転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2377話

 ゲリラの協力を取り付け、ホワイトベースに戻った俺を待っていたのは、2日後にとある作戦に参加する事になったというブライトの報告だった。

 どうやら、イーサンがレビルに頭を下げた結果がそれらしい。

 模擬戦で力を見せつけた結果、そういう事になったのだろう。

 

「それで、作戦ってのは一体どんなのだ?」

「指定された場所にある、ジオン軍の基地を叩く事だ」

「は? ジオン軍の基地を見つけたのか?」

 

 そう尋ねるも、ブライトは首を横に振る。

 

「アクセルが思っているような基地……東南アジア戦線にあるジオン軍の重要な基地という訳ではない。基地は基地でも前線基地の1つだ。もっとも、そこに前線基地があるという事で、連邦軍にとって面白くないと判断されているのは間違いないが」

「ああ、基地ってそういう」

 

 別に、ジオン軍の基地がこの周辺に1つしかない訳ではない。

 実際、連邦軍だって俺達がいる基地以外にも、前線基地のような基地を幾つかこの周辺には持っているのだから。

 ともあれ、2日後に俺達が襲う基地は、その手の前線基地らしい。

 

「そうだ。ちなみに俺達がやるのはその基地を守っている戦力……MSやそれ以外の兵器を破壊するだけで、占領とか捜索とかそういうのは、この基地から人員を派遣するらしい」

「だろうな」

 

 イーサンとしては、敵軍の重要な情報を入手できるだろうチャンスを俺達に渡すつもりはないのかもしれないが、こちらとしてもMS戦力は整っているが、そういう意味での人員は少ない。

 元々ホワイトベースはMS運用艦として設計されており、乗っている人員もそれに合わせたものである以上、その辺は当然だろう。

 乗っている多くが軍人である以上、素人よりはマシだろうが、それでも専門に訓練された兵士には劣る。

 ましてや、ホワイトベースの人員は結構ギリギリの人数だ。

 そのような事に割ける人手はない。

 結果として、ホワイトベースとイーサン、双方がWin-Winとなったのだろう。

 

「それで、明日はアクセルにもモルモット隊とどのように連携を取るのかの確認をして欲しい。……もっとも、ピクシーは性能が高すぎるので、単独で遊撃か、もしくはアムロのガンダムと一緒に行動といった事になると思うが」

 

 モルモット隊が合流前なら、アムロのガンダムはカイのガンキャノンと一緒に行動させるという必要があった。

 だが、陸戦型ジム3機を有するモルモット隊が合流した以上、取れる手はそれなりに多くなっている。

 まぁ、UC世界においてはMSの小隊単位は3機が基本となっている。

 黒い三連星を見れば、それがはっきりしているだろう。

 だからこそ、MSの運用ではジオン軍に後れを取っている連邦軍もそれに習って3機1小隊となっていた。

 そういう意味では、ガンキャノンを入れると4機になって少し運用しにくくなるかもしれないが、俺達とモルモット隊の連携を考えるという点からすると、これはありだろう。

 

「分かった。それで、その基地の攻略は俺達だけでやるのか?」

「いや、08MS小隊と一緒だ」

 

 08MS小隊というのは、シローの率いる小隊だ。

 恐らく、俺達と友好的だからこそ選ばれたのだろう。

 この辺は、イーサンに思うところがあるのは間違いない。

 ……そもそも、今回の作戦はあくまでも俺達が戦力として有効なのかどうかを確認する意味が込められている筈だ。

 シミュレータを使った模擬戦と実戦はまた違うと、そう思っているのは間違いない。

 まぁ、俺達は今まで激戦を潜り抜けてきた。

 モルモット隊もジオン軍との戦いの経験はある筈だ。

 そういう意味では、ある程度実力が保証されていると思うのだが……

 

「そうか。あの連中ならやりやすいだろ」

「そうだと、こちらとしても楽なんだがな。……ともあれ、現在MSパイロットは格納庫にいるから、そっちに顔を出してくれ」

 

 そんなブライトの言葉に頷き、ゲリラ達について軽く報告した後でブリッジから出る。

 ブライトがどこか疲れた様子を見せていたのは、多分……いや、間違いなくイーサンを始めとして、この基地の軍人達との交渉が原因だろう。

 現在は中尉のブライトだが、実際には士官候補生から臨時で任官したという形だ。

 それだけに、大佐のイーサンを始めとして、階級が上の軍人達との交渉は、色々と大変だったといったところか。

 とはいえ、ブライトはレビルの直轄だという奥の手がある。

 イーサンを始めとしたこの基地の者達が何を言っても、レビルの許可がなければ出来ないといったように、レビルを盾にする事も不可能ではない。

 まぁ、あまりそれを使うと、後々面倒な事になりそうな気はするけど。

 そんな風に考えながら通路を進み、やがて格納庫に到着する。

 既にホワイトベースの格納庫には、モルモット隊のMS……陸戦型ジムも含めてしっかりと鎮座していた。

 そして格納庫の端の方では、色々と動き回っているメカニック達の邪魔にならないように、パイロット達が集まって何やら話をしている。

 さっきブライトから聞いたように、2日後のジオン軍の前線基地を叩く作戦についての話し合いだろう。

 

「お、アクセル。もう戻ってきたのか?」

 

 俺の姿に気が付いたフィリップが、そう声を掛けてくる。

 模擬戦での一件については、特に思うところはないらしい。

 この辺りは、フィリップの美点だよな。……女を見れば口説いたりするが。

 ちょっと前には、ミライを口説こうとしていたらしいし。

 その時は、ちょうどブライトがミライに用事があって、結局口説く事は出来なかったらしいが。

 ちなみに、俺が予想した通りミナトを見た時も口説こうとしたらしいが、売約済みだと言われてあっさりフラれたという話を聞いている。

 

「ああ、ゲリラの方も一段落付いたからな」

 

 正確には、一段落付いたとは言えない。

 結局のところ、ゲリラを全体的に連邦軍側に引き寄せるといった真似は出来なかったのだから。

 バレスト率いるゲリラと、バレストと友好的な関係にあるゲリラに期待は出来るが、結局はその程度でしかない。

 出来れば、もっと大勢……ゲリラ全てをこちらに引き込みたかった、というのが正直なところなのだが。

 ……まぁ、今更その辺を言ってもしょうがない。

 取りあえずある程度ではあっても友好的な存在となったというだけで、よしとしておいた方がいいだろう。

 

「ふーん。……まぁ、ゲリラってのは地元で活動しているだけあって、結構情報を持ってるからな。味方にしておくに越した事はないだろ」

 

 そうフィリップが言うと、アムロやカイ、ハヤト……そして何故かサマナまでもが、ふーん……といった表情を浮かべていた。

 アムロ達はともかく、サマナは一応正式な軍人だろうに。

 それでいいのか?

 

「そんな感じだな。で、前線基地の攻略についてはどうなっている?」

「厄介なのは、トーチカだな。砲撃専用のザクも用意されている」

 

 嫌そうに……それこそ心の底から嫌そうに言うリュウ。

 まぁ、その手の砲撃陣地とでも呼ぶべき存在は敵対する方にしてみれば厄介極まりないしろものだしな。

 

「ホワイトベースのメガ粒子砲とか主砲とかを使うのは?」

 

 何も馬鹿正直にMSで攻略する必要はない。

 楽が出来る手段があるのなら、それを使えばいいのでは? と、そう言ったのだが……

 

「ブライトから聞いた話じゃ、上からは出来ればMSだけで攻略して欲しいと要望があったらしい」

「あー……なるほど」

 

 今回の一件は、俺達の実力を確認するという意味を持つ、一種の試験だ。

 そうである以上、敵の射程外からホワイトベースでズドンというのは、イーサン的に好ましくないのか。

 ……もしくは、少しでもこちらにケチをつける為に、そうしたのかもしれないが。

 レビルに対して俺達が思っていたよりも役に立たなかったと、そう告げたくなってもおかしくはない。

 レビル本人がイーサンにライバル意識を持たれていると、理解しているのかどうかは分からなかったが。

 

「そうなると、ガンタンク隊の働きが重要になるな」

 

 俺の言葉に綾子、リュウ、ジョン、ハヤトを始めとしたガンタンク隊の面々が頷く。

 ガンタンクは、言ってみれば戦車的な扱いをするMSだ。

 それだけに、普通のMSとの近接戦闘は非常に苦手だが、後方から援護射撃をするという一点においては非常に優秀だ。

 ただ問題なのは、やはりまだモルモット隊との意思疎通が完璧ではないという事か。

 ホワイトベースのMS隊なら、これまで何度も戦場を共にしてきたので、阿吽の呼吸……とまではいかなくても、大体の行動の予想は出来る。

 だが、モルモット隊とは合流したばかりである以上、どうしてもその辺がまだ完璧ではない。

 下手をすれば、ガンタンク隊が援護射撃を行った場所にモルモット隊がいて、味方の攻撃で撃破されるという可能性すらあった。

 ……1発だけなら誤射かもしれないなんてのは、この際は全く話にならない。

 何しろ、ガンタンクの低反動キャノンはそれだけ強力なのだ。

 それこそ、1発だけで撃破されてもおかしくはないくらいには。

 そうである以上、モルモット隊とガンタンク隊の面々はしっかりとお互いの実力や連携といったものを把握しておく必要がある。

 

「だから、こうしてブリーフィングをしてる」

 

 ユウが俺の言葉にそう返す。

 寡黙な性格をしているユウだが、だからこそと言うべきか、その言葉には強い説得力がある。

 結局その後は俺もそのブリーフィングに巻き込まれる事になり、その日はそれなりに遅くまで格納庫にいる事になるのだった。

 

 

 

 

 

 ブリーフィングをしてから、2日後。

 ホワイトベースはモルモット隊と08MS小隊を含めて目的の場所に向かっていた。

 

「いやぁ、それにしてもこのホワイトベースって凄いな。なぁ、ミケルもそう思わないか?」

「ちょっ、エレドアさん! 何でそんなに気軽なんですかぁっ!」

 

 08MS小隊の2人が騒いでいるのを見ると、何だかなぁ……という思いがない訳でもない。

 まぁ、今回の戦いはあくまでも俺達が主役で、08MS小隊は見届け人という役割となっている。

 勿論、いざという時の為にMSとかは持ってきているが、それでも前線に出るのはホワイトベース隊とモルモット隊だ。

 そう考えれば、08MS小隊の連中が気軽なのも分からないではない。

 

「すまない、アクセル。うちの隊員が……」

 

 シローが申し訳なさそうに謝ってくる。

 まぁ、俺はともかく、ホワイトベースが向こうに到着したら実際に戦いに出るので緊張している者達にしてみれば、気楽に騒がれるというのは面白い話ではないのは分かっている。

 

「今は、その辺を気にしなくてもいいだろ。それに、実際に戦いになればその辺を気にしている暇はなくなるんだし」

 

 実際、モルモット隊はともかくとして、ホワイトベースのMS隊は結構な戦いを潜り抜けてきている。

 それでもこうして緊張しているのが多いのは、これが初めての基地攻略戦となるからだろう。

 今までは、言ってみれば基地という要素がない状況での戦いだった。

 ……無理矢理、本当に無理矢理考えた場合は、ルナツーでの戦いか?

 一応、ルナツーは連邦軍の……いや、あの戦いがあった当初はルナ・ジオン軍の基地だったんだし。

 ともあれ、そんな訳でホワイトベース隊としては基地の攻略戦をやった事がない。

 つまり、今回の一件が初めての戦いとなるのだから、緊張してもおかしくはなかった。

 ああ、そういう意味では今回の一件はそう悪い話でもないのか。

 ゴップからの依頼が具体的にどんなものなのかはまだ分かっていないが、恐らくジオン軍の重要拠点の攻略に俺達を使おうと思っているのは間違いない。

 そして重要な拠点であれば、当然のように基地化されている筈だ。

 そういう意味でも、今回の前線基地の攻略はいい経験になるだろう。

 

「今回の作戦は、そこまで難しいものじゃない。俺達の実力があれば、問題なく前線基地を攻略出来る筈だ。それに、うちにはアクセルとアムロがいるし、モルモット隊のユウというエースパイロットもいる。そこまで心配する必要はないって」

 

 そう告げるリュウの言葉に、緊張している面々は少しだけ笑みを浮かべ……だが、そんなリュウに、フィリップが口を開く。

 

「ちょっと待った。リュウ、何でそこで名前が出るのはその3人なんだ? 俺の名前も入れるべきじゃないか?」

 

 あー……まぁ、うん。

 フィリップは実際に腕も悪くない……いや、寧ろ操縦技術は結構なレベルなんだが、こういう性格がな。

 この辺は付き合っていけば、次第に慣れるだろうが。

 もっとも、モルモット隊がいつまで俺達と一緒に行動するのかは、分からない。

 それこそ、場合によってはゴップからの依頼を受けて作戦が終わった後、その場で解散という事にもなりかねないのだから。

 そんな風に考えていると、不意にホワイトベースの艦内に警報が響く。

 

『MS隊、発進準備をして下さい。繰り返します、MS隊は発進準備をして下さい』

 

 ホワイトベースのブリッジにいる、モーリンの声が聞こえるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:425
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1469

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