転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2478話

 ダブデ5隻の撃破から、事態は急速に進む。

 ……というか、連邦軍としてもこの状況で行動を起こさないような者は基本的にいない。

 ダブデは後方からの援護射撃を行っており、MSの母艦としても使われており、同時に後方指揮所的な存在でもある。

 ジオン軍の中でも非常に大きい戦力的価値を持っていたのだ。

 そんなジオン軍の戦力が一気に減った状態なのだから、ここで動かないという選択肢は存在しない。

 そんな動きを、俺はニーズヘッグやピクシーに乗って……ではなく、ホワイトベースの中から眺めていた。

 ダブデ5隻を撃破した以上、これ以降は手柄を挙げない方がいいだろうと判断したのだ。

 連邦軍の兵士達にとっても、今が稼ぎ時だというのは変わらない。

 自分達が手柄を挙げられる時に俺が動くというのは、現場の兵士達……もしくは指揮官達にしてみれば、絶対に許容出来ないと思ってもおかしくはない。

 そんな訳で、現在の俺はホワイトベースの食堂でミナトと一緒に優雅なお茶を楽しんでいる訳だ。

 

「というか、ミナトもブリッジから離れていいのか? 一応大丈夫だとはいえ、いつ敵が来るか分からないのに」

 

 ジオン軍の混乱は、優秀な指揮官のいる場所ではある程度何とかなっていたが、優秀ではない指揮官のいる場所では混乱したままというところも多い。

 それだけに、これ以上オデッサにいてもどうしようもないと判断して戦場から離脱していく敵もいれば、ひたすらに死守、死守、死守と叫んでいるような者もいる。

 部隊ごとに結構な差が出ている以上、混乱した部隊の中には敵陣を突破して脱出するとか、最後に敵に一矢報いるとか、そんなつもりでこちらに攻撃をしてくる奴がいないとも限らない。

 そうなった時の為に、すぐ対応出来るように準備しておいた方がいいのではないか。

 そう思ったのだが、ミナトは飲んでいた紅茶をテーブルの上に置くと、首を横に振る。

 

「ミライにも、少しは戦闘に慣れさせておいた方がいいと思うわ。私達はオデッサ作戦が終わってジャブローに戻れば、ホワイトベースを降りるのよ。だとすれば、私達がいなくなった後の事も考えておいた方がいいわ」

「そうか? ……まぁ、この状況でなら、もしジオン軍がホワイトベースに攻撃をしてきても、どうとでも対処出来るだろうけど」

 

 そもそも、現在のホワイトベースは甲板にガンタンク隊がいる。

 もしジオン軍が近づいてくるような事があっても、それを察知したガンタンク隊の砲撃で向こうはかなりの被害を受けるだろう。

 特に、今の状況でホワイトベースに攻撃してくるとなれば、それは部隊の指揮官が破れかぶれになっているとか、そういう理由の方が大きい。

 そうなれば、当然のようにまともな指揮など執れる筈がなかった。

 ……ただし、逆に言えばガンタンク隊の砲撃を回避しながらホワイトベースに近づいてくる敵がいれば、それは腕利きで厄介な相手であるという可能性もあるが。

 ジオン軍に限った話ではないが、部下はもの凄く有能であっても、それを指揮する上が無能だというのは、それなりにある。

 ジオン軍で言えば、シーマ率いる海兵隊がそれに当たる。

 連邦軍だと……アリーヌが所属していたミケーレの部隊とかか?

 イーサンもその傾向がない訳ではないが、イーサン本人は強い上昇志向やレビルに対するライバル心はあっても、決して無能という訳ではない。

 陸戦型ガンダムや陸戦型ジムを運用しているのを見れば、その辺は明らかだろう。

 ともあれ、上の無茶な命令に従って、ホワイトベースに攻撃を仕掛けてくる腕利きの部隊というのは、決していないとは思えない。

 そうなったら、ピクシーで出撃だろうな。

 アムロ達が戻ってくれば、そっちに任せてもいいんだが。

 この辺はミナトがミライにホワイトベースの操舵を預けているのと、同じ理由だ。

 とはいえ、アムロ達もこれまでの戦いや訓練で十分に強くなっている。

 アムロとユウの2人が揃えば、その辺の相手は容易に倒す事が出来るだろう。

 それだけの実力が、あの2人にはある。

 とはいえ、ジオン軍がそれを知ってるかどうかは、分からないが。

 

「それで、アクセル。オデッサで報酬を貰ってからどうするかは決めたの?」

 

 突然話題が変わった事に驚きつつも、取りあえず予定していたことを話す。

 

「そうだな。ハワイに戻ってから色々と雑用をこなして、それからHLVで宇宙に戻るつもりだ。ホワイトスターにも、暫く帰ってないしな」

 

 何だかんだと、ホワイトベースに乗ってから結構な時間が経つ。

 それを思えば、月に戻ったらホワイトスターでゆっくりしていたいと思うのは間違いなかった。

 それにディアナや技術班にこっちで入手した諸々を渡して調べて貰ったりとか、そういう風にもしたいし。

 

「なるほどね。……なら、ハワイで少しはデートをする時間はあるのかしら?」

「それはあるだろうな。ただ、問題なのはどこでデートをするかだな」

 

 ハワイで有名なのは、ワイキキビーチやダイヤモンドヘッドといったところか。

 ただし、ビーチに行けば、間違いなく騒動が起きる。

 プライベートビーチのような、人がいない場所ならともかく。

 一応現在の俺達なら、ハワイでプライベートビーチを使うといった真似も出来なくはないんだが。

 何しろ、ルナ・ジオンが現在のハワイを治めているのだから。

 ダイヤモンドヘッドというのは、簡単に言えば登山だ。

 この場合は、いっそ影のゲートを使って一気に山を登るという方法もあるが……それは風情がない。

 他にはショッピングとかもあるが、総じて問題なのは人口の多さだろう。

 ルナ・ジオンとしては、ハワイの住人が多ければ多い程に税収とかでも儲けられるのだが、人が多いと観光する際に邪魔でもあるんだよな。

 戦火から逃げるようにしてハワイにやって来た者も多いので、それを考えれば当然のようにトラブルも多くなる。

 コバッタや量産型Wが治安を守っているので、致命的な騒動にはなっていないのだが。

 あ、いっそガルマとイセリナを誘ってどこかに出掛けるか?

 影のゲートを使えば、別にデートする場所はハワイに限らなくてもいいんだし。……って、ハワイ以外の場所では戦争をしているからこそ、ハワイに人があつまってきてるんだったな。

 

「そうね。なら、その辺は楽しみにしてるわ。……それで、ハワイから月に戻ったらどうするの? また、連邦軍かジオン軍に協力する?」

「戦力的な意味でなら、協力するのは連邦軍だな。ジオン軍の方にも、資源を売るというのは続けるように、セイラには提案するけど」

 

 オデッサを失った……いや、まだオデッサ作戦が終わった訳ではないので、オデッサを失いつつある、という表現の方が正しいのか?

 ともあれ、地球で有数の資源が埋蔵されているオデッサを失ってしまえば、ジオン軍も資源の備蓄に不安を覚える筈だ。

 ……まぁ、マ・クベが噂通りの切れ者だとすれば、オデッサ作戦の噂をジオン軍が知ったら、資源の採掘を今まで以上に行い、可能な限り資源を宇宙に……サイド3に運ぶといった真似をしても、おかしくはないのだが。

 それでも、資源というのは当然のように使えばなくなる。

 であれば、失った資源を補充する意味でも、ルナ・ジオンとの資源の取引は止められる筈がなかった。

 その資源の取引価格が、通常のレートより明らかに上だったとしても。

 だからこそ、月にとっては美味しい取引相手なのだが。

 ……もっとも。セイラにとっては複雑な思いを懐いてしまうだろうが。

 

「ふーん。そうなると、これからはジオン軍と連邦軍で戦いは激しくなるでしょうね。アクセルもいなくなるんだし」

「いや、今でも十分に激しいと思うけどな」

 

 ニーズヘッグを使っての戦闘ならまだしも、俺がピクシーに乗って戦闘をしても……戦術的にはともかく、戦略的にはそこまで大きな影響はない筈だ。

 ピクシーの機体性能は高いが、今のUC世界における技術では、ニーズヘッグのような……色々な意味で突き抜けた機体を開発する事は出来ないのだから。

 

「それでも、アクセルがいるのといないのとでは、大きな違いがあると思うわよ? これはホワイトベースのブリッジにいて、感じた事なんだけど」

 

 ミナトがそう言うという事は、多少大袈裟であっても、間違いない事実なのだろう。

 

「そう言ってもな。アムロとかがしっかりと戦えるように、ある程度鍛えてきた筈だし、現在のホワイトベースにはしっかりとした戦力が揃ってると思うけどな」

「それでもよ。実際に今までホワイトベース隊の中でのエースは、間違いなくアクセルだったでしょう? であれば、そんなアクセルがいなくなるのは、精神的に大きなダメージがあるんじゃない?」

「それは……まぁ、あるかも?」

 

 十分な戦力がホワイトベース隊にあっても、その中でもエースがいなくなってしまうというのは、精神的なダメージが多いと言われれば、納得せざえるをえない。

 とはいえ、だからといって俺がホワイトベースに残るといった選択肢は存在しないのだが。

 

「その気持ちは分かるけど、だからといって俺がホワイトベースに残る訳にもいかないしな。それに、月やホワイトスターの方でも色々と確認したり、仕事をしたりとか、そういうのが結構あるだろうし」

 

 基本的にホワイトスターの政治的な仕事に関しては、エザリア率いる政治班にほぼ丸投げしている形だが、それでもどうしても俺が見なければならなかったり、決済しなければならない書類の類は存在している。

 そうである以上、たまにはホワイトスターに戻る必要があるのだ。

 ……寧ろ、ホワイトスターの規模を考えれば、たまに戻るだけである程度どうにかなってしまうのが、ある意味で凄いのだが。

 その辺もシャドウミラーの凄いところだよな。

 まぁ、量産型Wのような人造人間や、メギロートやバッタのような無人機を除くと、何気にシャドウミラーに所属している人数はエルフ達を入れてもそこまで多くはないのだが。

 それだけの人数で複数の世界を事実上支配下に置いているのも、凄いのだが。

 ぶっちゃけた話、シャドウミラーって人材の質は高いが、数という点ではそこまで多い訳ではないんだよな。

 とはいえ、魔法球があるのでその辺はどうにかなっているのだが。

 

「そうね。私もルリルリ達の様子を見る必要があるし」

「母親として、頑張ってくれ」

「あら、子育てには父親の協力も必要なのよ?」

 

 ガチャン、と。

 食堂の厨房の方から、そんな音が聞こえてくる。

 音のした方に視線を向けると、厨房で働いているコックの1人が手に持っていた食器を床に落とし……それに全く気が付いた様子もなく、こちらを見ていた。

 見るからにショックを受けている様子と、今の俺とミナトの会話を考えれば、何にショックを受けたのかというのは考えるまでもない。

 ミナトが俺と付き合っているというのは、ホワイトベースでは当然のように広まっている事実だ。同時に、俺が綾子と付き合っているというのも。

 それでも……と、そんな事を考えている奴がいても、おかしくはない。

 ミナトも綾子も、もの凄い美人なのは間違いないのだから。

 それでいながら、色っぽいお姉様系のミナトに、凜々しい感じの綾子と、それぞれが違う方向の美女なのだ。

 だからこそ、万が一と思う者がいてもおかしくはないのだが……うん、本当の事は言わない方がいいな。

 ルリとラピスは、2人揃って俺の養子という扱いになっている。

 そしてミナトと綾子は俺の恋人。

 実際に2人を産んだ訳ではないが、それでも恋人の俺の養子という事で、ミナトも綾子もルリとラピスにとっては母親となる。

 正確には、俺の恋人全員が母親という扱いになるので、ルリとラピスは10人以上の母親がいるという事になる。

 ……美鶴は大学1年で、ゆかりにいたっては、高校3年で2児の母親という事になる訳だ。

 うん。まぁ、色々と酷い感じがしないでもないが。

 ただ、ナンパ避けとしては使えるらしい。

 ……ただし、ルリもラピスもいない状況で、自分が2児の母親だと言っても、到底信じられないと思うんだが。

 

「あー……それで、ルリとラピスに何を教えるんだ? あまり妙な事は教えるなよ?」

「あら? 私がどんな妙な事を教えるのか、教えて貰いたいわね」

 

 厨房のコックについては、取りあえずスルーして話を続ける。

 ミナトも俺と同じ意見だったのか、厨房の方を一瞥しただけで俺との会話を続ける。

 若干冷たいようにも思えるが、ミナトの場合はここで下手に相手に希望を持たせる方が残酷だと、そう理解したのだろう。

 

「ミナトの事だから……そうだな、まだ年齢的に早い事とか?」

「あら、それはどういうのについてなのかしら?」

「乗り物の乗り方とか」

 

 ミナトが言いたい事とは、別の内容を口にしておく。

 とはいえ、乗り物の乗り方についてというのも、そこまで間違っている訳ではないのだが。

 そんな風に、俺とミナトはオデッサ作戦の最中にも関わらず、食堂での逢瀬を楽しむのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:900
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1560

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