フォルドとの模擬戦が終わり、その後のディスカッション……と呼ぶのが正しいのかどうかは分からなかったが、ともあれそんな話し合いが終わると、俺の姿は格納庫にあった。
元々、俺はこのガンダム7号機が最終調整をされている格納庫にやってくるつもりだったんだが、その途中でフォルドとルースに遭遇し、模擬戦をやるって事でシミュレータの置かれている部屋に行ってエイガーと遭遇したんだよな。
結果として、ガンダム4号機から7号機までのパイロット4人が揃って集まった形になる訳だが……これって、もしかして原作だとアムロがやったイベントだったりするのか?
ジャブローの功績か何かで、アムロには今まで使っていたガンダムの代わりに、7号機が与えられる事になって、フォルドとルース、エイガーに遭遇したとか?
可能性としてはない訳ではないが……微妙なところだろう。
そんな風に考えつつ、俺は格納庫でメカニック達が色々と調整をしている7号機に視線を向ける。
基本的な外見という点では、シミュレータで使ったのとほぼ同一だ。……シミュレータなんだから、それはある意味で当然なのかもしれないが。
「すまない、ちょっといいか?」
俺をここまで案内してきた軍人が、近くにいたメカニックに声を掛ける。掛けるが……
「ああっ!? こっちは今忙しいんだ! 下らねえ用件なら、後にしやがれ!」
メカニックというよりは、下町の工場の親っさんといった表現が相応しいような中年の男が、鋭い視線で軍人にそう告げる。
話し掛けた軍人が思わずといった様子で数歩後退ってしまいかねない、そんな様子で。
とはいえ、軍人としても俺の案内を頼まれた以上、ここで手を抜くような真似は出来る筈もない。
「重要な用件です」
数歩後退ったが、それでも何とか踏みとどまって軍人はそう告げる。
そんな軍人の様子に何を感じたのか、メカニックの男は深く息を吐き、頭を掻きながら口を開く。
「分かった。それで何の用だ?」
「ガンダム7号機のパイロットをお連れしました」
「あ? ……おい、もしかして、そこの坊主がパイロットだとか言うんじゃねえだろうな? 7号機は純粋な性能だけで言えば、連邦軍やジオン軍の中でも最高峰の代物だ。だが、それだけに荒馬に近い。その機体をしっかりと操れる奴じゃなきゃ、どうしようもねえぞ」
機体性能を重視して、パイロットの事を何も考えていない感じの機体が7号機なんだろう。
そういう意味では、シャドウミラーの技術班関係で俺にとってもお馴染みだったりする。
そして、今の俺の外見から考えれば、あのメカニックにしてみれば、俺がそういう暴れ馬を乗りこなせるとは到底思えないのだろう。
もっとも、そう思っても仕方がない。
今の俺は10代半ばの姿である以上、そんな風に見られてもしょうがないのだから。
「ガンキャノンとガンダムピクシーに乗ってジオン軍と戦い続けてきた経験があるが、それでも不満か?」
「ああ?」
俺の言葉に、メカニックは訝しげに……そして、俺の言葉の真偽を問うかのように、俺の様子を見てくる。
だが、ぶっちゃけ、今の俺の外見を見ても実力が見抜ける筈もなく……
「少なくても、シミュレータを使った模擬戦では、7号機のデータでフォルド中尉のガンダム5号機を倒しましたよ」
俺を案内してきた軍人の言葉に、メカニックは改めて俺を見る。
「……俺の目では、とてもじゃねえがそれだけの実力を持ってるようには見えねえがな。まぁ、いい。本当にそれだけの実力を持ってるのなら問題はねえ。だが、もし口だけでそんな事を言ってるのなら……7号機に乗ったところで、ろくに操縦出来ねえぞ? それどころか怪我を……いや、最悪死ぬかもしれねえんだぞ?」
「その辺は問題ない。取りあえず乗せてみれば分かるさ」
「取りあえず最終調整が終わるまでは、後20分くらいだ。その後でお前が7号機に乗ってみて、お前の反応に合わせた設定をしてやる」
そう言いつつも、このメカニックが俺や軍人の言葉を本当に信じているかどうかと言われると、正直微妙なところだろう。
シミュレータを使った模擬戦とはいえ、俺の実力をその目で見ている軍人は、目で謝罪の意思を示す。
自分の言葉だけでメカニックに俺の実力を信じさせることが出来なかったのが、悔しいのだろう。
そんな軍人に気にするなと頷くことで告げ、メカニックに話し掛ける。
「分かった。なら、その調整が終わるのを待ってるよ」
「俺達の邪魔はするなよ。向こうに椅子があるから、それに座って待ってろ」
それだけを言うと、メカニックは再び自分の仕事に戻っていく。
かなりぶっきらぼうな言葉遣いではあったが、実際に忙しいというのは間違いないのだろう。
それを思えば……まぁ、あの態度も許せないではない、か?
そんな風に思い、俺は軍人と一緒に格納庫の端にある椅子の集まってる場所に向かう。
どうやら、ここはメカニック達が休憩する場所らしく、周囲には7号機に関するスペックデータやら何やらが書かれている書類が乱雑に積み重なっている。
「すみません、アクセルさん。私がもう少し上手く説明出来ればよかったのですが」
「気にするな。あの手のタイプは、基本的に人から聞いた話だけで信じたりはしない。あくまでも自分の目で見て、それでようやく信じられるようになるんだ。だから、お前がその辺を気にする必要はない」
そう言いながら、近くのテーブルに置かれている書類に手を伸ばす。
やはりそこには7号機についての情報が色々と書かれていた。
それこそ、本来なら完全に部外秘になってもいいような情報が。
メカニック達も、このような情報がなければ上手い具合に整備は出来なかったのだろう。
それは分かるが、そんな書類を出しっぱなしにしておくってのは……どうなんだ?
それも、油汚れとかが結構付着してるのが分かる。
機密書類の類をそんな適当に扱ってもいいのか?
そう思わないでもなかったが、取りあえずそのおかげで暇潰しをしながら7号機の情報を得られるのだから、それでよしとしておく。
お、普通に7号機のマニュアルもあるな。
フルアーマーガンダム7号機や重装フルアーマーガンダムについての情報もレビルやゴップから渡された書類よりも正確に書かれていた。
俺にとっては非常にありがたい。
そんな訳でマニュアルを読み進めていく。
途中で何度か軍人が俺に話し掛けてきたようだったが、それは聞き流し……
ごんっ、という音と共にテーブルが揺れたのを感じ、マニュアルから顔を上げる。
するとそこには、先程俺が話したメカニックの姿があった。
何故か額に血管を浮き上がらせているが、その辺は俺にはあまり関係ない事だと思っておこう。
「どうした?」
「……ったく、度胸だけは一人前だな。7号機の最終調整は終わったぞ。これから、訓練場に移動して機体の調子を確認してみる。行くぞ」
「分かった」
短く答え、MS運搬用のトレーラーに積み込まれた7号機に視線を向けてから、俺は立ち上がるのだった。
「うん。まぁ……こんな感じか」
訓練場で7号機を動かしながら、そんな風に呟く。
機体は俺が思った通りに動く。
勿論機体の追従性という点で問題となっているのだが、それはT-LINKシステムがない以上はどうしようもない。
ピクシーと同等……もしくは若干追従性は上か?
最新鋭機だけに、このくらいはある意味で当然なのかもしれないが。
そんな風に思いながら、訓練場で7号機の様子を確認していく。
『……どうだ?』
不意に通信が送られてくる。
映像はなく、音声だけの通信ではあったが、それでもその声の主が誰なのかというのは、容易に想像出来た。
間違いなく、この通信の主はあのメカニック……俺と軍人が声を掛けた相手だろう。
「そうだな、悪くはない。機体の反応速度もそれなりだし」
『それなり? ……それは強がりで何でもなく、本気で言ってるのか?』
メカニックの男の声が驚きに染まるのが、映像モニタに映像が表示されてなくても理解出来る。
にしても、全天周囲モニタか。
ゴップやレビルから7号機の書類を見せて貰った時から予想していたが、かなり便利な代物だ。
考えてみれば、こういうのはすぐに思いついてもいいようなものだが……まさに、コロンブスの卵だな。
とはいえ、周囲全てが映像モニタになってるとなると、その辺になれない者は酔ったりしてもおかしくはない。
普通にMSを操縦するのとは、また別の能力が必要となってくるだろう。
MSの適性はそれなりに厳格な代物だ。
この全天周囲モニタによって、弾かれるような者も出て来るだろう。
とはいえ、これが慣れでどうにかなるのなら、ある程度対処するのは難しくはないと思うが……うーん、正直なところどうなのか分からないな。
『アクセル?』
「ん? ああ、悪い。ちょっと全天周囲モニタを見ていたからな。えっと、何の話だったか。ああ、そうそう。機体の反応速度に関して言えば、本気だぞ」
『マグネットコーティングの効果で、普通なら機体の過敏さに扱えるかどうかも分からないってくらいなんだけどな』
しみじみと呟くメカニック。
メカニックにしてみれば、自分達では完全に扱うことが出来ないマグネットコーティングの機体を操り、その上でまだ足りないといった風に言う俺の言葉が信じられないのだろう。
その辺は人間と混沌精霊の違いだろう。
というか、生身での戦いが行われている世界……ネギま世界やペルソナ世界の者なら、結構マグネットコーティングに対応出来る奴はいるような気がすると思うのは、気のせいか?
『ともあれ、機体の様子は大体分かった。次は、MSの戦闘だ。ビームライフルは威力を極限まで低くしている模擬戦用の設定だし、ビームサーベルの方も同様の設定だから、それを使って模擬戦して貰う。実際に戦ってみないと、設定の中でも分からない事はあるからな』
メカニックのその言葉は納得出来るものがあるので、俺も特に異論は唱えない。
……それで7号機の設定が完璧になるのなら、それこそ願ってもないことなのだから。
「分かった、俺はそれで構わない」
こうして、7号機とジムの模擬戦を行う事が決まる。
当然のように、模擬戦に参加するジムにとっても、高性能MSを相手にする事になるので、向こうは向こうで本気だ。
まぁ、向こうが本気でなければこちらとしても意味はないので、特に問題はない。
ただし、敵のジムは6機。
基本的に3機のMSで1個小隊となるので、合計2個小隊といったところか。
ガンダム7号機の性能を考えると、ジム1機では意味がないというのは分かるが、それでも6機か。
俺が7号機を動かしている光景を見てそうなったのか、それとも俺が今までホワイトベースで活躍してきたのを理解してこういう風になったのか。
その辺の理由は俺にも分からないが、ともあれ模擬戦が始まる。
……ちなみにこの模擬戦、何気に連邦軍のお偉いさんも結構見学に来ているらしく、レビルの姿も司令部には見えた。
俺に渡した7号機が、一体どのくらい動けるのかというのを調べたいのだろう。
ジムが纏まってこちらに向けてジムライフルを撃ってくる。
……纏まるのはいいが、どうせならある程度散らばって射撃の効果範囲を広めた方がいいと思うんだが。
そんな風に思いつつ、俺はスラスターを使ってその場から退避しつつ、ジムとの間合いを詰める。
当然、その時にはこちらも相応にビームライフルを撃つ。
威力そのものは模擬戦用に極限まで低くしてあるが、それでも命中すれば模擬戦用のシステムが命中判定をするのは変わらない。
早速そのビームライフルが命中し、2機のジムが連続して撃墜扱いとなった。
纏まっているので、的として考えるともの凄く狙いやすいんだよな。
それ以外にも、向こうの実力は高くないのは明らかだ。
一応MSを操縦するのには問題ないようだが、だからといってそれでしっかりとこちらの動きに対応出来るとは限らないのだから。
いきなり2機が撃墜されて、必死に反撃をしてくるジムだったが、ペイント弾やビームスプレーガンは移動している7号機を捉えることは出来ない。
素の状態でも、7号機はかなりの高性能機だ。
メカニックとの話の中で、フォルドやルース、エイガー達との話でした内容をしたのだが、実際に機体の整備しているメカニックによると、4号機と5号機は連携を前提として開発された機体で、6号機は中距離用の機体、そして7号機はFSWS計画にも関係しているが、純粋に総合性能向上機といった感じで開発された機体という認識らしい。
あくまでもメカニック達が感じている事で、実際に開発者達がどんな風に考えて開発したのかは、俺にも分からない。
だが、恐らく間違いないだろうというのが、予想だ。
そんな事を考えながら戦いを続け……残り4機のジムは、次々と撃破されていくのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1570