東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
まばゆい閃光が収まったかと思うとそこには、仮面が復活し、さらにその額の部分に星の飾り、両サイドに三つずつ水晶のような飾りがついており、髪の部分が金色に染まったブレイドナイトが大雨に濡れながら浮いていた。
「そー(美しい)。」
その姿は、ソードが見とれてしまうほどだった。
「ユガアアアーーー!!」
その姿に危険を感じたのか、魔獣は今までよりもでかいレーザーを放った。
「ぬうん!!」
だがブレイドは、そのレーザーを剣の一振りで二つに割った。
「これでおしまいか?お饅頭。」
不意にメタナイトは別の敵の気配を感じていた。
「めた(何か来る・・・。)」
「ソー!?(ほかにも魔獣が潜んでいるのですか!?)」
「内藤(いや、魔獣というにはあまりに洗礼された気配だ。)」
すると、雷がひしめき合う上空から水色の龍が飛び出してきた。
「グオオオ!!」
デデデはその姿に見覚えがあるのか龍を指さしながらエスカルゴンをゆすった。
「エスカルゴン!あ、あれは!!」
エスカルゴンも恐怖で顔が引きつっていた。
「忘れもしない、わたくしたちを襲った龍でゲスよー!!」
先制攻撃をしたのは魔獣の方だった。
「ユゴオオオオーー!!」
魔獣は、少し大丈夫になったとはいえ苦手なものである水をつかさどる龍が出現したからには、潰す必要があると判断したのか極太のレーザーを放った。
だが、それが彼の生死を分けたのかもしれない。
龍は、そのレーザーをもろに食らったが水でできているためかすぐに復活して、本来の目標であるデデデたちから魔獣に切り替えると、魔獣めがけて勢いよく突進してきた。
「ゆんがアアアアア!!!」
「体に巻き付いた!?何をする気だ?」
すると、魔獣の体は見る見るうちに回復よりも速いスピードで溶かされていった。
「ソー!(おお、この龍がプププランドにいてくれれば心強いですな!)」
「めた(いや、現実はそんなに甘くはない。)」
メタナイトが言い終わると同時に龍が今まで豪雨を降らせていたため、ペペぺ川の堤防が決壊し、それによる避難指示のサイレンが鳴り響いた。
プオーというけたたましいサイレンが鳴り終わると途端に地響きが起き始めた。
その時、デデデは何かが迫ってくるのを感じて後ろを振り向いた。
とたんにデデデは興奮してエスカルゴンの頭を押さえつけた。
「ギャアアア!エスカルゴン後ろを見るゾイ!!」
「押さえつけたら見えねーだろうがこん畜生!!!」
「ソー!ドー!(卿!大変です。向こうから鉄砲水が!)」
メタナイトがソードの視線の方を見ると、デデデの車のはるか彼方に大量の水が家屋を押し流しながら迫ってきていた。
「めた。(心配するな、幸いにも魔獣騒動の時点ですでにこの区域一体の住人はすべて避難しているからな。)」
「ソー!!(ソーじゃなくて!このままじゃ私たち水に溶けてなくなっちゃいますよ!)」
「めめたあ・・・。(それはたしかに大変だな・・・。)」
やっと解放されてエスカルゴンが後ろを見ると、もうすぐそこまで水が迫ってきていた。
「うぎゃああああ!死にたくないでゲスー!!」
エスカルゴンは必死にエンジンをかけようとしたが、エンジンがかからなかった。
「このクソっ!ホラー映画じゃないんだから動けこのポンコツが!」
デデデはしびれを切らしてエスカルゴンを殴った。
「ポンコツは貴様ゾイ!そんなんで動くわけがなかろうが!機械はたたけば治るゾイ!!」
そういってデデデは、ハンマーを取り出してエンジンルームを思いっきり殴った。
「あー!何してんでゲスか!!」
案の定エンジンルームから煙が出てきた。
「(・д・)チッこいつもポンコツゾイ。」
「ああ、こんなあほな親父とおぼれ死ぬなんて最悪でゲスー!!」
「それはどういう意味ボボボーボ・ボーボボ!!」
デデデがエスカルゴンの目元をつかんで抗議している最中に、とうとう水が二人を襲った。
そしてついに、饅頭にされたメタナイトたちも水は容赦なく飲み込んだ。
「め、めたー。(ブレイド!早くしてくれー。)」
「ハ、いかん!」
立て続けにいろんなことが起きてぼーっとしていたブレイドは、メタナイトの叫びに反応してこの状況を打開するべく剣をふるった。
「『ギャラクシア・ブレイドビーム』!!!」
巨大な真空の刃は、水龍と魔獣の体を核ごと真っ二つに切り裂き断末魔の悲鳴を上げながら魔獣たちは雲散霧消(うんさんむしょう)した。
数分後・・・。
流されていく家屋の屋根に着地したブレイドはすでに元に戻り、メタナイトたちを探していた。
「卿ーー!ソードー!霊夢殿ー!魔理沙殿ー!」
まさかみんな溶けてなくなってしまったのかと思いその場に崩れ落ちた。
「そ、そんな。遅かったというのか・・・。」
その時、水の中からぬーっと出てくるものがいた。
「きゃあ!騎士のお化け!!」
ブレイドは黄色い悲鳴を上げながら、ギャラクシアを振り回した。
「失敬だなブレイド。私はまだ生きているぞ。」
「卿!!」
その後、立て続けにソード、霊夢、魔理沙の順番に這い上がってきた。
ちなみにみんな元に戻っている。
「魔理沙殿の水中呼吸ができる魔法がなければ死んでいました。」
「たまには役に立つわね。魔理沙。」
「オイオイ。たまにはねーだろ!」
そういいつつも、魔理沙は嬉しそうに笑った。
「あ、そういえばあのデブペンギンどうしているかしら。」
「死んだんじゃないのー?」
だが、メタナイトは彼の悪運の強さを知っているためそれはないと言った。
もちろん、メタナイトの思っていた通り彼はしぶとく浮かび上がり、エスカルゴンとともに電柱にしがみついていた。
「ぶえーくしゅん!!」
「陛下・・・。いつまでこうしてしがみついていればいいんでゲスか?」
「それよりも、誰かがワシに対して不謹慎な噂を口にしている気がするゾイ。・・・へ、へ、へーくしゅん!!」
数日後・・・。すっかり水が引いた後、助かった町の人たち全員で瓦礫運びや、家の再建を行っていた。
そこにはパーム大統領とハルトマン社長の姿もあった。
「ハルトマン殿、この度の水害復旧作業に救助ロボットを貸していただき感謝します。」
「いや、いいんですよ大統領閣下。ナイトメアに虐げられていた我が故郷の星を救ってくださった恩です。これくらいたやすいもんですよ。」
大統領の視線の先には、復旧作業に励む人たちに交じって同じくらいの背丈をしたロボットが、手伝いをするためにスージーの指示の下、動き回っていた。
その頃、フームも一階部分が水没した国立博物館の書庫の掃除を行っていた。
「フームや、そんな残念そうな顔をするな、幸いプププランドの歴史的書物は水害が起きる前に二回に避難させておいたから、書物の現代写本作成はまた頑張ればいいさ。」
「違うんですキュリオ館長・・・心配なのです。カービィとブンが・・・。」
キュリオは、年を取ってさらに髪がなくなった分だけ伸びたヒゲをなでながら、トッコリに見てきてくれるよう頼むことを提案し、フームもそれに賛成した。
またその頃、デデデとエスカルゴンはメタナイトたちに交じって復旧作業のついでに霊夢と魔理沙の住む家を建てていた。
「全く、なんで大王たるワシがこんなエイリアンの小娘どもに家を建ててやらねばならんゾイ。」
「陛下、ここは言うことを聞かないと消されるでゲスよ。そうなったらわたくしたち今度こそいっかんの終わりでゲス。」
デデデがエスカルゴンに対して愚痴を聞いてもらっていると、お祓い棒で肩をたたきながら霊夢が歩いてきた。
「ほらほら!しゃべっていないで手を動かす!!」
「それとも、新魔法の実験台になりたいのかな?」
「やるゾイ!やりますゾイ!だから実験台だけは勘弁してほしいゾイ!!」
霊夢と魔理沙が、恐ろしい形相でにらみつけたのを見てデデデはおびえながらしぶしぶ作業を再開した。
その様子を三人の騎士たちは笑いながら見守っていた。
なんだか、明らかに魔獣より強そうな龍がかませ犬みたいなポジションになっちゃいましたが、実はこの龍は別の話で登場させようか迷ったのですが結局この話に登場させました。
あと、報告を一つ。ここ二週間ぐらい忙しくてちょっと遅れ気味になって申し訳ありませんでした。
次回から、少なくとも一週間後には出しますのでそこのところご容赦下さい。