東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
今回は、魔獣が霊夢に饅頭にしてしまうビームを放つところから始まります。
魔獣の放ったビームを霊夢はよけずに、後ろから出現させていた弾幕をくるくると自分の周りに回転させてビームを打ち消した。
「うげ、マジかよ。あのビームを打ち消しやがった。」
上空から降りてきた魔理沙は、力が全回復した霊夢に身震いした。
「足を引っ張らぬよう私もがんばらねば・・・。」
そうこうしている間にも霊夢は攻勢に出た。
「これでも食らいなさい!」
霊夢がそう叫ぶと魔獣に次々と大入と書かれた札や、陰陽弾などの様々な弾幕が当たっていき魔獣の体(?)を削っていく。
「やったか?」
「ブレイドさん・・・それフラグというやつなのぜ・・・・。」
そして残念ながら回収されてしまったようだ。
なぜなら、傷を負うよりも速いスピードで魔獣の傷がふさがっていったからだ。
「ほら!二人ともぼーっとしない!回復するよりも速いスピードで攻撃すればいいだけじゃない。」
魔理沙は、あまりの正論を兼ねた暴論に頭を帽子の上から抑えて、やれやれといった感じで呆れかえった。
「全く、相変わらずの脳筋っぷりだぜ・・・。」
「ああん?なんか言った?」
霊夢は、聞き捨てならない言葉に目の周りに影を落としながら降りてきて、お祓い棒で自分の肩をたたきながら魔理沙とブレイドのところまで歩いてきた。そのしぐさは、まさしく女ヤンキーそのものである。
「い、いや。何でもないのぜ・・・アハハハ。」
魔理沙は、霊夢のあまりの気迫っぷりに後ろ手を組んで、冷や汗をかきながらニシシと笑った。
「そ、それよりも、霊夢殿、魔理沙殿、先程は城に捕らえられていた卿を助けていただき、改めて感謝の言葉を述べたい。」
「いいのいいの。私たちも助けてもらったんだし、これでお相子よ。」
どうしてもというなら、といいながら霊夢は笑顔で人差し指と親指で丸を作ってお賽銭を促した。
「すまぬ・・・そのしぐさはどういうものか私にはわからぬ・・・。」
霊夢はずっこけて、魔理沙は口を押えて笑った。
「ユガアアアッ!」
俺を無視するなといわんばかりに、魔獣は極太レーザーを放った。
「おっと!わかったわかった。相手してやるのぜ!霊夢!」
「ええ!」
魔理沙は霊夢に目配せをして、霊夢はそれに相槌を打った。
ブレイドは、今までのふざけっぷりからのこの意気投合っぷりに少々困惑しつつも、剣を構えた。
「『神技:八方龍殺陣』!」
「『魔符:ミルキーウエイ』!」
霊夢と魔理沙が一際大きな札を上にかざして、何やら技名を叫ぶと札が光りだして、魔獣を無数の札が取り囲み始めていつの間にか下にできていた魔法陣のようなものからものすごい速さで弾幕が飛び出してきた。
「ユガアアアッ!!」
魔獣は苦しむ暇もなく、こんどは星型の弾幕がたくさんの流れ星のごとく直撃した。
ボン!という鈍い音がして霊夢が放った無数の札の壁に大穴が開き、その中では魔獣の残骸が飛び散っていた。
「すさまじい威力ですな。」
これもう自分いらないんじゃないかとブレイドが思った矢先、信じられないものを目撃した。
なんと、魔獣のものとみられる紫色の核が浮いていたのだ。
しかも、それの周りに先程の魔獣の残骸がまつわりついてきて、徐々に元の魔獣の姿に戻ろうとしていた。
「うそでしょ・・・!」
「あいつ!あの状態からでも復活できるのかぜ?」
「させるかアアア!!」
霊夢と魔理沙が唖然とする中、ブレイドは無我夢中であの核を壊そうと魔獣に向かって突撃し核に一太刀喰らわせた。
だが、『ガキーン』という金属音とともにはじき飛ばされてしまった。
「グアアアアッ!」
「めめたああ!(ブレイド!)」
「そー!(大丈夫かー!?)」
衝撃でしりもちをついたブレイドに、饅頭にされてしまったメタナイトとソードがはねながら近寄ってきた。
「すいません。メタナイト卿、私では彼女の護衛どころか足手まといになります・・・。」
ブレイドは自分の非力さに肩を震わせ、仮面でわからないが泣いていると思われる。
「めた。(何を言う。)」
「そー。(そうですぞブレイド。)」
ソードはうんうんと頷いた。
「内藤。(今は非力でも、自分は弱いと思っているならばそれは努力次第で強くなれるあかしだ。)」
ソードはこの時、首というか頭を傾けながら疑問に思ったことを口にした。
「そー?(そういえば卿、この言葉ってブレイドに通じてますかね?)」
「めめたあ!(カッコつけている時に言わないでくれるかなソード君!通じてるさ!ああ、通じてるとも!)」
「フフッ。そうでしたな。」
「めた!?(え!?通じてたの?!)」
ブレイドは決心がついたのかすっくと立ちあがった。
「卿、ソード。感謝します。」
そういってブレイドは、霊夢たちがいるところまで戻っていった。
「おーい!おせーぞ剣士さんよ!」
魔理沙は、戦闘中だというのにいまだに復活途中の魔獣の横でにこやかに手を振っていた。
本当にどんな世界で過ごしたら、あんな図太い神経を持つ女性がはぐくまれるのだろうかとブレイドは走りながら思った。
「すまない霊夢殿、魔理沙殿。先ほどの技をもう一度頼む。」
「任せて!」
「ったくお前も図太い神経してんなー!」
魔理沙は腕を組んで内心嬉しそうにニヤついた。
「面目ない。」
そういいつつブレイドも、仮面の中でニヤつきながらどっちがだよと思っていたり。
「しゃーねー!いっちょやったるか!」
こうして再び核をさらけ出された魔獣は、心なしか回復するスピードが若干早くなっていた。
「今度こそ・・・ハアッ!」
だが、現実は非情だった。
回復したばかりの下の部分から、魔獣の触手が鞭のように飛び出してきて、ブレイドの仮面(ピンク色の部分)と前に構えていた剣を同時に叩き割った。
「グアアアッ!」
「そー!(えー!)」
「めーん!?(お、女だったのか!?)」
ブレイドの顔立ちは口元はフームと同じで、目じりがきりっとしていてまつげは長く、前髪は赤色の斜めバングで騎士とは思えないほど手入れがされていた。
いつもブレイドと一緒にいた二人にとってはこちらの方が衝撃的で、霊夢や魔理沙とは違う反応を示していた。
「剣士さん!!」
「魔獣め!あんな隠し技をもってやがったのか!」
ちなみに霊夢は目を丸くして口を押え、魔理沙は握りこぶしを振り下ろしながら地団駄踏んでいた。
「クソ!あと少しというところで・・・。」
ソードは、仮面の中の素顔を見せられた恥ずかしさと自分の弱さに対する情けなさに涙を浮かべた。
だが、魔獣の攻撃はやむことはなく自分の非力さに打ちひしがれているブレイドに容赦のないビームを放った。
「危なーい!」
霊夢はとっさにブレイドを守るためにつき飛ばした。
ビームが巻き上げた土煙が引いてくると、そこには饅頭の姿になってしまった霊夢がいた。
「霊夢!!クソー!霊夢をよくもー!」
「う・・・ぐ・・・ハッ!そ、そんな私のせいで・・・・。畜生めえー!!!!!!」
ブレイドは、自分のせいで饅頭の姿にされてしまった霊夢を抱きかかえて叫んだ。
さらに、運の悪いことに触手をよけながら飛んでいくうちに不意打ちで撃たれたビームにあたり、饅頭の姿にされてしまった。
「ゆー!(魔理沙ー!)」
霊夢は、ブレイドの手から飛び降りて魔理沙のところへ向かった。
全回復した魔獣は、これで邪魔者はいなくなったと言わんばかりにニヤッと笑って、その場を後にしようとした。
その時、ぽつぽつと雨が降り出した。
「ゆぐっ!」
魔理沙は、雨で苦しむ魔獣を見てはっとした。
「だじぇ!(そうか!あいつ水が弱点なのか!)」
「ゆー!(魔理沙!私の言葉がわかっていたら水系の魔法を出しなさい!)」
魔理沙は無茶言うな!とはねた。
「ゆっぴい!(言葉はわかるが、それは無理だ!手も足もない状態でできるわけないだろ!)」
「ゆうひぃ・・・。(そうよね・・・。)」
しかも、自分たちも水に弱くなっているせいか体がひりひりしてきた。
「ゆっ!(やばい!ここに居たら溶けてしまうわ!)」
「ゆじぇ!(ああ、メタナイト卿たちのところに逃げるぞ!)」
霊夢と魔理沙は体を上下させながら、必死にメタナイトたちがいる草むらの中に逃げ込んだ。
「めた。(霊夢殿、魔理沙殿。早くこちらへ。)」
「ゆう?(ブレイドさんは?)」
メタナイトは体(?)を横に振った。
「だめた。(だめだ。完全にふさぎ切っている。)」
そこには、美しい顔が台無しになるほど顔に暗い影を落とすブレイドが、卿とソードに囲まれるような形で座っていた。
「ゆぜ。(こういう時は黙って寄り添ってあげるのが男ってもんだぜ。)」
「そー?(そういうもんですかね?)」
まあ、同じ女性が言うのだからそうなのだろうと男性剣士二人組は思った。
ブレイドはみんなが見守る中、思い出していたのは、剣の師匠でもあり父親だった人の言葉だった。
・・・・・・・・・・
「いいかいブレイド。剣士たるもの、いついかなる時でも自分が守りたいものは何が何でも守り抜け。」
「うん!」
幼き頃のブレイドは頷いた。
「ブレイドよ。剣は何でできているか知っているか?」
ブレイドは頭をひねって答えを出そうとしたがわからず、小さい声でわからないと答えた。
「ハハハ!そう身構えなくていい。答えは鉄だよ。鉄はな、熱ければ熱いほど打たれればどんな敵でも切れる鋭い武器になる。」
ブレイドは目を輝かせて父の話を聞いた。
「俺たちだって同じさ。熱い心を持てば持つほど打たれていくうちに、ナイトメアだって倒せるようなすごい剣士になれるのさ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・
「熱い心を持てば持つほど・・・か。思い出しましたよ父上。」
「めた?!(え?!何を?)」
ブレイドはメタナイトの方を向き直って跪いた。
「卿!誠に勝手ながら私にギャラクシアを貸していただけないでしょうか?」
「め、めたー。(ギャラクシアを!?別に構わないがブレイドに扱えるかどうか・・・。)」
すると、突然ブレイドは地面を思いっきり拳で殴った。
「貸していただけないのですか?!確かにギャラクシアを力のないものが扱えないのは、十分承知していますが。」
「そーど・・・。(いや、卿は借りてもよいといったぞ。)」
「めめたあ・・・。(やっぱり通じてない?)」
メタナイトとソードがこそこそ話しているうちにブレイドは決心が固まったようだ。
「卿、自分勝手な私をお許しください。」
そういってブレイドはギャラクシアに手をかけた。
だが、案の定ギャラクシアは強い電撃を放って拒絶した。
「ギャアアアア!!」
その声と光に魔獣は反応し、こちらに近づいてきた。
「ゆー!(まずい!魔獣が近づいてきたわ。)」
「だじぇ。(しかもあいつ水に強くなってねえか?)」
確かに魔獣は、大粒の雨が降り出したというのに溶けたところがすぐに修復していっている。
「おー!やってるやってるゾイ!」
「弱点をさりげなく克服しているでゲスな。」
霊夢と魔理沙は、どこかで聞いた声がしたので声のする方に目を凝らすと、そこには自分たちをだまして能力を奪った奴らがいた。
「ゆおー!(あんのフォアグラ野郎よくも!)」
魔理沙は霊夢が飛び出すのをあわてて後ろ髪を口で引っ張って止めた。
「ゆじぇ!(待つのぜ!)」
「ゆぎゃっ!(ゆぎゃっ!)」
その時、デデデはギャラクシアの光に気づいてこちらを向いた。
「ん?それにしてもあの光の柱はなんゾイ?」
「さあ?」
幸い、饅頭になった霊夢たちは小さすぎて気づかれなかった。
「ゆんやー!(何するのよ!痛いじゃない!)」
霊夢は器用におさげで魔理沙をたたいた。
「ゆじぇじぇ!(悪かったって!だが、今出ていったら返り討ちに会うのが落ちだ。)」
「そー!(そんなことよりも、このままではブレイドが持たない!)」
「めた!(ブレイド!剣を離せ!)」
そんな時、ブレイドはある言葉を聞いていた。
「ブレイド。」
「ギャ、ギャラクシア!?」
「違う、私だ。お前の父だ。」
「ち、父上!?」
ブレイドは、こみあげてくるものがあったがぐっとこらえた。
「今は、ギャラクシアの魂を借りて話している。」
「ならば、ギャラクシアに伝えてください。私はこの剣を使って魔獣を倒して見せると!」
「・・・私が、お前に行ったことは覚えているな?」
「ハイ。自分たちは鉄と同じく熱い心を持てば持つほど打たれていくうちに、ナイトメアだって倒せるようなすごい剣士になれると・・・。」
「伝わってくる・・・。」
「・・・ハイ?」
「お前のその熱い気持ち、しかと私に届いたぞ!よかろう我を使うがよい!」
「ギャラクシア様・・・・・父・・・上。」
「な、なんゾイ!?」
「まぶしいでゲス!!」
突然、ブレイドはギャラクシアとともにさらに強い光を放ちだして空に浮かび上がった。
「ゆじぇ!?(なあにがおきやがったあ!?)」
ブレイドが実は女性だったという設定は、前からやりたかったネタだったので、やり切った感が半端ないです。
ふう・・・。(*'ω'*)
ただ、文章が稚拙すぎて美しさが表現しきれていないのが残念なところですが。(;´・ω・)