東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
「ハニートラップ?プッ!ギャハハハハ!・・・そんな顔でどうやってハニートラップを仕掛けようと言うんでゲスか!?」
きついボケをかましたエスカルゴンにデデデはきついお仕置きをかました。
「ouch!」
「誰が、女装するといったゾイ!?ナイトメアに頼んで送ってもらうんだゾイ!」
デデデは、ナイトメア呼び出しボタンを押した。
すると瞬く間にあたりは暗くなり、しばらくするとモニターがデデデから見て左サイドから現れて、そこにニューカスタマーサービスが映し出された。
「我がニューホーリーナイトメア社の・・・。」
彼が自己紹介をしようとしたところ、デデデはいらだった面持ちで文句を言った。
「長い!社名が長すぎるゾイ!」
「はい?」
「この戯けが!陛下は、かのホトトギスを殺すエイリアンの偉人よりも短気なのでゲスよ!」
「もっと短い社名にできんのかゾイ!?」
ニューカスタマーサービスは、汗を拭きながら必死に考えた。
そして、ちょっと待ってほしいと言って席を外した。
「ニューナイトメアウィザード様、デデデがわが社の社名変更を要求してきました。」
「理由はなんだ?」
「ハッ!恐れ多くもこの偉大なる社名が長すぎるとのことです。」
ニューカスタマーサービスは、いくらデデデが最重要顧客だったとしてもさすがにこの要求はのめないだろうと思った。
だが、社長のニューナイトメアウィザードは予想外の反応を示した。
「ふむ・・・いい機会だ。よし!社名を変更しようではないか。」
「やはりそうですよね・・・え?!」
ニューカスタマーサービスは驚きの表情で社長を見上げた。
「何か不満があるかね?」
「い、いえ・・・。ただ、意外だったもので。」
「なに、これから再び宇宙に進出するんだ。同じ社名だとかつての侵略者だと怪しまれるだろ?」
「はあ・・・。では、どのような名前にいたしましょう。」
「そうだな・・・では、今までのイメージとは真逆の社名にするか。」
デデデが退屈そうにしていると『no image』と書かれた青い画面から切り替わり、またニューカスタマーサービスが現れた。
「お待たせいたしました。社長の許可が下りましたので、社名を変更したいと思います。」
「・・・で、新しい社名はなんゾイ?」
「新しい社名は『聖闘士ナイトメア』になりました。」
「こいつはクセエ!中二病のにおいがプンプンするでゲス!」
エスカルゴンは自分の鼻をつまんで、クサイクサイのジェスチャーをした。
ニューカスタマーサービスは構わず続けた。
「そして、私の名前もこれからは二代目ということで『セカンド』と呼んでいただいて結構です。」
「おー!これで作者が小説を書く時の負担が減ったゾイ!ガハハハ!」
「なんチューメタいセリフをぶちまけているんでゲスか陛下はモー。」
「では、セカンド!今すぐこのわしにハニートラップ要員を送るゾイ!」
「は?工作員ということですか?あいにく我々は、他の星を侵略するときは物量でものを言わせていたためそのようなものはおりません。」
だが、デデデは懲りずに椅子のひじ掛けを叩きながら代替え案を求めた。
案を出せないセカンドにしびれを切らしたデデデは自ら代替え案を出した。
「じゃあ、ミスナイトメアとかそんな人物でもよい!とにかく愚かな人民どもを虜にする美人さんをよこすゾイ!」
「そういうことでしたら、今出張でおりませんがとびっきりのキャバ嬢を明日までにこちらに転送いたしますので、楽しみにしていてください・・・フフフ。」
そう言って不敵に笑うと、セカンドはモニターの電源を消した。
「キャバ嬢ってなんゾイ?」
デデデはエスカルゴンの方を振り向きながら質問した。
「キャバ嬢というのはキャバクラという酒を提供する場で働く女性のことを指すでゲス。」
「美人さんが働いているのかゾイ?」
「そりゃもー!美しいなんて言葉じゃ失礼に値するほどでゲスよ。ちなみに私のおっかさんも、もともとは故郷でナンバーワンのキャバ嬢だったんでゲス。」
そう言うとエスカルゴンは、急に泣きだしてしまった。
「ワーオン!!おっかさーん!何で死んじゃったんでゲスかー!!」
「大往生だったんだろ?なら、悲しむことなんてないゾイ。」
「へ、陛下!グスッ・・・わたくしのおっかさんの思い出・・・聞きたい?」
「下らん。」
エスカルゴンは、デデデのあまりの態度の落差に泣くのを忘れてずっこけてしまった。
「陛下には、デリカシーってもんがないんでゲスか!?」
「デリカシーよりまずはオメカシーゾイ。」
そう言ってデデデは、エスカルゴンに自分のガウンを投げた。
「うわっぷ!!」
「わしは風呂に入ってくるゾイ。お前もキャバ嬢に失礼のないようにするゾイ。」
「何あの態度・・・でも、確かにとてつもない美人さんなんでゲしょうな~。私もオメカシーしなくっちゃ!!」
エスカルゴンは、デデデのガウンを持ったままスキップで自分の部屋へ駆けていった。
翌日、デデデとエスカルゴンはワクテカしながら玉座の方へと向かった。
デデデは、黒のスーツに金色のネクタイといういかにも性格がいやらしいお金持ちの人のようないでたちだった。
また、エスカルゴンはシンプルに赤い蝶ネクタイと黒のシルクハットというどう考えてもこの社長の執事のような格好をしている。
「陛下、いよいよでゲスな。」
「グフフ・・・楽しみゾイ。」
デデデは、玉座に座るとひじ掛けのところにある呼び出しボタンを押した。
数秒と立たないうちにモニターが現れて画面にセカンドが映った。
「我が聖闘士ナイトメア社のカスタマーサービスへようこそ。」
この様子を物陰からメタナイト、ソード、ブレイドの三人がのぞいていた。
「セカンド!例の人物はもう連れてきたかゾイ?」
「ハイ!今しがた到着したところです。今、そちらに転送させますので少々お待ちください。」
「その前に一ついいでゲスか?」
「ハイ、何なりと。」
エスカルゴンは人差し指と親指をくっつけて代金はいくらなのかとジェスチャーを行った。
「これは、いかほどでゲスか?」
「あー。お金の件でしたら心配いりません。本日は、新装開店サービスで無料となっております。」
デデエス「むっりょー!?」
これにはエスカルゴンとデデデも驚きを隠せなかった。
「・・・て、騙されないでゲスよ。その後、もし彼女が傷物になってしまった時に損害賠償とか言って莫大な代金を要求するつもりでゲしょう?」
デデデは、早くそのナンバーワンキャバ嬢とやらを見たいのか、エスカルゴンの肩をつかんで前後に揺らした。
「お金の心配なぞ、今はどうでもよいゾイ!早くわしは美人さんをこの高貴な目で見てみたいゾイ!!」
「陛下の言う通り、執着しているといなくなるのがお金、逆に執着すればいなくならないのが女です。では、準備が整いましたので直ちにお送りさせていただきます。」
その直後、玉座の手前から転送装置が出現した後、中央部分が青紫に光りだした。
「おー!いよいよゾイ!!」
デデデは、どんな美人さんが出てきてもいいように背筋を伸ばした。
エスカルゴンも、さりげなく蝶ネクタイを整えてその場で直立不動の姿勢をとった。
だが、その姿は彼らの期待、願望、下心を一気に打ち砕かれるほどだった。
悪い意味で。
デデデに至っては、ショックで驚いた顔がスマブラの顔バグのように元に戻らなくなってしまっていた。
彼女の体は、デデデよりも太く腹は三段腹で、ピンクのワンピースのボタンがミシミシと音を立てていた。
顔は、豚に似ていると言われれば豚に失礼と言っても過言ではないほど醜く、口にはこれでもかというほど紫色の口紅を塗っていた。
そんな、聖闘士ナイトメアが誇るナンバーワンキャバ嬢が化け物じみた笑顔で口を開いた。
「ハアーい!この度はご指名いただきありがとぉ。私は、聖闘士ナイトメアで一番の美人さんの愚狸娘ちゃんでえーっす!」
エスカルゴンは、あまりの容姿の醜さと強烈な香水の匂いで気絶しそうになったが、どんなに不細工とはいえ相手は女性。失礼のないように挨拶をした。
「お、お主がナイトメア一の美人さんの愚狸娘ちゃんでゲスね。初めまして、わたくしはあなた様を呼び出した主の従者、エスカルゴン・・・でゲス。」
「ウホッ、いい男。でもごめんなさいね。私、このボテバラの男が好みなのん。」
エスカルゴンは、あまりのうれしさから飛び跳ねそうになるのを抑えて、いかにも残念そうな顔をして二人の幸せをねぎらった。
「あらー残念。でも気にしないでください。では、陛下。私はお邪魔なようなのでこれで失礼。」
「あ、コルアー!待つゾイエスカルゴン!わ、わしと一緒にこの子とポッキーゲームをするゾイ!」
そう言ってポッキーをかざして呼び止めようとしたが、もちろんエスカルゴンは止まるはずもなく、ほくそえみながら玉座の間を後にした。
「あら、それはポッキーじゃない。うれしいわ!そーんなに私とポッキーゲームがしたいのね。」
「ウェ!?いや・・・あの、その・・・。」
愚狸娘は、デデデが断るための言い訳を作る暇を与える間もなくポッキーの箱をもぎ取り、中に入っている一本を口にくわえた。
「さあ、二人で愛のポッキーゲームをしましょう。」
デデデは、たまらず悲鳴を上げながら逃げ出した。
「お助けええええええええ!!」
「あら、恥ずかしがっちゃって。でも逃がさないわ!お待ちになってェ!!!」
愚狸娘は、ドスドスと足音を響かせながらデデデを追いかけた。
剣士三人組は、うっかり愚狸娘とすれ違ったが、背が小さすぎたため気づかれなかった。
ブレイド:「卿、なんなのでしょうか。あの走るわいせつ物みたいなものは?」
メタナイト:「ブレイド、さすがにそれは失礼だぞ・・・と、言いたいところだが正直言って私も危うく仮面の中で朝食が出そうになるぐらい不細工だった。」
ブレイド:「あんなの、女性の私から言わせてもらえば女性ではありません。香水をまとった豚の化け物です。そうですよねブレイド?」
ブレイドがソードの方を見ると、ソードは仮面の穴という穴から吐しゃ物が噴出したまま倒れていた。
メタナイト・ブレイド:「ソードォーーーー!!」
一方デデデは、ガレージのところまで逃げ込んで車で逃走を図ろうとした。
だが、デデデが車のスタートボタンを押しても動く気配がなかった。
「クソっ!!またか!動けこのポンコツが!動けってんだよ!」
その時、ドアを壁ごと破壊してガレージに来るものがいた。
それは、デデデに首ったけになって鼻息をフンフン鳴らす愚狸娘だった。
「みつけたわ。だ・ん・な・さ・ま。」
「らりるれろ!らりるれろ!らりるれろ!訳:(兵士!兵士!兵士ー!)」
デデデの命の叫びが通じたのか、ワドルドゥ隊長とワドルディ兵士たちがやってきた。
「陛下!ご無事ですか!?」
「おお!来てくれたかゾイ!?」
あっという間にワドルディたちは、愚狸娘を取り囲んでヤリを構えた。
「なに?あんたたち。邪魔なんですけど。」
愚狸娘は、ハンマーのような太い腕でワドルディたちを蹴散らした。
だが、ワドルディたちは負けじと愚狸娘に槍を突き立てた。
「今のうちです陛下!」
ワドルドゥ隊長は、兵士たちに加勢しながら主人に逃げるよう促した。
「すまん!・・・ええい動くゾイ!」
デデデがボタンのあたりを強くたたくと、接触が悪かっただけなのかあっさり起動した。
「兵士!門を開けい!」
ゴゴゴーという音がしてガレージのシャッターが上がり、それと同時に城門も開いた。
デデデは、アクセルを目一杯踏んで猛スピードで城から脱出した。
「お待ちになってぇ!旦那様ー!!」
愚狸娘は、傷だらけになりながらもワドルディたちを振りほどき、目にもとまらぬ速さで追いかけた。
ワドルドゥ隊長は、すでに立ち上がれないほどボコボコにされてしまったため、剣を右手に高く上げた状態で倒れていた。
「私は止まりませんよ、陛下が止まらない限り、その先まで私はお供いたします、だから陛下・・・止まらないでくださいね。」
ワドルディたちは、自分たちの力の無さ、そして隊長の忠誠心に涙した。
隊長:「・・・カッコつけた後でこんなセリフを言うのもなんだけど。」
兵士:「・・・わにゃ?」
隊長:「あいつの体臭マジでウ○チ臭い・・・にゃ。」
ワドルドゥ隊長は力尽きた。
デデデは無事逃げ切れるのか?そして、愚狸娘の驚くべき第二形態が姿を現す!
追記:今回、好きなネタを盛り込み過ぎて訳が分からないよ状態でしたが。
次回もよろしくお願いしますね (;・∀・)/