イフリート改が立ち去った後に残るのは、何とも言えない倦怠感のような雰囲気。
とはいえ、ここでの戦いは終わったのかもしれないが、ラサ基地の攻略戦については現在進行形でまだ行われている以上、こちらとしても次の行動に移る必要があった。
「ユウ、取りあえずお前は一旦ホワイトベースに戻れ。ブルーディスティニーの方も、今はまともに動かせないだろ」
『了解した』
ユウは俺の言葉に不満を口にせず素直にそう告げ、この場を立ち去る。
もしこれがヤザンなら、素直に従ったりはしなかっただろう。
だが、ユウはパイロットとしてしっかりと自分のMSの状態を理解していたのだ。
EXAMシステムはMSに限界以上の性能を発揮させるが、その分だけ関節を含めて各場所の負担が大きい。
だからこそEXAMシステムを使ってあれだけ長時間、それも休みなしで本気で戦うといった真似をすれば、ブルーディスティニーの消耗も激しい。
この場から立ち去るブルーディスティニーの後ろ姿を見て、ふと気が付く。
そう言えば、ユウと小隊を組んでいるフィリップとサマナはどうしたんだ?
ブルーディスティニーがここに来たのはイフリート改に惹かれたからだとしても、フィリップとサマナがずっと姿を見せないというのは、若干の疑問だ。
『おい、アクセル。俺達も一度ホワイトベースに戻るけど、構わないか?』
ヤザンからの通信に視線を向けると、そこではダンケルとラムサスの2人を掌の上に乗せたジムの姿があった。
取りあえず2人が無事だった事には安堵する。
そしてヤザンがホワイトベースに戻ろうとしているのは、自分の機体が受けたダメージの修理もあるのだろうが、ダンケルとラムサスを安全な場所に運ぶというのもあるのだろう。
にしても、問題なのはこの2人の機体だな。
ぶっちゃけこのラサ基地での戦闘は、イーサンにとってはともかく、ホワイトベース隊にしてみれば遊撃を任されたという事で、被害らしい被害は受けないというのを想定していた。
だが、実際にはダンケルとラムサスがこの有様だ。
そう考えると、予想以上に被害が大きかった事になる。
この作戦が終わったらオデッサを攻略する事になるんだろうけど、MSの補充は望めるのかどうか。
レビルやゴップがホワイトベースに期待してるのなら、ジムも補充されるだろうが……さて、どうなる事やら。
「分かった。じゃあ、俺は他の場所を回ってくる。今みたいに、強力な敵がこの辺を動き回っている可能性は否定出来ないし」
『ああ』
ヤザンは俺の言葉に短く答える。
悔しそうな様子を見せるのは、やはりイフリート改との戦いで手も足も出なかったからだろう。
それでいながら、部下の2人は命こそ助かったが、MSを撃破されている。
そうである以上、ヤザンが悔しく思うのは当然だろう。
別に、ヤザンは今まで負けた事がない訳ではない。
それこそ、模擬戦においては多くの者に何度も負けている。
だが、それでもシミュレータでの戦いであって、実戦ではない。
こうしてイフリート改との実戦において、負けたのがショックだったのは間違いない。
今のヤザンが這い上がってくるのか、それとも這い上がれないのか。
それがどうなるのかは、俺にも分からない。
ヤザンの性格を思えば、恐らく大丈夫だろうというのが、俺の予想ではあったが。
ヤザンのジムが消えた後で、その場から立ち去ろうとし……その足を止める。
ピクシーの映像モニタに映っているのは、ダンケルとラムサスが乗っていたジム。
機体の大部分は損傷しているが、それでも十分MSとして色々調べる教本としては使えるだろう。
ディアナなんかでは、特に。
このままここに置いておけば、ジオン軍に奪われて、連邦軍のMSが解析されるのは間違いない。……別にここ以外でもジムは使われているんだろうし、MSのパイロットの技量という点ではジオン軍の方が上回っている以上、何機かジムが鹵獲されていてもおかしくはないが、それでも敵に奪われるのは防いだ方がいい。
そう判断すると、俺はそのままピクシーのコックピットから出る。
何かあった時はすぐにでも動けるように、機体はそのままにして。
空を飛んでジムの残骸に近づき、素早く空間倉庫に収納していく。
破片の類も、出来る限り回収していく。
……ラサ基地の攻略は、アプサラスの一撃もあってほぼ成功するだろう。
そうなると、ジムを回収にくるかもしれないが、見つからなければジオン軍が持っていったと判断してもおかしくはない。
結果として、それ以上探さなくなって諦めたとしても、それは俺のせいではない。
俺に聞きに来れば、空間倉庫に収納していると教えてもいいかもしれないが。
「さて、ともあれジムの回収は無事に終わったし、次の場所に向かうか」
出来れば完品のドム辺りを回収したいところなんだが。
ちなみに、イフリート改のおつきのドム2機の残骸も、きちんと収納済みだ。
だが、やはりドムは完品を……いや、いっそツィマッド社から横流しして貰うか?
ツィマッド社は、ヅダの件もあってルナ・ジオンとの間に太いパイプがある。
ドムやリックドムを譲渡するくらいは、普通にやってくれるだろう。
それどころか、ジオン公国が負けそうになれば会社諸共に亡命してくるという可能性すらある。
だとすれば、ドムの残骸ではなく完品を入手した方がいい。
もっとも、ドムの残骸であっても分析する場所はあるかもしれないし、最悪の場合はキブツに突っ込んで資源に変えてしまうという可能性もある。
そんな風に考えつつ、俺はピクシーを移動させる。
戦場となっているラサ基地の方からは戦闘音が聞こえてくるが、言ってみればそれだけだ。
流れ弾の類が飛んでくるような事はない。
とはいえ、絶対にないとは限らない以上、こちらとしてもすぐ対応出来るようにしておく必要はあるのだが。
……ルナ・チタニウム製の装甲なので、その辺の弾丸が飛んできてもダメージはないが。
ビームの類が飛んでくれば、話は別だが。
と、レーダーに反応がある。
一瞬敵かとも思ったのだが、識別信号は味方のものだ。
だが……味方のものではあっても、ホワイトベースのものではない。
だとすれば、イーサンの基地の戦力なのだろうが、それが何故こんな場所にいる?
疑問を抱き、レーダーに反応のあった方に向かう。
ミノフスキー粒子によって、レーダーの類は極端に性能が落ちている。
それでもピクシーが近づけば向こうもこちらの接近を理解したのか、動きを止めてこちらを待っている。
……妙だな。
別に待ち構えるような真似をしなくても、それこそ普通にこちらに近づいてくればいいだろうに。
何でわざわざ動きを止める?
微妙に嫌な予感を抱きつつも、ピクシーを進め……やがて到着した場所にいたのは、陸戦型ジムが3機だった。
「ホワイトベース隊の者だ。そちらは?」
『333小隊の者だ』
……333小隊? イーサンの部下にそんなのがいたのか?
俺が知ってる限りでは、08MS小隊のように、数字は2桁だった筈だが。
イーサンの性格を考えれば、直属の部下がいてもおかしくはない。
表沙汰に出来ないような特殊な命令を実行する為の部隊とか。
「333小隊というのは聞いた事がないんだが?」
『極秘の部隊だ。悪いが、それ以上の事は言えん。……そちらも、ホワイトベース隊として下された命令を実行する必要があるのではないか?』
そう言ってくる男だが……さて、どうしたものだろうな。
本当にイーサンの部下であれば、まだいい。だが……もしジオン軍の潜入部隊だったりしたら、どうする?
MSについては、それこそ連邦軍から奪ったりとか、そのような真似も出来るし。
また、もし本当にイーサンの部下であったとしても、俺達にとって不利益な行動を取らないとも限らない。
……だが、向こうが連邦軍として名乗っている以上、こちらから攻撃をする訳にもいかないしな。
「そちらがどこに向かうのか、教えて欲しい」
『軍機だ』
あっさりとそう返される。
言ってる事は理解出来るのだが、何だか妙に怪しいんだよな。
ここで迂闊にそのままにした事により、後で後悔するような事になるのは困る。
とはいえ、何の証拠もないのにこちらからこのMS部隊に攻撃を加えるような真似をした場合、それは連邦軍との関係に悪影響をもたらすのも事実。
ルナ・ジオンはシャドウミラーの後ろ盾がある以上、どうしても連邦軍との関係を維持しなければならない訳ではないのだが、それでもないよりはあった方がいいのも事実だ。
となると……取りあえず、念を押しておくか。
「そっちの行動が軍機で説明出来ないのは分かった。だが、もしお前達の行動によってルナ・ジオンやシャドウミラーに不利益があった場合、それは連邦軍にとって最悪の結末をもたらすだろう。それは、十分に理解しているんだよな?」
俺が心配なのは、このMS小隊の向かう先が、ギニアス達がいる場所なのではないかという疑問だった。
イーサンにしてみれば、アプサラスⅡの撃ったメガ粒子砲の威力は想像以上のものだっただろう。
であれば、多少の危険を承知の上でも、それを手に入れたいと思ってもおかしな話ではない。
……だからといって、それをこっちが許容するかどうかというのは、また別の話だが。
『そちらが何を言ってるのかは分からないが、話については了解した。本来なら軍機で言えないのだが、君が相手となれば話は別だ。どうやら疑われているようだから言っておこう。私達が向かうのは、君が用意した者達のいる場所だ。護衛として派遣された者が負傷し、現在連邦軍の戦力がいないという事で、イーサン大佐から私達が護衛として出向くように命じられた。これで満足して貰えたか?』
さて、どうやら向こうの目的は俺の予想通りだったようだが、問題なのはどういう意図なのか、というところだろう。
俺が脅すような言葉を口にすると、すぐにこうして目的を言ってきた。
これは、後ろめたい事があるからではないか?
そもそもの話、護衛を向けるのならこの連中のような特殊部隊を向かわせなくても、それこそ他のMS小隊を送ればいい。
特殊部隊という事は、当然ながらMSの操縦技術も他の者達よりも上なんだろうし。
であれば、そのような者達がわざわざ護衛に来るというのは、違和感しかない。
「分かった。なら、俺も一緒にいこう。向こうでもいきなり連邦軍のMSが3機も現れれば、警戒するだろう。そういう時は、俺が一緒にいた方がいい」
『いや、だが……』
口籠もる男。
向こうにしてみれば、俺が一緒に来られるのは出来れば避けたいと、そう思っているのだろう。
その気持ちは分からないでもないが……だからといって、こちらがそれを許容しなければいけない訳でもない。
「何だ? 俺が一緒に行くと何か不味い事でもあるのか? お前達が何かを企んでいる訳でもない以上、問題はないと思うが?」
『しかし……ホワイトベース隊の戦力をこちらの都合で勝手に使う訳にもいかないだろう』
「その辺は心配するな。元々俺達が任されているのは遊撃隊としての役割だ。それは、ホワイトベース隊にいる他の面々でも十分な実力を持っている」
……とはいえ、実際にはヤザンの小隊はヤザン以外はMSを失い、ヤザンがホワイトベースに戻っているし、ユウもイフリート改との戦いでMSが限界になっている。
そうなると、残っているのはアムロ、カイ、フィリップ、サマナ、そして綾子か。
後はガンタンク隊が3機いるけど、ガンタンク隊は基本的にMSのように動き回って周囲の様子を警戒するのが得意という訳ではないので、ホワイトベースの周辺にいる筈だ。
ラサ基地攻略の為に、遠距離から援護射撃の要望が入っているとか何とか聞いたから、その辺で頑張っているだろう。
『それは……だが……』
「何だ? もしかして、俺が一緒にいれば何か不味い事でもあるのか?」
『いや、そういう訳ではない。……分かった。君が一緒にいれば、向こうもこちらに対して警戒するような真似はしないだろう。一緒に来て欲しい』
結局どう言っても俺が一緒に行くのを止めるつもりはないと判断したのか、やがて向こうは大人しく俺が一緒に行く事を認める。
……これで、移動中に俺をどうこうしようといったような真似をしなければいいんだが。
向こうも俺の強さは知っているのだから、余計な事はしない……と、思う。
それでも絶対にそうだと言い切れないのは、やはりイーサンがアプサラスⅡのメガ粒子砲に目が眩んでいないとは言い切れないからだろう。
イーサンにしてみれば、レビルに対抗する為に手柄は多ければ多い程にいいのだから。
「分かって貰えて、俺も嬉しいよ。じゃあ、行くか。場所は俺が知ってるから、ついてきてくれ」
意図して背中を相手に向け、そのまま進む。
もしかしたらここで一気に行動に出るのか? と思わないでもなかったが、幸いにしてそのような短気な真似をする様子はなく、俺はギニアス達のいる場所に向かうのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:590
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1502