転生とらぶる   作:青竹(移住)

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2510話

 ブライトから話を聞いた翌日、俺の姿はジャブローにあった。

 とはいえ、ジャブローの内部……連邦軍の本部たる地下空間ではなく、あくまでも地上にある密林にだ。

 そんな密林で、俺はメカニック達が俺に合わせて調整した7号機に乗っている。

 とはいえ、4号機から6号機までの最終調整もあるので、結局FSWS計画が適応されたフルアーマーガンダム7号機ではなく、素の状態の7号機だが。

 もっとも、素の状態の7号機であっても、その性能はガンダムよりも上だ。

 模擬戦をやる上で、問題はないと言えるだろう。

 

「綾子、そっちの準備は?」

『問題ないわ。それにしても……こっちにとっては、かなり不利な条件ね』

 

 綾子が少しだけ不満そうにぼやく。

 とはいえ、その気持ちは分からないでもない。

 今回の模擬戦は、本来ならジャブローで訓練をしていたMSパイロットの候補生とホワイトベースのMS部隊が戦うといった予定だった。

 当然のように、ホワイトベースのMS隊は精鋭揃いである以上、連邦軍のMS部隊は練度の差を数で補う事になっており、50機近いMSを用意したらしい。

 で、そんな模擬戦に突然参加する事になったのが、俺達だ。

 正確には、ホワイトベース隊の傭兵組たる俺と綾子。

 ……傭兵組という意味ではブリッジで操艦を担当するミナトもいるのだが、今回ミナトはMSパイロットではないので休みとなった。

 つまり、今回の模擬戦はジャブロー組VSホワイベース組VS傭兵組となる訳だ。

 それも、傭兵組は俺と綾子の2人だけ。

 人数で言えば圧倒的に不利だし、模擬戦前のブリーフィングではジャブロー組が楽勝という顔をしていたが、ホワイトベース組は真剣な表情で悩んでいた。

 俺と綾子はホワイトベース組の中でもトップクラスの実力の持ち主だし、綾子のMSは陸戦型ガンダムで、量産されたMSの中ではかなり高性能なMSだ。

 そして俺のMSは、ガンダム7号機。

 ピクシーよりも性能が高く、射撃武器もビームスプレーガンや90mmサブマシンガンしかなかったピクシーに比べると、明らかに上だ。……一応、頭部バルカンもあったか。

 

「取りあえず、最初に攻撃するのはジャブロー組だな。数も多いし、出来るだけ数は減らしておきたい」

 

 ジャブロー組が操縦するジムは、数が多いだけに厄介だ。

 特に今回は実弾を使っている機体はペイント弾を使っているので、ルナ・チタニウム製の装甲を持つ機体であっても、ペイント弾に命中すればダメージを受けたと判断されてしまう。

 ……この辺は、結局のところはあくまで模擬戦でしかないってことだよな。

 

『問題ないわ。……始まったわね』

 

 綾子の言葉の途中で、模擬戦が開始される。

 まさか、俺と綾子の会話を聞いていた訳ではないんだろうが……ともあれ、模擬戦が開始された以上は、こちらも動く必要がある。

 ミノフスキー粒子散布下という設定になっているので、レーダーも殆ど使えない状態になっている。

 だが……俺と綾子にしてみれば、このくらいは特に何の問題もなく行動出来た。

 

「行くぞ」

『了解』

 

 言葉少なに意思疎通を完了させ、密林の中を移動する。

 すると、10分も経たないうちに、3機のジムを発見した。

 1個小隊のそのジムは、近付いてきている俺と綾子の姿に全く気が付いた様子がない。

 ここまで近付けば、性能が低く設定されているレーダーであっても反応してもおかしくないんだが……模擬戦という事で緊張してるのか、もしくは興奮しているのか。

 その辺の理由は俺にも分からなかったが、こちらに気が付いていないというのであれば、こちらとしてもやりやすい。

 通信を送ると気が付かれるかもしれないので、綾子の陸戦型ガンダムに向かって軽く手を動かし、合図する。

 それを見て頷く陸戦型ガンダム。

 そして……俺と綾子は、一斉に3機のジムに向かって攻撃を開始する。

 俺はビームサーベルを引き抜き、頭部バルカンを発射しながら。

 ジムの機体にペイントの花が幾つも生まれ、多少なりともダメージを与えたとシステム的に判断されたのかジムの動きが鈍くなる。

 そのような状況であっても、咄嗟にジムマシンガンやビームスプレーガンをこちらに向けてくる辺り、ある程度しっかりと訓練はされているのだろう。

 だが……遅い。

 敵が武器を構えてこちらに対応しようとした時、既に俺の操縦する7号機は1機目のジムの胴体を攻撃し、続けてその後ろにいるもう1機のジムのコックピットがある部分をビームサーベルで攻撃し、残りの1機は綾子の操縦する陸戦型ガンダムのビームライフルによって撃破扱いとなる。

 攻撃を仕掛けてから結果が出るまで、数秒。

 俺と綾子の連携がしっかりと噛み合った結果だったと言ってもいい。

 

「よし、まずは3機だな。次だ。ホワイトベース組と遭遇する前に、ジャブロー組は出来るだけ多く落としておきたい。アムロ達との戦いで茶々を入れられるのは困るしな」

 

 ホワイトベース組の中でも、アムロやユウといった面々はかなりの強敵と言ってもいい。

 それ以外にもヤザンやカイ、フィリップといった面々はかなり腕が立つし、シローの指揮能力も厄介だ。

 そのような面々と戦う時に余計な邪魔をされないように、今のうちにジャブロー組の数を減らしておきたいというのが、正直なところだ。

 だが、当然のようにホワイトベース組も俺達がその辺を狙っているのは予想している筈だ。

 正面から戦えば、俺達とホワイトベース組では俺達の方が有利だ。

 そんな状況でホワイトベース組が俺達に勝つ為には、ジャブロー組を上手く使う必要がある。

 ……ジャブロー組は、自分達がそんな風に使われるとは思ってもいないのだろうが。

 ともあれ、俺と綾子はジャブロー組を見つけては、次々に撃破していき……

 

「綾子」

『分かってるわ』

 

 俺が一声掛けると、綾子は短く頷く。

 そして、陸戦型ガンダムと7号機はすぐにその場から離れ……次の瞬間、俺達がいた場所の付近を中心にして、派手にペイントが飛び跳ねた。

 ガンタンクかガンキャノンか分からないが、ペイントをたっぷりと入った低反動キャノンが発射されたのだろう。

 ジャブロー組の数を減らすのが早すぎたか?

 それでホワイトベース組は俺と綾子の位置を把握して、牽制射撃……いや、牽制砲撃をしてきたといったところか。

 どうやってジャブロー組を減らしているのかを理解したのかは、俺にも分からなかったが。

 ともあれ、このガンキャノンやガンタンクの低反動キャノンは厄介だ。

 ……近付けば、カイの乗ってるガンキャノンはともかく、ガンタンクの方はどうとでもなるんだが。

 ガンタンクは接近されると、腕のミサイルしか攻撃手段はない。

 そして移動するのもキャタピラである以上、敵に接近された時点でどうしようもなくなってしまう。

 まぁ、元々ガンタンクは後方から援護射撃を行う目的で開発されたんだし、当然の事だが。

 これで、陸戦強襲型ガンタンクのようなのなら、こういう密林の中でもある程度戦いようがあったのかもしれないが。

 

「取りあえずガンタンクは邪魔だな。ジャブロー組を撃破しつつ、見つけたら可能な限り早く撃破すると」

『そうした方がいいわね』

「なら、早速」

 

 そう言いながら、俺と綾子は密林の中を走る。

 だが……当然ながら、ガンタンク隊も自分達が接近されれば対処しようがないというのは知っている以上、そう簡単に見つからないようにしておくのは当然だった。

 そして、ガンタンク隊を見つけるよりも前に、ジャブロー組のジムを6機見つける。

 どうやら2個小隊で移動していたらしい。

 その気持ちも分からないではなかったが、ともあれこちらとしては見つけた以上見逃すという選択肢はない。

 

「綾子」

『分かってるわ』

 

 接触回線で先程と全く同じ言葉を交わし、意思疎通を完了。

 この時点で、既に敵がどうなるかというのは決まっていた。

 ビームライフルを素早く3連射。

 放たれた3つのビームは、それぞれ一切の狂いもなくジム3機のコックピットに命中し、撃墜判定を下す。

 そうして仲間の3機がやられたところでようやく向こうもこちらの存在に気が付いたのか、慌ててジムライフルの銃口を向けようとするが……そのうちの2機のコックピットに綾子の操る陸戦型ガンダムのビームライフルが命中し、残り1機もコックピットへの命中は避けたものの、右肩に命中判定が出る。

 珍しく綾子が射撃を外したのを見て、7号機はビームサーベルを構えたまま一気に前に出て、コックピットを貫く。……いや、ビームのレベルは最弱だから、実際には貫くんじゃなくて触れてるだけだが。

 ともあれ、その一撃によって6機目のジムも模擬戦のシステムによって撃墜扱いになる。

 動きを止めたジムを一瞥し、手で先に進もうと綾子の陸戦型ガンダムに合図をして進む。

 にしても、綾子が射撃を外すとは思わなかったな。

 いや、3連射して全部命中させてるんだし、そこまでおかしな話ではないか?

 俺が呆気なく連射してそのような真似が出来るのは、PPを使ったステータスで命中の数値を上げているというのもあるし、それ以外にも幾つもの……それこそ数え切れないくらいの戦いを潜り抜けてきた、膨大な経験があるからでもある。

 そう考えれば、MSのような人型機動兵器はW世界で初めて乗った綾子が射撃をミスするのはおかしな話ではない。

 

「次に行くぞ。出来ればジャブロー組の数はこれ以上減らしたくない」

『そうね』

 

 綾子が俺の言葉に頷く。

 ジャブロー組は俺達にとっては敵だが、同時にホワイトベース組にとっても敵だ。

 それこそ俺達とホワイトベース組が戦っている時、戦場にちょっかいを出して場を混乱させるという意味では非常にありがたい。

 勿論、戦場を混乱させれば俺達にも被害はある。

 被害はあるが……2人の俺達と多数のホワイトベース組のどちらがより大きな被害を受けるのかと言われれば、それこそ考えるまでもなく明らかだろう。

 だからこそ、壁としても使えるジャブロー組はこれ以上減らすような事はせず、今は少しでもホワイトベース組を……それも、可能であればアムロやユウといったエース級を倒してしまいたい。

 ……勿論エース級である以上は、そう簡単に倒すことが出来ないというのは、分かっているのだが。

 ともあれ、今はまずやるべき事をやる必要があった。

 綾子の陸戦型ガンダムと共に、ジャブローの密林を進む。

 そうして進み続け、数分。

 視線の先では、ジム同士で戦っている光景を目にする。

 ただし、片方は4機でもう片方は3機。

 ホワイトベース隊の中で普通のジムを使っているのは、ヤザンの小隊だけだ。

 そしてヤザンの小隊が3人である以上、視線の先で誰がどう動いてるのかというのは、考えるまでもなく明らかだった。

 さて、そうなるとどっちを攻撃するか。

 いや、考えるまでもなくここではヤザンの小隊だろう。

 ホワイトベース組は出来るだけ早く叩いておきたいというのは、間違いのない事実だし。

 特にヤザンは、今ではホワイトベース組の中でも上位に位置する技量を持っている以上、余計にここで叩いておきたい。

 

「ヤザン達を倒すぞ。俺がヤザンをやるから、綾子はダンケルとラムサスを頼む」

『了解。アクセルの事だから大丈夫だとは思うけど、ミスらないでよ?』

 

 冗談っぽく言ってくる綾子と接触回線での通信を終了し……ヤザン小隊がジャブロー組の4機に対して攻撃を仕掛けている隙を狙って、ビームライフルのトリガーを引く。

 ヤザンもかなり技量は上達したが、それでも気配の類で敵の位置を察知して攻撃をする……といったような真似は、当然のようにまだ出来ない。

 結果として、背後からいきなり撃たれたヤザンは撃墜扱いとなり、それによって動揺したダンケルとラムサスの2人が操るジムも、綾子の陸戦型ガンダムのビームライフルによって撃墜扱いとなり……それを見て唖然として動きを止めたジャブロー組のジムをこの場に残して、俺と綾子は即座に撤退する。

 ここで即座に反応出来ないところが、まだ実力不足、経験不足といったところだよな。

 ともあれ、今回に限っては俺達にとって幸いだったので、特に不満を口にするような事はなかったが。

 ジャブロー組も、一連の動きから自分達だけで俺達に対処するのは難しいと判断したのか、こっちを追ってくるような事はない。

 そうして次の場所に向かっていると……

 

「嬉しいやら、残念やら」

 

 目の前にアムロのガンダムとカイのガンキャノンがいるのを見て、そう告げる。

 ホワイトベース隊の中でも主力と言ってもいいような相手だけに、ここで潰せば楽になる。

 だが、実戦ならともかく、模擬戦のシステムにおいてはアムロのガンダムを楽に倒すというのは難しく……また、向こうもここで俺達と相対する事になるとは思わなかったのか、動きを止める。

 だが、双方共に動きを止めたのは一瞬。

 次の瞬間には攻撃に移ろうとし……

 

『模擬戦中止! 模擬戦は中止する!』

 

 不意に聞こえてきたその声に、攻撃しようとした動きを止めるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:955
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1570

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