「任せろ」

 

パンプスは流石に外注になるけど可能な限りはハンドメイド品でね。

手袋の製作もかなり大変だけどやるしか無いんです。

あ、でもこういうのは本当にミシンが欲しくなるかも。

強度も必要だけどできるだけ縫い目を見せずに縫い上げてあげないとね。

猶予数ミリで縫ってると結構精密作業になるから集中しなくちゃいけない。

手作業でやったほうが確実なんだけどね。直線的なのとかはミシンでがーっとやりたい。

あとミシンがあるお部屋って女の子っぽくない?

そう、作業スペースは私のお部屋でございます。立ち入る人なんて限られてるし。

 

「あー……417ぁ、ひざまく…ら?」

「ダーリン?」

「主人か、どうした?」

「なにしてん?」

「「イサカのドレス作り」」

 

ヘロヘロというか朝のベロチューしなかったせいかダーリンが私を求めてやってきてた。

ドレス製作に関しては話してなかったし私とヴィオラの手元の布を見て不思議そうに見ていた。

 

「ごめん、ヴィオラちょっと席外すね」

「ん?あぁ……ヘロヘロにはなるなよ」

「善処するぅ……」

 

この後めちゃくちゃベロチューして私が骨抜きにされたのは言っておこう。

 

 

――――――――――――

 

 

今日搬入されていた人形はかなりの数になっていた。

なんと合計9体。基地内警備及び基地周辺警備のための人形が増加されていた。

そして前線でトラップとして活動している例のうねうねトラップの世話係だね。

生物兵器で一応光合成で生活してくれているけど新鮮なお水とか欲しいらしい。

要求してくるのは水と肥料だったりするね。あとはスキンシップ。

思考のベースがやんちゃ盛りの子供らしいんだよね。

 

「ね?」

 

器用に頭を垂れて頷いているのはそんな前線まで根を繋げている連絡係君

基地の端っこに植えられていて前線の子達の要求を伝えてくれる役割を担っている。

なおここは関係者以外立入禁止となっているためお客が入ることは無いね。

入っても責任は負えないのでご注意ってやつ。

 

「良かったね、待望のお世話係だよ」

 

カキカキ……トン「ぼくたち きもちがられない?」

 

「うーん……最初はかなり怖がられるけどそうやってコミュニケーションとってたら大丈夫と思うよ?」

 

かなり生理的な嫌悪感を促すフォルムをしてる触手達だけどその中身は良い子だから。

こうして筆談だってできるし頭出して?と言ったら一本こっちに伸ばしてくるし。

頭を撫でてあげたらちゃんと嬉しいの表してくれたりする。

……まぁこの捕まえる専用の子達はそうなんだけどね。

 

カキカキ……トン「いつもありがとね 417おねーちゃん」

 

「良いの良いの、とりあえず要望纏めておいたから次からは待遇良くなるよって皆に伝えておいて?」

 

手を振るとフリフリと振り返してくれるから本当にかわいいなって思う。

スキンシップ大好きで機嫌ななめな時とかは私達の身体にべたべたしてくる。

この前カルカノ姉がやられてたけどね。基本的にそんなにエッチな事には……ならない。

と、外に出てみるとヴィオラの後ろ姿があったものだ。

 

「あれ?」

「あ、417だ。今日のおやつはなに?」

「おっと?」

 

雰囲気的に完全にデストロイヤーなんだけど外見はヴィオラ……じゃないな。

おっぱいのサイズが一回りちっこい。おまけにお腹がフラット。

 

「えーっと?」

「私だよ、デストロイヤーだよ」

「……もっとちっこくなかったっけ?」

「ドリーマーがお遊び半分でガイア躯体も作り上げたのよ、ほらほら今日のおやつちょうだいよぉ!」

 

宿舎に戻るとドリーマーも居て合計4人分のおやつを要求された。

ドリーマーのやつあんなに食って大丈夫なんだろうか。

というかアイツいつ寝てるの?大丈夫なんだろうか。




熱変化とかに弱いのとか薄すぎるのとかミシンがはいんねーんですよね。
効率無視するなら手縫いが一番っすね

ドリーマー「いつ寝るか?私は別に寝る必要ないわよぉ?」
ガイア「とかいってさっき3時間寝たのは」
デストロ「だーれーかなー?」
ゲーガー「それ以上は言わないほうが良いぞ」

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