ワールドトリガー 《蒼の騎士》、軌跡の果てに 作:クラウンドッグ
無理せず休養なさってほしいものです。そしてどうかワールドトリガーを完結まで!!
さあさ、期せずしてボーダーの未来を最悪に導いた刀也ですが、その罰とばかりにヴィザ翁と戦う事になってしまいました。いくら超直感があっても星の杖を相手にしては分が悪いでしょ!
前話を書き上げてそう思いました。
リィン・シュバルツァー
それは、かつてとある世界を大戦の危機から救った英雄の名である。無論、それは彼一人で成し遂げたものではなく、仲間と共にやりとげた偉業だ。
世界を救う偉業を果たしたリィンは、20歳という若さで≪剣聖≫と呼ばれるに相応しい実力を持っていた。
ボーダー所属から≪剣聖≫の弟子と言い直した刀也は、不退転の覚悟をもってそう名乗ったのだ。
≪剣聖≫の弟子として、八葉に連なる剣士の一人として、この戦いは負けられないものと己に強く認識させるために。
先に仕掛けたのはヴィザだった。刀也は『超直感』のサイドエフェクトを持つがゆえに、強敵相手には基本的に後手に回る。後手に回ると言っても、それは遅れをとるわけではなく、後の先をとるためである。
距離をつめて星の杖から剣を引き抜くヴィザは、対照的に弧月を鞘に納める刀也の狙いをカウンターだと看破する。ヴィザの剣速はアフトクラトルでも指折りだ。面白い、合わせられるものならやってみせろとばかりに剣を握る手に力を込める。
ヴィザの読みは正確であり、刀也が納刀した構えから発動する
至近距離に踏み込んだヴィザの横一文字の一閃。それを紙一重で、身をかがめて躱した刀也は、
「残月」
トリガーを発動させる。
後の先をとるこの技は、超直感のサイドエフェクトをもつ刀也と相性が良く、完成度は師であるリィンと比較しても9割に値するほどだ。
抜刀と同時にかがめた体勢から飛び上がり、斬撃を加える刀也だがヴィザは振り切った体勢から驚くべき速度で剣を構えなおしてガードする。
完璧なタイミングでの残月を防がれた刀也の表情にはしかし、驚きの色はない。この老境の剣士ならばそれくらいはやると思っていたからだ。初めて見た瞬間からヴィザを師と同等か、あるいはそれ以上の使い手だと刀也は見抜いていたのだった。
だから。次のトリガーを発動する準備はできている。五から六へ。一切の無駄のない洗練された戦技の移行。
「緋空斬」
空中で弧月を振るい、緋色の斬撃がヴィザを狙い撃つ。残月の威力を殺しきれずにわずかに体勢を崩していたヴィザにガードさせて、地面に縫いとめる。
さらにもう一度緋空斬を放ち、ヴィザの回避を封じたところで着地、二の型のトリガーを起動ーーーーー
「疾ーーーっ」
させようとして、その場を飛び退く。
目の前を神速の斬撃が通り過ぎていく。ヴィザがもつ星の杖の能力を解放したのだと理解するが、やはりそのスピードは視認できない。いくら交戦記録があるとはいえ、この神速の斬撃を躱すのは不可能に近い。自分もサイドエフェクトがなければやられていた。
「星の杖…よもや初見で避けられるとは」
防御から転じて星の杖での刀也の撃破を狙ったヴィザだが、星の杖のブレードを避けられた事に驚く。これまで玄界の部隊と戦った記録を見てはいるのだろうが、それにしても見事に避けられた、と。
「…ノーモーションから発動できるのか」
厄介だな、という言葉を飲み込んで刀也は弧月を構えなおす。まずはこの老人の余裕をはぎ取るところから始めよう。
剣士たちの戦いは、続く。
☆★
「……ありゃ、なんだ?」
空を裂いた光の柱の位置を激戦区と見たクロウは、そこへ向かって飛行していた。
が、その途中で、妙なものを目にする。ラービットだ。もちろんラービットそのものが妙なのではない。ただのトリオン兵であるはずのラービットを回収するために、ランバネインを撃破した後に現れたワープ使いの女ーーーミラが出向いていることだった。
アフトクラトルの狙いがC級隊員であることを思い出したクロウは、今まさに回収されようとしているラービットはかなりの数のC級隊員をさらった個体であると理解した。
「させるかよ」
クロウはダブルセイバーを投げ放つ。以前から得意としていた戦技の一つ『ブレードスロー』だ。くるくると回りながら飛来したダブルセイバーはラービットを破壊し、その腹部に収められていた多数のキューブを地面にさらし落とした。
寸前に気付いたミラはダブルセイバーを避けて、戻ってきた得物をキャッチしたクロウを睨みつける。
「玄界の黒トリガー…!」
ランバネインを撃破したクロウの出現を前にミラはわずかに判断をにぶらせた。クロウの撃退か、キューブの回収か。優先順位としては後者が高い。このキューブには金の雛鳥が混じっている。ラービットの腹からぶちまけられてしまったせいでどれがそうなのかわからなかくなってしまったが、とにもかくにもキューブの回収が優先だ、と。
その判断は正しい。合理的だ…奇しくもヴィザがそう語ったように、だからこそ読みやすい。
キューブを回収しようと窓の影で門を開いた、その刹那。
「馬鹿が」
狙撃銃から放たれる、正確無比な一射。
ボーダーの狙撃訓練では堅実に1位をキープする、A級三輪隊のスナイパー、奈良坂透のイーグレットから撃ち放たれたものだ。
窓の影で開かれたワープゲートの先にはアフトクラトルの遠征艇があった。遠征艇を破壊されては帰還できなくなってしまう。それでは金の雛鳥を確保したとしても意味がない。
遠征艇の破壊を防ぐためにミラはワープゲートを閉じざるを得ない。ここと遠征艇を直接つなげてキューブを回収する手が封じられてしまったわけだ。
「それはもう見た」
交戦記録は共有済みだ。ミラの黒トリガー、窓の影はワープゲートを作り出すトリガーであることはすでに割れている。
能力がわかったとて、それだけで倒せるような易い相手ではないが、味方に一流の狙撃手がいれば話は別だ。少なくとも安易な逃亡やキューブの回収は阻止できる。
C級隊員たちが捕獲されたと聞いた三輪隊が、救出にやってきた。
「奈良坂、古寺…準備はいいな。交戦開始だ」
ハンドガンと弧月をもって三輪がミラを挑発する。それは同時に「その手は通じないぞ」という牽制でもあった。
隊員であるスナイパー2人に合図を出して戦闘開始。C級隊員が奪われるか否か、決戦の狼煙があげられた。
☆★
「ふむ……」
剣を交え始めてからおよそ5分が経過している。
星の杖の能力を解放した回数はすでに10を超えていた。それなのに、不可視の速さを持つブレードが当たらないのには何か仕掛けがあるのだろう。
おそらくはサイドエフェクト。攻撃を感知するタイプのものであるとヴィザは考えていた。
星の杖の能力で刀也を近寄らせないヴィザだが、すでに味方は全員が交戦しているという状況連絡があった。しかも、戦況は拮抗しているという。
当然ながら、今回は侵攻ではなく遠征。戦力はそこそこだ。
だからこそ、国宝の担い手である自分が状況を変えなければいけない。
もう少しだけこの剣士と技を競い合ってみたかったが………、とヴィザは勝負を決めにかかる。
攻撃を感知して避けるタイプには、たとえ感知したとしても避けられないほどの飽和攻撃が有効的だ。
「星の杖」
その能力を最大解放する。すべてのブレードを攻撃に回す。たった1人にオーバーキルも甚だしいほどの死の刃。
避ける間もない刃が迫るーーーーー、その前に。
「疾風」
円周上を疾るブレードが刀也を点に集まる前に。その間を通り抜ける。
「なっ!」
目で追えないスピードのブレードを避けたのはもちろん、踏み込むという選択肢を選んだ刀也の胆力に驚嘆する。
しかし、疾風の踏み込みではヴィザまでは届かない。単純な距離の問題だ。星の杖の能力解放で近寄らせてもらえなかった刀也とヴィザの距離は疾風一回では届かないほどに離れていた。
鞘から孤月を引き抜く前に、疾風を中断して別の技を発動させる。
「緋空斬!」
すべてのブレードを攻撃に回していたヴィザは、緋空斬を仕込み杖の剣で斬り裂いた。ヴィザが緋空斬を断つのに注力した一瞬で刀也はヴィザの視界から消える。
だが、消えた刀也をヴィザはすぐに発見できた。消えたはずの刀也はヴィザのすぐ隣にいたのだ。剣聖を想起させるほどの、濃密な剣気を纏って。
「万物流転ーーーーー」
☆★
大規模侵攻前
「風刃は、迅が持っておいた方が良いんじゃないですか?」
軍議の終わりに、忍田が「何かあるものはいるか?」という確認をした際に、刀也は爆弾をぶっこんだ。
風刃は最上宗一が黒トリガーとなったもので、その使用者は迅だった。
だが、遊真が玉狛支部に所属し、ボーダー内のパワーバランスが崩れる事を懸念した城戸派が玉狛に奇襲を仕掛けるも迅に撃退され、風刃を本部に引き渡すことで遊真の玉狛支部入りが認められた。
そういった経緯で風刃は迅の手を離れて本部預かりとなっているわけだが、風刃の使用者候補第1位である風間が辞退した事で、風刃の使い手が決まらないまま大規模侵攻を迎えようとしていたのだ。
貴重な黒トリガーを遊ばせておく手はない、というのがボーダーの総意だが候補者である風間の辞退により、話は宙ぶらりんのままであった。
「また、いつもの直感か」
鋭い目つきで城戸が刀也を睨む。
「はい。風間が辞退した以上、迅が風刃を使うのが最善手かと。他の候補者たちが使うにしても、迅はもちろん風間以上に使いこなせるわけがないですし」
風刃の能力は単純だ。物体に斬撃を伝播させる。つまり視界の中ならどこまででも射程内であり、かつ必中。
シンプルイズベストとはまさに風刃のためにあるかのような言葉だ。
そして、風刃と迅のサイドエフェクトは相性が抜群に良い。
「もし今回の侵攻で被害者が出た場合、風刃を使わなかったのは市民に対して負い目になります。それに、本来一枚岩であるべきはずのボーダー内部で派閥争いがあり、それによって貴重な戦力を削いだ事がマスコミに露呈でもしたら…とんだ醜聞ですよね?」
ニヤ、刀也は不敵に笑う。その言葉はまさに迅に風刃を使わせないと黒トリガー争奪戦の事をマスコミにたれ込むぞ、と言わんばかりのものであった。
「……城戸司令、懸念はわかりますが。優先順位はまず市民の安全でしょう」
そこで刀也をフォローするように根付が城戸に提言する。
根付はメディア対策室の室長だ。ボーダーの情報操作を一手に引き受けている、世論コントロールのプロだ。
今回の侵攻の後は、間違いなく記者会見を開く事になるだろう。その時に記者たちに余計なところを突かれたくはない。
これでもし世論が揺れれば、ボーダーに許された数々の特権が失われる可能性すらあるのだ。
「………」
城戸は瞑目したまま顔の傷をなぞる。
懸念されるのは、大規模侵攻の後に迅がそのまま風刃を保持する事だ。活躍次第では「風刃の持ち主はやっぱり迅しかいないよね!」という声がボーダー内部で高まるかもしれない。そうなってしまえば城戸ですら迅から風刃を取り上げる事はできないだろう、それこそ根付に情報操作をしてもらうか…
鬼怒田は「バカな事を言うな!」と言いたそうな顔をしているが、大規模侵攻の後処理を考えると刀也の意見を聞き入れるのがベストだとわかっているがゆえに口を挟む事はない。
城戸はゆっくりと目を開けると、
「いいだろう、迅の風刃の使用を認める。ただし、大規模侵攻の後は本部に返納するように」
あっさりと迅の風刃の保持を認めた。
「そりゃもちろん。……感謝しますよ、城戸さん。ヨナさんも」
迅はこうなる未来が見えていたのか、飄々と謝意を示した。
ホッと胸を撫で下ろす刀也と根付。より良い未来のために、被害は最小限に抑えるべきだ。結局のところ、城戸もその結論に落ち着いたのだ。
それに今は、黒トリガー争奪戦の時と状況が違う。今は本部にクロウ・アームブラストがいるのだ。彼が七の騎神を起動できれば、天羽と併せて風刃有りの玉狛支部と同等以上の戦力となるだろう。
こうして軍議は終わりを迎える。
そうして風刃は再び迅の手に戻る。例えひと時であったとしても。
☆★
迅は少しだけ負い目を感じていた。他でもない風刃そのものに対してだ。
黒トリガーはそれを制作した人物の写し身…形見でもある。
いかな理由があるとは言え、それを自ら手放した事を、迅は負い目に感じていたのだ。
「形見を手放したくらいで最上さんは怒ったりしないよ」
黒トリガー争奪戦の後、太刀川や風間に言ったセリフだ。
それは、その通りなのだろう。だけど、形見を手放して自分が負い目に感じるかどうかは話が別だ。
だが、例え負い目があったとしても。
「風刃、起動」
それで剣を鈍らせる事を他ならぬ風刃が許してくれないだろう。
「行くよ、最上さん」
ノーマルトリガーを解除して迅は風刃を起動させる。
標的は、人型近界民の1人ーーーーヒュースだ。
ヒュースは優秀な男である。
角つきである事はもちろん、若くして遠征部隊に選ばれたのがその証だ。
戦術理解度も高く、戦闘能力も申し分ない。扱いの難しい蝶の楯を自由自在に操る事ができるのはアフトクラトル本国でも数えるほどしかいない。
だが、いかんせん相手が悪かった。
ヴィザと別れてから数分もしないうちに、新たなる敵と遭遇した。
そいつは、先程の男と同様に届くはずのない剣を振り抜いた。
今はヴィザと戦っている男ーーー刀也と同じように斬撃を飛ばすトリガーを持っているのか、と思いガードを固める。
しかし、斬撃は飛んでこない。ならば、あの素振りはなんだったのか。
そこまで思考して、ヒュースの首は胴体と分かたれた。
ガードを緩めたわけではない。油断など微塵もなく、慢心なんて以てのほか。
しかしそれでも、黒トリガーは相手が悪過ぎたのだ。
トリオン体から生身に戻る際にヒュースは自分を仕留めたのが何かを理解する。それは斬撃だ。地面から、壁面から襲い来る斬撃。おそらくは物体を伝播する斬撃。それが8つ。自分は首だけでなく五体をバラバラにされたのだと。
ヒュースを戦闘不能に追い込んだ張本人、迅はヒュースが生身になった事を確認すると風刃を解除してノーマルトリガーを起動させる。
バリケードトリガー『エスクード』を踏み台にして瞬時にヒュースと距離を詰めると、スコーピオンを突き立てた。
呻き声をあげるヒュースだが、死んではいない。
ボーダーのトリガーは基本的に生身の人間を傷つける事ができないようにできている。たとえ孤月で斬られたとしても、アイビスで狙撃されたとしても気絶するに収まる。
迅は手っ取り早くヒュースを気絶させると、手首のブレスレットーーアフトクラトルのビーコンーーを破壊した。これによってアフトクラトル側は仲間の位置を掴んでいたようだ。
未来はまだ決まってはいない。ヒュースが置いていかれる未来もあるが、もしアフトクラトルが
その時に少しでも足止めになれば、あるいはその後の捕虜交換に使えれば……と思い迅はヒュースの未来を、この世界に固定した。
気絶したヒュースを見つからないように隠して、迅は再び風刃を起動する。
次の行き先は、無謀な未来を託され、それを叶えようと足掻く1人の剣士の救援だ。
☆★
「アステロイド」
二宮の横に展開された三角錐のトリオンキューブから無数の弾丸が放たれる。
B級1位二宮隊の隊長である二宮匡貴は、本来B級などという地位にいるべきではない人材である。
とある不祥事の責任をとって今はB級に甘んじているが、その実力は…個人総合2位、射手ランク1位。射手の王とさえ呼ばれる男こそが二宮だ。
「……追いつかれてしまったか」
その二宮のアステロイドを防ぎきったのはアフトクラトル遠征部隊の長であるハイレインだった。
いくら二宮がボーダートップクラスのトリオンを誇り、圧倒的な火力を出せるとは言え、ハイレインの黒トリガー、卵の冠の防御は易々と破れるものではなかった。
トリオンならば何でもキューブ化してしまう卵の冠の特性は、射手とすこぶる相性が悪い。
だが。
「『弾』印二重」
それを覆せるだけの力があれば、話は別だ。
遊真は空中で身を翻すと展開した『弾』印を踏みつけて、ハイレインの目の前の地面を蹴り砕き、めくり上がったアスファルトをハイレインに投げつける。
卵の冠はトリオンにしか作用しない。トリオンではない物質にはただ当たって砕けるのみ。
投げつけられたアスファルトに触れては消えていく卵の冠でつくり出されたサカナたち。防壁を削られたハイレインは本気でまずいと感じる。
「アステロイド」
再度、射手の王から撃ち放たれるアステロイド。両攻撃のアステロイドはアスファルトを砕き散らしてハイレインを蜂の巣にする。
「ぐ……」
全身が穴だらけになったハイレイン。しかしすぐに卵の冠で先程二宮のアステロイドを防いだ際にできたキューブからトリオンを吸収して傷を修復する。
「黒トリガーか。まさかここで足止めをされるとはな」
二宮だけではなく遊真がいたからこそハイレインは厄介だと断じた。ミラは金の雛鳥を捕獲したラービットを確実に回収するために別行動をとったが、それが裏目に出たようだった。
敵襲にあったようで、苦戦を強いられているという。ならば、ヴィザに救援に行ってもらうのが良いだろう。自分が行っても良かったのだが、黒トリガーと優秀な射手が相手では少しばかり時間がかかりそうだ。
その点、ヴィザの相手はノーマルトリガー1人のみ。いくら戦闘力が高かろうが、ヴィザが敗北する姿は想像できない。
だからここは、足止めされるのではなく、足止めをするのだ。
ハイレインの、その頭脳の回転が、裏目に出た。
その思考は結果的に先の言葉を嘘に変えてしまった。そして、遊真のサイドエフェクトは父から黒トリガーと共に受け継いだ『嘘を見抜く』というもの。
「こいつも囮だ」
すでにアフトクラトル側は千佳を捕獲している。ならば、あとはアフトクラトルはただ回収して撤退すればいいだけ。それをしないのは、そうする事ができないからだ。
だから、その問題を取り除く間の足止めを買って出たのが、このハイレインなのだ。
「レプリカ、頼めるか」
その答えを共有した遊真とレプリカ。
「承知した」
ノータイムで答えたレプリカは分身…ちびレプリカを残して、遊真たちの元を去っていく。
レプリカの狙いが何なのかはわからないが、そうはさせないとハイレインは卵の冠で鳥をつくり出してレプリカを狙う。
「「させるか」」
遊真と二宮、2人の声が重なり、レプリカを狙った鳥はすべて撃ち落とされる。
未来の分岐点まで、あと300秒。
それはあらたなる分岐。最善から最悪へ、そして再び最善へと戻るための最後のピース。
すべてのピースがぴたりとはまった時、理想の未来は訪れるだろう。
パズルなんてのは、そういうもんだ。ぜんぶの欠片を綺麗に収めたときにだけ、完成した絵図が現れる。
たとえどれだけの邪魔があったとしても、パズルを完成させること。
それが最善の未来を掴み取るためのたったひとつのやり方だ。
はい、というわけで決戦に入り込んだ大規模侵攻編です!
たぶんあと1話か2話くらいで戦いは終わります。さらわれた修や千佳を取り戻すためにクロウと刀也、遊真が組む展開なんて面白そうなんて考えてますわー