転生とらぶる   作:青竹(移住)

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平成最後の更新となります。


2388話

 こちらに向かって放たれる180mmキャノン砲。

 陸戦型ガンダムが持つ武器ではかなり威力の高い武器ではあるが……それでも敵の射撃精度はそこまでのものではなく、回避するのは難しい話ではない。

 ただ、問題なのは敵がいるのが密林の中にある岩山の上という事だろう。

 高い場所にいるからこそ、密林の中にいるピクシーを見つけるのは難しくはなく、更にはこちらを一方的に攻撃する事も出来る。

 ……とはいえ、高い敏捷性を持つピクシーを相手に、遠距離からの180mmキャノン砲をそう簡単に当てられる訳もないが。

 敵は陸戦型ガンダムが3機にホバートラックが1台。

 そうなると、あの岩山でこっちに向かってばかすか180mmキャノンを撃っている陸戦型ガンダムは半ば囮か?

 とはいえ、向こうから一方的に攻撃をされている今の状態は、面白くない。

 だからこそ、現在俺は180mmキャノンの攻撃を回避しつつ、敵が待つ岩山に向かっているのだが。

 恐らく……本当に恐らくの話だが、残りの敵は岩山の近くで俺が来るのを待ち受けているのだろう。

 岩山の上からこちらを狙っているという事は、当然のように俺がどこにいるのかという情報は広まっているだろうし。

 そんな訳で、岩山に近づけば間違いなく敵が待ち受けているのだろうが……それでも、こちらの射撃武器が90mmサブマシンガンしかない以上、敵のいる場所に向かうしかなかった。

 そして……予定通り岩山に近づいてきたところで、俺はピクシーのスラスターを一瞬だけ全開にして、強引に走っている方向を変える。

 瞬間、100mmマシンガンの弾丸が一瞬前までピクシーの走っていた場所を貫く。

 予想通りにいたな。

 着弾した場所から、射撃してきた場所は分かる。

 そちらにビームダガーを抜きながら進むと、100mmマシンガンを地面に放り投げ、ビームサーベルを構える陸戦型ガンダムの姿。

 予想外だったのは、そこにいる陸戦型ガンダムが1機だけだった事だろう。

 てっきり残りの2機は纏まっていると予想していたのだが、それは外れたらしい。

 安全策という意味では間違っていない。ただ……この場合は、戦力の分散という意味でも間違っていなかった。

 俺の前にいる陸戦型ガンダムが多少であっても俺と渡り合えるのなら、その隙にこちらを攻撃するといった真似も出来ただろう。

 だが、MSの性能でもパイロットの技量でも俺の方が上である以上、これは戦力分散の愚でしかない。……いや、MSの性能差はともかく、操縦技術という点では、まだ分からないか?

 その辺をはっきりとさせる為にも……

 

「まずは、お前から仕留めさせて貰う!」

 

 叫びつつ、ピクシーは両手にそれぞれビームダガーを持ちながら、陸戦型ガンダムとの間合いを詰める。

 岩山にいる陸戦型ガンダムが180mmキャノンを撃とうとしていたが、既に間合いが詰められたせいで同士討ちを危惧し、こちらに攻撃出来ない。

 残る心配はもう1機の陸戦型ガンダムだったが、幸いすぐには攻撃してくる様子はない。

 そんな訳で、今は目の前の敵に集中出来る。

 こちらに向かって胸部バルカンが放たれ、それを牽制としてビームサーベルが振るわれる。

 だが、ピクシーが普通の装甲ならまだしも、ルナ・チタニウム製だ。

 バルカン程度では、ダメージを与える事は出来ない。

 ……それでも、頭部に当たれば被害を受ける可能性もあるので、その辺は注意する必要があるが。

 ともあれ、ビームサーベルの一撃を回避しつつ、そのまま素早くビームダガーを振るう。

 ビームサーベルを持っていた右腕の肘から先が切断され、もう一方のビームダガーはコックピットを貫く事に成功する。

 これで1機撃破……あ。

 撃破したばかりの陸戦型ガンダムから少し離れた木の後ろに、ホバートラックの姿を確認する。

 自分達が見つかったと理解したのだろう。ホバートラックは、慌てて俺から離れようとするも……次の瞬間には、ピクシーの頭部バルカンが発射され、撃破していく。

 ルナ・チタニウム製の装甲に対してはダメージを与えることが出来ない頭部バルカンだが、ホバートラックを撃破するのは十分で、実際に次の瞬間にはそのホバートラックは爆破され、撃破される。

 これで、残りは2機。

 次の敵を求めて、俺は周囲を見回す……が、その場から跳躍して回避する。

 瞬間、ピクシーがいた場所の地面が派手に爆発した。

 何が起きたのかは、考えるまでもなく明らかだ。

 岩山にいる陸戦型ガンダムが、180mmキャノンを発射してきたのだろう。

 先程まで攻撃してこなかったのは、俺の近くに味方がいたから、誤射しない為……もしくは攻撃に巻き込まない為だったのだろう。

 だが、その味方を俺が倒してしまった以上、攻撃を躊躇する必要はない。

 向こうもそう考えて撃ってきたのだろうが、こちらとしても行動の切っ掛けを与えてくれたのはちょうどいい。

 岩山のすぐ下にいるピクシーを狙ったということは、かなり無理をしているか、もしくは岩山の中でも危険な場所に陣取っていると思われる。

 こちらに撃たれた180mmキャノンの方角を考えると、その位置を特定するのは難しい話ではない。

 そして位置を特定した以上、運動性の高いピクシーであればそこに向かうのは難しい話ではない。

 スラスターをジャンプの補助として使いながら、岩山を登っていく。

 ……不思議なことに、もう1機残っていた陸戦型ガンダムが下から攻撃してくるようなことはなかった。

 向こうにしてみれば、岩山を登っている今のピクシーは、それこそ狙うのにちょうどいいと思うんだが。

 そう思いながら岩山を登っていくと……

 

「ああ、なるほど」

 

 目の前に広がった光景に、何故地上の陸戦型ガンダムが攻撃してこなかったのかを理解する。

 何故なら、そこには2機の陸戦型ガンダムの姿があったのだから、地上からこちらを攻撃出来る筈もない。

 俺が岩山に登ってくると考えて、先回りしていた訳か。

 そう思った瞬間、180mmキャノンと100mmマシンガンがこちらに向かって発射される。

 瞬間的に岩山を蹴って跳躍する。

 最初の一撃は回避したが、跳躍した事によってピクシーは空中におり、敵に狙われやすくなる。

 もっとも、人間ならジャンプした時に空中で身動きするのは難しいが、俺が乗っているのはMS、ガンダムピクシーだ。

 身体中にスラスターがついており、空中で動くのは難しい話ではない。

 いや、それどころか、地上戦に特化しているピクシーだけに、メインスラスターではなく、機体の各所についているスラスターであっても、十分な推力を持つ。

 それこそ、まるで虚空瞬動のような……いや、それは言いすぎか。

 ともあれ、空中に跳躍したピクシーを狙って放たれた100mmマシンガンや180mmキャノンの攻撃は無事に回避して岩山に着地し、再び岩を蹴って敵に向かっていく。

 一応牽制として頭部バルカンを撃ちながら、両手にはそれぞれビームダガー。

 あ、頭部バルカンの弾丸が100mmマシンガンに当たって破壊した。

 そうして敵に接近すると、ビームダガーを素早く振るい……2機の陸戦型ガンダムのコックピットをそれぞれ貫き、俺の勝利となるのだった。

 そして俺の勝利と映像モニタに表示され、シミュレータが終了する。

 

「ふぅ、まぁ、こんなものか。密林はともかく、岩山が結構厄介だったな」

 

 シミュレータから出ると、そう呟きながら空間倉庫からペットボトルの紅茶を取り出し、口に運ぶ。

 それなりにやりにくかったが、向こう……08MS小隊の面々は連携が上手かったからこそだろう。

 

「お疲れ、随分と活躍だったわね。ここに08MS小隊の人達がいなかったのは、運がよかったのかもしれないけど」

 

 綾子がそう言いながら、俺の方に近寄ってくる。

 俺がシロー達とシミュレータの模擬戦を行ったのは、以前ホワイトベースのMS隊とモルモット隊を相手にしてシミュレータを行った時のように、通信対戦でだ。

 まぁ、08MS小隊の方は5人いるし、作戦とかそういうのも開始前に考えていただろうから、結果としてそうなったんだろうが。

 

「取りあえず、ジオン軍のMSと戦う時に俺との戦いを思い出して貰えば、全滅する事はない……と、そう思いたい」

 

 今回の戦いでの俺の動きは、グフをイメージしたものだ。

 密林のような場所での戦闘となると、ドムは使えない……事はないが、かなりの技量を必要とする。

 ベテランと呼ばれる者達でも難しく、ただのエースでも難しく、異名持ちの超一流のエースと呼ぶべき者達なら、密林の中でもドムを使えるかしれない。

 だが、そんな相手との戦いを前提とするのは、色々と無理がある。

 俺達と合流するよりも前にモルモット隊に被害を与えたドムがいるが……話を聞いた限りでは、それなりの腕ではあっても密林の中をホバー移動出来る程の実力があるとは思えない。

 そうなると、ザクがグフか……密林となると、基本的には近接戦闘が多くなるという事で、戦って一番厄介なのはグフとなるというのが、俺の予想だ。

 グフカスタムでないだけ、まだマシ……だと、そう思いたい。

 俺が操縦した限りでは、グフカスタムというのはかなり性能の高いMSだ。

 それだけに操縦性も結構ピーキーで、ガトリングシールドの重量もあってバランスを取るのも難しい。

 ガトーやノリスといった腕の立つMSパイロットが操縦した場合、恐ろしいまでの性能を発揮するだろう。

 特に密林のような場所での戦いともなれば、MSの性能を最大限に発揮出来るというのも大きい。

 何より、元々グフカスタムの改修案はジオニック社からこちらに流されてきた代物だ。

 そうである以上、当然のようにジオン軍でもグフカスタムを使っていてもおかしくはない。

 

「あ、いた!」

 

 不意にそんな声がホワイトベースの格納庫に響く。

 声のした方に視線を向ければ、そこにはこっちを指さしているエレドアが……それ以外にも、08MS小隊の面々の姿があった。

 どうやら、シミュレータが終わってからすぐこっちに向かって来たらしい。

 

「どうした? ……と聞くのは、野暮か?」

 

 シローはこの部隊でそれなりに戦果を上げている。

 だというのに、MS3機――それとホバートラック1台――が俺のピクシー1機に撃破……それも、ろくに被害らしい被害を与えられないままに全滅ともなれば、色々と思う所があって当然だろう。

 実際にはモルモット隊とホワイトベース隊のMS全てを俺がピクシーで撃破という事があったのだから、それを思えばそこまで気にする必要はないと思うが。

 

「強かった。正直、それだけしか言えないよ。何をどうすれば、あそこまでの操縦技能を持てるのか教えて欲しいと思ってね。こうしてやって来たんだ」

 

 こっちを指さしていたエレドアに変わり、シローがそう言ってくる。

 ……ちなみにそのエレドアは、カレンだったか? その女に後ろから首の関節を極められていた。

 それでも若干エレドアが嬉しそうな様子を見せているのは、カレンの胸がエレドアの背中で押し潰されているからだろう。

 前線の軍人らしくラフな格好をしているカレンだが、その身体付きは非常に女らしいというのが、服の上からでも分かる。

 そういう意味で、現在エレドアは天国と地獄の両方を一緒に味わっているのだろう。

 そんな幸福で不幸なエレドアは放っておくとして……

 

「アクセルが模擬戦で気になったところを、言ってくれないか?」

 

 シローのその言葉に、あの戦いを思い出す。

 基本的に悪いところと言われて思い浮かぶようなところはなかったと思う。

 勿論、細かい場所で気になる場所が全くなかった訳ではないが、それでも致命的な場所という程ではない。

 あの戦いでは純粋にこちらの力が上となって何とかなった……といったところだ。

 

「そうだな。気になるというか、連携は良かったと思うけど、その連携が上手く働いていない気がした。ピクシーを相手にする以上、陸戦型ガンダムが使う武器は遠距離からの狙撃という意味で180mmキャノンは分かるけど、100mmマシンガンを使うのは……意味がないとは言わないけど、効果は薄い。あそこは、ビームライフルを装備するべきだったな」

 

 100mmマシンガンでも、頭部のカメラとかに命中すれば被害を与える事は出来るかもしれないが、結局はその程度でしかない。

 であれば、ビームライフルを使っていればピクシーに命中させれば、ダメージを与える事も出来ただろう。

 ……まぁ、密林だからこそ火事になる可能性とかを考えて、使い慣れている100mマシンガンにしたのかもしれないが。

 

「ビームライフルか。威力が強いのは分かるけど、色々とデリケートな武器なのも間違いないんだよな」

 

 はぁ、と。

 シローは俺の言葉にそう呟くのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:510
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1486

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