妥協の先のヒーローアカデミア   作:璃璃色金

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個性把握テストって、個性によっては常人とあまり変わらない結果になりますよね。それを考えると葉隠はどうやって反復横跳び無限に近い峰田に成績で勝てたんでしょうね。


そんなこと考えながら、主人公の個性どうやって活躍させるか四苦八苦したお話です。どうぞ!


第5話:己の限界を把握しろ!知恵・体力すべてさらけ出せ!何ならついでに限界超えてみせろ!体力テスト改め個性把握テスト開始だオラァァ!!

個性把握テスト。国が定めた体力テストを個性を使って全力の数値を出す。見込みが無ければ除籍処分。そんなの関係ない。自分にできることを全力で。いつもと変わらないじゃないか。

 

50m走――――――――――――

ここは普通に走るしかないか・・・・・・いや、ここは。

 

「隣、よろしくね。」

「うん、よろしくね。」

 

と返事をしたがそこには体操服が浮いているだけ。ポルターガイストですかぁ!

 

「あ、あたしの個性:透明化だからさ、気にしないで。」

「なるほど、ひと目見ただけだと服が浮いているみたいでびっくりしたよ。」

「あはは、よく言われるんだぁ。お互い頑張ろ!」

 

きっと前でガッツポーズしているのだろう。腕の部分が体の前に出てくる。

 

「うん、頑張ろう!」

 

そう言ってスタート位置についた。

 

『位置について、よーい、ドン』

 

理は踏み込むと同時に足元を見ながら個性を発動した。

 

「靴底:車輪」

 

すると、靴底の外側だけがローラースケートのように車輪に変形していた。

 

『4.57』

「よし!解除!」

 

記録4.57秒

 

握力―――—――――――――――

ここは、どうしようもないかな。普通にやろう。

 

記録:90kg

 

立ち幅跳び――――――――――

靴をバネにしたらどうなるのだろうか?

1回目

飛ぶと同時に

 

「靴底:バネ!」ビターーン!!!

 

個性発動と同時に、その場に前のめりに倒れてしまった。どうやら普通の運動靴だと十分な大きさにならず不安定で力も生み出せないようだ。これは仕方ない、普通に飛んだ方が良さそうだ。

 

最終記録:1m85cm

 

反復横跳び――――――――――

ブドウ頭の少年が面白い方法で記録を伸ばしていたのを見たから、少し真似させてもらおう。

『スタート!』

 

機械音の開始の合図とともにまずは、靴をローラースケートに変化させて、それから下にある3つの線の両端の床に個性を発動させる。

 

「床:円柱」

 

すると両端に手の高さまでのポールが出来上がった。後は、両手でポールを押しあうだけだ!

 

記録:85回

 

ソフトボール投げ―――――――――――

この競技はどうしようか。悩んでいると麗日さんが無限という記録を叩き出していた。どうやら落ちてこないボールには無限の記録がつくようだ。ならばやることは決まった。

 

「次、世野」

「はい!」

 

ボールを手に円の中に入る。ボールを下手投げでゆっくり宙に投げ出す。どうやら皆驚いた表情をしているようだ。当たり前だ。皆遠くに投げるため、大砲なんかを生み出した女の子以外、上投げで投げていたんだから。でも、俺の個性の場合、ゆっくり目に入れたいからこっちの方がやりやすいんだ。

 

「ボール:重力無力化」

 

すると、落下軌道を描いていたボールが個性がかかると同時にそのまま地面に水平に進み始めた。

 

「世野、あのボールはいつまで浮かせられる?」

「2日3日はいけます。」

 

すると、相澤先生が少し目に研を宿しつつ聞いてきた。

 

「個性の反動は?」

「あのサイズのボールなら特に問題ありません。反動が出るサイズは自分でも把握しています。」

 

血流で問題が出てくるサイズは、父さんとの特訓で戦車位の体積まではいけるようになったからボール一つ位は問題ない。

「そうか、ならいい。記録は無限にしておく。」

「「2連続無限きたぁ!!!」」

 

上手くいって良かった。相澤先生も俺の個性をよく知った上で聞いたのだとしたら良い先生だと思う。そんなことを考えていると、緑谷くんの暗い表情が目に入った。

 

「大丈夫かい?緑谷くん。良かったらお兼室に行くかい?先生に話はつけておくけど。」

「ありがとう。大丈夫だよ。ただ、記録がね。あんまりよくないんだ。僕、増強系の個性なんだけど調整が難しくて、個性を使うと使った部分がダメになっちゃうんだ。」

 

個性のリスク、俺と同じか。何とか力になってあげられないかな。

 

「それはまた、ピーキーな個性だね。といっても俺の個性も使いすぎると血液の流れ止まっちゃって死の危険があるんだけどね。」

「命の!?」

「そ!で、初めて発現した時に使いすぎて1回心筋梗塞で病院に運ばれたことがあるらしいんだよねぇ。まぁ、その時の記憶ないし、今までそんな事も無かったから実感ないんだけどさぁ。」

「そ、そうなんだ。」

「だからさ、個性のリスクで困っている緑谷には何かシンパシー感じるからさ、何か力になれないかなって。ある意味リスク持つ先輩にあたる訳だから、何か聞きたいこととかあるかな?」

「あ、ありがとう。えと、それじゃぁ理君は個性の調整ってどうしてるの?」

「俺の個性は体積が大きい程負荷が掛かるらしいから、部分部分にかけて負荷を分散してる感じかな?例えば、今回のボール投げだったらボールが離れる瞬間だけ個性を発動するとかになるかな。」

「使う部分にだけ・・・・・・そうか!ありがとう理君。何かいけそうな気がするよ。」

「あぁ、力になれたなら幸いだよ。」

「次、緑谷。早くは入れ。」

 

理と緑谷が話し終えた時、丁度相澤先生から呼び出しが掛かり緑谷は円に向かっていく。

 

「使う部分にOFAを使えばいいんだ。ボール投げなら右腕。いや、それだけじゃ後の競技に差し支える。どうするどうするどうする?」

(緑谷くんどこに個性を使うか悩んでいるな。俺ならどこに使うか。投球は全身運動、特に下半身が大切になってくる。それを考慮すると、全身の関節に発動していって、最後の指先で100%になるようにするかな。)

 

考えていると、緑谷も考えが浮かんだのかボールを投げた。が、記録は46mであった。増強系はどこに行った?

 

「どうして!?確かに個性を使おうと!」

「個性を消した。つくづくあの入試は...合理性に欠くよ、お前みたいな奴も入学できてしまう。」

 

緑谷は何かを思い出したように

 

「消した...!!あのゴーグル...そうか...!抹消ヒーローイレイザー・ヘッド!!!」

「イレイザー?俺知らない。」

「聞いたことはある。メディア嫌いのアングラ系ヒーローだよ!」

 

相澤はさらに畳み掛けるように緑谷に言った。

 

「見たところ...個性を制御できないんだろ?世野と話して何か考えがあったようだが、それじゃぁ変わらない。また行動不能になって、誰かに助けてもらうつもりだったか?」

「そっ、そんなつもりじゃ...!」

 

相澤は首に巻いている捕縛布で、緑谷を近くに引き寄せ、小さな声で何かを話し始めた。理にはよく聞こえなかったが、ただ緑谷除籍の危機であることだけは感じ取ることができた。

 

「指導を受けていたようだが。」

「除籍勧告だろ。」

 

飯田くんと爆豪くんが話しているが、君たち教室での険悪ムードはどこに行ったんだい?何かをぶつぶつ呟き続ける緑谷くんの表情にはまだ策があるのかないのかは分からない。でも、入学初日に緑谷くんとさよならだけは避けたい。

 

「頑張るんだ!緑谷くん!」

 

気づけばそんな声が出ていた。

 

(一度右腕の関節だけでやってみたかったけど、それだとまた相澤先生に止められてしまう。なら範囲をもっと狭く、絞って。指先だけならどうだ!ケガしても残りの競技に支障もないはず)

 

どうやら緑谷には届いていないようだが。

 

「じゃ、2回目な。個性は戻してあるから。」

 

そして先ほどと同じように思いっきり振りかぶり……

 

「SMASH!!!」

 

かけ声と共にボールは天を昇る。

 

「よし!」

 

思わず理はガッツポーズをとる。結果は700mを超えていた。記録が分かるや否や、爆豪が「クソデクゥ!!」と言いながら地団駄を踏んでいた。

 

「先生・・・!まだいけます!」

 

緑谷は目に涙を浮かべ、痛いであろうおかしな方向へ曲がった人差し指を無理やり握り込み、相澤先生に宣言する。相澤は目を見開き「こいつ!」と笑っている。しかしそこに水を差す声が現れた。

 

「どういうことだクソデク!!説明しやがれ!」

 

言わずと知れたブチ切れ爆豪である。片手を爆破させつつ緑谷に強襲する。緑谷くん個性発動成功したのに命の危機!?と思ったが近くにいた相澤先生が一瞥するなり、爆豪の爆破は消えてなくなった。同時に、相澤先生の首に巻いていたロープのようなもので爆豪を締め上げた。

 

「炭素繊維に特殊合金を掛け合わせた捕縛武器だ。何度も個性使わすんじゃない。俺は!ドライアイなんだ!」

 

(((個性がすごいのにもったいない。)))

 

この時初めてクラスの意見が一致した。

 

持久走―――――――――

通常なら1500mであるが、個性の持久性も見るためか3000mをどれくらいで走れるかというものだった。バイクで走るものもいた。それは持久走になるのだろうか。かくいう俺も靴をローラースケートに変化させて3位という結果を出していた。焦凍くんの出した氷にタイヤがスリップして転倒しなければ2位は取れていたのに・・・・・・。次からは周りもよく観察しながら行動しなければ。

 

記録:無限

 

上体起こし――――――――

服の背側をばねにして反発力でやってみると意外と回数を稼げた。そして三半規管がやられて少しグロッキーになってしまったが。

 

記録:40回/30秒

 

長座体前屈―――――――――

ここは、普通にやるしかないか。

 

記録:70cm

 

 

 

―――――――― ♦ ――――――――――――――― ♦ ―――――――――――

 

全ての競技が終わり、皆少しお疲れムードが漂っている。

 

「じゃ、これが結果ね。」

 

相澤先生がそう言うと体力テストの結果が張り出される。俺の順位は、お、2位か。3位に焦凍もいる。少し溜めてから相澤先生がニヒルな笑みを浮かべて一言言い放った。

 

「ちなみに除籍はウソな。君らの最大限を引き出す、合理的虚偽。」

 

生徒達の反応はほぼ一色となった。

 

「「「「はーーーーーー!?」」」」

 

先生は俺たちクラスを一丸に刺せるのが本当に上手なようだ。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない、ちょっと考えればわかりますわ・・・」

 

相澤先生はその言葉に乗る形で

 

「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。それと緑谷、保健室でばあさんのとこ行って治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだ。覚悟しておけ。」

 

そういうと相澤先生は校舎に戻っていった。除籍は嘘、合理的虚偽、その言葉が本当なら一杯食わされた形になるが、緑谷くんに放っていた言葉は本気だった。もしかした除籍もあり得たかもしれない。これから緑谷くんは大変になるな。でも今は喜んでいいだろう。

 

「緑谷くんよかったね。除籍にならなくて。保健室一緒行こうか?」

「ありがとう理君。でも大丈夫。歩くことはできるから1人で行くよ。」

「そっか、じゃぁ一緒に帰りたいし教室で待ってるよ。駅に行くでしょ?途中までは一緒だし。」

「分かったよ。それじゃぁ少し待ってて、なるべく早く戻るから。」

 

緑谷くんはすぐに保健室に向かっていった。なら俺も早めにける準備しておこうかな。

 

 

 

 

 

 

帰り道――――—――――――

「保健室行ったのになんか疲れてない?緑谷くん」

「リカバリーガールの個性、相手の自然治癒力を使うらしくて」

「なるほど、体育の後にはあまりお世話になっても意味なさそうだね」

「ケガするのって身体動かしている時しか起きないよね?」

「緑谷君身体は大丈夫か?」

 

緑谷くんと他愛ない会話をしながら帰っていると、後ろから緑谷くんの肩に手を置きながら、聞きなれた声が聞こえて来た。

 

「飯田君!ありがとう、リカバリーガールに完全に治してもらったからもう大丈夫だよ。」

「そうなのか、ならいいんだが。しかし相澤先生にはやられたよ。これが最高峰と思ってしまった。」

「嘘ならいいんだけどね~。」

「む、世野くん。君は相澤先生の言葉が本当だったと言いたいのかい?」

「理でいいよ。うん、少なくともボール投げの時の相澤先生の緑谷くんに掛ける言葉は本気だったと思う。」

「えっ?」

 

俺が考えを言うと緑谷くんの顔が蒼白になり始める。

 

「でも、最終的に落とさなかったってことは、緑谷くんにも見込みがあると思ったってことなんだよね。言ってたじゃない?『見込みのない奴は除籍処分』って。これはこれで、緑谷くんはすごいと思うよ。言って見れば先生からお前はヒーローになれるって言われてるのと同じになるんだからさ。」

「すごいじゃないか、緑谷君!――――――――――「おーーーーい、皆ーーー、駅までーーーー?一緒にかえろーー!」君は無限女子!」

「違う!キラキラ少女だ!」

「どっちも違うよ!麗日お茶子です。飯田天哉君に、世野理くんに、緑谷デクくんだよね?」

 

後ろから満面の笑みでキラキラ少女改め、麗日さんが走ってきた。

 

「デク!?」

「あぁぁ、それ爆豪くんが呼んでたから?」

「そうそう、違うの?」

 

確かに、緑谷くんのこと名前で呼んでいる人入学してから聞いてなかったから間違えても仕方ないか。

 

「あの、本名はイズクで、デクはかっちゃんが馬鹿にして。」

「なるほど、蔑称か。」

 

蔑称だったのか、あれ。何と掛けてそうなるんだよ。

 

「あぁそうなんだ。ごめん。でもあたしは好きだな、頑張れって感じがして。」

「デクです!!」

 

緑谷くん、良いのかそれで!?

 

「マズいぞ、蔑称なんだろ!?」

「コペルニクス的転回・・・・」

「コぺ・・・?」

 

緑谷くん、麗日さんに対して赤面しているじゃないか!それにしてもその単語を日常生活で聞く日が来るとは。

 

「あれ?理じゃん」

「耳郎さん?・・・と、えっと?」

「八百万百です。世野理さん。」

「ごめん、覚えてくれてたんだ。八百万さん、よろしく。」

「こちらこそ。それより何を話しているんですの?道の真ん中で立ち止まるのは少しばかり目立つと思うのですが・・・」

「それもそうだね、ほらお三方、電車の時間は大丈夫なの?」

 

八百万さんに言われてから、皆で駅に向かって歩いていると我が家が見えて来た。どうやら母さんが玄関で待っていてくれたようだ。

 

「おかえりー、理ー。」

「あれ?理君の家この近くだったっけ?」

 

緑谷くんから質問が飛んできた。同じ中学だった緑谷くんからしたら驚きだろう、同じ校区だったのだから。

 

「いや、入学に合わせてこっちに引っ越すことになってね。ただいま、母さん。」

「皆学校のお友達?大所帯ね。そうだわ!もしよかったらうちでご飯食べていかない?」

 

突然の母の提案に皆びっくりしている。

 

「母さん、今日は入学初日だよ?皆家族と予定があるはずだよ?」

「あら、それもそうね~。じゃぁ、また今度にしましょうかしら。」

「そうした方がいいよ。」

「じゃぁ、お母さん先に家に入って昼ご飯の用意しておくわね。皆さ~ん、理と仲良くしてあげてくださいね~」

「分かったから!早く用意しに行って!」

 

そうして、母さんが手を振りながら中に入ったのを確認してから、一息ついた。なんとかなったか。

 

「ふぅ、皆ごめんね、母さんが急に変な事言い始めて」

「いや、世野くんのお母さんのご厚意だったんだ、また今度訪れさせてもらうと言っておいてくれ。」

「ありがとう、飯田くん。それじゃ皆、また明日!」

「「「また明日~」」」

 

そして家に入って、母さんとご飯を食べ始めた。

 

今日1日過ごしただけでも、雄英高校でどれだけ濃い学校生活が待ち受けているかが分かる。これからの3年間は大変かもしれない。それでも、ヒーローになるためにはそれを楽しまなければ。その上で、困難を乗り越えていくんだ。そう、Plus Ultraの精神でやっていこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば理、今日は焦凍くんと会えた?」

 

忘れていた!

 




正直いって靴底をローラーにした場合、板も何もないからタイヤの回転で発生する摩擦で靴の中の布地すぐダメになるなと感じてます。てことは、素足にタイヤの摩擦を受けてることに・・・・・ヒェッ、血だらけじゃん。と思い深く考えるの辞めました。だから、作中にはないけど。主人公の足裏の皮膚ガンガンに硬い設定ですね、そんなことないけど。

とりあえず、次は戦闘訓練ですね。誰と組ませるのか悩みながら、楽しみながら書きたいと思います。それでは!
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