ダンジョンにこだわらないのは間違っているかもしれない   作:カツヲ武士

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地上のお話

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嫌いな人は読み飛ばし!


127話

色白女神様視点。

 

『アレンと一緒に潜っていた筈の眷族が

アレンを残して先に帰還してきた。ですって?』

 

夜景を眺めながらミアが作った料理を

肴にソーマの新作を楽しんでんだけど、

何か緊急事態かしら?

 

「はっ!彼らはアレン様からの報告を

携えてきました。

内容に例の筆頭様が絡むそうなので、

私が手紙を預かりご報告に上がりましたが

・・・明日にしますか?」

 

ソフィアがそう訪ねてくるけど、噂の彼女が

絡むなら聞かないわけには行かないわよね。

 

『いえ、今聞きましょう』

 

それにアノ子のことも有るだろうしね。

 

アレンとしては当然筆頭さんとやらを優先する

だろうけど、私が命じたのはアノ子の探索と

筆頭さんへの挨拶。

 

それからヘファイストスの子であるクロッゾの保護ですもの。

 

それらはどれ1つ取っても重要事項。

聞かないなんてとんでもないわ。

 

「畏まりました!それともう1つ。

神ヘルメスについても情報が

上がって来ております」

 

『へぇ・・・』

 

ヘルメス、ねぇ。

 

もしかして何かヤツの狙いを掴んだのかしら?

流石はアレンね。純粋な強さではオッタルには

及ばないけど、こう言った細やかな配慮では

私の眷族の中でも随一よ。

 

ソフィアも短期間で目を見張る程の

成長をしているし、やっぱり師が良いと違うわね。

 

そう思ってた時期が私にもあったわ。

 

「はっ!なんでもギルドの受付の横で下着一枚の姿で晒し者にされているそうです」

 

『・・・はぁ?』

 

いや、え?ナニ?ギルドの受付の横で

下着一枚の姿で晒し者にされてるって

言ったかしら?

 

罰金とかじゃなく?

ダンジョンに侵入したときの罰ってそんな

屈辱的な罰則だっけ?

 

だとしたらヘスティアはヤバイんじゃない?

いや、あんなのでも女神なんだから、

なんとか水着とかで勘弁してあげてほしい

ところなんだけど。

 

・・・そもそもあの子って水着とか持ってるかしら? って言うか下着履いてるの?

 

「はっ。何でも万能者に自身が透明になる兜を

造らせていたそうで、それを使って女子風呂や

女子更衣室の覗き、また各ファミリアの機密

情報を探った疑いが持たれています」

 

『あ、あぁ。そう言うことね』

 

ダンジョン侵入の罰じゃないのね?

 

いや~あんな子でも一応知り合いだし、アノ子の

主神だからあんまり惨めな思いはして欲しく

なかったから、一安心と言ったところかしら。

 

そしてヘルメス。

 

覗きはともかくとして、機密情報に関しては頂けないわね。

 

私やロキの弱味を探ってゼウスやヘラにでも

流してたのかしら?

 

『ウラノスが何かをしてくる前にヘルメスが

何を知っているかを徹底的に洗う必要があるわ。

そうね・・・アレンからの報告を確認したら

イシュタルのところに行って、尋問に向いた

冒険者を借りてきて頂戴。

私からも手紙を書くけど、顔見知りの貴女なら

手続きも簡単に済ませてくれるでしょう』

 

私のところだと暴力で喋らせるくらいしか

出来ないからね。

 

ここは幅広い人材を抱えるイシュタルと共同で当たるべきよ。

 

「はっ!ではアレン様からの報告も?」

 

私の言葉の裏に隠されたこともちゃんと読み取ったようで何より。

 

『えぇそうよ。アレンからの報告の内容も

教えてあげれば、イシュタルも喜ぶでしょう』

 

全部が全部明かす必要は無いから、

いくつか添削はするけど・・・

 

いつもお世話になってるから、これくらいはしてあげても良いわよね。

 

「はっ!畏まりました!」

 

うんうん。

 

それにしてもアレンといいソフィアといい、

話が早くて助かるわ~。

 

この調子で眷族が育てば、私達を蛮族ギルド

とか呼ぶ連中が居なくなる日も近いわね!

 

それはそれとして。

 

『では報告を聞きましょうか』

 

さてさて、アレンは一体何を知ったのかしらね?

ソーマの新作の肴になれば良いのだけど・・・

 

 

 

―――――――――――

 

カクカクシカジカヒサシブリノムートンイトウ

 

―――――――――――

 

 

『なるほど・・・』

 

よくわからないけど、とりあえずアノ子の

パーティーはロキファミリアに保護されて

いて、全員の無事を確認した、と。

 

これに関しては、アノ子が無事で、特に怪我も無いようならそれで良いわ。

 

で、アノ子らの無事を確認したヘルメスが

探索パーティーから抜け出して帰還。

 

ダンジョンの出入り口で受付と万能者が

口論している最中に透明になる兜を被って

姿を消し、その場から逃れようとしたところ

リリルカの攻撃を受けて、下半身が弾けた?

 

そこで今まで彼が透明になる魔道具を使って

様々な性犯罪を犯していたことを告発され

万能者もそれを認めた為に逮捕された、と。

 

で、下半身が弾けたヘルメスは見せしめの

為に全てを晒されているのね?

 

うん。これに関しては特に言うことは無いわ。

 

『問題はお弟子さんの存在よね』

 

なんでも彼女が18階層に居て、布や洗剤を

欲しているとか。

 

その要望に応える為に、大切断と怒蛇が

動いているって言うのが、もう、ね。

 

「はっ。ロキファミリアの怒蛇と大切断が

布や洗剤を集めているのも事実ですし、

間違いなく大先生が言う知性ある魔物の

為に用意させているものと思われます」

 

『そうよねぇ』

 

つまりは、お弟子さんが知性ある魔物を

『自身が調教した魔物』としてロキの眷族に

認知させることに成功したということよね。

 

実際問題彼らは私たちとは違って

『魔物の中に知性ある魔物が居る』

なんて言われてもそれを簡単に認める

ことが出来るような連中じゃ無いわ。

 

だって向こうはオラリオ随一の蛮族ファミリアですもの!

 

だからこそ『調教した』と言うワンクッションが必要なのでしょう。

 

なにせロキファミリアに限らず、魔物は

見つけたら見敵必殺が基本だけど、そこに

『服を着た魔物が居たら、それは

誰かが調教した魔物だから殺さない』と

いうルールを作れば、その限りでは無い。

 

そしてその魔物が片言でも言葉を話した

としても、それは『調教師が仕込んだから』

とすれば違和感は最小限に抑えられる。

 

それに、通常なら大量の布や洗剤をダンジョンに

運ぶなんて行為は不自然過ぎて衆目を集める

けれど、今回は事前に凶狼が帰還した際に探索

パーティーが毒妖蛭の毒に犯されたことを

告知して毒消し薬を大量に買い込んでいるから

周囲やギルドも『毒で汚れた衣類を処理する為』

と認識するはず。

 

毒妖蛭については偶然なのでしょうけど

その偶然をしっかり利用する手腕は見事と

言うしかないわね。

 

アレン一人に手玉に取られたロキの眷族

では、自身が良いように利用されたとも

認識できないでしょう。

 

これに関しても見事と言うしか無いわ。

 

「緊喫の連絡は以上となります」

 

『そう。ご苦労様』

 

今までの考察は、あくまで状況証拠から

導き出した推察。

実際のところはアレンが戻って来てからよね。

 

『フフフ』

 

「フレイヤ様?」

 

『あぁ、何でもないわ。ただアレンが

戻って来た時にどんな報告があるのか

楽しみでね』

 

「なるほど・・・・・・」

 

えぇ、本当に楽しみ。

 

こうして眷族が戻ってくるのを楽しみにする

なんていつ以来の事かしら。

 

これほどの『未知』がこんな身近に有る。

そしてその『未知』の間近に居ながら、

それに全く気が付いていないロキの滑稽さ

と言ったら、もう何とも言えないわ!

 

だけど、私がこうしてロキに感じている

ような思いを、ガネーシャやウラノスは

私に対してもしていたのよね。

 

・・・それも数年じゃ足りないくらいの期間。

 

許せないわよねぇ。

 

私とロキを蛮族ギルドの神として担ぎ上げ

ていた陰で、笑っていたのでしょう?

 

許せないわよねぇ?

 

いずれ連中には目にものを見せて殺るわ。

 

と言っても私のファミリア単独で動いても

それはただの下剋上に過ぎないわよね。

 

「ではこれより神イシュタル様の下に

向かう準備を致します!」

 

あぁそうね。連中の前に万能者や

ヘルメスの尋問よね。

 

『えぇ。その間に私もイシュタルに

宛てる手紙を書くわ。少ししたら

また来て頂戴』

 

「はっ!」

 

まずは目の前のことからやらないとね。

 

『え~っと。今は初夏だから、最初は

『拝啓、若葉の候』から入るべきかしら?

いや、ここは『薫風の候』の方が

美の神っぽさが出ると思うんだけど・・・

はてさてどうしたものかしら?』

 

 

 

――――――――

 

――リリルカ視点――

 

「ではリリルカさん。お疲れ様でした」

 

「えぇ。今後連中が何かしたらすぐに

呼んでください」

 

しっかりと罰を与えてやりますからね。

 

「はい!その際はよろしくお願いします!」

 

乳寄せメガネからの事情聴取と言う名の

報酬の分配の話を終えたリリは、そう

言ってギルドの奥の部屋から退室しました。

 

これから痴女眼鏡の尋問があるのでしょう

けど、リリとしては先生に筆頭様や

カリフ姉妹についてとか色々報告を

したいんですよねぇ。

 

うーん。先生って今はどこで何をしてるんでしょうか(ФωФ)?

 

真夜中だからご自身の拠点で寝てるかも

しれませんし、イシュタル様の所に

行ってるかもしれませんけど・・・

 

その場合は春姫さんが白兎の探索の

為にダンジョンに潜ったことを知る

ことになりますよね?

 

私が護衛しないことについては、

同じイシュタル・ファミリアの

アイシャさんや客人のカリフ姉妹が

責任を持って護衛をしてくれてるっ

てことで納得してもらえそうですが、

説明が遅れたら折檻されちゃいますよね?

 

うーむ。うーむ。

 

とりあえずはイシュタル・ファミリアに

行ってみましょうか。

 

そこで言伝を残してから、ヘファイストス様に

白兎とクロッゾの生存を報告すればとりあえず

私の任務は終了ですよね。

 

あとの懸念は筆頭様へのご挨拶諸々を

省略したことなんですが、あっちは

春姫さんに任せるしかありません。

 

けど、あの人って所々で抜けてるところが

あるから心配なんですよねぇ。

 

・・・よし、それも先生に相談しましょう!

 

そんでもってお手紙か何かを用意して

貰えれば、筆頭様に襲われずに・・・

無理ですね。

 

襲われた後に『おや、そうでしたか』って

言われて終わるのが目に浮かびました。

 

まぁリリは杜氏だから必ずしもダンジョンに

行く必要は無いんですけど、でもなぁ。

 

ナァーザさんと探索に行く約束もしちゃって

ますし、ソーマファミリアの連中の強化も

あるしなぁ。

 

それに・・・・・・

 

「はぁ」

 

つい溜息を吐いてしまいましたが、それも

仕方が無いでしょう?

 

なにせリリの目の前には、二人の

『まるで・駄目な・オッサン』が

待ち構えていたのですから。

 

『おぉ! 戻ったかリリルカ!』

 

『む?一人か?桜花や命はどうしたのだ?』

 

あぁ・・・そうなんですよねぇ

コイツらも居たんですよねぇ。

 

と言っても、リリにはコイツら相手に

真面目に報告をする気なんかありません。

 

だからここは一発で済ませてやりましょう!

 

「(ΦωΦ)凸」

 

『『おいィ?!』』

 

こうして二人の貧乏神に対しての

説明が面倒になったリリは、

一言で話を終わらせたのでしたマル

 

 

 




さらっと投稿してみたりなんかして。
文章にブレが有る? 
誠に申し訳ございません!ってお話


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