東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
ここは幻想郷、日本という実に不思議な国から結界によって隔離された場所、そこにある魔法の森、人里の人間ならまず入らないであろうこの暗くじめじめした森の中にポツンと一軒の家が建っている。
そこには、元人間の魔法使いがいる。名は霧雨魔理沙、彼女は今日も今日とて自宅で怪しげな魔法(スペルカード)作りに没頭していた。
「よっしゃあー出来たぜー!新しいスペルカード!その名も『移符:ファンタジックトラベラー』だっ!」
魔理沙が、新しい自分の技ができたことに意気揚々としていると、玄関から間延びした女性の声がした。
「まーた変な実験していたのね魔理沙。」
振り向くとそこには、巫女服と呼ぶには少々派手な格好をした女性が、腕と足を組んで開ききったドアに寄り掛かる形で玄関に立っていた。
魔理沙の親友でもありライバルでもある博麗の巫女、博麗霊夢だ。
「変な実験とは失礼だな、こいつは行きたい場所を念じれば安置だって、紅魔館の図書館だって、迷いの竹林にある永遠亭だって行ける魔理沙様オリジナルのスペルカードなんだぜ。」
魔理沙はぷうと頬を膨らませて霊夢に抗議したが、霊夢は構わず反論をした。
「オリジナルって、あんたそれパチュリーから盗んだものでしょうが。」
魔理沙はニシシと笑ってお決まりのセリフを言った。
「盗んだんじゃねー。借りてくだけだ!死ぬまでな。」
霊夢はやれやれと首を横に振った。
本来ならばここから被害者を連れてくるか、そのまま魔理沙のものになるかの二択なのだが、今回魔理沙がパチュリーから盗んだものは、使い方を誤れば幻想郷と外の世界を容易に行き来できる代物なので霊夢は、魔理沙にパチュリーに返すのではなく焼却処分のために自分に渡せと言った。
もちろん魔理沙は抵抗した、弾幕で。
だが霊夢はごっこではなく本気で魔理沙を再起不能にまでぼこぼこにしようとした。
「くう、やるな霊夢、そんなに幻想郷と外の世界を行き来できるアイテムが欲しいのか?」
魔理沙はそう言いつつも、できたばかりのスペルカードをちょくちょく使いながら回避不能な弾幕をよけていた。
「欲しいわけじゃない、ってあんた!何さり気に使ってるのよっ!」もう許せないと言わんばかりに霊夢はとっておきのあの技を魔理沙に披露した。
「霊符:夢想封印!」
霊夢が言い終わると同時に巨大な陰陽弾が召喚されると思いきや現れたのは、隙間妖怪が住んでいる不気味な目がたくさんある空間の裂け目だった。
そしてはるか上空にできた隙間の中から深緑色の機体の側面に太陽を模したマークのレシプロ機がブオーンという重々しい音ともに現れた。
「すげーな霊夢!確かあれはゼロ戦・・・だったかな?こーりんから聞いたんだ。」
魔理沙は、霊夢が夢想封印でゼロ戦を召喚したと思ったのだろうか、ものすごく目がキラキラしていた。
ちなみにこーりんとは、香霖堂という古道具屋の店主の森近霖之助のことである。
だが霊夢は、もちろんそんなものは召喚した覚えはなく首をかしげていた。
「変ね~。また紫が厄介なものを持ち込んだのかしら?」
そうしている間にもゼロ戦は霊夢に向かって真っすぐ突進してきた。
ところどころ煙がでているのは、敵である米軍にやられたからであろう。
パイロットが気絶しているのか一向によける気配がない。
「霊夢!危ない!」
とっさに魔理沙は箒を使って、猛スピードで霊夢のところへ行き彼女の体をがっちりとつかんだ。
「私と魔理沙の人生終わった。」
霊夢がそう思って目をぎゅっとつむった次の瞬間。
「移符:ファンタスティックトラベラー!」
魔理沙が霊夢を助けたい一心で瞬間移動スペルカードを使った。
すると彼女二人をまばゆい光が包み込み、同時にバチバチバチバシーンというものすごい音ともに彼女たちは消えた。
この後、その衝撃によってパイロットを含めた二人の日本兵は目を覚ました。
次回は、いよいよカービィたちの登場となります。
また、ポップスター側の時間軸的にはアニメカービィの100話の二十年後の世界です。
追記:挿絵を追加しました。