カルデアに召喚された直後のセイバーとぐだ男くんです。
どの書き方が読みやすいのか分からないので試験的に改行行間多めにしました。
◇
空が見えれば遠く、星々が輝いてた黒天の夜空。
相変わらず外は酷い天候だった。
厚いガラスで守られてるとはいえ、風向きによっては大粒の大雪がこちらへ向かってくる様は機関銃の一斉射。
しかし幸いにも、今日の風向きは目標を変えたのか別の向きへハンドルを回していた。
「むぐっ、むぐ」
与えられた魔術訓練の課題を解く気分転換のディナーだったが少しだけ気が滅入る。
味気のないバーガーがいつも以上に萎びてる気がしないでもない。
なんとも侘しい食事だが貴重な物資。
残すわけにはいかないし、こう見えて案外バランス良く調理されてるらしい。
栄養も取らなければ。
なんて考えながら二つ目の袋を開封する。
「こんな時、魔術が使えれば美味しくなったりするんだろうか」
すると目の前からガシャリと現代には不釣り合いな金属音。
熱中していたのか足元が見えるまで認識出来ずにいた。
驚いて面をあげると思わず固まってしまうほど、美しい少女が向かっていた。
見覚えのないその姿は、兜をそのまま貼り付けたような鉄面皮にはおおよそ似合わない小柄な佇まい。
お人形さんだろうか?いや肖像画か。
その姿は可憐――いや、綺麗だろうか。それでいて凛々しく、冷たさを感じさせる鋼鉄の造花。
いま、月明かりが彼女を照らしているのであれば、きっと――
「貴方がマスター、ですね」
その愚考は少女の声によって凍てついた。
鼓膜が認識して脳が理解する。
ただそれだけの事に随分時間がかかったような気がしたのは鉄面皮の眉が僅かに動いたからだ。
「あ、えっと、はい! マスターの藤丸立香です」
反応があったからか、顰めた眉は元に戻る。
「――分かりました。これより私は貴方の剣となりましょう」
◇
「私はセイバー。アルトリア・ペンドラゴン」
「よろしくお願いします。それで……アルトリアさん? は俺のサーヴァントって事になるんですね?」
「はい、いかなる外敵から御身をお守りしましょう」
「アルトリアさんはどこの英雄なんですか?俺伝説とかに疎くて」
「ああ、こちらの方が分かりやすいでしょう――『アーサー王』と」
「……え、アーサー王って」
「こちらでも分かりませんか。となると」
「いや大丈夫です、その人は知ってます。王様になる剣を引き抜いた人、ですよね?でも――」
「伝説上、女ではなかった。ええ、そのとおりです。私は素性を隠して王となった」
開いた口が塞がらない。俺でも知ってるような伝説の王様がまさか胸元ほど背丈しかない小柄な少女と誰が思おう。
「それについてはまたの機会に話しましょう」
「それにしてもアーサー王ですか。俺、女の子の剣士っていうとジャンヌ・ダルクくらいしか知らなくて」
「……マスター、私を女と見誤らないでもらいたい。これでも一国を任された身」
「あっと……すいません。まだ慣れてないんです」
「慣れてください。それは我々サーヴァントにとっての侮辱であり、戦場ではその判断が命取りだ」
不快だったらしくピシャリと言いつけられた。
彼女が笑う日は来るのだろうか。
◇