転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2334話

 ホワイトベースがミデアと合流し、修理やら補給やらを終わってから数日……現在、ホワイトベースはマチルダが持ってきた手紙に書かれていたように、太平洋を経由してユーラシア大陸に向かうべく西に進んでいた。

 とはいえ、西に進むというのも簡単な事ではない。

 何故なら、現在のホワイトベースは動く事こそ可能ではあるが、それでも決して最善の状態ではないのだから。

 だからこそ、ジオン軍と遭遇しないよう、かなり慎重に北米大陸を西に向かって進んでいた。

 そして、幸いにも今のところはジオン軍に見つかってはおらず……

 

「海が見えたってよ!」

 

 食堂で紅茶とサンドイッチを楽しみながら、綾子との一時を楽しんでいると、不意にそんな声が食堂の中に響く。

 ホワイトベースに乗っている者の中には、宇宙育ちもいれば、地球育ちもいる。

 

「海だってさ」

「あのまま西に移動してきたんだから……大体サンディエゴ辺りか?」

 

 頭の中で世界地図を思い浮かべつつ、大体その辺りだろうと見当を付ける。

 実際には多少違うかもしれないが、大まかには合っている筈だ。

 

『ホワイトベースはこれより着地します。今日1日はこの場で休憩という事になりますので、皆さんこれからの戦いに備えてゆっくりと羽根を伸ばしてください』

 

 食堂に、そんな通信が入る。

 ミライか? と思ったが、すぐにその声がフラウの声である事に気が付く。

 この前まではこの手の通信はミライがやってたんだけど、フラウも通信を担当するのか。

 ホワイトベースの人数は決して満足にいる訳ではない以上、当然の話の流れかもしれないが。

 ともあれ、現在はまだ午前中……それこそまだ9時にもなっていない時間帯だと考えると、半日じゃなくて丸1日の休暇といった感じになりそうだな。

 

「海、ね。……こういう事なら、水着を持ってくるんだったな」

「持ってきてないのか?」

 

 残念そうな綾子の様子に、そう尋ねる。

 ハワイに行く事になっていたんだから、水着くらいは用意していてもおかしくはないと思ったんだが。

 

「ああ。どうせなら、ハワイで売ってる水着を買おうと思って。……アクセルもそっちの方が嬉しいんじゃないか?」

「それは否定しない」

 

 とはいえ、綾子が水着を着れば、その破壊力は絶大なものとなるのは間違いない。

 そこにミナトも加わったりしたら……うん。取りあえず血迷うような馬鹿がいない事を祈るだけだ。

 もしそういう馬鹿がいても、ミナトも綾子も生身でも十分強い。

 ……特に綾子の場合は半サーヴァントだけに、軍人を100人以上揃えても勝つのは、難しいだろう。

 ミナトの方は、綾子程ではなくても数人を相手にした場合は容易に勝つ事が出来る。

 

「そうなると、海水浴じゃなくて日光浴を楽しむといった感じかな」

 

 少しだけ残念そうに言う綾子。

 本人は元々スポーツ万能だっただけに、泳いでみたいという思いもあったのだろう。

 その気になれば、水の上に足が沈む前に……ってのを実行して、水の上を走ったりといった事も出来るのだが。

 そんな風に時間を潰し……やがて、ホワイトベース隊の面々にとっては久しぶりの休日が幕を開ける事になる。

 一応ミデア隊が来ていた時も戦闘とかそういうのはなかったが、ホワイトベースの修理とかそういうので、とてもではないが休日といった感じではなかったし。

 

 

 

 

 

「うーん……まさに、リゾートに最適って感じだな」

 

 ホワイトベースからそんなに離れていない場所の砂浜で、周囲を見ながら呟く。

 空には雲も殆どない青空で。コバルトブルーの海がどこまでも広がっていた。

 白い砂浜にも、俺達以外の者は誰もいない。

 ……いやまぁ、現在ジオン公国が独立戦争を起こしており、ここは北米の中ではかろうじて連邦軍の勢力圏内とはいえ、いつジオン軍が攻撃してくるのかも分からない。

 そんな状況で暢気に海水浴をしようなんて考える者は……絶対にいないとは断言出来ないが、それでも少数派なのは間違いないだろう。

 

「あははは、ほら、カツ、キッカ、こっちまで来いよ!」

 

 レツが海の中を走り回りながら、2人の名前を呼ぶ。

 ちなみに、当然ながら子供達の水着もある筈がなく、その辺はパンツ1枚で適当にといった感じだ。

 3人が子供だからこそ、出来た事だろうな。

 ちなみに、そんな3人の面倒を見ているフラウは……うん、下着の上にキャミソールだったか? それを着ている。

 フラウも年齢相応に身体が育っている為、海の水でキャミソールが濡れて下着やボディラインが見て分かるという今の状況は扇情的と言ってもいいんだが、本人は全く気にした様子がない。

 アムロの事しか考えてないので他の者の目はどうでもいいのか、それとも単純に子供達の面倒を見るのが精一杯で、今の自分の状況には気が付いていないのか。

 その辺は分からなかったが、取りあえずこのままフラウを見ているのは危ないだろうという事で、ビーチパラソル代わりに周囲に落ちていた棒とホワイトベースから持ってきた布を使って出来た日陰に入り込む。

 

「ねぇ、アクセル。何か冷たいのをちょうだい」

 

 ミライと一緒に寝転がっていたミナトに言われ、空間倉庫の中から何本かの冷たいジュースを取り出し、渡す。

 

「ありがと。ほら、ミライも飲みましょ」

「え? うん。でも今……」

 

 ミライが空間倉庫の存在に何かを言いたそうしていたが、ミナトはそんなミライの様子に気が付かず……もしくは気が付いても意図的に無視して、俺が渡したジュースをミライに渡す。

 

「ブライトとかも、来ればよかったのにな」

 

 こうして久しぶりの休暇を楽しんでいる俺達だったが、まさかホワイトベースに誰も残さない訳にもいかない。

 そんな訳で、生真面目なブライトは自分がブリッジに残る事にしたのだろう。

 勿論時間制で交代するので、ホワイトベースで待機している者達もそれなりにいる。

 ブライトにしてみれば、マチルダに言われた事を覚えていたからこその行動か。

 とはいえ、本来なら生真面目な性格をしているだけに、ストレスを溜め込みやすいブライトも気分転換をした方がいいと思うんだが。

 ブライトの性格を考えると、ストレスで胃が痛くなったりしそうなんだよな。

 いっそ、空間倉庫の中にあるシャドウミラーの技術班が作った胃薬を渡すか?

 ちなみに綾子は、ミナトとのくじ引きで負けて、俺達がホワイトベースに戻った後で交代で休む方に入っていた。

 

「まぁ、誰か残らないといけなかったしね。一応誘ったんだけど、顔を真っ赤にして断られたわ」

「それって……」

 

 ミナトの性格を考えると、ブライトをからかったんだろう。

 それこそ、過激な水着が云々とか、そういう事を言って。

 だとすれば、生真面目なブライトだけに顔を真っ赤に染めてもおかしくはない。

 うーん、軍人として、ホワイトベースの艦長としてのブライトを考えると生真面目な性格はプラスなんだが、それ以外となると、その性格が弱点になるような事も珍しくない。

 生真面目なだけじゃなくて、力を抜けるところでは抜くように出来ればいいんだけどな。

 その辺は、年齢を重ねないと難しいか。

 いや、ブライトの場合は年齢を重ねても生真面目さが抜けない気がする。

 

「ふふっ、どうかしらね」

 

 俺の言葉に、ミナトが笑みを浮かべてそう告げる。

 

「どうかしらって、あのなぁ……あまりブライトをからかうなよ?」

「あら、でもあのブライトよ? 誰かが少しくらい気分転換させてあげないと、色々と不味いんじゃない?」

「それは否定しないが……」

「ミナトの場合は、少しからかいすぎなのよ」

 

 俺とミナトの会話を聞いていたミライが、呆れたようにそう告げる。

 ミライにここまで言わせるという事は、恐らく俺が思っているよりもブライトはミナトにからかわれているのだろう。

 女慣れしていないブライトにとっては、色気たっぷりのミナトのからかいに抗うのは難しい。

 とはいえ、その事によってブライトの気分転換が出来ているのであれば、文句はないが。

 そんな風に話していると、不意にカイがこちらに近づいてきた。

 

「なぁ、アムロを見なかったか? どうせなら、一緒に泳ごうと思ったんだけどよ」

 

 カイの言葉に、そう言えばアムロの姿がないことに気が付く。

 もしかして、今この時も部屋の中で何かやってるのか?

 そう言えば、ハロの調子がどうこうってのをレツ達が言っていたような……だとすると、その修理とか?

 だが、そんな俺の予想は、ミライの口にした言葉によって否定される。

 

「アムロなら、家に帰ったわよ」

「……家に?」

 

 予想外といった様子で、ミライに言葉を返すカイ。

 

「ええ。何でも、ここから北に100kmくらい行った場所のロサリトとかいう街があって、アムロは地球にいた時はそこで暮らしていたみたいよ」

「なんだ、あいつエリートだったのか」

 

 ミライの言葉を聞いたカイが、面白くないといったように呟く。

 そんなカイにミライが色々と言ってるが、このUC世界に来て歴史を学んだ身としてみれば、カイの言葉は決して大袈裟でも出鱈目でもない。

 この世界における人間の9割が既に宇宙に上がっている以上、地球に住んでいたという時点でエリート扱いされてもおかしくはないのだから。

 それに、実際アムロの父親のテム・レイは連邦軍のV作戦に参加するだけの能力やコネを持っていたのだから、エリートと評されても不思議はない。

 

「あーあ。じゃあ俺もたまの休みを楽しむとするかね」

 

 そう言い、立ち去るカイ。

 うーん、最近ではアムロとカイの仲もそれなりに良好になってきていただけに、今回の一件でまた妙な事にならないといいんだが。

 そう思っていると、不意にミナトが口を開く。

 

「それにしても、大丈夫なのかしら。ロサリトの辺りは連邦軍の勢力圏内にあるみたいだけど、戦線はかなり入り組んでるんでしょう?」

 

 そうミナトが言ったのは、ホワイトベースの操舵士としてこの近辺を移動する時の為に前もってその辺の情報を仕入れておいたからだろう。

 外見からではいかにも軽そうな、遊んでいる女に見えるミナトだが、自分の職務に関してはしっかりとこなす。

 その為に、今のような台詞も出て来たといったところか。

 にしても、アムロの家ね。

 アムロの父さんは俺も少しだけど見た事があるし、メリルから情報を聞いてもいる。

 だが、アムロの母親については何も情報がなかった。

 メリルもその辺を知らなかったとなると、サイド7にはいなかったんだろうし。

 そうなると、離婚したのか、それとももう死んでいるのか。

 いや、家に向かったんだとすれば、そこに住んでいるのかもしれないな。

 そう考えれば、アムロが母親に会いたくなる気持ちも分からないではない。

 特に、サイド7の一件で父親が行方不明である以上、その件も伝える必要があるだろうし。

 

「まぁ、アムロなら何とかなるだろ。……生身での戦闘という意味では、いまいち信用出来ないけど」

「あのねぇ、それで安心しろって方が無理でしょ」

 

 アムロはニュータイプだけあって、MSの戦闘ではかなりの能力を発揮する。

 それこそ、機体性能に助けられたとはいえ、ジオン軍のトップエースたる赤い彗星のシャアと互角に戦えていたのだから。

 だが、生身での戦いとなれば、ニュータイプ能力も殆ど役に立たない。

 いや、全くの役立たずって訳じゃないんだろうが、MSでの戦闘のように効果的には働かない……という表現の方が正しいのか。

 それでも、この世界の主人公なだけに多分大丈夫だとは思うのだ。

 ……まぁ、主人公だからこそトラブルに巻き込まれるという可能性もあるけど。

 

「うーん、いっそブライトにその辺を言っておいた方がいいんじゃないか? というか、よくブライトがアムロの単独行動を許したよな」

 

 ミナトの件で散々考えたように、ブライトは生真面目な性格をしている。

 おまけに士官学校を卒業すらしていないまま中尉になってしまったり、その艦がホワイトベースという連邦軍にとっての軍事機密。

 それだけに、かなり思い詰めるようなところがあったし、だからこそいざという時の事を考えるとアムロというホワイトベースのエースを単独行動させるような事を許可したというのは、意外だった。

 

「ああ、それならマチルダが色々と言ったみたいよ?」

 

 そう、ミナトが告げる。

 ミナトとマチルダの性格は正反対だと言ってもいいが、年齢も近いせいかミデア隊がホワイトベースの修理やら何やらをしていた数日で、随分と仲良くなったらしい。

 マチルダの方も、ミナトとは気安く話しているのを何度か見た事がある。

 

「色々?」

「ええ。アムロは性格的にはどちらかと言えば内気な方でしょ? ナイーブで傷つきやすいから、その辺のフォローもしっかりしないと駄目とか。そんな感じで」

「あー……なるほど」

 

 マチルダの言ってる事は、間違いではない。

 アムロの性格を考えると、適度に息抜きなりなんなりをさせたりしないと、色々と不味い事になるのは確実だった。

 そういう意味では、ブライトがアムロの里帰りに許可をしたのも、納得出来ないではない。

 

「なら……」

 

 そう言おうとしたその時、ホワイトベースとの連絡用に持ってきた通信機が着信を知らせるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:425
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1469

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