東方桃幻隊 ~Battle of Popstar – Word War vision~ 作:小林ミメト
なので、ゾクッとする要素もあるのでご了承ください。
デデデ城の食堂で、霊夢と魔理沙はなぜか静かな寝息を立てながら食事も中途半端にぐっすり寝ていた。
そんな無礼を働いているにもかかわらず、デデデは満足そうに頷いていた。
「陛下。どうでゲしょうか?私が仕込んだ眠り薬の威力は・・・・」
「グフフ・・・上出来ゾイ。よし、お前の研究室に運ぶゾイ。」
その時、夕方にしては暗い空にビカッと稲妻が光り、その直後に地響きにも似た雷が鳴った。どうやら、また龍の片割れが暴れ出したようである。
「グワーッ!こ、こいつらが起きる!早くこの部屋からずらかるゾイ!」
大急ぎでデデデとエスカルゴンは、起こさないように霊夢と魔理沙をおんぶして食堂を去った。
その様子を一頭身の三剣士がのぞいていた。
「卿、彼らまた悪だくみを・・・。」
「一体こんどは何をするつもりでしょうか?」
「わからぬ、引き続き監視する必要がありそうだ。」
三剣士のリーダー格の仮面の騎士・・・もとい、メタナイトは、黄色く光る眼で廊下の先を見つめながらそういった。
ちなみに彼は、おとなしく捕まるようなタマではなく、デデデが地下牢に閉じ込めた後、あっさりとソードとブレイドの協力によって脱出したのだ。
さて、ここはエスカルゴンの研究室。メタナイトが脱獄していることなどつゆ知らず、デデデとエスカルゴンは、眠り薬で眠らされている少女二人に奇妙な機械をかぶせていた。
「うしっ。エスカルゴン準備完了ゾイ。」
「こっちも完了でゲス。」
「では行くゾイ。」
そう言ってデデデは、そばにあったレバーを倒した。
すると、周りにあるメーターの針があっち行ったりこっち行ったり、壁に埋め込まれている試験管に入っている謎の液体から泡が出たり、ピロピロピロという独特の機械音を鳴らしながら、コンピューターが交流電流の波形のようなものを表示し始めた。
しばらくすると、少女たちがかぶせられているヘルメットから出ているチューブから光の塊みたいなものが、ヘルメットからデデデのマークが書かれている箱型の機械に吸い込まれていった。
「フーッ。雷でショートせんかとひやひやしたゾイ。」
「何はともあれ、成功でゲスな。」
「わしがこいつらの能力を使うのが楽しみで仕方がないゾイ。グフフフフ・・・。」
デデデは、ゲスの笑みを浮かべた後、すぐに真顔になった。というのも・・・。
「だがしかし、副作用があるといろいろまずいゾイ。」
「と、言いますと?」
「わしが、『パッパラパーのおばかちゃ~ん』になったりしたら、人民どものわしに対する支持率がガタ落ちゾイ。」
「すでに地の底まで落ちてるんだよな~。」
「なんか言ったかゾイ!?(迫真)」
「あ、いや!ただの独り言でゲスよ・・・アハハハ。」
すると、デデデは何かを閃いたらしく気持ちの悪い笑顔でくるくる回った。
「そうゾイ!わし良いこと思いついちゃったゾーイ!」
「シーッ!彼女たちが起きるでゲス。起きたら何されるかわからないでゲスよ。」
「そんなことわかってるゾイ。」
デデデは、ハンマーを取り出しエスカルゴンに理不尽なツッコミをお見舞い!
「え、エスカルゴンは5のダメージを受けたぁ~。」
「・・・とこんなことしている場合じゃないゾイ。次の計画を実行する前に、邪魔になった彼女たちを始末せねばな。」
デデデはおもむろに携帯電話を取り出してワドルドゥ隊長を呼び出した。
「ハッ!陛下。失礼ながら携帯を介さずとも私共はあなたの御傍に・・・。」
デデデは霊夢たちが起きないように小声で叱責した。
「ばかもん!いま彼女たちが起きたら何されるか分らんゾイ!なんのために携帯で呼び出したと思っているゾイ!」
ワドルドゥ隊長は慌てて小声で謝罪した。
「し、失礼しました。」
「命令は、電話で話した通りに頼むゾイ。」
「了解しました。」
そう言うと、ワドルドゥ隊長は部屋の外で待機しているワドルディたちに命令をした。
「よいか。部屋の中にいる彼女たちを地下牢まで運ぶのだ。」
ワドルディたちは、悪事に加担している意識はもちろんなく体と一体化している頭を縦に振って了承の相槌をした。
それを確認すると、ワドルドゥ隊長は腰についている剣を斜め前に高くかざし、ワドルディたちに号令をかけた。もちろん小声で。
「かかれー!」
すると、ワドルディたちはわらわらと部屋の中に入り、あっという間に彼女たちを地下牢へと運んで行った。
デデデは、ワドルドゥ隊長たちが彼女たちとともにいなくなるのを確認すると、改めて今度の計画を語り始めた。
「さて、まだいい考えというのを言ってなかったゾイ。」
「で、どんな?」
「まず、今さっき回収した彼女たちの能力をあの機械を使ってわしに送り込むのだゾイ。」
そういってデデデは、少女たちが座っていたメカメカしい椅子を指さした。
「だが、どんな副作用があるかわからん。」
「そうでゲスな。」
「そこでゾイ!まず試しにこの廃棄寸前の四個の饅頭ちゃんをここに置くゾイ。」
デデデが饅頭を置こうとしたその時、持ち主が抗議に出た。
「あー!ちょっと陛下!それは私めが大事にとっておいたお饅頭でゲスよ!」
「だまれ!実験には犠牲はつきものゾイ!」
「そんなひどいでゲスよー!」
あまりにも強く抗議するので仕方なくデデデは、エスカルゴンに好物を一個買ってやると約束した。
「ほ、ほんとでゲスか!?で、では私の故郷にしか売っていないコンクリート饅頭をお願いするでゲス!」
「そ、そんなものも食べるのかゾイ?!・・・わかったわかった!あとで調べて買ってきてやるゾイ!」
コンクリートってあのコンクリートか?とデデデは首をかしげながらも本題に戻った。
「話を戻すが、この饅頭を実験台にして魔獣化に成功した暁にはこのプププランド・・・いや、ナイトメアにとって代わってわしが宇宙を支配できるゾイ!デャーッハッハッハッハー!」
デデデが、悪役のごとく天を仰いで不気味な笑いをしたその時、それに呼応するかのようにデデデ城の上に雷がズドーンと落ちた。
「うわー!今のは近かったでゲスなー。」
一連のやり取りを見ていたメタナイトたちは、この計画はさすがに見逃せないと見たのかデデデに計画を止めるように促そうとした。
だが、雷が落ちたせいなのか、突然部屋の電気が一斉に消えて右も左もわからなくなってしまった。
それは、デデデとエスカルゴンも同じだった。
「あ○る!・・・な、なんゾイ!?」
その直後に非常電源がついたが、整備不良のためか一部が点灯しておらず、かなり薄暗かった。
「あらら、ちゃんと非常電源を整備しとけばよかったでゲス。」
すると、突然重く暑苦しい生き物が覆いかぶさってきた。
「エスカルゴーン・・・暗いの怖いゾ~イ。何とかするゾ~イ。」
「いやー!暑い!重い!痛い!殻割れるー!!!」
エスカルゴンは、思いっきりデデデを振りほどくと非常電源を直しに行くから待つように言い聞かせた。
「早くするゾイ!」
だが、待てど暮らせどエスカルゴンは帰ってこなかった。
「ぬー・・・遅い!エスカルゴンめー何やってるゾイ!明かりもちっとも明るくならないゾイ。」
デデデは正直怖くてこの部屋から出たくないので、わずかしかない知恵を振り絞って打開策を思いついた。
「そ、そうゾイ!ワドルディたちを呼べばよいゾイ!兵士ー!!」
しかし、デデデの怒鳴り声が部屋にこだましただけで一向に兵士がやってこない。
「かくなる上は、携帯で呼び出すゾイ。」
そういってデデデは携帯を取り出し、電源をつけようとしたがいくら電源ボタンを押しても携帯が反応しなかった。
「動けこのポンコツが!動けってんだよ!!」
そうこうしているうちに、外は本格的に嵐の夜になろうとしていた。
「オーイ!誰かおらんのか!?」
デデデは、だんだん不安になってきてそーっと部屋の扉を開けた。
すると、曲がり角の向こうでなんと少女二人に倒されたはずのカービィが歩いていた。
デデデは、カービィを呼び止めようとしたが、なぜか急に悪寒が走り、エスカルゴンの研究部屋に早足で戻っていった。
<ちょっとまて・・・あれはカービィじゃない・・・わしの第六感がそう叫んでいるようだゾイ。>
その時、部屋の扉をトントンと叩くような音がした。
デデデは、まさかと思ってイヤな汗が止まらなくなってしまった。
<違う!違う!カービィの幽霊なわけがないゾイ!カービィはナイトメアを倒した星の戦士ゾイ。あんな小娘どもの攻撃で死ぬはずがないゾイ!>
デデデが思考を張り巡らせているうちに、扉をたたく音がどんどん大きくなっていった。
「エエーイ!こうなりゃ強行突破でエスカルゴンのところに行くゾイ!」
デデデは、ハンマーを振りかざして扉を破壊すると一目散に廊下を右に向かって走っていった。
その様子を先程のカービィ(?)が見つめていた。
それは、音割れに近い無機質な機械音のような声でつぶやいた。
「ニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイニガサナイ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、や、やばいゾイ。走ってたらウ○チがしたくなってきたゾイ。」
デデデは、極度の緊張と急な運動で催したらしく近くのトイレに駆け込んだ。
「漏っちゃう漏っちゃう。」
バンとドアを閉めて鍵をかけ、デデデはつかの間の幸せを味わった。
「ハ~スッキリしたゾイ。」
トイレットペーパーでケツを拭いて、トイレに流し、さあ出ようとしたその時、カンという音が隣の個室から聞こえてきた。
びくびくしながら怖いもの見たさでデデデが隣の個室を除くと、初老のカタツムリの雄がこちらに気づいたらしく、おぞましいしわがれ声でデデデに訴えかけた。
「くぁ・・・くぁみうぉくれぇ~~~~~。」
「ギャアアアアア!で、で、出たゾーイ!!」
デデデは、勢いよくドアをけ破ると手を洗わずに廊下を走っていった。
「へ、陛下ぁ。せめて私に紙の御恵みをー・・・。」ガクッ
哀れ、お化けと間違われたエスカルゴンは、トイレの紙を手に入れる前に力尽きた。
「吸ってはいて吸ってはいて世宵のよい!お化け見ったなら逃っげなきゃソンソン!×2」
デデデは訳の分からない歌を歌いながら自分の部屋に戻ってきた。
「はー・・・ビックラビックリ!」
ホッとしたのもつかの間、今度は鳩時計が急に鳴り出した。
ドキッとしながらも鳩時計の方を向くと、二十年前に起きた城での幽霊騒動同様に時計の針が、長針、短針問わず勢いよく回転していた。
「ゾゾゾ・・・。そ、そうゾイ!こ、こういう時は寝るに限るゾイ!」
デデデは、目にもとまらぬ速さ寝巻に着替え、頭から布団をかぶった。
その間にも、鳩時計の鳩は泣き続けデデデの眠りを妨げた。
「ええーい!鳩がうるさくて眠れんゾイ!」
デデデは、壁に飾ってある予備のハンマーを手に持ち、そろり、そろりと鳩時計に近づいた。
すると、突然雷鳴がとどろき、カービィ(?)のシルエットが浮かび上がった。
デデデが思わず後ろを振り返ると、鋭い牙が生えた口が手の方まで裂けて、まん丸い目は底が見えないほどの黒で染まっており、目の真ん中には赤黒い靄のような瞳がのぞく、おおよそカービィとは言えない何かがそこに立っていた。
「ミツケタ、ミツケタ・・・ケタケタケタケタ」
「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
再び外で雷が落ちると同時に、デデデの悲鳴がお城の中にこだました。
次回はカービィの幽霊の正体がわかるかも?
楽しみにしていてください!('ω')ノ