転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2299話

「嘘だろ……」

 

 シミュレータから出てきたジョブが、唖然とした様子で呟く。

 まぁ、初めてガンタンクに乗った相手に、手も足も出ず一方的に撃破されたのだから、無理もない。

 とはいえ、シミュレータから出てきた綾子の方も、決して愉快そうな表情を浮かべていない。

 車両部分を綾子が動かしていたので、ジョブ……正確にはジョブと組んでいるガンナーの攻撃は一切命中しなかったが、綾子と組んでいるガンナーの方もなかなか攻撃を命中させるといった事は出来なかった。

 ちなみに、綾子と組んでいるのはメリルと組んでいた人物だ。……どうやら、この女もクレイドルで下りるといった事はせず、このままホワイトベースに残るらしい。

 ホワイトベースにとっては嬉しい事なのだろうが、軍人でもないのに、わざわざここに残る必要はないと思うんだが。

 それでも残るという決断をしたという事は、相応の理由があるんだろう。

 それがどのような理由なのかは、俺にもちょっと分からないが。

 

「どうだった?」

「うーん……これはMSとしては……」

 

 言いにくそうにしている綾子だったが、何を言いたいのかは分かる。

 普段からトールギスⅢという機体に乗っている綾子にしてみれば、ガンタンクは非常に動かしにくいと感じているのだろう。

 そもそも、トールギスⅢの機動力や運動性はW世界においてもトップクラスだ。

 それこそ、その辺のMSパイロットがトールギスに乗った場合、Gによって骨折し……場合によっては死ぬ事すらあるくらいに。

 だが、綾子は半サーヴァントであり、その身体能力は文字通りの意味で人間離れしている。

 そんな綾子が乗っているトールギスⅢと比べると、ガンタンクは無限軌道……いわゆるキャタピラでの移動となり、当然のようにその機動力は恐ろしく低い。

 最初に快適なトールギスⅢという機体を知っていた分だけ、綾子にとっては余計に強いストレスを感じてしまう筈だ。

 それは俺が通った道なので、十分に綾子の気持ちが分かる。

 俺もニーズヘッグという思い通りに動かせる機体を使っているだけに、どうしてもそれ以外の機体に乗るとストレスを感じさせる。

 もっとも、俺の場合は操縦しているMSにストレスを感じるというのは、それこそいつもの事だ。

 それだけにもう慣れて、今ではそこまでストレスを感じないのだが……綾子の場合はガンタンクだからな。

 それこそ、ヅダ辺りを持って来るという事を考えた方がいいのかもしれない。

 

「まぁ、その辺りは慣れるしかないだろうな。それと、ガンナーとの息の合わせ方とか、そういうのも関係しているだろうし」

 

 正直、何を考えてガンタンクを2人乗りのMSしたのか、疑問だ。

 普通に1人でも操縦出来そうな気がするんだが。

 単純に、ガンタンクを開発した時はまだその辺の技術的な蓄積が出来てなかった……とかか?

 

「そう、ね。……いっそ、ルナ・ジオン軍からヅダでも借りてきたら駄目かな?」

「俺もそれを考えたけど、ヅダは月の主力量産機だ。そのデータとかを取られるようなことになると考えると、ちょっとな」

 

 もっとも、ガンダムを始めとして連邦軍のMSのデータを色々と奪っているんだから、向こうも俺達にはそんな事を言われたくはないだろうが。

 ただ、実際にヅダをホワイトベースに乗せるとなると、ディアナからメンテナンス要員を連れてくる必要もある。

 ホワイトベースにいるメカニック達に、ヅダの整備をさせる訳にはいかない。

 また、同時にそれが出来るの余裕があるのかといった問題もある。

 ただでさえホワイトベースには6機のMSが存在し、数少ないメカニック達でそれを整備しているのだ。

 ……そもそもの話、メカニック達もサイド7で大勢死んだり行方不明になっており、ホワイトベースに乗り込んでいる数は規定よりも少ない。

 避難民の中でもある程度そういう知識を持っている者が何人かメカニックとして臨時に採用されていたようだが、その連中だってホワイトベースに残るかどうかは分からないし。

 つまり、ヅダを使うとなれば自然とディアナから人を連れてくる必要があるのだ。

 また、武器に関しても……口径が違ったりすれば、弾薬の問題も出て来るだろう。

 その辺りも考えると、ヅダを持ってくるというのは戦力としてなら歓迎出来るが、それ以外の面では歓迎出来なくなってしまう。

 となると、いっそプロトタイプガンダムをこっちに持ってくるか?

 あれなら元々が連邦軍のMSなんだし、ホワイトベースで運用するのに問題はないだろう。

 ただし、もしホワイトベースにプロトタイプガンダムを持ってきた場合、間違いなくブライトが所有権を主張するだろう。

 そうなっては、それこそ面倒か。

 また、ディアナの方でもフィールドモーターを含めて連邦軍の技術を少しでも得られるようにと頑張っているんだから、そんな中でプロトタイプガンダムを持っていく何て真似は……うん、鬼畜とか呼ばれそうだな。

 ディアナの連中も頑張っているんだし、それを考えればそんな真似はちょっと出来ないか。

 

「そうなると、やっぱりガンタンクで頑張るしかない訳ね。せめて、1人で操縦出来ればいいんだけど。どうしても、普通の人が相手だと、タイミングを合わせるが難しくて」

「だろうな。けど、その辺はお前に頑張って貰うしかない。……いっそ、お前が俺のガンキャノンに乗るか?」

 

 そう言うが、ガンキャノンもトールギスⅢと比べると、どうしても反応速度とかそういうのが落ちる。

 であれば、ガンタンク程ではないにしろ、不満は抱く筈だ。

 その上、もしそうなった場合は綾子がシャアと戦わなければ……いや、いっそアムロやカイと協力させてシャアと戦わせるとか?

 一瞬そう考えるも、実際にそんな事をブライトに言えば反対される可能性が高い。

 1人でシャアと互角に戦えるだけの能力を持つ俺だけに、ブライトにしてみれば……ああ、でも俺がシャドウミラーの代表だというのが判明した以上、寧ろブライトとしては俺に戦場に出て欲しくないのかもしれないな。

 

「言っておいて悪いけど、多分無理だろうな」

「そうだろうね」

 

 俺の言葉に、綾子もあっさりとそう告げてくる。

 綾子も、俺が最終的にそう言うという事は理解していたのだろう。

 

「そうなると、どうにかガンタンクをもっと乗りこなせるようになる必要があるけど……どうしたもんかね?」

「いっそ、リュウやジョブと一緒に乗るってのもいいかもしれないな」

 

 例えシミュレータでも、MSの操縦に慣れている2人と一緒に行動するのであれば、ガンタンクに乗っていても今のように苦戦する事はないだろう。

 もっとも、そうなれば当然のように他のガンタンクの動きがかなり悪くなってしまうので、その辺をどうするのかという問題もあるが。

 ……いっそ、撃破される可能性が高いのなら、出撃させないで待機させておく、という手もない事はないが。

 そして出撃したガンタンクが何らかの理由……故障、もしくは敵の攻撃によって小破なり中破なりしたら、ホワイトベースに戻って乗り換えて、再度出撃する。

 そして壊れた、もしくは動かなくなったガンタンクは、ホワイトベースの甲板上で固定砲台として使う。

 そう悪い案でもないと判断してリュウに尋ねるが……

 

「あー、うん。悪くはない。悪くはないが……折角の火力を使わないで、ホワイトベースの格納庫に置いておくってのは……ちょっとな」

「けど、リュウ、ジョブ、綾子。それともう1人は……まぁ、素人を使わないといけないが、それでも今の状況を考えれば、それがベストの選択だと思うぞ。下手に素人を出して誤射なんて、洒落にならないし」

 

 俺が思い出したのは、ルナツーでの戦いだ。

 どのような理由かは分からないが、こっちが配置につく前にガンタンク隊が攻撃をしたのだ。

 それによって、当初とは全く違う展開になってしまった訳で……それを思えば、俺の心配も理解して貰えると思う。

 あの戦いが初陣だったと考えれば、まだ幾らか同情心はあるのだが。

 一応あの戦いの後で月に逃げ込む前にも実戦を経験している以上、誤射、もしくはフレンドリーファイアの類はもうないと思いたいところではある。

 一発だけなら誤射ではないのかもしれないが、それでも個人的には勘弁して貰いたい。

 

「取りあえず、その辺を決めるのはブライト達だ。しっかり相談して、どうするかを決めてくれ」

 

 正確にはホワイトベースの最高責任者はリードなのだが、生憎とあの様子を見てしまえば、とてもではないがホワイトベースの命運を託すといった真似は出来ない。

 リュウもブリッジの現状を理解している身として、俺の言いたい事を理解したのだろう。

 何とも言えないような表情を浮かべつつも、俺の言葉に頷く。

 

「分かった」

 

 実際には、リードの中にはシャドウミラーに対する強い恐れがある。

 連邦軍が……いや、その中でもタカ派の連中が自信満々だったルナツーを、ルナ・ジオン軍によって占拠されたというのが、その理由だろう。

 そして俺はルナ・ジオンの後ろ盾となっているシャドウミラーの国主なのだから、リードが俺を怖がるというのも、分からない訳ではない。

 それでも立場を利用してリードにその手の事を言わないのは、後々の連邦軍との関係を考えての事だ。

 シーマ曰く、リードは世渡り上手ではあるらしいので、それを考えればいずれリードがルナ・ジオンと親しいゴップやレビルといった面々の派閥に入るという可能性もある。

 というか、ホワイトベースが向かうのがジャブローである以上、その可能性は非常に高いと言ってもいい。

 ジャブローにも当然のようにタカ派の類はいるのだろうが、それでもルナツーと違って、その影響力は低い筈だ。

 ただ、心配なのは、タカ派ってのはどうしても声が大きいから、それを真に受ける者が多くなってくるんだよな。

 その辺は、後でどうにかすればいいか。

 そう判断し、取りあえずリードに関してはその辺に置いておくとする。

 

「さて、じゃあ……後は任せてもいいか? 俺もずっとここにいる訳にもいかないだろうし。……シミュレータの数も決まってるしな」

「うん? アクセルはもう帰るのか? 私はどうすればいい?」

 

 リュウと話していた俺の声が聞こえたのか、綾子がそんな風に尋ねてくる。

 少しだけ不満そうなのは、やっぱりガンタンクがあまり好みではないからか。

 

「元々今日は顔見せのつもりだったから、好きにしてもいいぞ。それと一緒にホワイトベースの中を見て回ってもいいし、もう少しここでガンタンクの操縦に慣れてもいいし」

 

 どうする? と視線を向けると、綾子は非常に悩ましげな表情を浮かべた後で、口を開く。

 

「アクセルと艦内デートってのは、ちょっと……いや、かなり心惹かれるものがあるけど、今はガンタンクだっけ? それの操縦にしっかりと慣れておきたいから、ここに残るよ」

 

 そう綾子が告げた瞬間、カイを含めてこの場にいる男達の多くが俺に向けて嫉妬の視線を向けてくる。

 いや、その理由は分かるけどな。

 綾子は極めつけの美女だし、さっぱりとした性格で人当たりも良い。

 そんな綾子が、俺と艦内デートをしたいと、乙女そのものの様子で言ったのだから、俺と綾子がどんな関係なのかというのは、それこそ考えるまでもなく明らかだろう。

 そして、こっちは完全に勘違いなのだが、ここにいる者達の多くは俺とメリルがいわゆる男女の関係だと思っている者も多い。

 実際には全くそういう事ないのだが、月に到着するまでのメリルの態度を見ていれば、そんな風に思ってもおかしくはない。

 それだけに、正真正銘男女の関係にある綾子の様子を見て、俺に嫉妬の視線を向けてくるのは……うん、理解出来た。

 だからといって何かするようなつもりもないので、問題はないが。

 あるいは、避難民とかがいれば精神的に消耗した結果、綾子を襲う……なんて真似をする奴もいたかもしれないが。

 もっともそのような奴がいたとしても、間違いなく綾子に返り討ちにあうだろうが。

 半サーヴァントとして、身体能力は普通の人間とは比べものにならないくらいの強さを持ち、それだけではなく凛と一緒にFate世界では幾度となく実戦を経験し、更には俺と合流してホワイトスターに来てからはエヴァに訓練を受けている。

 そんな綾子に、ろくに鍛えていないだろう避難民が数に任せて襲い掛かったとしても、それは全く意味を持たない。

 

「綾子なら大丈夫だと思うけど、色々と気をつけろよ」

「うん? それはどういう意味だ? ……アクセルがそう言うのなら、気をつけるけど」

 

 不思議そうに首を傾げる綾子だったが、取りあえず分かったといった様子で頷く。

 本人はあまり意味を分かっていないようだが、カイを始めとした何人かはしっかりと俺の言いたいことが分かったのか、素直に頷いていたが……うん、まぁ、その辺は気にしないでおくとしよう。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:240
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1436

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