転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2473話

 ブライトからの要望で、ギャロップを攻撃しに向かう。

 ギャロップの方でも近づいてくるピクシーの存在に気が付いたのか、メガ粒子砲の砲口をこちらに向け……次の瞬間、ピクシーは素早く移動し、その一瞬後にはギャロップから発射されたメガ粒子砲が地面に着弾して土を吹き飛ばす。

 その砲塔からメガ粒子砲持ちのギャロップだというのは分かっていたが、実際に見るとちょっと厄介だな。

 ギャロップのメガ粒子砲の2発目の反応が遅れたのは、まさかこうもあっさりと回避されるとは思っていなかったからだろう。

 とはいえ、俺にとってはビーム兵器を回避するというのはそう難しい話ではない。

 それこそ今まで幾度となく戦闘を行い、そんな中で数え切れない程に敵の攻撃を回避してきたのだから。

 ギャロップの方も、戸惑ったのは本当に最初の一瞬だけ。

 次の瞬間には、再びメガ粒子砲が放たれる。

 その攻撃を回避しながら、敵との間合いを詰めていく。

 ギャロップの方でもこのまま接近されるのは不味いと判断したのか、カーゴからMSが出撃してくる。

 グフが2機にザクが1機。

 ……グフを使っているとなると、腕利きの部隊と考えて間違いないだろう。

 グフは強力なMSだが、それはあくまでも優れた操縦技術を持つパイロットが乗ってこそ、なのだから。

 その辺の……それこそ新兵が乗ったところで、グフの性能を活かすようなことは出来ず、あっさりとやられるだけだ。

 それは当然のようにジオン軍でも知っている以上、こちらに向かってくるのは間違いなく腕利きだろう。

 

「っと!」

 

 こちらに突っ込んできたグフが、2機揃って左手のフィンガーバルカンを撃ってくる。

 その攻撃を回避しながら、お返しにと90mmサブマシンガンを撃つ。

 ビームスプレーガンを使ってもよかったんだが、これまでの戦いで一番消耗が激しいのはビームスプレーガンだ。

 それだけに、出来ればビームスプレーガンはいざという時の為にとっておきたかった。

 グフの背後にいるザクがザクバズーカを撃ってくるが、その砲弾はこちらに飛んでくるよりも前に90mmサブマシンガンの弾丸が命中し、空中で爆発し……

 

「そっちを忘れてたな!」

 

 ギャロップの機銃が、こちらに銃口を向けたのを確認すると、素早くその場から跳ぶ。

 一瞬後、ピクシーの姿があった場所に、ギャロップの機銃から発射された弾丸が次々に命中し、激しい土煙を生み出す。

 そんな様子を横目に、スラスターを噴射させながらグフとの間合いを詰め……武器を両手ともビームダガーに持ち替えたところで、ぶつかる。

 1機はヒートサーベルを振るってきて、もう1機はヒートロッドをこちらに振るってきた。

 明らかにグフ2機で戦い慣れている連携。

 後ろから援護射撃をするザクもいるのを考えると、連携を取って行う戦闘に慣れているのだろう。

 こちらとしては、正直なところ面倒な……と、思わないでもないが。

 ともあれ、ヒートロッドの一撃を回避しながら、ヒートサーベルを片手のビームダガーで受ける。

 そのまま一瞬お互いが固まるが、当然のようにそれだけで終わる訳ではない。

 ……ヒートロッドを使っている方のグフは、まだ自由なのだから。

 今は1機でも多くの数を減らす事を最優先と考え、至近距離で向かい合っているグフに頭部バルカンを撃つ。

 基本的に頭部バルカンというのは、MSを撃破出来るだけの威力はない。

 だが、至近距離から……しかも狙ったのが頭部のモノアイの部分となれば、話は違ってくる。

 頭部バルカンによってモノアイが破壊され、コックピットの映像モニタが一瞬でも消えるかどうかしたのだろう。

 戸惑った様子を見せるグフに、もう片方の手に持つビームダガーでコックピットを貫き……それを素早く抜くと、一気にその場から跳び退く。

 ヒートロッドが通りすぎていったのを見ながら、ビームダガーを一閃。

 半ばで切断されたヒートロッドを横目に、スラスターを全開にして一気にもう1機のグフ……ではなく、ザクバズーカを構えている敵との間合いを詰める。

 ザクの方も、まさかピクシーが生き残っているグフではなく自分に攻撃をしてくるとは思わなかったのか、一瞬戸惑い……それでもこちらを迎撃しようと、持っていたザクバズーカをピクシーに向け、投擲した。

 その判断は悪くない。

 少しであっても時間を稼げるし、上手くいけばの話だが、ザクバズーカによって機体が損傷する可能性もあるのだから。

 しかし、残念ながらそれはその辺のパイロットの話であって、俺には効果がない。

 寧ろ敵がザクバズーカを投げたのを奇貨とする。

 武器を投げつけるのに使った時間、そしてザクバズーカでこちらの姿が一瞬であっても隠れたのを利用し、一気に前に出る。

 ピクシーの姿勢を低くした事により、ザクバズーカは機体の上を通りすぎていく。

 ザクにしてみれば、いきなりピクシーが姿を現した事に驚いたのだろうが……その隙を突くように、コックピットをビームダガーで突く。

 

『きさ……ま……』

 

 接触回線で敵の声が聞こえてくるが、今はそれを聞いているような暇はない。

 そもそも、幾つもの戦場を潜り抜けてきた俺にとって、敵の断末魔というのは聞き慣れてすらいるものだ。

 ともあれ、これで残る敵はグフとギャロップ。

 そんなギャロップは、機銃の銃口をこちらに向け……それを見た瞬間、俺は一気に残っていたグフに近づいていく。

 ギャロップで機銃の操作をしている者にしてみれば、ピクシーがグフに近づいているのに、ここでトリガーを引く訳にもいかないだろう。

 もしここでグフを失ってしまえば、ギャロップにとっては最悪に近いのだから。

 幾らギャロップがメガ粒子砲という強力な武器を持っているとしても、小回りの利かない状況でMSと相対した場合、近づいてくるMSを防ぐ手段がなくなってしまう。

 一応機銃はあるが……その機銃は、今のように、回避するのは難しい話ではないのだから。

 とはいえ、グフの方もピクシーが近づけばそのまま放っておくといった事をする筈もなく、ヒートサーベルを振り下ろしてくる。

 その一撃を回避しながら、更に敵の間合いに接近し、ビームダガーを……突き出そうとした瞬間、危険を察知してその場から素早く跳び退る。

 一瞬後、ピクシーがいた場所をフィンガーバルカンの弾丸が貫いていった。

 このグフのパイロット、何気に腕がいいな。

 ピクシーのビームダガーが片手にそれぞれ持たれているというのを見て取ると、ヒートサーベルを片手で振るい、空いてる左手のこちらに向け、フィンガーバルカンを撃ったのだ。

 短い時間ではあるが、こちらの攻撃をしっかりと見ていたからこそ、対応策を考える事が出来たのだろう。

 どうやら、最後に残ったこのグフのパイロットこそがギャロップに乗っていたMS小隊の中で一番の腕利きだったのだろう。

 

「っと、しつこいな」

 

 ピクシーがグフと間合いを開ければ、当然のように少し離れた場所にいるギャロップも、こちらに向かって攻撃してくる。

 ギャロップにしてみれば、自分達が生き残れるかどうかというのは、この戦い次第なのだから、その気持ちも分からないではないのだが……それでも、こちらとしてはその攻撃を受ける訳にはいかない。

 ヒートサーベルとヒートロッドは、双方共にルナ・チタニウム製の装甲であっても容易に斬り裂くだけの威力を持つ。

 つまり、ピクシーであっても攻撃を受ければダメージを受けるという事なのだ。

 それが分かっているからこそ、俺はギャロップの攻撃で隙を作る訳にはいかないし、逆に言えばギャロップはそんなグフの攻撃を俺に当てる為に、その援護をしてくる。

 それは、ピクシーがグフと正面から戦えば、グフが勝てると、そう思っているが故の行動なのだろう。

 実際にこれだけの技量を持っているのだから、ギャロップに乗っている者達から強い信頼を向けられている理由は理解出来る。

 理解出来るが……だからといって、その技量は青い巨星や黒い三連星と言われる異名持ち達に比べれば……

 

「劣る!」

 

 その叫びと共に、ビームダガーでヒートサーベルの一撃を弾き、頭部バルカンをグフの左手に向け、発射する。

 フィンガーバルカンは、グフの左手の指先に装備されているバルカン砲だが、そのような位置にあるからこそ、こちらの攻撃で容易に狙う事が出来た。

 頭部バルカンがグフの左手に次々と命中し、その指を……バルカンの砲身を歪める。

 どんな銃火器もそうだが、砲身が歪んでしまえばまともに使う事は出来ない。

 そんな状況で下手に使おうものなら、それこそ弾詰まりか何かで内部から爆発してもおかしくはなかった。

 グフのパイロットは一瞬どうするか迷い……その一瞬こそが、敵にとっては致命的だった。

 ヒートサーベルを弾いたのではない、もう片方の手……左手で持っていたビームダガーが、グフのコックピットを貫く。

 その一撃の動き出しを見た瞬間、機体を後ろに下げようとしたグフのパイロットだったが、その動きよりもビームダガーを突き出す速度の方が早かったのだ。

 コックピットからビームダガーを抜くと、支えを失ったかのようにグフは地面に崩れ落ちる。

 その様子を一瞥すると、視線をギャロップに向ける。

 そのギャロップは、自分達が戦っても勝ち目がないと判断したのだろう。

 慌てて後退していこうとするが……

 

「判断が遅かったな」

 

 俺がグフと戦っている時にこの場から撤退していれば、ある程度こちらからも距離を取る事が出来ただろう。

 だが、生憎と今回の行動は遅かった。……遅すぎた。

 今の状況からギャロップが逃げようとしても、それこそこちらにとってはそれを認める訳にはいかない。

 もっとも、このギャロップに乗っている者達にしてみれば、まさかMS小隊が俺に負けるとは全く思っていなかったのだろうが。

 そんな状況であるが故に、向こうにしてみれば今はまだ信じられないといったところか。

 それを哀れに思いながらも、俺はピクシーを操りギャロップとの間合いを詰めていく。

 ギャロップの方も、近づかれれば自分が終わりだというのは分かっている為か、機銃やメガ粒子砲を連射してくるが……MSがいる時ですら当たらなかった攻撃が、今の状況で命中する筈もない。

 それでも自分達が生き残る為にと、攻撃をしてきたのだろうが……そうだな、ジオン軍が一方的に負けるのは、月としては面白くはない。

 仲間を信じてこの場に残ったのも許容出来るし……よし。俺にとってもジオン軍にとっても、有効な取引と行くか。

 

「加速」

 

 精神コマンドの加速を使い、同時にスラスターを全開にして一気にギャロップとの間合いを詰める。

 その途中で武器をビームダガーから90mmサブマシンガンに持ち替え……ギャロップの死に物狂いの攻撃を回避しながら間合いを詰め、一気に跳躍する。

 跳躍した状況のピクシーに機銃を撃ってくるギャロップだったが、人間なら跳躍したところで殆ど身動きは出来ないが、MSであれば……ましてや、地上戦用に特化した形で開発されたピクシーであれば、機体の様々な場所にあるスラスターを使い、敵の攻撃を回避するのは難しい話ではない。

 そうして機銃の攻撃を回避したピクシーが着地した時、そこにあったのはギャロップのブリッジ。

 そのブリッジに90mmサブマシンガンの銃口を突きつけ、接触回線を送る。

 

「このギャロップをカーゴごと引き渡せ。そうすれば、お前達はこの場で解放する。繰り返す。ギャロップをカーゴごと引き渡せば、お前達はこの場で解放する。現在ブリッジにいる全員だ。返答の時間は30秒。その間にここで無意味に死ぬか、それとも乗っていたギャロップは引き渡すが生き残るかを選べ」

 

 接触通信でブリッジの中に響いた俺の言葉に、ブリッジにいるジオン軍の中でも一番階級の高そうな人物が、口を開く。

 

『分かった。ギャロップを引き渡す。私達は本当に解放されるんだな?』

「ああ、ギャロップから降りたらその場で退避しても構わない。ただし、もしギャロップに残って何か妙な事を考えていたりする者がいた場合は、全員にその罪を償って貰う。ああ、移動するのに徒歩だと問題だろうから、ワッパくらいは持っていってもいいぞ」

『……了解した。全員、ただちにギャロップから降りろ。私達はここで死ぬ訳にはいかん』

 

 このギャロップが有していたMS隊も練度が高かったが、どうやらギャロップに乗っている全員がそういうタイプなのだろう。

 この様子を見る限りでは、ここでわざわざ自分達が死ぬような事をするとは思えない。

 そんな俺の予想を裏付けるように、ギャロップから降りてきた者達は、全員がすぐにワッパに乗ってその場から去っていく。

 その動きは規律正しく、この部隊が精鋭と呼ぶに相応しいと納得させてくれたが……ともあれ、俺はピクシーから降りてギャロップを空間倉庫に収納し、目当ての代物をゲットしたのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:850
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1552

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