転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2506話

 模擬戦が終わり、シミュレータの外に出る。

 すると、ちょうどそのタイミングでフォルドも外に出たらしく、俺と目が合うが……若干ふて腐れた様子を見せて、視線を逸らす。

 

「おい、フォルド!」

 

 そんなフォルドの態度を見たルースが慌てたように注意をしているが、フォルドがそれに言葉を返す様子はない。

 フォルドの代わりにルースが俺に頭を下げてくるが、俺はそれに気にするなと首を横に振る。

 恐らくフォルドは、自分のMSの操縦技術には強い自信があったのだろう。

 そして、実際にそれは実力としても相当なものだった。

 連邦軍の中でも最高機密に近いガンダムのパイロットに選ばれているというのが、それを証明している。

 だが、そうして自信のあったMSの操縦で、あっさりと年下――に見える――の俺にやられてしまった。

 フォルドとしては、それが面白くないのだろう。

 ある意味、ホワイトベース隊に配属されたばかりのヤザン達と同じような感じと言ってもいいのか?

 ヤザンもジャブローでMSの操縦訓練をして優秀な成績ではあったが、実際にホワイトベースに来てみるとそこには腕利きが多数おり、結果としてホワイトベースの中でも下から数えた方がいいような技量だった。

 それこそ、しっかり連邦軍の軍人として訓練を積んできた筈が、ガンダムに乗ってるアムロはともかくガンキャノンに乗っているカイにすら勝てなかったんだから、その気持ちを想像するのは難しくはない。

 だが、ヤザンは持ち前の負けん気の強さで訓練に訓練を重ねて、ホワイトベースの中でも相応の強さを発揮するようになった。

 フォルドも、まだ少し話しただけで性格を完全に理解している訳ではないが、負けん気が強いというのは見て取れる。

 そうしてルースとのやり取りを終えると、それを待っていたかのようにエイガーが俺に声を掛けてくる。

 

「凄かったな。まさかグレネードランチャーを目眩ましにするのはともかく、そこに突っ込んでいくとは思わなかった」

「普通なら出来ないだろうな。7号機の性能だったからこそ出来た事だ」

 

 取りあえずそう言っておく。

 グレネードランチャーのような爆発するのを目眩ましに使うというのは、そこまで珍しい話ではない。

 だが、その爆発に自分から突っ込んでいくというのは、機体について信頼していなければ出来ない事だろう。

 もっとも、今回行ったのはあくまでもシミュレータを使った模擬戦なんだから、言ってみればどんな無茶な行動だって出来るのだが。

 

「そう言えば、今更だけどエイガーもガンダムのパイロットなんだよな?」

「ああ。俺の機体は……あ、見せてもいいのか?」

「構いません。許可は貰ってますので」

 

 エイガーの言葉に、案内役の軍人がそう答える。

 どうやら許可を貰っているらしい。

 ……許可を貰えるのなら、フォルドのガンダムが使っていたジャイアントガトリング砲の設計データとか欲しいな。

 あの武器は長物で少し使いにくそうだったが、それでも制圧射撃として使うのであれば、かなり魅力的だ。

 ディアナの方でもその辺りを開発しようと思えば出来るだろうが、やはり時間を掛けずに開発するのならベースとなる物があった方がいい。

 それがあれば、後は改良して砲身を短くしたり、より短時間でより多くの弾丸を撃てるようにしたりといった風にも出来る。

 簡単な改造としては、ルナ・チタニウム製のジャイアントガトリング砲にするとか?

 そうなれば重量の類も軽くなるし、防御力的な意味でもかなり強くなるだろう。

 その分、コストは跳ね上がるだろうが。

 

「そうか。じゃあ、見てくれ。これが俺のガンダムだ。6号機、通称マドロック。アクセルが乗った7号機の1つ前の機体だな」

 

 エイガーはそう言いながら、近くにあったモニタにガンダム6号機の図面……というか、大まかな性能の乗っているデータを表示する。

 

「これは、また……」

 

 その映像を見て、驚く。

 マドロックというのは、言ってみればガンダム+ガンキャノンといったようなMSだった。

 ガンダムの両肩にガンキャノンのような低反動キャノンが乗っているのだ。

 まぁ、両肩に射撃兵器を乗せるというのは、そこまで珍しい事ではない。

 シャドウミラーの主力量産機のシャドウも両肩にビームガトリング砲やグラビティキャノンを装備しており、外見だけで見れば似たような感じだ。

 

「アクセルはホワイトベースに乗っていたのだから、ガンキャノンも知ってるんだろう?」

「ああ。というか、宇宙にいる時は俺もガンキャノンに乗ってた。大気圏突入の時の戦闘で破壊されてしまったけど」

 

 正確には破壊されたのを空間倉庫に収納して、現在はディアナにあったりするのだが、あのガンキャノンは今頃どうなってるんだろうな。

 

「そ、そうか……」

 

 大気圏突入の時の戦闘で破壊されたと聞いて、エイガーは……いや、エイガーだけではなく、案内役の軍人やルース、それどころかふて腐れていたフォルドまでもが驚きの視線を向けてくる。

 俺にとって大気圏突入時に攻撃をされるというのはそこまで珍しいものではないが、この世界においてはその状況でMS戦闘をやるのは史上初という事だったらしいから、当然だろう。

 

「ああ。そんな訳で、ガンキャノンについてはそれなりに詳しい」

「……そう言えば、ガンキャノンの量産型が急いで開発されてるとか何とか、そんな話を聞いた事があったが、もしかしてアクセルが原因なのか?」

 

 何気なく呟くルースだったが、俺にはそれを否定する事は出来ない。

 実際に俺がガンキャノンでかなりの活躍をしたのは事実だし、ホワイトベースの方でも俺のガンキャノンが戦っている映像データ等はあったから、それをマチルダが回収してジャブローに持っていけば、ガンキャノンがかなり有用な機体だと考えられてもおかしくはない。

 実際には重装甲のせいで運動性や機動性はガンダムに劣るし、ビームサーベルの類もないので、近接戦闘になれば決して強いとは言えないのだが。

 

「どうだろうな。ともあれ、まさかガンダムにガンキャノンの要素をプラスするとは思わなかったな」

「ビームライフルの威力は強力だが、それがなくなった時に攻撃出来る武器が必要だと、そういう事で開発されたんだ。……エネルギーパックの件が解決していれば……」

 

 エイガーが最後に小さく呟く。

 他の者には聞こえなかったみたいだが、俺の耳にはしっかりと聞こえた。

 エネルギーパックか。

 現在のUC世界で連邦軍が使っているビームライフルは、専用の機械を使って充電する必要がある。

 つまり、戦闘の中でビームライフルを使い切った場合は、一度その充電用の機械のある場所――母艦だろうが――に戻る必要があった。

 ぶっちゃけ、その辺を考えるとビーム兵器としての有用性という意味では、ジオン軍の水陸両用MSが使っている動力炉直結型のビーム兵器の方が使いやすいと思う。

 ただし、水陸両用MSがビーム兵器を使えるのは、それこそ水冷式だからというのが大きい。

 ガンダムとかでそういう真似は出来ない訳だ。

 その辺はやっぱりまだMSが実戦に投入されたばかりの世界だって事で、将来に期待といったところか。

 

「両肩に低反動キャノンを持ってるとなると、基本的には前線じゃなくて中距離からか? ガンキャノンみたいに」

「そうだな、一応ビームサーベルは持ってるが、基本的には接近戦よりは中距離や遠距離での戦いになる筈だ」

「ビームサーベルがあるだけマシだよ。俺がガンキャノンに乗ってた時はビームサーベルがなかったから、それこそ厚い装甲を活かして敵に体当たりをしたり、殴ったりといったような戦い方だったし」

「うわぁ……」

 

 俺の言葉にそう言ったのは、エイガー……ではなく、フォルド。

 先程まではふて腐れていたのだが、どうやら俺の話はしっかりと聞いていたらしい。

 その隣で、ルースはどうすればいいのか分からない、曖昧な笑みを浮かべている。

 

「あるいは、その映像を見てマドロックにもビームサーベルを装備させたのかもしれないな。そうなると、アクセルには感謝するしかない」

「そう言って貰えると、俺も必死に体当たりした甲斐があった。……それで、フォルドのガンダムはジャイアントガトリング砲が特徴だったみたいだけど、ルースのガンダムはどんなのだ?」

「俺のガンダムか? 俺のガンダムはメガビームランチャーという、強力なメガ粒子砲を使えるのが特徴となっている」

「なるほど。つまり、ルースのガンダムがメガビームランチャーを撃つ前や撃った後にフォルドのガンダムがジャイアントガトリング砲でフォローする訳か」

「ふん」

 

 俺の言葉に、フォルドは不満そうに鼻を鳴らすが、否定しないところを見ると間違ってはいないのだろう。

 

「そうなると、セカンドロットの機体はどれもが遠距離攻撃を重視してるんだな。……まぁ、実際に戦闘の中で近接戦闘になるってのは多くはないから、そうなるのも分かるけど」

 

 一定以上の技量の持ち主同士なら、ビームサーベル類を使った近接戦闘になる事も珍しくはない。

 だが、それはあくまでも一定以上の技量の持ち主だからであって、それ以外の面々……具体的にはジャブローで訓練を受けただけの兵士のような場合は、それこそ遠距離から攻撃をした方がいいのは間違いない。

 これは連邦軍の人的資源という意味でもそんな感じだ。

 MSのパイロットとして選ばれた、言わば精鋭……ヤザンやモンシアのようにあくまでも技量的な意味だけでの精鋭だが、そんな精鋭が敵に近接攻撃を挑んであっさりと殺されたなんて事になったら、それこそ洒落にならないだろう。

 ましてや、連邦軍はビームライフルの技術ではジオン軍の上を言ってる以上、その優位性を自分から捨てるといった真似をする必要はない。

 遠距離から一方的に攻撃が出来るのに、わざわざ近接戦闘をするのは……ああ、まぁビームライフルのエネルギー切れとかになったら、仕方がないのかもしれないが。

 

「言っておくが、俺の5号機だって別に近接戦闘が出来ない訳じゃないぞ」

 

 フォルドが、俺を見ながらそう言ってくる。

 フォルドの乗っていた5号機がビームサーベルを装備していた事を思い出す。

 

「だろうな。それは分かってる。けど、ジャイアントガトリング砲の威力が強いからといって、その武器に頼りすぎたというのは痛かったな。もしあの模擬戦でも俺が近付いてた時にジャイアントガトリング砲を捨ててビームサーベルに持ち替えていれば、ああも簡単に負ける事はなかった筈だ」

 

 ジャイアントガトリング砲は、威力が凄いがその分だけ砲身が長いし、重量もある。

 当然、ガンダムであろうとも、そのように巨大な武器を持っていれば、どうしてもそれが足手纏いになる。

 

「ぐっ、わ、分かってるよ」

 

 フォルドも自分のミスを認める事は出来たのか、悔しそうにしながらそう言葉を返す。

 自分のミスをしっかり認められるんだから、まだこの先伸びる可能性は十分にある。

 ガンダムのパイロットに選ばれた時点で、操縦センス的な意味での心配は必要ないんだろうけど。

 

「それで、アクセルの乗ってる7号機はどういう機体なんだ? 見たところ、いたってノーマルな機体のように思えたけど。武器もビームライフルとビームサーベルといったように普通だったし。敢えて特別な武器と言えば、グレネードランチャーか」

 

 エイガーのその言葉に、ルースとフォルドの2人も興味深そうにこちらに視線を向けてくる。

 やはり同じガンダムのパイロットだけに、俺の7号機がとういう特性を持っているのか気になっているのだろう。

 ここで隠しても、それこそ7号機を開発した連邦軍にはその辺りのデータがあるのだから、いずれ知られてしまう。

 なら、素直にこちらの性能を教えておいた方がいいか。

 

「俺の7号機は、FSWS計画に適応する為に開発された機体だ。ああ、ちなみにFSWS計画ってのは、簡単に言えば装甲や武器を外付けする計画だな」

「ああ、だから7号機にはマウントラッチが多いのか」

 

 ルースの言葉に、エイガーも頷く。

 実際、7号機の外見は見て分かるくらいにマウントラッチとかがあるので、普通のガンダムと比べると、かなり違和感がある。

 

「ちょっと待て。そうなると、俺との戦いでは手加減してたってのか?」

 

 フォルドが不満そうに言ってくるが、俺はそれに首を横に振る。

 

「いや、違う。まぁ、フルアーマー化されてなかったのは事実だが、7号機は素の状態でもかなりの性能を持つのは間違いない。そういう意味では、あの模擬戦はしっかりと本気を出したよ。それにファーストアーマーとかを使ってとなると、それはそれでまた色々と慣れるのに時間が掛かっただろうし」

 

 そう告げるも、フォルドは完全に納得した様子を見せずに、若干不満そうな様子のままで俺に視線を向けるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1570

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