ワールドトリガー 《蒼の騎士》、軌跡の果てに   作:クラウンドッグ

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閑話
宣言


「オズワルト家当主、ヨルク・オズワルトである。四大領主の信任を得てこの場に立たせてもらっている。

 

我が国が“神の国”と呼ばれるようになって、幾星霜が過ぎただろうか……それは我らにとって誇りであり、また侮辱でもあった。

 

諸君らも存じている通り、我が国は“神”を厳選し、それゆえに強くなった!

しかし、いくら厳選しているとは言え、次世代の“神”が弱ければ民もまた選別され、切り捨てられていく。

 

……そういった悲劇で家族を失った者がいよう。友人を、恋人を、隣人を、失った者がいよう。

 

これは“仕方のない事”と割り切ってはならぬ!納得してはならぬ!理解してはならぬ!

 

悲劇は続けてはならぬ! 悪因は取り除かなければならぬ! 我らだけではない、子や孫の世代に“弱者切り捨て”という悪しき風習を残さぬためにもだ!

 

 

……しかし、どうすれば良い?

この近界にて、神の厳選は逃れ得ぬ宿業であった。

神は選抜せねばならぬ、市民の取りこぼしもあってはならぬ……

 

 

ーー故に、我ら四大領主は決断した。

 

神の要らぬ地への移住を。

 

 

しかしこれは我らが故郷を捨てるという意味ではない。希望者はこの世界に残っても良い。同じくこの地に残るベルティストン家当主が導いてくれるだろう。

 

先の遠征の結果、神の要らぬ地は我らの戦力を持ってすれば征服が可能と結論が出た。

 

皆の者、共に征こうではないか……明日を心配せずとも良い大地、親しい人々と共に笑い合える日々を得るために。我々の新たな安住の地を目指すのだ。

 

 

我々は、玄界へと侵攻する!」

 

 

 

 

 

 

 

☆★

 

以下文字数稼ぎの解説

 

 

“世界の滅亡”について最終話以前までノーヒントだったため、その理由についての説明会です。

 

アフトクラトルが玄界への侵攻を企て、実行する……というのが迅が視た“世界の滅亡”です。

ちなみに主導したのはアフトクラトル四大領主のひとつであるオズワルト家(オリジナル)当主で、他の領主2人を懐柔し、ハイレイン(ベルティストン家当主と本作では定めます)を嵌めて、決定したという設定があります。

 

玄界への侵攻が失敗したハイレインはガロプラの侵攻に合わせて再び雛鳥乱獲を企てるが、そこでもオズワルト家の工作により指揮系統が麻痺し、再度失敗。その責任を負わされて権力が衰えた……という感じです。

 

 

ハイレインらによる侵攻でボーダーは何とか三門市を守れたという印象でした。当時はボーダー隊員の登場キャラが少なく、2021年12月時点のボーダーの面子ならもっと楽に撃退できるのかもしれませんが。

 

しかし、それもアフトクラトルの全戦力が当てられれば敗北するというのが作者の見立てで、それに対抗するためにクロウと刀也がゼムリアから救援を呼び寄せる…というのが迅の未来視する活路でした。

 

 




やっぱ刀也の方が主人公ムーブしてんだよなぁ…
原作における三雲ポジが刀也で遊真ポジがクロウといった感じです。

刀也は最終話くらいでようやくクロウと並び立てる程度になりました。
その解決をするために頑張ったのでクロウよりやや主人公らしさが上回ってしまうという結果に。

しかし、刀也もようやくクロウと対等に戦える程度の強さと精神力を身につけたので、もし続きを書くことがあれば、その時はクロウが主人公らしい振る舞いをしてくれるでしょう。きっと。

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