転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2378話

 ホワイトベースから射出されたピクシーが、地面に着地する。

 これが宇宙ならそのまま敵の前線基地に向かっていけるんだが……地球では、自分でどうにかする必要がある。

 あるいは、シャドウミラーで開発してルナ・ジオン軍でも使われているダラニがあれば、機動力も高くなるんだが……その辺は、考えるまでもないか。

 ともあれ、ホワイトベースからは次々とMSが射出されてきた。

 今回の前線基地の攻略は、イーサンからの要望によってホワイトベースの戦力を使わず、あくまでもMSだけで攻略する必要がある。

 ……イーサンのレビルに対する意趣返しと言ってもいい今回の行動ではあったが、ホワイトベース隊の面々は基地の攻略というのはやったことがなかったので、そういう意味では今回の一件はそう悪い話でもなかった。

 

『敵トーチカからの砲撃を確認! 各機注意して下さい!』

 

 ホワイトベースのモーリンからの通信。

 同時に、その言葉通り敵の前線基地にあるトーチカからの攻撃が開始される。

 とはいえ、トーチカでの攻撃というのは、基本的には精度はそこまで高くはない。

 ましてや、こちらは戦車とかではなくMSだ。

 ……ガンキャノンはその重量から若干機動性が劣るが、代わりに装甲が厚いしな。

 幾らトーチカの射撃とはいえ、ルナ・チタニウム製の装甲を貫通出来るとは……多分、出来ないと思う。

 ともあれ、前線基地からは次々と戦力が出て来たのを確認出来る。

 MSの数も、ザクが中心だがグフが幾らか混ざっている。

 勿論MS以外にもドップや……何故かルッグンもいた。

 ドップはともかく、この状況でルッグンを出してきてどうするんだ?

 いやまぁ、それだけ前線基地に余裕がないという事なのかもしれないが。

 そんな風に思っていると、後方からガンタンク隊の援護射撃が飛んできて、敵の前線基地に連続して着弾する。

 MS数機にマゼラアタック、トーチカといった戦力が被害を受けていた。

 この様子を見る限りでは、現在はこちらの予定通りだな。

 俺のピクシーとアムロのガンダムはそれぞれ遊撃に移り、カイのガンキャノンと合流したモルモット隊が前線基地との距離を縮めていく。

 4機編成だからだろう。前線基地にあるトーチカの攻撃は、その4機に集中していた。

 大丈夫か? と思わないでもないが、映像モニタで確認する限りでは、深刻なダメージを受けた様子はない。

 陸戦型ジムはシールドを持っているし、ガンキャノンは装甲が厚い。

 また、馬鹿正直に敵の攻撃を受けるようなことはせず、細かく動き回って敵の照準を定められないようにもしていた。

 そして、ガンタンク隊からの援護砲撃がトーチカにも集中する。

 かなり遠距離からの攻撃なので、百発百中といった風には出来ない。

 だが、面制圧をするという点では十分な威力を持っていた。

 前線基地側でも一方的にやられている訳ではなく、反撃をしている。

 ドップのような空を飛んでいる戦闘機が、ガンタンク隊の方に向かうのだ。

 ……ただ、ガンタンクは低反動キャノンの他に、ボップミサイルという小型のミサイルを連射する武器が両手についている。

 そうして連射して放たれた多数のミサイルに、ドップは次々と撃破されて墜落していく。

 本来なら、こういう時はホワイトベースの攻撃によって一掃したりするのが最善なんだろうけど、今回はイーサンからの要望でMSだけでの戦闘となっている。

 制空権をジオン軍に握られたままでの戦いというのは、結構厳しい。

 不幸中の幸いなのは、前線基地だからか向こうにもドップの数はそれ程ないという事か。

 決定的に制空権を奪われるということがないまま、俺の操縦するピクシーは戦場を駆ける。

 スラスターを全開にしながら走るというのは、何気に一定の技量が必要だ。

 特にピクシーの場合はスラスター推力が高い以上、上手くバランスを取る必要があった。

 ……とはいえ、そうして高い機動力であるが故に、敵の攻撃が命中するといったことはなかったのだが。

 

「ちっ、あっちに集中していればいいものを!」

 

 90mmサブマシンガンを使い、3台のマゼラアタックを撃破する。

 撃破したマゼラアタックは気にせずにピクシーを進めていると……

 

「っと!」

 

 咄嗟にピクシーを跳躍させる。

 一瞬後、ピクシーのいた場所には弾丸が命中し、土煙を上げていた。

 モニタで確認すると、そこにはJ型のザクが3機、こちらにザクマシンガンを向けていた。

 基地に近づくような真似は、そう簡単にさせてはくれないらしい。

 この前線基地にいるジオン軍の兵士達が、ガンダムというMSについてどこまで知っているのかは分からない。だが、ピクシーというMSの性能はここまで移動してきたのを見れば、MSパイロットなら……いや、MSパイロットでなくても、容易に想像出来るだろう。

 であれば、ピクシーを見逃すという選択は、ある筈がなかった。

 こちらにザクマシンガンの銃口を向けた3機のJ型……その弾丸が発射される直前に、ピクシーのスラスターを全開にして一気に突っ込んでいく。

 90mmサブマシンガンを左手で連射し、弾幕を張る。

 J型の装甲で90mmサブマシンガンの弾丸を受ければどうなるのかは、俺にもちょっと分からない。

 だが、J型のパイロットが慌てた様子を見せたのを考えると、十分な威力があると判断したのだろう。

 ……実際にその威力があるのかどうかは、この際重要ではない。

 重要なのは、相手がどう思ったのかという事だ。

 そしてJ型のパイロットは俺の攻撃に慌てた様子を見せた。

 その隙を突き、俺は一気に間合いを詰めると、ビームダガーを振るう。

 J型の1機のコックピットをビームダガーで貫き、パイロットが死んだ機体を盾にして、残り2機のJ型の方に向かって突き出す。

 蹴り飛ばした方が向こうの受ける衝撃は大きかったのだろう。

 だが、今は少しでも……一瞬でも早く次の行動に移る必要があった為に、今回のような事になったのだ。

 当然のように、向こうは仲間の機体がいきなり突っ込んできた事に驚き、その動きを止める。

 既にパイロットは死んでいるのだが、咄嗟の事で次の行動に移せなかったのだろう。

 今回に限っては、それが向こうにとって致命傷となる。

 向こうが戸惑った瞬間を見逃さず、ピクシーで一気に前に出てビームダガーを振るう。

 コックピットを斬り裂き、その中にいたパイロットもビームによって消滅した。

 同時に、左手の90mmサブマシンガンの銃口を残る1機のJ型のコックピットに向けており……トリガーを引く。

 ゼロ距離射撃によって、90mmサブマシンガンの銃口から放たれた弾丸が次々とJ型のコックピットに命中していき……そのまま装甲を貫き、コックピットを破壊する。

 実際の戦闘時間にしてみれば、5秒程。

 その短時間で、J型が3機撃破され、地面に崩れ落ちていた。

 最後の1機以外は回収すれば色々と使い道が多いんだが、今はそんな事をしている余裕はないか。

 ザクは性能的にはグフやドムよりも下だが、普及台数という意味では圧倒的に上だ。

 そういう意味ではパーツ取り用の機体としても使えるし、最悪の場合はホワイトスターのキブツに突っ込んでもいい。

 ザクは結構な質量があるので、キブツに使う材料としては悪くない。

 ……もっとも、質量という意味なら、それこそスペースデブリとして宇宙を漂っている岩塊辺りを持ってくれば、そちらの方が圧倒的に効率的ではあるのだが。

 その辺は後で考えるとして、今は前線基地の攻略だ。

 見たところ、こちらに新たなMSが向かってくる様子はない。

 やはり4機編成のMSとして目立っているモルモット隊に、敵の注意が引き付けられているのだろう。

 ましてや、ここは基地は基地でも、前線基地でしかない。

 そうである以上、ある程度の戦力は揃っていても、結局のところ本当の意味での重要拠点に比べればどうしても戦力は劣る。

 寧ろMSが10機以上配備されていた事が、驚きだと言ってもいい。

 そのMSもモルモット隊の方に意識を集中しているし。

 そんな訳で、俺はピクシーを操縦しつつ前線基地を走る。

 ちょうどいい場所にトーチカがあるので、それを90mmサブマシンガンで破壊していく。

 トーチカを爆破する程の威力はないが、それでも砲身が曲がったりする程度のダメージを与えれば、それでトーチカは使い物にならなくなる。

 そんな状況で無理にトーチカを使おうとすれば、それこそトーチカそのものが爆発してもおかしくはない。

 ……もっとも、ジオン軍としては今の状況では多少無茶をしてでも……と、判断したのか、砲身が曲がっていてもトーチカを撃つような者もいるが。

 そのようなトーチカは、運がよければ砲弾を発射する事が出来るが、運が悪ければ文字通りの意味で自爆したりする。

 砲身が曲がっているのかどうかってのは、見ただけでは分からないようなのとかもあるしな。

 その辺を思えば、ジオン軍の軍人達も自分のやっているのが半ば自殺行為であるというのは、承知の上なのだろう。

 ともあれ、ピクシーの進撃を止められる者はなく……モルモット隊とカイのガンキャノンも纏まって動いているだけに、前線基地との間合いを次第に詰めつつあった。

 アムロの方も、俺から少し遅れて前線基地に到着して、トーチカとかのこちらに被害を与えそうな場所を破壊している。

 機体性能は、地球上でとなるとピクシーの方が上だ。

 だが、アムロのガンダムの場合はビームライフルを持ってるからな。

 ザクやグフ、ドムといったジオン軍のMSを相手にする場合、ビームライフルは最強の武器となる。

 だからこそ、アムロのガンダムはかなり早く基地に到着出来たのだろう。

 ……もっとも、モルモット隊に意識が集中しているというのも大きいだろうが。

 ドップやルッグンで制空権を握っていた戦力に関しても、今となってはガンタンク隊によってほぼ全機が撃墜されている。

 ガンタンク隊の援護射撃は、基地に向かって撃ち込まれてはいるが……正直なところ、俺達が基地にここまで近づいた以上、そろそろ止めて欲しいというのが正直なところだ。

 そう思った瞬間、まるでこちらの考えを理解したかのようにガンタンク隊の援護射撃が止まる。

 どのような理由かは分からなかったが、これで誤射の心配をしなくてもいいというのは、助かる。

 その後も何機かのMSやマゼラアタックが出て来たが、ピクシーにとっては大した敵ではなく、次々と撃破していく。

 マゼラアタックの砲塔部分を武器としているザクとかもいたが……あれ、ピクシーでも使えないものか。

 FCSの方を弄ればどうにかなりそうな気はする。

 そうなれば、ピクシーにも遠距離用の武装が出来るんだが。

 ……もっとも、当然ながらそんな長物を手にしていればピクシーの機動力が落ちる以上、実際に戦闘で使うとなると、遠距離から撃ち終わったらその場に放棄する必要が出て来るのだが。

 そんな風に思いつつ、俺は前線基地の中を進み……やがてそれから三十分も経たないうちに、前線基地の占拠を成し遂げるのだった。

 

 

 

 

 

『おーおー、頑張るねぇ。俺達の手柄をかすめ取るのに必死だこと』

 

 前線基地の占領後、イーサン直属の部隊だろう歩兵達が前線基地に向かって突入していくのを見て、フィリップが呆れたように言う。

 とはいえ、これは元々の取り決めである以上、それを否定するような真似は出来ないが。

 

「基地のコンピュータから情報を引き出したりといった事は、俺達には出来ないしな。……いや、出来ない訳じゃないけど、それなら本職に任せておいた方がいいだろ」

 

 ホワイトベースのブリッジには、ある程度コンピュータに詳しい者がいる。

 モーリンも、オペレータをやっているだけあって、それなりにコンピュータには詳しい。

 だが、それでも本職に勝てるかと言われれば、答えは否だ。

 ……まぁ、俺が持っているシャドウミラーの技術班謹製のハッキングツールを使えば、情報は丸裸に出来るのだが。

 もしくは、ルリやラピスに協力して貰えば、それこそものの数秒程度で情報を抜き出せるだろう。

 とはいえ、イーサンから協力要請がある訳でもないのだから、わざわざ俺がそんな事をする必要もないのだが。

 

『あの基地の連邦軍って……』

 

 サマナがそう言った瞬間だった。

 不意に、ホワイトベースからの緊急の連絡が入ってくる。

 

『気をつけて下さい! MSが1機、こちらに向かって来ます! 友軍信号が出ているので味方だとは思いますが……あ、いえ。前線基地の周囲に展開している連邦軍のMSに攻撃!? それに……速い! 来ます!』

 

 そうモーリンが言うと同時に、茂みを突っ切るようにして姿を現したのは……蒼く塗装されたMSだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:510
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1486

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