ワールドトリガー 《蒼の騎士》、軌跡の果てに   作:クラウンドッグ

21 / 65
クロウと刀也のw主人公だった……!?(気づいた

でも今回はクロウが主人公の回です。


クロウ・アームブラスト④

「クロウ隊員が穂刈隊員を撃破!というかなんだレイガストのあの挙動は!?」

 

 

刀也の神業しかりクロウのブレードスローにしろ未だ見たことのない技に興奮冷めやらぬ観客席。

 

 

「オリジナルのトリガー…じゃないよね。B級だし。え?なんなのあれ」

 

 

佐鳥はオリジナルのトリガーによる設定でレイガストを戻ってくるように制御しているのではないか、という自らの推理を否定する。

 

 

「まーヨナさんの部隊の人だし、何でもアリなんじゃないの」

 

 

緑川に至っては思考を放棄していた。

穂刈を撃破したブレードスローは、ただの技術だ。まるでブーメランのように双刃剣が戻ってくるように投擲する技術。しかし観客はそんな事を知る由もなく、ただ神業に続く曲芸に驚き沸き立つばかり。

 

とりあえず考えるのを後にして武富桜子は実況に戻る。

 

 

「夜凪隊長が荒船隊長を追い詰めた!ここで荒船隊長が反撃!なんとハンドガンを装備している!」

 

 

「荒船先輩はもうイーグレットでも8000点取ってたね。なるほど、次は銃手トリガーか」

 

村上経由で荒船の野望を聞いていた緑川は納得し、モニターに視線を固定する。

 

 

「弾はなんすかね?アステロイド?バイパー?ハウンドかな?メテオラじゃないのはわかるけど」

 

 

佐鳥が気にしたのは荒船が抜いた拳銃にセットされている弾の種類が何か、という点だ。モニターに映る刀也もそれを気にしているようでいまいち踏み込みが浅いように思われた。

 

 

 

☆★

 

 

 

銃口から放たれる弾丸を孤月で切り払う、あるいはシールドで防御する。

 

弾の種類はおそらくアステロイド。少し距離をとって観察してみれば、弾道変化もなく追尾もなし。バイパー、ハウンドである線は消えた。あるいはわざと追尾させてないハウンドの可能性もあったが、そこまで見極めるとなると時間が足りない。

那須隊が接近している。挟まれれば逃げ切れないだろう。だから多少強引にでも荒船を落とさなければいけない。こうやって焦らせるのも荒船の手の内かもしれないが………

 

弾の種類をアステロイドと断定。射手のアステロイドと違い、銃手のアステロイドは銃口の向く先にしか飛ばない。これの対処法として、銃口を向けられるより早く動けば良い、というのが刀也の出した結論だった。

 

 

刀也はバックステップで荒船と距離を取り、シールドでアステロイドをガードしながら旋空を起動。横一文字の斬撃を荒船は跳んで避ける。そこに追撃しようとする刀也を荒船はアステロイドで牽制しようとして、その姿を見失った。

 

 

グラスホッパーを踏みつけて加速した刀也はすれ違い様に荒船の左腕を切り落とし、そのまま旋空孤月で両脚を切断した。

 

着地した刀也は荒船が孤月からイーグレットに持ち替えたのを視認して、咄嗟にガードする。左腕を失い、ろくに照準をつけられないはずの銃口はしっかり頭を捉えており、それゆえ容易く防御されてしまった。

 

 

次弾の装填を許さず、刀也は荒船にトドメをさすべく近づくと。

荒船の頭部が吹き飛んだ。狙撃だと瞬時に理解する。

 

「那須隊、来るよ!」

 

それと同時に陽子からの警告。レーダーを見ると、確かに那須隊の2人が目と鼻の先にまで来ていた。

 

 

☆★

 

 

「おーっと!これは夜凪隊長が追い詰めた荒船隊長を日浦隊員がかっさらった!那須隊に得点だ!」

 

那須隊のスナイパー、日浦が荒船の頭を撃ち抜き1得点。しかし次の瞬間には日浦が狙撃されて緊急脱出する。

 

 

「今度は日浦隊員が狙撃された!これは荒船隊にポイン…いや!夜凪隊の得点です!!撃ったのは…クロウ隊員!この人狙撃もできたのか!?」

 

 

狙撃合戦はまだ続く。次はクロウに向けてイーグレットの引き金が引かれる。構えているのは荒船隊の最後の1人である半崎。しかし放たれた弾丸はクロウに届く前にレイガストに阻まれて消え去ってしまう。

 

 

「半崎隊員の狙撃!しかしクロウ隊員、これは読んでいた!」

 

 

「うわー、完全に狙撃手の動き理解してますねこれ」

 

 

「撃ち返した!脚に当たったね」

 

 

武富、佐鳥、緑川と続く。

クロウは陽子との協力により半崎の位置をかなり正確に掴んでいた。それによりレイガストで事前に防壁を張っておく事ができたのだった。

反撃したクロウの狙撃は上半身をガードする半崎を嘲笑うように脚部を撃ち抜き、機動力を奪った。

 

 

「半崎隊員の脚を奪った!クロウ隊員はこれを追う!そしてここで夜凪隊長が那須隊と会敵した!」

 

 

☆★

 

 

 

「クロウ、そっちは?」

 

 

「日浦は撃破、今から半崎を追う。そう時間はかからねぇ」

 

 

「了解、できるだけ早く頼むわ」

 

 

クロウとの通信を終えて刀也は対峙する2人を見やった。那須玲と熊谷友子…那須隊の名コンビだ。基本フォーメーションは熊谷が前に出て孤月で攻撃と防御、那須がバイパーで仕留めるというもの。そこに日浦の狙撃まで加われば相当に厄介だが、今回は狙撃までは心配しなくていい。

 

 

「くまちゃん、夜凪さんの相手はお願いね」

 

 

「任せて!今日こそ師匠超えさせてもらいますよ!」

 

 

那須と熊谷は短いやり取りを終えると戦闘体勢に入る。刀也としてはクロウが半崎を倒してこちらに向かって来るまで時間稼ぎしたいところだが《鳥籠》とさえ呼ばれる那須のバイパーには後ろがかりになってしまえば即座にやられてしまうという予感があった。

 

 

「師匠って呼ぶなよ、何度目だこれ?」

 

 

二本の孤月がぶつかり火花を散らす。

B級ランク戦、2日目夜の部が後半戦に差し掛かろうとしていた。

 

 

 

☆★

 

 

「師匠!稽古つけてくれません?」

 

 

「師匠言うなし」

 

 

自分より15cm以上背の低い師匠が熊谷友子にはいた。

夜凪刀也…ボーダーが今の形になる前からの古株らしく、周囲の面々からはヨナさんの愛称で親しまれている男。

 

刀也は頑なに熊谷の事を弟子とは認めなかったし(他にも刀也の事を師匠呼びする者たちもいるが全員同じ)、熊谷はそれでも刀也を師匠と呼び続けた。

 

そう呼ぶのは、いつか越えたい存在だからである。

夜凪刀也はボーダー内では名の通った剣士だ。孤月のポイントは「カンストっぽくて好きだ」という理由で9999で止まっているが、実力は1万ポイントを上回ると噂されているほど。

そんな刀也は特注のトリガーで派手な技を使う事ばかり注目されているが、熊谷が着目したのは捌きの技術だった。『超直感』のサイドエフェクトを持つ刀也だが、決してそれ頼りの回避、防御ではなかった。

「確かにおれのサイドエフェクトは“攻撃が来る”というのはわかるけど“どこから”“どんな攻撃が”来るのかはわからない。だから必要なのは“どこから”“どんな攻撃が”来るのか予測できるだけの観察力と経験だよ」と刀也は語った。

 

観察と経験…どこから、どんな風に攻撃が来るのかという予測。熊谷は刀也に稽古をつけてほしいと言って、それを磨いた。その結果、マスタークラスでこそないものの、熊谷は優秀な孤月使いとして知られるようになった。

 

 

那須隊のスタイルが今の形に落ち着いてからしばらくして、刀也の孤月ポイントが1万を超過したという話を聞き、直接問い詰めた熊谷。

 

「ちょっとやりたい事ができてな」

 

ニヤリと笑った刀也と廊下の先で合流したのは今季入隊の有望株であるクロウ・アームブラストだった。きっと刀也がお気に入りのポイントを崩す程の理由を得たきっかけは彼なのだろうと思うと、少し悔しかった。

本当は自分が師匠超えを果たして「悔しかったらもっとがんばってくださいよ」なんて言うつもりだった。

それで刀也は本気を出して、攻撃手ランクを駆け上っていく。ヨナさん、なんて愛称は少し馬鹿にされてると思った。そんな人が並み居る強豪をばったばったと薙ぎ倒していくのはどんなに痛快だろうと思っていた。自分もそんな人の弟子として胸を張りたかった。

 

ただ、それだけだった。

 

一度だけ見た夢。口にするのもバカバカしい夢想。

 

自分の師匠はすごいんだぞ、と自慢したいだけの感情だった。

 

 

 

しかしなんだ、これは。試合前のもやもやした気持ちはわくわくに変わった。刀也の視線はいつになく自分を真剣に射抜いている。

 

 

「今日こそ師匠超えさせてもらいますよ!」

 

 

 

「師匠って呼ぶなよ、何度目だこれ?」

 

 

振り上げた孤月はいつもより軽い気がした。

 

 

 

 

凄烈にして苛烈にして激烈。刀也の剣戟はそう評する他ない力を帯びていた。

稽古と称した模擬戦は本当に稽古をつけてくれていただけだと思い知った。力の差を思い知った。やはり自分の師匠はすごいのだと思い知った(思い知らせた)。だから何だと言う話なのだ。

今の自分は夜凪刀也の弟子の熊谷友子である以上に、那須隊の熊谷友子なのだ。これだけで負けてやるわけにはいかない。

 

 

刹那に3つの斬撃を加えたかと思えば、ゆらりとした動きで死角から襲ってくる。緩急、出入りを駆使した刀也の攻勢。A級隊員でも1セットやり合えば落とされるだろうそれを熊谷は捌き、捌き、捌く。

 

 

「やるな、くま」

 

 

「これでも師匠の弟子…ですから!」

 

 

鍔迫り合いの距離での会話。一瞬の会話の後に刀也はバックステップで熊谷から距離を取った。那須のバイパーが先程まで刀也がいた場所を通り過ぎていく。

 

刀也が緩急や出入りで熊谷を攻めているのは、那須のバイパーを警戒しての事だった。バイパーは弾道を変化させる事ができる特殊弾だが、その扱いの難しさ故に、実際には事前に数パターン登録して使うというのがほとんどだ。しかし那須はリアルタイムで弾道を引き、変化させる事ができる。

バイパーが苦手な刀也にとって那須は素直に尊敬できる相手であり、警戒対象でもあった。

 

しかし那須も射手である事から接近戦は苦手だ。まず熊谷を倒してから那須を倒す計画を立てていたのだが、予想以上に熊谷が冴えていて攻めあぐねている。

これはまずいと直感する。那須のバイパーは一瞬ごとに刀也との距離を詰めて来ているし、このままでは熊谷は崩せないし。かといって背中を見せて逃げればすぐに蜂の巣にされる事は目に見えている。

 

これは多少のダメージを覚悟して飛び込むべきか。判断を下した刀也はグラスホッパーを起動。熊谷に肉薄するが、集中した熊谷は孤月で刀也の勢いを止める。

そこに広角度からバイパーが撃ち込まれる。前後左右からの変化弾を前に刀也は再度グラスホッパーを踏み、上に逃げる。

 

しかし。

 

「マ?」

 

バイパーは刀也が上に逃げる事を予想していたかのように軌道を変化させて刀也に迫る。

 

グラスホッパーは間に合わず、シールドも同様。ならば孤月で切り払うのみーー!と意気込んだものの、すべての弾を切り落とす事ができるはずもなく。

刀也はトリオン体の節々に風穴を開けられつつ墜落した。

 

 

そこに再びバイパーが放たれる。今度は上への脱出口のない鳥籠と呼んで差し支えない飽和攻撃。

 

「無理だな、これ」

 

 

生存を諦めた刀也は、攻撃を仕掛ける。

 

 

 

「アステロイド」

 

 

サブにセットしていたアステロイドを起動。細かく分割して弾速にトリオンを割り振って広範囲に撃つ。

角度を付けて撃ち込まれるバイパーよりも、アステロイドの方が早く、それは那須のバイパーが刀也を緊急脱出させるより早く到達するはずだった。

 

しかし、そこに熊谷が割って入る。シールドを展開して1発さえ那須玲のもとにはいかせないという前衛としての覚悟。

 

 

そこまでが、刀也の予測通り。

 

ボロボロになった体で孤月を構えて、一閃。

 

 

「旋空孤月」

 

 

広範囲に撃たれたアステロイドから那須を守るためにはシールドを薄く広げなければならない。だが、薄くなり耐久力の落ちたシールドでは旋空孤月は防げない。

熊谷ごと那須をぶった斬るつもりで刀也は孤月を振り抜いた。

 

 

結果として旋空孤月は熊谷を撃破するに留まった。熊谷の捌きが刀也の孤月の軌道を逸らして那須を守ったのだ。

 

 

「さすがですね、師匠」

 

両断された熊谷はどこか晴れ晴れしい表情で刀也に賛辞を送り。

バイパーに貫かれた刀也はやれやれと言った体で、

 

「那須までぶった斬るつもりだったんだけどな」

 

暗に「おまえもさすがだよ」と褒めて、両者ともに緊急脱出。

 

 

 

☆★

 

 

 

「ここで半崎隊員が緊急脱出!夜凪隊にポイントです!」

 

 

刀也と那須が斬り合っていた最中、クロウは半崎を撃破していた。そのまま刀也のもとへ急行するも一歩遅く、刀也は目の前で緊急脱出してしまう。道連れに熊谷まで撃破したのはさすがと言うべきか。

 

 

「夜凪隊長を那須隊の連携が撃破!しかし熊谷隊員を道連れにした夜凪隊長、元A級の意地といったところか!」

 

お互いの隊の人間を同時に失ったクロウと那須が対峙する。

あとは自分たちだけ、背後を気にする必要はない。全力で相手を叩き潰すのみ。

モニターからでもそんな2人の闘志が見て取れるようであり、この決戦を前に観客たちは固唾を飲む。

 

「残るは那須隊長とクロウ隊員のみ。そして2人が向かい合った!2日目夜の部、最終局面に突入です!」

 

 

☆★

 

 

「那須を視認したぜ。交戦開始だ」

 

 

「クロウくんを確認したわ。始めるわね」

 

 

 

2人が向かい合ったのは中距離。バイパーを操る那須が得意とする距離だ。

那須は当然のようにバイパーを起動して逃げ場のないようにクロウを囲う。しかしクロウは包囲されるより早くレイガストをシールドモードにしてスラスターを起動しバイパーを弾きながら那須に接近する。

 

しかし、爆発。

 

「それは読んでたわ」

 

クロウの接近を読んでいた那須はメテオラで迎撃。クロウのスラスターによる急速接近は対戦記録から常套手段だと読み取れる。

中距離においてはバイパーで攻め、スラスターで接近してくればメテオラで中間距離まで押し戻す。それが那須の立てた対クロウの戦術だった。

 

 

「チッ……こりゃあ……!」

 

 

クロウのレイガストはメテオラをまともに受けながらも割れてはいない。クロウのトリオン量は平均的なトリガー使いのおよそ倍。それが那須のメテオラを受けてなおレイガストが破壊されていない理由でもあった。

 

しかし、レイガストの端にわずかばかり亀裂が入っているのをクロウは見て、無理矢理突っ込むのは危険だと判断した。

 

 

 

クロウは一旦那須から距離を取る事にした。那須のバイパーは中距離で脅威を発揮するがクロウのレイガストやシールドの硬さから考えれば耐え凌ぐ事は十分可能だ。

 

 

「どうだクロウ、やれそうか?」

 

 

通信越しに刀也が尋ねてきた。離脱した隊員はこうして無線で援護する事ができる。

 

 

「あー、もうちょい見ときてぇ気持ちもあるが……」

 

 

那須のバイパーの使い方は勉強になる。鳥籠とまで呼ばれるバイパーの弾道操作。

 

 

「やれってんならやるぜ。シールドを張ってスラスター切り…多少リスキーだがな。確実性を求めるなら別の方法もあるが……いいか、刀也?」

 

 

レイガスト使いの攻撃手、というだけでなくイーグレットさえ使える狙撃手であるという事を明らかにしたクロウの、更なる奥の手。

 

 

「……オーケーだ!パーフェクトオールラウンダー候補としての実力を見せつけてやれ!!」

 

 

僅かな逡巡の後に刀也はクロウの切り札の使用を許可する。次への切り札として秘匿しておきたかった最後の手札だが、これ以上クロウを拘束しておくのも、後のためにならないと判断した。

 

 

「任せとけ。オレ様の真の実力ってやつを見せてやるぜ!」

 

 

 

クロウが逃げる足を止めて那須に向き合うと、意外そうに「あら」と那須は言った。

 

「逃げるのはおしまい?」

 

 

「ああ、終わりにしようぜ」

 

 

 

覚悟を決めたクロウに那須も警戒を強める。そしてバイパーで鳥籠を発動しようとして、トリトンキューブを分割しーーー

 

 

「スラスター」

 

 

クロウはレイガストをシールドモードに広げてスラスターを起動。グリップを離し、盾だけが那須へ肉薄する。

 

それはさすがに予想外だったのか那須の顔が驚愕に染まる。射出されたバイパーは大きく弾道を変化させる前に広く展開されたシールドモードのレイガストに当たって消える。

 

しかしレイガストは那須に到達する前に消え去った。

クロウがレイガストに代わるメイントリガーを起動したからだ。それだけではない。クロウが新たに起動したのはメイントリガーだけでなくサブトリガーもだった。

 

両手に構えられたのはハンドガン。

 

「それは…知らないわ」

 

鳥籠を発動するはずだったバイパーはレイガストに打ち消され、次の起動は間に合わない。シールドもそうだ。回避も不可能。

那須はクロウの二丁拳銃から放たれる弾丸を身に受けて緊急脱出するのだった。

 

 

 

☆★

 

 

「ここで試合終了!7対2対0…勝者は夜凪隊です!!」

 

 

那須が緊急脱出し、B級ランク戦2日目夜の部が終了した事を告げる。結果としては夜凪隊の勝利。圧勝と言っていいほどのポイントを獲得した夜凪隊はB級上位に食い込んだ。

 

 

「この試合で夜凪隊はB級5位に上昇!次の対戦相手はB級1位二宮隊とB級3位生駒隊です!これまで快進撃を続けてきた夜凪隊が遂にB級上位に挑戦する事になります!これは次の試合が楽しみですね!

それでは佐鳥さん、緑川さん。今回の試合についての総評をお願いします」

 

 

「やっぱ1番はクロウさんの中〜遠距離トリガーでしょ!新披露のトリガーで2得点あげてますからね!」

 

 

「荒船さんも銃手トリガー使ってたけど、まだ拙い感じがあったよね。クロウさんは使い慣れてたように見えたし…ポイントも1人で4点!MVPはクロウさんだね!」

 

 

佐鳥と緑川が1番はじめに言及したのはやはりクロウについて。これまではシールドやバッグワームを除きレイガストしか攻撃用トリガーを使っていなかったクロウ。何か他のトリガーをセットしているかもしれないと予想されていたが、まさか銃手トリガーに加えて狙撃トリガーまで扱えるとは想定されていなかった。

 

「有利なステージを選んだために荒船隊は夜凪隊に優先的に狙われてたように思えます。荒船隊は今回1ポイントも得られませんでしたが、これについては?」

 

 

「ヨナさんに目をつけられたのが痛いよね。あの人狙撃効かないし…作戦も立ててただろうけど、物の見事にやられちゃったね。悔しいだろうなぁ。動きは悪くなかったんだけど狙撃手の位置取りをクロウさんに把握されてたのがアウト!そもそもクロウさんが狙撃手って情報がないから無理もないんだけど」

 

 

「あー、あの神業!どうやったらあんな事ができるのかな?迅さんでもやらないよ、あんなこと。クロウさんは狙撃手がどこに潜んでいるかアタリをつけてたみたいだよね、半崎先輩の狙撃も防げるように予め対処してたみたいだし」

 

 

解説が下手な2人が揃って解説席にいるため、武富は話の起点を作ってやらねばならない。荒船隊についての解説を求めると、2人は夜凪隊に狙われていた事を説明する。

次は那須隊について。

 

 

「那須隊はいつも通りな感じでしたね。那須隊長と熊谷隊員が合流し日浦隊員は狙撃…クロウ隊員に落とされてしまいましたが、今回は熊谷隊員の動きがキレていたように思います」

 

 

「そうだね、くま先輩は受け太刀が得意なんだけど今回は特に冴えてたね。ヨナさんの攻撃を上手く捌いてた。最後に道連れでやられちゃったのは仕方ないね、アステロイド散弾からの旋空って即死コンボでしょ」

 

 

最後まで切り札をとっておいた刀也が上手ではあったが、それ以上に熊谷が刀也に切り札を使わせた時点で今回、熊谷の評価は上がっていた。

 

「おれは攻撃手の事はわからないから日浦ちゃんの動きについて言うけど、荒船先輩を落とした判断は良かったと思うよ。その後の離脱も間違いじゃなかったけど、やっぱりクロウさんが狙撃手だった事が計算外だったんじゃないかな。あそこで落とされてなきゃもっと活躍できたと思うよ」

 

 

「確かに終盤、日浦隊員の援護があれば那須隊長との連携で勝利していた可能性もあります。では今回の夜凪隊の勝因としては、最後まで狙撃手を残さない戦術をとった…という事ですか?」

 

 

 

「だね。ヨナさんは狙撃が効かないけどクロウさんはそうじゃないだろうし、ヨナさんが那須隊と戦闘開始した時点で最後の狙撃手の半崎先輩を落としに行ったのが良い判断だったんじゃないかな」

 

 

「半崎は良い狙撃手だからね。戦闘中の那須先輩やクロウさんを狙撃する事も不可能じゃなかったはずだから、夜凪隊の優先的に狙撃手を狙う作戦はやっぱり良い判断だったと思うよ」

 

 

緑川にしても佐鳥にしても、夜凪隊が狙撃手を優先的に狙っていた事は理解しており、それが今回の勝因である事を説明する。

 

 

「なるほど、初めから終盤の展開を見越した戦術が今回勝敗を分けたということですね。ROUND2夜の部は以上になります!解説は佐鳥さん、緑川さんでした。ありがとうございました!」

 

 

 

 




「マ?」「マ」
※「マジで?」「マジです」

あれ…?クロウが主人公のはずの回が……

いつのまにか熊谷の独白まで加わってこれじゃヨナさんの回じゃないかぁ〜!
熊谷の独白が加わったのは謎。作者にアルコールが入っていたせいだと思われる。

と、思った前半でしたが、後半はクロウが巻き返してくれて話タイトルにふさわしい活躍を見せてくれました。
さすがはクロウ。略してさすクロ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。