転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2276話

 ホワイトベースがサイド7を出発して、数時間。

 さすがにそれくらいの時間が経てば、ミライの放送……月で避難民を受け入れるという事に興奮していた者達も落ち着いてくる。

 まぁ、その気持ちは分からないでもない。

 サイド7は各種税金がそこまで高額な訳ではないが、それでも空気税やら何やらと、地球に住んでいる状況であれば必要のない税金が多く掛かる。

 また、食料とかもコロニーで作っている分だけでは足りず、地球から運んでくる事になれば、元々の値段に輸送費が上乗せされてしまう。

 ……ましてや、聞いた話で実際に確認した訳ではないが、サイド1のコロニーなんかはかなり税金が高いらしい。

 これはコロニーの統治を任されている連邦政府の人間が自分の懐に入れる為で……簡単に言えば、政治の腐敗だろう。

 ともあれ、サイド7は新しいコロニーだけに腐敗の類も殆どないが、それでも相応の税金があるのは間違いない。

 そんな連邦のコロニーに比べると、ルナ・ジオンが治める月はかなり税金が安く、暮らしやすい。

 また、月面都市の方では最低限の空気税とかそういうのは必要になるが、クレイドルではほぼ完全な循環系を生み出すことが出来ている為に、空気税とかは存在しない。

 それでいて、自然豊かな場所であるのも間違いなく……そういう意味では、やはりサイド7の住人にとって期待を持てるという事なのだろう。

 もっとも、そこまで期待出来るのだとしたら、それこそ以前移住希望者を募った時にやって来れば良かったのにと、そう思わないでもないが。

 

「んー……やる事がないってのは、暇だな」

 

 呟きながら、ベッドの上で寝転がりながら雑誌を読む。

 ブライトからは、いざという時はMSで出て貰うので、休める時に休んでおけと言われている。

 シミュレータはガンタンク隊やカイが使っているし、まさかホワイトベースの中でガンキャノンの実機を使って動くといった訳には……そう思い、どうせならホワイトベースの外でガンキャノンを動かしてみてはどうかと思うが、すぐにそれを否定する。

 そもそも、サイド7から出撃したばかりの今は、ホワイトベース内……特にMSのある格納庫では、ガンタンク隊の件もあって、かなりの騒動となっている。

 ましてや、MSの数に比べるとどうしてもメカニックの数は少なく、そのような状況でホワイトベースの外で訓練をしたいというのは、間違いなく却下されるだろう。

 せめて明日になったら……いや、メカニックの数を考えると、それこそ明日になっても厳しいのは間違いない。

 そもそも、サイド7からルナツーまでは大体1日程度の距離しかないのを考えると、明日はルナツーの一件でそれどころではないというのも、事実だ。

 ルナツーの一件はどうなっているのやら。

 それこそ、既にルナ・ジオン軍が勝っていてもおかしくはない。

 その場合、各種データとかを既に収集しているだろう。

 ガンダムとかのデータも、既に入手出来ている可能性がある。

 もっとも、ホワイトベースが月に向かえば、データだけではなく実機にすら触る事が出来るんだから、そちらの方が大きな収穫なのは間違いないだろう。

 そんな風に考えていると、不意に扉がノックされる音が聞こえてきた。

 もしかして、またフラウが食事を持ってきてくれたのか?

 そう思ったが、時間を確認すると食事まではまだ結構な時間がある。

 

「入っていいぞ」

 

 そう言うと扉が開き……そこにいたのは、予想外の人物だった。

 

「……少し、いいですか?」

 

 尋ねる言葉の中にも、強い警戒心がある。

 なら、別にわざわざ俺の部屋に来なくてもいいだろと思いつつ、俺はその人物の名前を口にする。

 

「構わないぞ、アムロ」

 

 ……そう、俺の部屋を尋ねてきたのは、アムロだった。

 正直なところ、俺に対して強い苦手意識を抱いている――以前はトラウマだったのを考えると、それでもマシになったのだろうが――アムロが、わざわざ俺の部屋にやってくるとは思わなかった。

 この辺は、完全に俺にとっても予想外だったと言ってもいい。

 ともあれ、中に入るように言うが、アムロはその言葉に躊躇しつつ……それでも、若干不承不承ながらも部屋の中に入ってくる。

 

「部屋の中は僕の部屋と変わらないんですね」

「それはそうだろ。こうして隣り合っているのに、その中身が実は違いますなんて事になったら設計上のミスだろうし」

 

 勿論、俺の空間倉庫の中には色々な家具が……それこそ、W世界でデルマイユから奪った非常に高価な家具が入っている。

 それを使えば、当然のようにこの部屋を豪華に飾る事も出来るだろうが……そもそも、俺がこの部屋を使うのはそんなに長い間じゃないし、それ以前の問題として、ホワイトベースに逃げ込んでくるのにそんなに余裕がなかったのに、そんな状況で高価な家具があるというのは、明らかにおかしいだろう。

 

「アムロの部屋も、特に何もないんだろ?」

「それはそうですよ。何か持ってくるような余裕はなかったですし」

 

 そう言いながら、アムロは俺の部屋に入ってくる。

 後ろで扉が閉まった音を聞き、ビクリと反応するが……そこまで俺を怖がるのなら、別にわざわざ俺の部屋に来なくてもいいだろうに。

 

「それで? アムロは一体何をしに来たんだ? 俺は雑誌を読むくらいしかやるべき事がなかったから、別にいいけど」

 

 そう言い、雑誌を見て、その雑誌がこの世界の雑誌ではないことに気が付き、思わずしまったと思う。

 思うが……幸いな事に、アムロは俺の持っていた雑誌を見ても、特に何も反応した様子はない。

 考えてみれば当然か。

 アムロは機械好きで内向的な性格をしていたのだから、書店に売られている雑誌を全て知っているなんて事は出来ないだろうし。

 だが、アムロはそんな俺の様子を見て何か違和感でもあったのか、俺の持っている雑誌に視線を向けてくる。

 

「その雑誌、どうかしたんですか?」

「いや、何でもない。ちょっと面白い内容が書かれてあってな。それが気になって読んでいただけだ」

 

 実際には、麻帆良についての特集な訳だが……麻帆良祭において、全校生徒を使っただるまさんが転んだをやったらしい。

 正直、どういう風にやったのか非常に興味深かったが……取りあえず、その辺は後でもいいだろう。

 麻帆良という地名はUC世界にはないだろうし、あってもアムロが知っているとは思えない。

 だが、麻帆良で暮らしている人数をがどれくらいなのかを考えれば、アムロであってもおかしいと思うのは間違いなかった。

 

「それで? 結局アムロは何をしにわざわざ俺の部屋に来たんだ? 世間話がしたいなら、それはそれで構わないけど」

 

 恐らく違うだろうと思いつつ、もしかして、本当に万が一の可能性で、世間話をしにきたのではないかと尋ねるが、アムロは当然のようにそんな俺の言葉に首を横に振る。

 

「いえ、そういうつもりで来たんじゃありません。……イザークさんにちょっと聞きたい事があって」

「聞きたい事?」

「はい。……イザークさんは、シャアを知ってるんですか?」

「……何でそう思う?」

 

 俺は、別にシャアとの関係を臭わせるような事はしていない筈だ。

 いやまぁ、アムロは俺が月の人間であるというのを知ってるので、そっちの関係かもしれないが。

 まさか、アムロがセイラとアルテイシアが同一人物だと知ってるとは……思わないが。

 

「何となくです。ただ、イザークさんの様子を見ていて、そう思っただけです」

 

 何となくとか、一番厄介なタイプだな。

 恐らくだが、ニュータイプ能力で何かを感じ取ったといったところか。

 もっとも、アムロのニュータイプ能力はそこまで高くないような感じだ。

 あくまでも、セイラと比べればの話だが。

 俺の感覚で考えると……ニュータイプレベル2か3といったところか?

 それこそ、クスコもアムロよりはニュータイプレベルが高いと思う。

 だが、そんな状況であっても俺とシャアの間にある関係に気が付くというのは、さすが原作主人公といったところか。

 

「何となくか。それだと、俺もこう言うしかないな。何となくだが、俺とシャアの間には、特に何もない、と」

 

 そう告げると、アムロは俺を疑わしそうな表情で見る。

 とはいえ、何となくで俺が怪しいと思ったのだと考えると、何らかの証拠を出せる訳でもないのは明らかだ。

 だからこそ、アムロは俺の言葉に不満を持ちつつも、言い返すことが出来ないのだろう。

 

「……本当ですか?」

 

 そう言い返してくるのがやっとのアムロに、俺は頷く。

 

「ああ、そうだ。……とはいえ、俺がシャアと関係があってもおかしくはないと思わないか? ルナ・ジオン軍の中にはジオン軍出身者も多いんだし」

 

 この言葉は、間違いのない事実でもある。

 そもそもの話、ルナ・ジオンに所属している者の中にはジオン出身者も多い。

 そして俺がルナ・ジオン軍の人間だと思われている以上、元ジオン軍の人間であり、シャアと知り合いであってもおかしくはないのだ。

 ……いや、一時期シーマの部下として活動していたのを考えれば、元ジオン軍というのも決して嘘ではないのだが。

 

「それは……でも、イザークさんは元ジオン軍じゃないでしょう?」

「さて、どうだろうな。その辺は正直微妙なところだが……取りあえずブライトに自由に行動を許されているというのを察して貰えると助かるな」

 

 実際には、現在のブライトは俺にそこまで気を遣っていられるような余裕がないから、仕方なく自由にさせているというのが、この場合は正しいだろう。

 もっとも、アムロはその辺についてどこまで知っているのか、俺の言葉に悔しそうな視線を向けてくるだけだが。

 

「で? アムロはそれが聞きたかったのか? てっきり、俺とメリルの関係を聞きに来たんだと思ったんだが」

「なっ!?」

 

 俺の言葉に、アムロの口から驚愕の声が上がる。

 何だ? もしかして自分がメリルに惹かれているというのが、知られていないとでも思ったのか?

 それこそ、恐らくメリル本人にもその辺は知られていると思うんだが……うーん、これは言った方がいいのか、それとも少年の純情を大事にして言わない方がいいのか。

 微妙なところだ。

 

「そ、そ、そんな訳ないじゃないですか!」

「そうなのか? けど、ルナ・ジオンでもメリルは人気があるんだけどな」

 

 これは完全にブラフ。

 メリルはルナ・ジオン建国前からサイド7にいたので、クレイドルに来た事はない。

 もっとも、メリルの美貌があれば人気が出るのはほぼ間違いないので、全くの出鱈目という訳でもない。

 それこそ、グラビアアイドルとかでもやっていけるだけの美貌と、男好きのする身体をしているのだから。

 

「え!?」

 

 アムロが俺の言葉に驚きを露わにし……そして、しまったと思ったのか自分の口を覆う。

 

「まぁ、俺が言うべき事じゃないけど、フラウだったか? あの女の一件もあるんだから、メリルだけに集中するなよ」

 

 本当に俺が言うべき事じゃないよな。

 実は10人以上の恋人と同棲して、ホワイトスターにいる時は毎晩のように激しい夜を楽しんでます……なんて言ったら、間違いないなくアムロは俺に突っ込んできそうだ。

 とはいえ、アムロの性格を考えるとキラみたいに2人を相手にするというのは……何だか、微妙に無理そうな気がしないでもない。

 

「いや、フラウは別にそういうのじゃないですよ!」

「そうか? ザクに襲われた時、フラウの家族に攻撃されそうになったのが原因で切れて、ガンダムに乗ったように見えたが?」

「そ、それは……フラウは友達だからです!」

 

 見れば分かるが、これは間違いなく照れ隠しだろう。

 そうなると、ここでアムロとフラウの仲を進展させる為に、行動した方がいいのか?

 取りあえず、ちょっと煽っておくか。

 

「そうか、ならフラウが誰と付き合うような事になっても、アムロは関係ないんだな? ただの友達なんだし」

「ぐっ! そ、それは……でも、イザークさんと付き合うってのは認められませんよ!」

 

 悔し紛れといった様子で叫ぶアムロ。

 正直なところ、俺もフラウとどうこうなろうとは考えていないので、それは別に構わないのだが……アムロを煽る為には、その辺をもっと臭わせるとかした方がいいか。

 

「俺と付き合うのは認められない、か。けど、何度も言うようだが、アムロにはそういう権利はない。結局はただの友達なんだろ? なら、お前がフラウに俺と付き合うなとか、そんな事を言うのはおかしい。……違うか?」

「違います。友達だからこそ、フラウにイザークさんと付き合うのはおかしいって言えるんです」

 

 そう告げ、アムロは俺を強い視線で睨み付けてくる。

 うーん……結局友達という表現のままか。

 もしかして、メリルをサイド7に連れてきた事によって、ヒロインの座を奪ってしまって、思い切り原作ブレイクしてしまったのか?

 そう思いつつ、俺はアムロの言葉に溜息を吐くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1435

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