東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
それが、先の戦いで満身創痍になってしまった霊夢のもとへ近づいてきた。
魔理沙はもうだめかと思ったが、その魔獣は霊夢を襲わずに扉の方へ向くと、いきなり赤黒いビームを発射して扉を廊下の壁ごと破壊した。
「な・・・!!」
デデデがいきなりの出来事にあんぐりと口を開けているうちに、魔獣は霊夢と魔理沙には目もくれずに自分であけた穴を雄たけびを上げながら通って、城を出ていってしまった。
これにはデデデもカンカンになって怒った。
「こらー!ニューカスタマー!お前のせいで逃げてしまったゾイ。」
「賠償請求ものでゲスよこれは!」
だが、ニューカスタマーサービスは落ち着いた口調で話し始めた。
「ご安心ください。あの魔獣は、陛下にとって脅威となるものを追っているだけです。」
「何を言ってるゾイ1?」
「脅威ならここに二人もいるでゲしょうが!」
「先程まではそうだったでしょうが、今はさほど脅威ではありません。今は、復活しかけているカービィを追っています。」
「そこまで脅威になっているのかゾイ?」
「ハイ、ですので彼女たちの処分は力のある偉大な陛下にお任せします。
デデデは自分の力を褒められた気がして、ニヤリと笑いながらハンマーを取り出した。
「そういえばそうゾイ。このハンマーでエスカルゴンをボコボコにするのと同じことをやればよいだけだったゾイ!ガハハハ!」
エスカルゴンはなんだか複雑な気持ちだったが、サポートをするために自作のしびれ銃と縄を取り出した。
「じゃあ、わたくしはこいつで陛下をサポートするでゲス。」「それと陛下、間違っても私を殴っちゃいやでゲスよ。」
デデデは心配無用といわんばかりに、笑いながらハンマーを振り回した。
「心配するでないゾイ。これで三人とも百発百中!ハンマーの餌食にしてやるゾイ!デハハハハ!」
「いや、巻き込む気満々じゃないでゲスかー!」
デデデは獲物を探すため舌なめずりをしながらあたりを見回した。
だが、そこには彼女たちの姿は見えなかった。
「ありゃ、あいつらはどこに消えたゾイ?」
「逃げられたみたいでゲスなー。」
「ぬぬぬー・・・。追うゾイ!しらみつぶしに城内を探すゾイ!」
「あ、待でゲスよ陛下―!」
「御武運をお祈りしてまーす。フフフ・・・。」
ニューカスタマーの不気味な笑い声とともにモニターの画面は消えた。
さて、こちらは旧市街。今日も住人たちは平和に暮らしていた。これで、ずっと雷が鳴っていなければ言うことなしなのだが。
旧市街の中心部では、買い物帰りの奥様方はずっと続く雷もなっているぐずついた天気に愚痴をこぼしていた。
そんな奥様方の横で、天気に関係なく子供たちは元気にはしゃぎまわっていた。
中には、のんきに雷をスマホみたいな機械で撮影している若者もいたり。
そんな時、ズシーンという音ともに地響きまで鳴り出した。それが、等間隔で何分も続くものだから町中大パニック。
そして、しばらくすると巨大な黒いエイリアン(人間)みたいな頭だけの怪物が、はねながらこちらに近づいてくるのが見えた。
「キャー!!」
「なんだなんだぁ」
「エイリアンの頭だ!」
「ファッ!ウーン・・・。」
みんなそれぞれ様々な感想を口にし、中には気絶するものまで出てきた。
そんな中、騒ぎを聞きつけてフームが走ってやってきた。
「あ、フームさん。」
いち早く彼女に気づいたコックカワサキが彼女に近づいてきた。
「カワサキ!なんなのこの騒ぎは。」
「知らないよー。地響きがして慌てて出てみたら、あんな化け物が居たんだ。」
カワサキが指さす方向には、店の二倍くらいもある巨大な化け物が暴れまわっていた。
「ま、魔獣!?でも、ナイトメアは倒したはず・・・。」
フームが考えているスキを狙って、魔獣は顔(?)の右側から黒い触手のようなものが出てきた。
「キャー!!」
フームは触手に気づかずに、つかまってしまった。
「あー!フームさん!」
カワサキは慌てて台所から包丁を持ち出して、フームを捕まえている触手を切ろうとした。
「コノヤロー!フームさんを返せ・・・アラー!?」
哀れカワサキも、魔獣の顔(?)の左側から出てきた触手にとらえられてしまった。
そして、魔獣のあちこちから同じ太さの触手が出てきてフームたちを襲おうとした。
一方、通行人はというと旧市街の人たちは慌てふためき、観光に来てた人たちは、助けるそぶりを見せることはなく、挙句の果てに携帯を取り出してシャッターまで押す始末。
《なんでカワサキ以外誰も助けに来てくれないの?!誰か助けて・・・。》
触手に犯されそうになりながらも、フームは必死に祈り続けた。
すると、祈りが通じたのかフームとカワサキをとらえていた触手が何者かによって切断された。
「ユガアアアアア!!!」
「大丈夫ですかフーム様。」
フームは、しりもちをついたお尻をさすりながら声の主の方を見るとそこには、緑色の特徴的な仮面の騎士がいた。
「ありがとうソード。」
ソードと呼ばれる戦士は、フームに手を差し伸べゆっくり起き上がらせた。
「ブレイド!カワサキ殿は無事ですか!?」
「ああ、頭から落ちて気絶はしているが息はしているから問題ない。」
「ゆおおおおおん!!」
突然の邪魔に怒った魔獣は、残った触手でブレイドを襲おうとした。
「えーい!クソ!きりがないぞ!」
悪態をつきながらなんとかカワサキから魔獣を追い払おうとブレイドは、次々と襲ってくる触手を剣で薙ぎ払っていった。
「たあっ!でやーっ!」
ソードも同じく次々と襲ってくる触手を剣で薙ぎ払っていった。
その間に到着した警官たちは、国民を安全な場所に避難誘導した。
「みなさん!慌てずにバスに乗ってくださーい!」
女性警官の声に従って、フームとカワサキ含めた大半の国民はバスに乗り込んだ。
そんな中、ニ名だけ高そうなカメラやマイクを構えてソードたちの戦いを撮影する人たちがいた。
「すみません。ここは危険ですので離れてくれませんか!」
だが、マイクを持った男はいやそうな顔をしながら警官をにらみつけた。
「俺たちも生活が懸かっているのでね、こんな大スクープを逃すわけにはいかんのだよ。」
マイクを持った男は、青のつばつき帽子を後ろ向きにかぶり黒いサングラスをかけ、白い長そでのワイシャツをまくった中年男性といったところか。
「いや、生活ってここで死んでしまったら元も子もないですよ!」
「それは百も承知だ。おれたちマスコミはそうやって飯を食ってきたからな。」
女性警官は引きずってでも連れていこうと思ったが、死を覚悟で撮影している人をどうやって連れていくのか歯ぎしりしながら悩んでいた。
そんなやりとりを見ている視聴者の中には彼らの雇い主もいた。
実は彼ら二人組は国営テレビのもので、いち早く情報を入手した社長によって現地に送られたのだ。
その雇い主とは、このプププシティを小さな村から宇宙でも指折りの大都市にまで発展させた人物だ。
その姿は卵に藍色を基調とした白の縦縞が入ったスーツを着せたような、紫色のウエーブのかかった髪とカイゼル髭を蓄えたおっさんである。
彼は、Hと書かれたシンボルが目立つ周りのビルの中でも巨大で横に水色のスリットが入ったオフィスビルの最上階におり、宙に浮いている一際大きな椅子に両手を組んで座っていた。
彼は、目の前にある薄型のノートパソコンを見ながらつぶやいた。
「やはり、こいつはナイトメアが送ってきた魔獣か?」
「そのようですね社長。」
横で相槌を打つこの秘書は、つやのあるピンク色の長髪に青い目、一般的なOLと似たような服装をしている。
「フフフ、ホーリーナイトメア社め・・・ついに復活しおったか!だが、しょせん奴らが生み出すのはほとんどが生きた魔物、もしこの星を手に入れようものなら、命も心もない我がハルトマン社製の機械魔獣の餌食にしてくれるわ!ガハハハ!!」
「おおー。我が偉大なる社長ハルトマン。私は一生貴方についてゆきますわ・・・。」
秘書は胸に手を当てて社長に改めて忠誠を誓った。
「・・・と、茶番はこれくらいにして、スージーよ、この魔獣の戦いぶりについてどのような考えを持っているかね?」
「あ、ハイ。恐らくこの魔獣は、我々が仕向けた社員たちや民間人には危害を加えていないところを見ると、彼や彼の雇い主に危険を及ぼすであろう物の殺害あるいは無力化を図ろうとしているように見えます。」
ハルトマンはカイゼル髭をなでながら、今はこの魔獣を刺激せずにホーリーナイトメア社を倒す案に移ることにしようと思った。
「あれの駆除は彼ら剣士たちに任せるとしよう。」
「承知いたしました。では、カメラマンたちを撤退させましょうか?」
「許可する。」
許可を得たスージーは、アンテナのついたヘッドホンのようなものをいじると内蔵されているマイクを引き出して彼らに撤退命令を出した。
同じころ、警察と避難するしないで言い合っていたマイクを持った男性の携帯が鳴りだした。
「ハイもしもし・・・ハイ・・・ハイ・・・了解しました。」
彼は携帯を切ると、カメラマンにカメラを下すよう促した。
カメラマンは、抗議したが社長から撤退命令が出されたと聞き、しぶしぶ引き下がった。
そうこうしている間にも、魔獣と剣士二人は戦いを続けていた。
「わかったよ婦警さん。あんたの勝ちだ。俺らも避難するぜ。」
女性警官は、なんか腑に落ちなかったがこれも仕事だと割り切って彼らをバスに乗せた。
「やっと行ったか。」
ソードは満身創痍になりながらも、彼らが避難にようやく応じてくれたことにほっとした。
だが、一瞬気が緩んだのがまずかった。
「ぐあっ!!」
「ソード!!」
死角から伸びてきた触手につかまってしまったのだ。
そしてそれに気をとられたブレイドも捕まってしまった。
魔獣は交互に彼らを見て舌なめずりをした。
「俺たちを食う気だぞ!!」
「ブレえもーん何とかしてぇー!!」
「こんな時にボケるなー!!」
もうだめだと思ったその時、金色の刃の閃光が二つ見えると思ったら、突然自分たちをつかんでいた触手が切れた。
「ゆギャアアアアアアア!!」
「油断は禁物だぞ。ソード、ブレイド。」
二人が顔を上げるとそこには、ギャラクシアを片手に手を差し伸べる恩師の姿があった。
ソードとブレイド:「卿!」
ついに堪忍袋の緒が切れたと言わんばかりに、魔獣はビームのようなものを発射した。
「危ない!」
何とかよけた三人だったが、よけたせいで民家にあたり爆発した。
だが、幸い避難した後だったので死者は出なかった。
「これ以上被害が拡大する前に仕留めるぞ!ソード、ブレイド!」
ソードとブレイド:「ハッ!」
メタナイトも加わり、戦況はソードたちに有利に傾いた。
迫ってくる触手を体から出てくるよりも早く、切り付けてとうとう本体にまで達した。
途中、ビームも飛び出してきたが、持ち前の身体能力でよけて本体を剣で切りつけることができた。
だが、ずぶずぶと音を立てるだけでなかなか切れない。
「む、手ごたえがない!?」
それに気をとられているスキにメタナイトは触手に足をつかまれ、数メートル先まで飛ばされてしまった。
「グアアアアッ!!」
「メタナイト卿!!」
ソードは、飛ばされたメタナイトをかばおうと彼のもとに駆け寄った。
「まて!ソード!」
ブレイドの制止もむなしく、彼らはビームの餌食になってしまった。
「卿!ソード!」
やられたと思った。だが、煙が晴れてそこに居たのは動く饅頭になってしまったメタナイトとソードであった。
「そー?」
「めめたあ?」
「なんじゃありゃあああ!!」
ブレイドは絶望した。なぜかあの後、警察も撤退してしまって戦えるのは自分だけだと、そして触手はそんな一人の剣士にも容赦なく絡みついた。
「クッ・・・殺したきゃ殺せ。」
魔獣は言葉の意味を理解しなのか、ニヤッと笑ってブレイドを口に入れようとした。
「ちょーっと待ったアー!!」
けたたましい女性の叫び声が聞こえたかと思うと、奇妙な模様をしたボールが飛んできて魔獣の頭にあたった。
「ゆぎゃくっ!」
魔獣は予想外の痛さに、奇妙な声を出しながらブレイドを離した。
「ゆあああん?」
魔獣が恨めしそうに上空の方を見るとそこには、巫女服の女性と魔法使いの少女が飛んでいた。
「ユガアアアアッ!!」
もう許さんといわんばかりに魔獣は、彼女たちに向かって今までよりもさらに極太のビームを放った。
巫女服の女性もとい霊夢は、お祓い棒を両手に水平に持ってゲスの笑みで魔獣に宣戦布告した。
そしていつの間にか、彼女の周りには陰陽弾がこれでもかというほど浮いていた。
「おっ!?やるか?宜しいならば弾幕勝負(クリーク)よ!」
今回は、思いっきりタイトル詐欺でごめんなさい。<(_ _)>
ところで、今回の台風凄かったですよね。
みなさんのいたところはどうでしたか?
私のいたところも、物こそあまり飛んでこなかったものの、時折窓が壊れるんじゃないかと思うぐらいの風が吹いていて、怖さを紛らわすためにほん怖を見るという本末転倒なことをしていました。(;´・ω・)
さて、次回から全回復した彼女たちの戦いが見れますのでお楽しみに!('ω')ノ
P.S.今回の台風で被災した方々が早く復興できるように心からお祈り申し上げます。